「英語で」学べる大学・学部 2023年度最新情報⑦ 立教大学 GLAP、異文化コミュニケーション学部、グローバルコース(国際ビジネス法学科)
ここ数年続いていたコロナ禍がようやく終息に向かい始め、留学を含めたグローバルな人の動きも活発化してきている昨今。ただ、海外で学びたいという思いを抱きながらも、海外大への進学はまだ少し不安が残るという方も少なくないでしょう。
そんな方には、欧米の大学に近い国際的な環境や「英語で」学ぶ授業、リベラルアーツ教育の実践、留学制度の必修化など、それぞれの個性を強く打ち出している国内のグローバル系大学・学部も十分に選択肢の1つとなりえます。
このシリーズでは、国内・海外問わずグローバル視点での大学選びの一助としていただくため、「英語で学べる」ことに実績・定評がある日本の大学・学部の、コロナ禍の状況を含めた最新入試情報をお届けしています。2023年度入試の第7弾は、立教大学のGlobal Liberal Arts Program(GLAP)、異文化コミュニケーション学部、法学部国際ビジネス法学科グローバルコースを取り上げます。
【参考ページ】:Global Liberal Arts Program(GLAP)|立教大学
【参考ページ】:異文化コミュニケーション学部|立教大学
【参考ページ】:法学部国際ビジネス法学科グローバルコース|立教大学

(1) どんな学びができる?
立教大学は、1874 年の創立以来、キリスト教に基づく教育とリベラルアーツの理念を礎に、真の国際人を育成する教育を実践しています 。現在は10学部27学科8専修1コースが設置されており、英語で学べるグローバルな学部・学科がいくつもあります。その中から、3つをピックアップしてご紹介します。
GLAPとはどんなコース?
GLAPは、21世紀のグローバル社会をリードする人材を育成するため、2017年に誕生した先進的なプログラムです。リベラルアーツを英語で学ぶのが大きな特徴で、さまざまな課題に向き合う思考力や変革力、異なる価値観を持つ人々と共に生きる力を養います。特にGLAPでは、少人数の授業の中で徹底的に討論し、自分の考え方を鍛え上げ、自らの言葉で発信することを重視しています。
また、カリキュラムには1年間の海外留学が組み込まれています。留学前にHumanities、Citizenship、Business 分野を中心に幅広く学び、帰国後は3 分野から1つを選択して、その分野を中心に学びを深め、卒業論文を執筆します。
GLAPの特色(概要)
◇世界を視野に、 リベラルアーツを英語で学ぶ
GLAPは入学時から4年間、原則英語のみで学位の取得が可能なコースです。GLAPでの学びや経験を通じて、英語によるコミュニケーション力、思考力、表現力など、実践的な英語力や卒業後に広く世界で活躍できる力を身につけることができます。
◇一人ひとりに主体的に行動する意識が芽生える少人数教育
GLAPでは1学年の人数が20名と教員との距離が非常に近く、学生一人ひとりがきめ細かな指導を受けることができる教育環境が整っています。1年次には最大5名の超少人数で導入教育の「Tutorial」を行います。学生が自ら積極的に学修に取り組めるよう、 文献講読やエッセイ・ライティング、 ディスカッション、プレゼンテーションなどのスキル、クリティカル・シンキングやアカデミック・ライティングなど、論理的思考の基盤となる力を身につけます。
◇1年間の海外留学でリベラルアーツの真髄を学ぶ
2年次秋学期から3年次春学期までの1年間、原則、全員が海外の協定校に留学します。協定校はいずれも厳選したリベラルアーツ教育を重視している大学です。留学にあたっては、アカデミックアドバイザーと連携し、履修状況なども考慮して、留学先や履修科目を検討します。
◇留学生との寮生活を通して国際感覚を養う
留学先での寮生活を視野に入れ、国際交流寮で生活することができます。寮では留学生も一緒に生活するため、多様なバックボーンを持ち、国籍や文化、価値観の異なる人々と共同生活を行うという、貴重な経験を重ねていきます。
異文化コミュニケーション学部とはどんな学部?
異文化コミュニケーション学部は、コミュニケーションの基本となる日本語と英語の力を徹底的に鍛えるとともに、さらにもう1つの言語とその文化について学び、さまざまな立場や視点から他者を理解するための力を身に付けることを目指す学部です。原則全員参加の海外留学や、企業や地域との連携など、理論と経験を結び付ける実践的な学びで、実社会で生きるコミュニケーション力を磨いていきます。
同学部には、英語と日本語、2つの言語と高度な専門知識を使って、柔軟に問題対応ができる人材を育成するDual Language Pathway(DLP)というプログラムも設けられています。日本語で考察、理解、発信する力に加え、国際共通語である英語で読み、議論し、発信する力を身につけ、現実に根ざした実践的スキルを駆使できるようになるための4年間のプログラムです。卒業に必要な専門科目を全て英語で学ぶほか、2年次には原則1年間の海外留学を経験し、卒業研究(論文)も英語での提出が求められます。
DLPの定員15名、入試も個別に行われます。少数精鋭の学修環境で、グローバル社会に貢献する人材を育成しています。
Dual Language Pathway(DLP)の履修の特色
- 1)「Academic Skills」で英語によるレポート作成など基礎的スキルを学び、学部教育科目を英語で履修することで、海外の大学で英語による専門科目の授業を受けられる水準を目指します。
- 2)「ベーシックセミナー」で日本語でのアカデミックスキルを学び、自身の関心のある研究領域における学びを日英両言語で深めるため、日本語による科目(10単位+α)も卒業要件単位として認定されます。
- 3)卒業研究(論文)は必修。英語で論文を完成させます。
- 4)2年次秋学期には、学部間協定大学への1年間の留学など、長期留学を目指します。
法学部国際ビジネス法学科グローバルコースとはどんなコース?
法学部国際ビジネス法学科に、2022年4月より新設された「グローバルコース」。法律の観点から外国企業との取引のための交渉や、紛争の予防・解決に向けた考え方について学び、国際舞台で通用する法知識とセンスを磨くコースです。
このコースは、すべての専門科目を英語で履修することで卒業できるコースとなっています(希望に応じて日本語科目も受講できます)。少人数での授業を中心とし、法律だけでなく交渉術に関する基礎的な素養や書面作成術を英語で学び、得られた知識を発信するための能力を修得します。英語科目の豊富さは、他大学の法学部と比べても独自のものといえます。
また、「オックスフォード・サマープログラム」などの海外留学も推奨されています。
グローバルコースのカリキュラムの特色
- 1)卒業に必要な専門科目をすべて英語で学ぶことができます。(日本語で展開される科目も履修可能です)
- 2)少人数での授業が中心です。
- 3)夏休み4週間をオックスフォード大学の寮で過ごしながら西洋文化とイギリス法などを学ぶ「オックスフォード・サマープログラム」に参加して単位を修得することができます。
- 4)立教大学が国際交流協定を結ぶ大学に加えて、法学部が学部間交流協定を結ぶシンガポール経営大学(法学部)も留学先に選ぶことができます。
(2) 2023年度の入試情報
2023年度入試制度の特徴・内容
GLAP、異文化コミュニケーション学部 Dual Language Pathway(DLP)、法学部国際ビジネス法学科グローバルコースでは、国際コース選抜入試が行われています。
また、法学部国際ビジネス法学科グローバルコースでは、2023年度より新たに「外国人留学生入試」(書類選考による募集制度)も導入されます。
<国際コース選抜入試>
グローバル社会に貢献できる人材を育成するコースや、英語のみで卒業要件単位を修得できるコース等での学修を希望する方を選抜する入試です。
Global Liberal Arts Program(GLAP)
■募集人員:12名程度
※国際コース選抜入試内の併願はできません。
■英語に関する出願資格:(*1)
- 次の英語資格・検定試験のいずれかの成績を取得している者。
- (a)ケンブリッジ英語検定スコア160点以上
- (b)実用英語技能検定[英検]スコア2,600点以上
- (c)GTECスコア1,190点以上
- (d)IELTS(Academic Module)オーバーオール・バンド・スコア 5.5以上
- (e)TEAPスコア309点以上
- (f)TEAP CBTスコア600点以上
- (g)TOEFL iBT®テストスコア72点以上
*1) 利用できる英語資格・検定試験についての注記【全学部共通】
- ⃝ケンブリッジ英検については、Linguaskillも有効とします。A2 Key、B1 Preliminary、B2 First、C1 Advanced、C2 Proficiencyの試験種別を利用可能とします。A2 Key、B1 Preliminary、B2 Firstについてはfor schoolsも利用可能とします。出願資格に定める条件を満たしていれば、各試験種別の合格・不合格に関わらず出願可能です。
- ⃝実用英語技能検定[英検]については、英検(従来型)、英検CBT、英検S-Interview、英検S-CBTいずれも有効とします。出願資格に定める条件を満たしていれば、各級の合格・不合格に関わらず出願可能です(一次試験で取得したスコアのみで基準を満たした場合でも、二次試験を受験している必要があります)。一次試験と二次試験が別日である英検(従来型)、英検S-Interviewについては、二次試験を出願期間の初日から遡って2年以内に受験したものを有効とします。
- ⃝GTECについては、CBTタイプ、検定版いずれも有効とします。アセスメント版は利用できません。
- ⃝IELTS(Academic Module)は、IELTSコンピューター版も有効とします。IELTS Indicatorは利用できません。
- ⃝TOEFL iBT®テストについては、(Special) Home Editionも有効とします。また、Test Date Scoresを有効とし、My Best™ Scoresは利用できません。
■出願書類:
・入学志願票
・志望理由書
・調査書
・英語資格証明書
■選考方法:
【第一次選考】(書類選考)
提出した書類に基づき、高等学校での学業成績、資格・能力、志望理由などが総合的に評価されます。
【第2次選考】
入学後の勉学に必要な基礎的な学力、勉学への意欲、志望する分野に関連した素質等について総合的に評価して合格者が選考されます。
<試験科目>
・筆記試験:英語による小論文(与えられた英文を読み、そのテーマについて書かれた小論文から、読解力・論理的構成力・文章表現力などを総合的に評価)
・面接
異文化コミュニケーション学部 Dual Language Pathway
■募集人員:15名程度
※国際コース選抜入試内および帰国生入試との併願はできません。
■英語に関する出願資格:(*2)
- 次の英語資格・検定試験のいずれかの成績を取得している者。
- (a)実用英語技能検定[英検]スコア2,400点以上
- (b)IELTS(Academic Module)オーバーオール・バンド・スコア 6.0以上
- (c)TEAPスコア332点以上
- (d)TEAP CBTスコア671点以上
- (e)TOEFL iBT®テストスコア80点以上
*2) 利用できる英語資格・検定試験についての注記
- ⃝実用英語技能検定[英検]については、英検(従来型)、英検CBT、英検S-Interview、英検S-CBTいずれも有効とします。出願資格に定める条件を満たしていれば、各級の合格・不合格に関わらず出願可能です(一次試験で取得したスコアのみで基準を満たした場合でも、二次試験を受験している必要があります)。
- ⃝IELTS(Academic Module)は、IELTSコンピューター版も有効とします。IELTS Indicatorは利用できません。
- ⃝TOEFL iBT®テストについては、(Special) Home Editionも有効とします。また、Test Date Scoresを有効とし、MyBest™ Scoresは利用できません。
■出願書類:
・入学志願票
・課題小論文
・調査書
・英語資格証明書
■選考方法:
【第1次選考】(書類選考)
提出した書類に基づき、高等学校での学業成績、資格・能力、志望理由などを総合的に評価されます。
【第2次選考】
入学後の勉学に必要な基礎的な学力、勉学への意欲、志望する分野に関連した素質等について総合的に評価して合格者が選考されます。
<試験科目>
・面接(異文化コミュニケーションに関する30分の英語による講義を聴講後、講義に関する文章を英語で書き、その後面接試験を実施)
法学部国際ビジネス法学科グローバルコース
■募集人員:15名程度
※国際コース選抜入試内および帰国生入試との併願はできません。
■英語に関する出願資格:(*1)
- 次の英語資格・検定試験のいずれかの成績を取得している者。
- (a)ケンブリッジ英語検定スコア153点以上
- (b)実用英語技能検定[英検]スコア2,180点以上
- (c)GTECスコア1,115点以上
- (d)IELTS(Academic Module)オーバーオール・バンド・スコア 5.0以上
- (e)TEAPスコア280点以上
- (f)TEAP CBTスコア540点以上
- (g)TOEFL iBT®テストスコア62点以上
■出願書類:
・入学志願票
・志望理由書
・課題小論文
・調査書
・英語資格証明書
■選考方法:
【第1次選考】(書類選考)
提出した書類に基づき、高等学校での学業成績、資格・能力、志望理由などを総合的に評価されます。
【第2次選考】
入学後の勉学に必要な基礎的な学力、勉学への意欲、志望する分野に関連した素質等について総合的に評価して合格者が選考されます。
<試験科目>
・面接(グローバル化した現代社会の問題を扱った30分の英語による講義を聴講後、面接試験を実施)
<外国人留学生入試(書類選考による募集制度)>
法学部国際ビジネス法学科グローバルコースでは、外国人留学生入試(書類選考による募集制度)が2023年度入試より導入されました。出願資格をクリアすれば、書類選考のみで合否が判定されます。
■募集人員:若干名
※異文化コミュニケーション学部で実施する外国人留学生入試(筆記試験及び面接による募集制度)とは併願可能(ただしDual Language Pathwayは対象外)
立教大学で英語で学びたい場合、どんなことに興味があるか、どんな社会貢献をしたいかなどから「英語で学ぶ」学部・学科を選ぶのがおすすめです!
(3) 現在の学びのスタイル
2022年度の立教大学の授業は、大きく分けて3種の授業形態「対面科目」「オンライン科目」「オンデマンド科目」に分類され、さらに「対面科目」「オンライン科目」については、授業回ごとの形態別回数に応じて2種に分類されています。
2022年度の開講科目の多くは「対面科目」として開講されていますが、一部の開講科目については、教育上の必要性や教育効果の観点から、遠隔での授業を取り入れて開講されています。
また、立教大学では、独自の「新型コロナウイルスの社会的状況に応じた活動制限指針」を設定しています。2022年3月22日以降、制限レベルは「1(感染が一定程度にとどまっている状態)」を保っています。制限レベル1における授業実施内容・試験実施内容については、下記の通りです。
<授業実施内容>(制限レベル1)
- ●対面授業回は、感染拡大に最大限の配慮をして実施する。
- ●オンラインまたはオンデマンドによる実施への変更も可とする。
<試験実施内容>(制限レベル1)
- ●筆記試験:すべての授業形態について、シラバスに記載した成績評価方法が「筆記試験」の場合、感染対策に十分配慮した上で対面により実施する。
- ●レポート試験:2022年度秋学期は、すべてWeb受付により実施する。
(4) キャンパスの様子
■課外活動
「新型コロナウイルスの社会的状況に応じた活動制限指針」における制限レベル1では、下記の通りとされています。
○オンラインでの活動を推奨するが、感染拡大に最大限の配慮をすることを条件に、対面による課外活動を認める。
新型コロナウイルス感染症拡大予防のためのガイドライン(2022年度版)
立教大学では、キャンパス内における感染症拡大予防のガイドラインが定められています。(2022年12月12日更新)
<ガイドラインの概要(抜粋)>
1. 日常生活
・毎日、朝晩2回の検温を行い、日々の体調を把握する
2. 感染予防
・キャンパス入構時はマスク等を着用し、対面で会話をする際には必ずマスク等を着用する。ただし、屋外において、人と人との間隔が十分にあり会話がない場合は、マスクを外しても良い。
※ マスクは感染防止効果の高い不織布タイプを推奨するが、体質的に合わない場合は、ウレタン製や布製マスクでも良い。いずれの場合も、鼻を確実に覆うようにマスクを装着すること。
3. 学内での行動
・「健康管理・行動履歴シート」を利用して、毎日健康状態、行動を記録する。
・ エレベーター内は「密」な状態となるため、体の不自由な方、機材の運搬等以外は階段を利用する。
・食事中は会話を控え、会話は食後にマスク等を着用のうえ行う。
など
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※この記事でご紹介している内容は2023年1月20日現在の情報に基づいています。
※内容には変更等の可能性もありますので、必ず大学発表の「入学者選抜要項」「学生募集要項」等をホームページなどで確認してください。