海外大学進学情報

コロナ禍だから生まれた!「新しい留学スタイル3」


いまだ、新型コロナウイルスは世界に暗い影を落とし、多方面で様々な影響が続いています。このような状況では、留学はあきらめないといけないのかな?と思っている方も多いのでは。ですが、決してそんなことはありません。
今回のパンデミック発生から1年余りが過ぎ、世界の教育界でもオンラインの発達や各種制度の整備が進んでいます。当初よりも、様々なスタイルで海外留学を経験することができるようになりつつあります。オンラインならではのメリットも考慮しながら、自分に合った留学スタイルを選ぶ時代になってきているのです。

コロナ禍だから生まれた新しい留学スタイル3

コロナ前までの一般的な留学スタイルは、海外の大学(またはファウンデーションコース)に合格したら、なるべく現地で実践的な英語を身につけることを重視する傾向がありました。そのため、高校卒業後はできるかぎり早く渡航することも当たり前だったと言ってよいでしょう。しかしこのコロナ禍により入国制限を行う国も増え、海外渡航が難しいという状況が続いたことで、「とにかく早く現地に行く」だけではない新留学スタイルが浸透しつつあります。 そこで、今回は海外大進学を目指すコロナ禍の留学スタイルを3つご紹介します。それぞれのメリット・デメリットもあわせて、自分の進路選びの参考にしてください。

新・留学スタイル① 入国できる国を選んでできるだけ早く渡航!スタイル

こんな方におすすめ

・憧れの海外大進学に向けて、とにかく現地に「行って」、海外で生活しながら英語力を伸ばしたい!と思う方
・見知らぬ街の文化や風土に触れたり、異なる背景を持つ人々と交流したり、といった海外での経験を数多く積み重ねることを重視する方

新型コロナウイルスの影響は残っているものの、海外ではすでに外国からの入国が許可されている国もあります。一刻も早く海外に行きたいという方は、現時点で国外からの留学生の受入れが可能な国・学校を選び、海外生活の用意が整ったら、タイミングを見計らって渡航しても良いでしょう。下の表をぜひ参考にしてみてください。

コロナに関する規制が緩和されていても街にはいつもより人手が少なかったり、マスク着用義務や集会についての制限などが課せられている可能性もあります。その一方で、渡航者の入国を認めているような国や都市ではお店や公共施設などはある程度開いており、通常の生活にはそれほど支障がないことが多いようです。現地の雰囲気やカルチャーに浸りながら、実践的に英語能力を鍛えることができ、大学入学までしっかり準備していくことができるでしょう。

もちろん、入国時の自主隔離や検疫などの規制はあります。渡航前にあらかじめ、自分が暮らす都市の感染症対策が十分に実施されているかどうかも、わかる範囲で入念にチェックすることをおすすめします。

<主な国の入国に関する状況>(2021年3月2日現在)

国名 日本からの入国の可否 入国に関する規制(行動制限等)
アメリカ ・米国到着前14日以内にEUのシェンゲン協定加盟国26か国とイギリス、アイルランド、中国、イラン、ブラジル、南アフリカに滞在歴のある外国人は入国禁止
⇒日本からの入国は条件付きで可能

・国外から空路でアメリカへ入国する2歳以上の全ての渡航者に、出発前3日以内にPCR検査による陰性証明書または感染から回復したことを示す診断書の提示を義務付け
・検査が陰性でも到着後7日間は自宅待機(自主隔離)を推奨
・州や地域で施行されている規制の遵守
※到着後7~14日間の自己隔離やマスク着用を義務付けている州や地域あり
カナダ ・カナダ国民及び永住権保持者とその近親者、または特別な事情を認められた者以外の入国を制限
⇒州政府から認められた新型コロナウイルス対策を有する教育機関に通学する留学生(学生ビザを保有)は入国を許可
⇒日本からの入国は条件付きで可能

・全ての入国者に対し、到着空港におけるCOVID-19テストを実施し、検査結果が出るまでの3日間は政府指定のホテルでの隔離、さらに14 日間の隔離期間終了前に再度COVID-19テストを実施
オーストラリア × ・オーストラリア人及び永住者とその近親者を除くすべての渡航者の入国を禁止
⇒日本からの入国は当面不可

※国外からの到着者(基本的にはオーストラリア国民または永住権保持者とその近親者のみ)には、指定施設にて14日間の自己隔離を義務付け。また、空港でチェックイン時にCOVID-19検査の陰性証明を提示する必要あり(フライト出発予定時刻の72時間以内にPCR検査を受けなければならない)
イギリス ・直近10日間に共通旅行領域(the Common Travel Area)の外(日本を含む)から英国へのすべての入国者に対して、10日間の自己隔離を義務付け
⇒日本からの入国は条件付きで可能

・自己隔離期間中の2日目と8日目の検査の受検(イングランド)
・全国的なロックダウンルールの遵守
※イングランドへ渡航するためには、出発する前の3日以内に受検した検査の陰性証明書が必要
※スコットランド、ウェールズ、及び北アイルランドについては、それぞれが自己隔離措置についての詳細を個別に設定

入学前後の過ごし方のヒント

<入学前>

現地の対面可能な語学学校に通って、英語力のアップを図るのが良いでしょう。学校によって対応は異なり、クローズしているところやオンラインの授業のみといったところもあります。比較的、大学付属や系列の語学学校は授業が行われている場合が多いようです。
また、留学生でも就業可能な国であれば、アルバイトをしてコミュニケーションの実践力を養うこともよいかもしれません。ただし、コロナ禍で求人は減っている可能性があるので、現地でしっかり状況を見極めましょう。

<入学後>

国や学校によって異なりますが、現状では、全面的に対面授業が再開しているという大学より、「現地で」オンライン授業に参加+一部通学という“ハイブリッドスタイル”の大学が多くなっています。せっかく海外に行ってるのにオンラインなの?それなら日本にいても同じじゃない?と思われるかもしれませんが、そうとも言い切れません。大学の寮での生活がスタートできれば友達がつくれますし、オンライン授業における時差の問題がないため生活リズムを守りながらしっかり学べるなど、現地にいることならではのメリットも多く、コロナ禍の中でも渡航する意義は十分にあると言えます。

新・留学スタイル② 国内滞在でコロナが終息してから渡航!スタイル

こんな方におすすめ

・各国や日本の新型コロナウイルスの感染状況や、渡航への対応などをウォッチしながら、なるべく日本国内で待機したい方
・コロナに関する状況が好転したらすぐにでも海外に行きたいが、今はもう少し様子を見たい方

海外大への進学や語学留学などが決まっている、もしくは検討してはいるものの、現状の新型コロナウイルスの感染状況ではなかなか渡航に踏み切れない、という方もたくさんいらっしゃいます。そういう場合は、各国の状況を注視しつつ、ある程度コロナが落ち着くまで日本国内で準備を進めるという選択をするのが良いでしょう。オンラインを上手に利用しつつ、慣れ親しんだ国内で快適な生活を送りながら英語力を着実に伸ばしたり、アルバイトで資金をためたりと、時間を有効に使うことができます。

ただし、国内で準備を進める場合でも、あらかじめ渡航時期の目安は決めておくことをおすすめします。日本と海外では学校の学期制度が異なるため、国内にいると必要書類を取るタイミングなどをうっかり逃してしまうなどのミスも起こりがち。必ず海外大の入学タイミングから逆算して、今やるべき行動を見極めていくことが大切です。

<主な国の入学時期>

国名 一般的な入学時期の目安
アメリカ 9月 または 1月
カナダ 9月 または 1月
オーストラリア 1月末~2月 (または7月)
イギリス 9月 (または1月)

※いずれの国も、州や地域によっては入学時期が異なる場合があります。また、学期ごとに入学を認めている学校もあります。

渡航タイミング別過ごし方のヒント

<「ひとまず海外大入学まで国内→入学とともに渡航」の場合>

高校卒業後にすぐに渡航せず、海外大の入学時期までは日本にいるパターン。入学後に授業で通用する英語力を、日本国内で最大限に高めておくのがおすすめです。海外の語学学校の中にはオンライン化を進めているところもありますので、可能であれば現地の学校が提供しているオンライン授業を受講してみると、生の英語に触れることができます。もちろん、日本の語学学校やオンライン英会話などでも大丈夫です。

また、国内の大学を併願校として受験し、海外大の入学ギリギリまで国内大に通うというやり方もあり。数か月間、国内大で語学を含めしっかり学ぶことができるので、時間を無駄にすることがありません。その間に大学で親しい友人を作ったり、教授とのパイプを作ったりと、帰国後の人脈を確保しておくこともできます。これまで海外大に進学した先輩の中にも、いったん国内大に入学するルートを選択した人は多く、かなり有益な方法といえます。

<「大学入学後も国内→コロナが終息したら渡航」の場合>

留学は絶対にしたいけれど、海外の文化に触れたり、現地の人とコミュニケーションしたりするのは「コロナ後」に!と思っている方は、状況が落ち着くまで日本にいるという決断をしても良いでしょう。現在、海外の大学のほとんどが遠隔教育の整備&改善を進め、かなり質の高いオンライン授業が提供されるようになっています。それにより、コロナ終息まで日本にいてオンラインで学ぶ「国内留学」も実質的に可能な学校も。大学によって対応が異なるため、自国に留まったままオンラインで受講する、現地か自国かどちらで学ぶか選択する、など大学からの指示がある場合は、それに従いましょう。予算や時期が合えば、思い切って「休学」や「入学延期」を選択することも可能です。

オンラインで提供される授業では、録画システムや相談サポート機能も充実しつつありますが、海外大ならではのディカッションや少人数制のクラスは基本的にリアルタイム受講が必須。日本時間の深夜・早朝になる場合も多々あるため、日本にいてオンラインで学ぶ際は、生活リズムなどをしっかり調整する必要があります。

新・留学スタイル③ 渡航しない!国内で「オールオンライン」スタイル

こんな方におすすめ

・新型コロナウイルスへの不安が強く、できれば渡航は避けたい、けど留学はあきらめたくない!と思っている方
・海外大学の学位は取得したいが、費用を極力抑えたい方

新型コロナウイルスに対して強い警戒感があり、日本から外に出ること自体に不安を感じる方は、国内に留まったまま学ぶという手もあります。
海外大の中には、現在も講義・授業がすべてオンラインで行われている、もしくは、対面授業かオンラインかを選択できる学校がいくつもありますが、さらに一歩進んで、海外にはすでにオンラインの授業に特化し、完全オンラインプログラムで学位取得までが完結するオンライン大学も存在します。

いきなり見ず知らずの海外の土地で、しかもコロナ禍で街があまり機能していないという状況の中では、英語力に自信があってもなくても、新しい生活を軌道に乗せていくのは人によってはかなり大きな負担になります。それと比較すると、生活し慣れた日本の自宅で、オンラインで海外大の教育を受けられるのは精神的にも身体的にも、金銭的にも大きなメリットがあると言えます。
海外に出るのは不安という方は、日本にいながらにして憧れの海外大の学位が取得できるうえ、留学費用もぐっと抑えることができるオンラインプログラムがある大学を検討してみると良いでしょう。

<オンライン大学の例>

■フロリダ大学(University of Florida)【フロリダ州ゲインズビル・州立】
学部および大学院レベルで200を超えるオンラインプログラムが提供されています。学士号プログラムでは、「経営管理」「看護」「広報」「犯罪学」「心理学」などが人気です。オンラインクラスの大部分は録画およびアーカイブされているため、学生は都合の良いときに講義資料にアクセスできます。

■オレゴン州立大学 (Oregon State University)【オレゴン州コーバリス・州立】
OSU Ecampusを通じて30以上のオンライン学位が提供されています。うち学士号プログラムは、「人類学」「漁業および野生生物科学」「持続可能性」「社会学」など20あり、人気がある選考はコンピュータサイエンスや心理学などとなっています。Ecampusの学生は、図書館、コンピューターのヘルプデスク、キャリアサービス、および学生サービスセンターにもアクセスできます。

オンライン大学とは違って学位の取得はできませんが、誰もがオンラインで大学の講義を主とした講座を受講できる「MOOC(ムーク)」と呼ばれる学習プラットフォームも近年注目を集めています。基本的に無料で、世界のトップ大学の講義の動画が数多く提供されているプラットフォームもあります。国内大に通いながら「海外の超名門校の授業を受けたい!」という願いを叶えてくれる便利なサービスですので、興味があればぜひ利用してみましょう。

<MOOC(オンライン学習プラットホーム)の例>

■edX(エデックス)
ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学の2校が「founder」(創立校)となって発足。160以上の提携校があり、人文科学、数学、コンピューターサイエンスなど3000科目以上のコースを提供しています。

【参考ページ】:edX(https://www.edx.org/

■Coursera(コーセラ)
スタンフォード大学の2人の教授によって設立。200以上の主要な大学や企業と提携し、ビジネス、コンピューターサイエンス、データサイエンス、言語学習など4,700以上のコースを提供しています。

【参考ページ】:Coursera(https://www.coursera.org/


 

 

全世界的に多くの行動制限が強いられ、もどかしい状況をもたらした新型コロナウイルスですが、この困難を乗り切るために大学・語学学校のオンライン化が一気に進み、各種手続きや授業が遠隔で受けられるようになったのも事実。コロナ禍を機に、留学生にとっては多様なスタイルを「選べる」時代になったとも言えます。こんな時代だから海外留学はあきらめる、のではなく、こんな時代でもできる自分らしい「学び」を選び取りたいもの。コロナが終息し、自由に海外に飛び立てる日のために、今の自分にはどの留学スタイルが合っているかしっかり考えておきましょう。

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※この記事でご紹介している内容は2021年3月5日現在の情報に基づいています。

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