海外大学進学情報

オンライン全盛だからこそ!世界の名門海外大の授業を体験してみよう


全世界を席巻している新型コロナウイルスの脅威の中で、世界の大学教育において、オンライン学習が非常に重要な役割を担うようになっています。以前からオンライン教育の先進国であったアメリカでは、ほとんどの大学でオンラインコースが提供され、完全オンラインの学士号プログラムなども提供されていましたが、このコロナ禍で世界中の大学があらゆる手段でオンラインの教育コンテンツを提供するようになってきています。大きな厄災の中ではありますが、世界的にオンライン学習が脚光を浴び、広く普及するきっかけともなりつつあるのが現状です。

ここで注目したいのが、各大学が単位や学位が取得できるよう独自に提供しているオンラインコースではなく、誰もがインターネットを通じて大学の講義を主とした教育を無料で受講できる、「MOOC(ムーク)」と呼ばれるオンラインの学習プラットフォーム。もともと便利な仕組みでしたが、コロナの影響でますます注目度がアップし始めています。世界的な名門大学も講義を提供しており、海外大進学を目指す高校生にとっても英語力を鍛えたり、海外の大学の雰囲気、志望大や学部、コースの目標を考えたりするときにもおおいに役に立つはずです。この機会に、ぜひ体験してみましょう。

世界の名門大の授業を体験できるオンライン学習

おすすめのオンライン学習プラットホーム

世界中の大学から信頼されているオンラインの学習プラットフォーム「MOOC」には、代表的なものだけでも「Udacity」「edX」「Coursera」「Khan Academy」「Udemy」など、いくつものサービスがあります。今回はこれらの中から、MOOCのパイオニア的存在と言われる「edX」と「Coursera」をご紹介します。
この2つのプラットフォームでは世界のトップ大学の講義の動画が数多く提供されており、どちらも基本的には無料(一部有料)。ほとんどの講座は年齢・性別・学歴などに関係なく、インターネット環境さえあれば誰でも受講可能です。海外大への進学を考えている学生の場合、気になる大学のプログラムを受講してみると大学のアカデミックな雰囲気や校風をつかめるので、学校研究に役立つ使える良質なツールとして活用することができます。学びたい分野の授業が公開されていればチェックしてみてはいかがでしょうか?

※MOOCとは「Massive Open Online Course:大規模オンライン公開講座」の略称で、インターネットを通じて、海外や遠方の教育機関の講義を視聴することのできるプラットフォームのことです。複数形で「MOOCs」と表現されることもあります。

edX(エデックス)

2012年、アメリカを代表するハーバード大学とマサチューセッツ工科大学の2校が「founder」(創立校)となって発足しました。提携校はすでに60校近くあり(東京大学、京都大学など日本の大学も参加)、人文科学、数学、コンピューターサイエンスなどの科目のコースはなんと2800以上。世界で2500万人以上が利用しています。

【参考ページ】:edX(https://www.edx.org/

Coursera(コーセラ)

2012年4月にスタンフォード大学の2人の教授によって設立。51か国、200以上の大学や研究機関が、ビジネス、コンピューターサイエンス、データサイエンス、言語学習など4,700以上のコースを提供(日本からは東京大学が参加)。世界中でこれまでの利用者が6000万人を超えています。

【参考ページ】:Coursera(https://www.coursera.org/

MOOCではなにがチェックできる?

いつでも、どこでも、誰もがオンラインで質の高い講義を受けることができるMOOCには様々なメリットがあります。ここでは、海外大学への進学を目指す学生の視点に絞って、どんなメリットがあるか見てみましょう。

●各大学の校風や教室内の様子、教授の雰囲気がわかる

大学選びをする際に、やはり気になるのが各大学の個性や雰囲気。新型コロナウイルスの影響もあり、海外の大学に見学に行くことがなかなか難しい状況にある今、オンラインで講義の様子を見ることができるのは、大学を知る貴重な機会です。講義動画の映像は大学によってそれぞれスタイルが違いますが、少しでも大学の雰囲気を感じるのに役立つことがあります。

●大学ごと・専攻分野ごとの、授業の組み立て方や特徴の違いが確認できる

高校までの授業と、大学での授業には大きな違いがあります。海外の大学ともなると、なかなか想像すらできないかもしれません。もし学びたい分野や興味がある内容のコースやプログラムがあれば受講してみると、海外大学で学ぶ自分のイメージを、より膨らませることができます。また、同じ専攻分野でも大学や教授によって授業の組み立て方や内容に特徴があることも。いくつか気になる講義を受講して比較してみるのも良いでしょう。

●自分に合う学びの分野を探せる

MOOCでは非常に幅広い分野で、数多くの講義が提供されています。これまで知らなかったような専攻分野やテーマに、たくさん出合うことができます。コース・プログラムの一覧を見ているだけでも刺激になりますし、視野が広がっていくでしょう。基本的に受講は無料なので、興味をひかれた内容のコースにどんどんチャレンジしてみると自分がやりたい学びを発見するきっかけになるかもしれません。

MOOCの受講の手順

「edX」「Coursera」でコースを受講するための手順を、それぞれ簡単にご紹介します。

edX

① edXアカウントを作成する(無料)

<必要となる情報>
・メールアドレス
・フルネーム(獲得した証明書に表示される)
・フォーラムでのパブリックユーザー名 ※作成したユーザー名は変更できない
・パスワード
・国名

② 興味のあるコースをコースカタログで探す

【参考ページ】edX Courses

③ 受講したいコースの[概要]ページで参加条件等を確認し、[Enroll]ボタンをクリックして登録する

※コースとプログラムが提供されています。一般的なコースは無料で受講できますが、プログラムは基本的に有料となります。
※オンライン学位を取得できるプログラムなども提供されています(有料)。

④ コース内の課題(テスト)で合格点を取り、修了条件を満たした場合は、有料で修了証明書(Certificate)を発行してもらうことができる

※edXで発行される証明書には、単一コースの修了証明書と、プログラムを修了した場合のプログラム証明書があります。
※料金はコースによって異なります。(すべてのコースが証明書を提供しているわけではありません)

Coursera

① Courseraのアカウントを作成する(無料)

<必要となる情報>
・メールアドレス
・フルネーム
・パスワード

② 興味のあるコースを検索する

【参考ページ】トピックやスキルを検索|Coursera

③ 受講したいコースのページで参加条件等を確認し、[無料で登録]ボタンをクリックして登録する

※数百あるコースは聴講モードであれば無料で、オンデマンドのビデオ講義、宿題の演習、コミュニティディスカッションフォーラムにアクセスすることができます。
※コースのほかに、ガイド付きプロジェクト(2時間未満で職務に関連するスキルを身に付ける講座)やプロフェッショナル認定、オンライン学位を取得できるプログラム等も提供されています(有料)。

④ コース受講中または受講後に決められた料金を払うと採点課題にアクセスすることができ、コースを完了すると修了証(Certificate)が発行される

※電子修了証がログイン後の自分の成果のページに表示され、印刷することも可能です。
※料金はコースによって異なります。

MOOCで受講できるコース例

「edX」「Coursera」で提供されている、英語で受講できる数週間程度の無料コースをいくつかご紹介します。

edX

Rhetoric: The Art of Persuasive Writing and Public Speaking(レトリック:説得力のあるライティングとスピーチの芸術)
提供:ハーバード大学
レベル:Introductory
期間:8週間(週に2-3時間)

このコースでは、説得力のあるライティングとスピーチの芸術であるレトリックの理論と実践に触れる中で、多くの場面で説得力のある議論や重要なスキルを構築し、守ることを学びます。著名な20世紀のアメリカ人から選ばれたスピーチを使用して、修辞的な構造とスタイルを調査および分析し、この分析を通じてスピーカーやライターが聴衆・読者に彼らと同じ視点を持つような説得力のあるコミュニケーションを行う方法を理解していきます。

【参考ページ】Rhetoric: The Art of Persuasive Writing and Public Speaking|edX

Programming for Everybody (Getting Started with Python) (みんなのためのプログラミング)
提供:ミシガン大学(University of Michigan)
レベル:Introductory
期間:7週間(週に2-4時間)

このコースは、Pythonプログラミングの「前提条件なし」入門です。Pythonを使用してコンピュータをプログラミングする基本をすべての人に教えることを目的としています。変数、条件付き実行、繰り返し実行、および関数の使用方法など、Pythonの一連の単純な命令からプログラムを構築する方法の基本について学習します。コンピュータの経験が中程度であれば、このコースの教材を習得できるはずです。

【参考ページ】Programming for Everybody (Getting Started with Python)|edX

Becoming an Entrepreneur(起業家になる)
提供:マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology)
レベル:Introductory
期間:6週間(週に1-3時間)

このコースは、起業家志望者のためのプレミアプログラムであるMIT Launchから、起業家としての道を歩むために必要なビジネススキルとスタートアップの考え方を学びます。新しいビジネスアイデアの開発、市場調査、製品の設計とテスト、売り込みに至るまで、MITの規律ある起業家精神、無駄のない方法論、デザイン思考を活用して成功したアプローチをもとに、コースの内容が設計されています。ビジネスや起業経験は必要なく、すべての年齢・バックグラウンドの人々を対象としています。

【参考ページ】Becoming an Entrepreneur|edX

Coursera

The Science of Well-Being(幸福についての科学)
提供:イェール大学(Yale University)
レベル:Mixed
期間:10週間(約19時間で修了)

このコースでは、自分の幸せを高め、より生産的な習慣を築くために設計された一連の課題に取り組みます。課題への準備として、まずは幸福についての誤解、自らを幸せにするものを誤って予測する人間の心の迷惑な特徴を学び、次いで私たちを変えるのに役立つ研究について明らかにします。最終的には、行動を変えて特定のウェルネスアクティビティを生活にうまく取り入れることができるようになる方法を探ります。

【参考ページ】The Science of Well-Being|Coursera

Learning How to Learn: Powerful mental tools to help you master tough subjects(学習方法の学習:難しい科目を習得するのに役立つ強力なメンタルツール)
提供:マックマスター大学(McMaster University)/カリフォルニア大学サンディエゴ校(University of California San Diego)
レベル:Mixed
期間:4週間(約15時間で修了)

このコースでは、芸術、音楽、文学、数学、科学、スポーツ、および他の多くの分野の専門家が行っている貴重な学習技術にアクセスします。脳が2つの非常に異なる学習モードをどのように使用するか、および脳が情報をカプセル化(「チャンク」)する方法について学習します。また、学習の錯覚、記憶技術、先延ばしへの対処、研究によって示された最も効率の良い方法についても解説します。これらのアプローチを使用すると、習得したいトピックのスキルレベルに関係なく、考え方を変えて人生を変えることができます。

【参考ページ】Learning How to Learn: Powerful mental tools to help you master tough subjects|Coursera

Game Theory(ゲーム理論)
提供:スタンフォード大学(Stanford University)/ブリティッシュコロンビア大学(The University of British Columbia)
レベル:Beginner
期間:8週間(約12時間で修了)

ゲーム理論とは、合理的(および非合理的)エージェント間の戦略的相互作用の数学的モデリングのこと。チェス、ポーカー、サッカーなどの一般的な言語で「ゲーム」と呼ぶもののほかに、国家間の紛争、政治キャンペーン、企業間の競争、およびNYSEなどの市場での取引行動のモデル化が含まれます。このコースでは、ゲームと戦略の表現、広範な形式(コンピュータ科学者がゲームツリーと呼ぶ)、ベイジアンゲーム(オークションなどのモデル化)、反復的で確率的なゲームなどの基本を学びます。

【参考ページ】Game Theory|Coursera

Psychological First Aid(心理的応急処置)
提供:ジョンズ・ホプキンズ大学(Johns Hopkins University)
レベル:Mixed
期間:5週間(約6時間で修了)

このコースでは、RAPIDモデル(内省的リスニング、ニーズの評価、優先順位付け、介入、および処置)を使用して、緊急時に人々に心理的な応急処置を提供する方法を学びます。RAPIDモデルは身体的な性質を超えた怪我やトラウマについての視点を提供するため、公衆衛生の設定、職場、軍事、信仰に基づく組織、大規模災害現場、さらには事故、強盗、自殺、殺人、またはコミュニティの暴力の心理的余波への対処など、より一般的な重大なイベントの要求にも容易に適用が可能です。さらに、RAPIDモデルは、個人およびコミュニティの回復力の促進に効果的であることがわかっています。

【参考ページ】Psychological First Aid|Coursera

※この記事でご紹介している内容は2020年8月21日現在の情報に基づいています。

LINE UP

海外、国内を問わず、グローバルな進路を実現する
学習プログラムをご用意しています