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アメリカの大学で定着しつつある「オンラインコース」のメリット・デメリットは?

グローバル海外進学コラム

海外の大学で学びたかったら、「海外留学」する。当たり前のように感じるその感覚も、世界では次第に変わりつつあります。とくに、オンライン教育の先進国であるアメリカでは、現在ほとんどの大学でオンラインコースが提供されていますし、完全オンラインの学士号プログラムを提供する学校も増えてきています。オンライン学習というと、日本ではまだあまり馴染みがなく、現実的にはまだまだポジティブなイメージがないのは否めない状況ですが、アメリカの教育省(United States Department of Education)の国立教育統計センターによると「2018年秋にはアメリカの学生の3分の1以上が少なくとも1つのオンライン授業を受講している」というデータがあるほど、アメリカの大学では広く普及しつつあります。インターネット環境の普及・整備が進んだ現代では、日々進化する新しいIT技術を駆使して、多彩で質の高い授業が受講できることから、オンライン学習は特別なことではなくなってきているのです。

そこで今回は、アメリカの大学における「オンラインコース」について取り上げ、その実態やメリット・デメリットなどをご紹介します。「海外学生だからこそ」のメリットも実はたくさんあるオンラインカレッジ。海外留学を検討している方、「留学はしたいけれど費用が心配だし、渡航にかかる労力やその他、心配なことが多すぎてなかなか踏み出せない」という方にも、注目してほしい情報です。

【参考記事】:新しい大学の形、ミネルバ大学とは

アメリカの大学の「オンラインコース」のメリット・デメリット

世界的なオンライン学習の広がり

近年、日本でも徐々に「MOOC(ムーク)」と呼ばれる、インターネットを利用したオンライン学習システムが注目を集めています。MOOCとは「Massive Open Online Course:大規模オンライン公開講座」の略称で、インターネットを通じて、海外や遠方の教育機関の講義を視聴することのできるプラットフォームのことです。世界中の誰もがオンラインを通じて大学の講義を主とした教育を無料で受講できるようにすることを目的に立ち上げられたもので、アメリカを中心とした世界の大学が講義をアップロードしています。マサチューセッツ工科大やハーバード大といった有名大学をはじめ、講義を提供する大学もかなり増えてきています。10年ほど前から本格的にスタートしたシステムですが、現在では日本でも東京大、京都大、早稲田大など複数の大学がMOOCに参加しています。

MOOCの例

◆Coursera(コーセラ)

スタンフォード大学が2012年に開発したプラットフォーム。3900以上の講義を提供しており、世界中で利用者数が4500万人を超えています。

◆edX(エデックス)

マサチューセッツ工科大学(MIT)とハーバード大学が、2012年に創立したMOOCのプラットフォーム。2500以上のコースが提供されており、世界で1400万人以上が利用しています。

アメリカの大学におけるオンラインコースとは

このように、世界的に広がりを見せるオンライン学習ですが、無料のMOOCではほとんどが単位や学位取得にはつながりません。MOOCに講義を提供する一方で、アメリカでは大学自らが単位や学位が取得できるよう、独自に提供するオンラインコースが増え、非常に充実してきています。前述のアメリカの国立教育統計センターのデータでは、2,000万人を超える学部生および大学院生のうち、690万人以上が少なくとも1つのオンラインクラスを受講しており、そのうち16.3%がオンラインのみのコースを専攻しています。

アメリカの大学のオンラインコースとは、基本的にWEB上でのみ展開される授業や課題によって構成されたプログラムです。インターネット環境さえあれば、キャンパスに通ってくる学生だけでなく、遠方の学生、場合によっては海外にいる学生も受講できるようになっており、単位や学位を取得することができます。アメリカのオンライン教育は世界的に見てもかなり進んでおり、授業の質は高く、科目数も豊富と言われています。各大学で最新のテクノロジーを採用し、オンライン授業であっても教室での授業と差が出ないように工夫されています。

オンラインでの授業の形式に決まったものはなく、大学や学部、プログラム内容によって異なっています。専用のサイトで配信されるオンライン講義に参加するパターンや、メールや掲示板等でディスカッションするパターン、WEB上にアップロードされている資料を読み、与えられた課題をメールで送るといった提出物を基調とするパターンなど様々です。コースによっては、パソコンの画面上に黒板や資料が表示されるとともに、先生やクラスメイトの画像も映し出され、画面を通してディスカッションできるシステムを採用していることもありますし、逆に課題に取り組むのもテストもインターネットを通じて一人で行い、教授と一度も顔を合わせないまま単位が取得できることもあるようです。ただ、いずれの場合も、膨大な量のリーディングや、レポートと論文の作成など、多くの課題が課されるコースがほとんどなので、オンラインとはいえ心して受講することが必要になります。 オンラインコースを受講するには、基本的にキャンパスプログラムと同様に、オンラインでの出願が主流です。英語力などの基準が示されている場合もありますが、一斉テストのような入学試験はなく、書類審査となります。学位プログラムの場合、所定の基礎的なコースの受講が求められることもあります。また、コースが始まる前に受講登録などのためにキャンパスを訪れることが必要な場合もあるようです。

アメリカの大学におけるオンライン授業の一般的なスタイル

オンラインコースの授業の形式は多様ですが、一般的なスタイルとしては以下のようなものが例として挙げられます。

■コースワーク・課題

毎週、もしくは個別に設定された締め切りに間に合わせる必要はありますが、基本的には自分のペースで課題に取り組み、提出します。一般的に、ディスカッションボードでの教授からの質問への回答などのオンライン固有の課題に加えて、研究論文や監督付き試験などの地上プログラムと同様の課題が課されることもあります。
コースによっては、学生同士がインターネット等を介して行うグループプロジェクトや、リモートプレゼンテーションも必要になります。特にグループワークの場合は、ビデオ会議、電話、メールを介して学生同士でコミュニケーションを取りあって進めます。

■ディスカッションボード

インターネット上の、いわゆる掲示板(BBS)のことで、オンラインの科目ではよく使用されます。教授からの質問に対する回答や、課題に関する意見、クラスメイトの投稿に対する意見などを述べる場所として使われます。ボードでのクラスディスカッションに参加する回数を、義務として指定されることもあるようです。

■リアルタイム授業

オンラインでライブ講義を視聴し、場合によってはビデオ会議を通じてディスカッションに参加します。基本的には毎週定時など、時間は決められています。

■スクーリング(キャンパスへの通学)

プログラムの前またはプログラム中に、大学のキャンパスで行われるスクーリングへの参加が義務付けられていることがあります。教授や他の学生とコミュニケーションをとれる機会でもあります。それ以外の時は、ディスカッションフォーラム、ソーシャルメディアで交流することが多いようです。

■監督付き試験

オンラインコースであっても、指定された試験場を訪れて、試験官のいる環境で試験を受けることが必要になることもあります。試験監督者がウェブカメラで監視したり、コンピューターソフトウェアが受験者の画面をチェックして不正行為を検出したりする仮想監視付きの試験をオンラインで受けることもあります。

■学習管理システム(LMS)

一般的に、オンラインコースの学生は定期的に学習管理システム(LMS)にログインすることが必要となります。LMSは仮想ポータルで、このシステムを通じて学生はシラバスと成績の確認、教授・クラスメイト・サポートサービスへの連絡、コース資料へのアクセス、授業の進捗状況のモニターをすることが可能です。

オンラインコース(オンラインカレッジ)の特徴

一般的に、アメリカの大学で学生がオンラインコースを選択するメリットや、デメリット・注意点は、以下のような点が挙げられます。

■メリット

・物理的な制約から解放される

リアルタイムで配信される講義の受講が必要になることもありますが、基本的には自分の好きな時間に、自宅で学習を進めることができます。キャンパスの近くに移り住んで一人暮らしをしたり、遠方まで通学したりする必要がなくなるので、金銭や時間、距離といった物理的な問題で学習をあきらめることがなくなります。世界中の大学が提供しているオンラインコースの中から、自分が純粋に学びたいプログラムを選択できる可能性が広がります。

・通常の4年制大学より学費が安くなることがある

全米で最も有名な大学ランキングを発表していることで知られ、「Best Online Bachelor’s Program」というオンライン学位プログラムのランキングも提供しているアメリカの大手デジタルメディア「U.S. News(US News & World Report)」のデータによると、オンラインコース(学士号プログラム)のプログラム総授業料は38,496ドルから60,593ドルの範囲となっています。 アメリカの公立大学の場合、州内の学生の授業料は平均38,496ドル、州外の学生は54,183ドル。私立大学の平均授業料は60,593ドルとされています。一般的に見れば、私立大学の場合だとキャンパスプログラムに通うよりは、安価で学位が取得できることになります。
ただし、オンラインプログラムとキャンパス内プログラムのどちらがより高価であるかは、大学やプログラムによって異なり、場合によってはオンラインで学士号を取得する方がより費用がかかる場合もあります。また、費用に関して比較する場合は、授業料以外だけでなくその他の経費にも注意する必要があります。キャンパスプログラムには、教科書代、食費、その他の生活費など、公表されている授業料や料金に反映されていない多くの費用がかかる場合がありますし、オンラインプログラムでも公立大学の場合に州外の学生に異なる料金を請求することがまれにあります。さらにオンライン学位プログラムの中には、奨学金制度が適用されないものもあります。自分が興味あるプログラムについては、費用の面も事前にしっかりと調べることが大切です。

・オンラインで取得した単位が、他大学の卒業単位に移行できる

オンラインコースであっても、「大学レベル」と認められる科目である場合は卒業単位として認可され、学位取得につながります。そのためには、オンラインコースを提供している大学が地域の民間の認定協会(accrediting agencies)によってきちんと認定されている(accredited)ことと、受講科目の科目番号(course number)が100番台以上であることが条件となります。また、認められた科目の単位であれば、大学や学部(School)、学科(Department)、専攻(Major)による単位認定の規定に則って、他大学の卒業単位にも移行することが可能です。

■デメリット・注意点

・自主性、計画性がある程度必要

オンキャンパスのコースでは、定期的に学生のスケジュールをサポートする仕組みがあることも多いですが、オンラインコースでは学生の主体性がはるかに強く求められます。オンライン学生は、自らコースのフレームワークを理解し、オンラインフォルダーやカレンダー、学習管理システムからの通知など様々なツールを利用して、自分のスケジュールを責任もって管理することが必要となります。

・モチベーションの維持の難しさ

オンラインコースでは、オンキャンパスのコースと異なり授業への参加を強制される要素が少ないため、履修したコースを修了できる人の比率がオンキャンパスコースよりも低いと言われています。オンラインコースを提供している各大学は、教室での授業と同じ質の教育を提供できるようにさまざまな工夫を凝らしていますが、それでも一人で取り組む課題も多いため、自ら学習環境を整え、モチベーションを維持していくことが大切になってきます。

・カリキュラム内容が大学レベルでないコースを提供している学校もある

営利目的の大学(for-profit university)が提供するオンラインコースでは、プログラム内容、教員、カリキュラム、および学術アドバイスなどに関する情報提供が不足していたり、入学基準などがきちんと設定されていなかったりします。また認定協会によって、大学として認定を受けていない場合も多くあります。オンライン学位プログラムに関する情報、学位要件、コースの説明、専門分野の選択肢、可能なキャリア分野、さらにはシラバスについては、出願前に自分でしっかり確認する必要があります。

・強力なインターネット環境が必要

オンラインコースを受講するためには、最低限必要となるスペックを搭載したパソコンやインターネット環境が必須となります。もし整っていない場合は、受講までに自らの技術的な環境を整備し、コース終了まで維持し続けることが必要になります。基本的に、最新のオペレーティングシステムと最低250ギガバイトのハードドライブを内蔵し、高品質のWebカメラとマイク付きヘッドセットを搭載したパソコン、ブロードバンドインターネットは確実に揃えておくべきです。ソフトウェアの要件は様々で、大学を通じて無料で提供されることもあります。

海外学生だからこそのメリット・デメリットは?

アメリカの大学のオンキャンパスプログラムに留学する代わりに、オンラインコースを選択するメリット・デメリットは、以下のような点が挙げられます。

■メリット

・面倒な手続きを減らしながらも、アメリカの教育システムを体験する機会が増やせる

外国人がアメリカの大学に入学しようとする場合、ビザ、渡航手段、宿泊施設の手配から食事やヘルスケアの選択肢を見つけるところまで、海外への移動に関連するすべての物事をこなさなければなりません。オンラインコースの場合、そうした煩雑な手続きを経なくても、アメリカの大学が設計・提供するプログラムを通じて、アメリカの教育システムで採用されている教育と学習の理論と実践を享受することができます。

・コストが安くなる場合がある

アメリカの大学は、様々な授業料で幅広いオンライン学位プログラムを提供しています。海外からの学生がオンラインコースを受講する際の費用は、渡航費や海外での生活費などを必要としないため、オンキャンパスで学ぶよりは確実に節約できることが多くなります。

・教育を受ける柔軟性が向上する

オンラインコースの学習ペースはプログラムや大学によって異なりますが、特定の時間にライブ講義などがないプログラム設計の場合は、学生は好きな場所で、自分のペースでコースワークを完了することができます。また、オンラインコースの開始日が複数設定されている場合もあり、いつコースを開始するか選択できることもあります。いつでもどこからでも、自分に都合の良いオンラインコースに参加できるのは大きなメリットといえるでしょう。さらに、オンキャンパスとオンラインの両方でコースを開講している大学が多いため、最初の1年はオンラインで履修し、後の1年はオンキャンパスで履修してプログラム修了するといった柔軟なプログラム利用も可能です。

・多国籍で、多様なクラスメイトと学ぶことが可能な場合も

オンラインコースは世界のどこにいても参加が可能なため、同じプログラムに世界中の人が参加しています。そのためオンラインコースでは、オンキャンパスのコースよりもはるかに海外からの学生(留学生)の比率が高くなっていることが多数見受けられます。働きながらオンラインコースで学んでいる人も多く、世界中で活躍している人生経験豊富なクラスメイト一緒に、非常に国際的な環境で学習する機会を得ることができます。

■デメリット

・あくまで自己主導で学習を進める必要がある

基本的には自分自身で勉強する時間や場所を選ぶことができ、定期的・強制的に他の学生に会って刺激を受けることもないため、自分ひとりのモチベーションでメリハリをつけて学習を進めなければなりません。それが学習継続への予想以上に高いハードルとなってしまう場合があるので注意が必要です。また、大学側はオンラインコースによって学生の質を落とし、結果として大学自体の評判を下げることを嫌うため、試験の難易度や評価の仕方はオンキャンパスコースと同レベルか、さらに難易度を上げた厳しい評価となることが多くあります。

・リアルタイム授業(ライブ講義)が、日本人には参加しにくい時間に設定されていることがある

参加が義務付けられているリアルタイムの講義は、アメリカで社会人も参加しやすいように、就業後となる現地時間の平日夕方~夜に設定されていることも多くあります。日本在住のままオンラインコースを受講している場合は、講義が真夜中や早朝といった時間帯になる場合があり、それに合わせて時間管理をする必要があります。

アメリカの大学における「オンラインコース」とは何か、つかめたでしょうか?
同じ「海外留学」を目指す方の中でも、何を求めているか、何を重視したいかは人それぞれ異なっているはずです。海外の大学でしか学べない学問があるとか、海外大学の学位が取得したい、という方もいれば、海外という異文化の中で生活しながら学ぶことにあこがれる方もいるでしょう。
留学して海外の文化や歴史に触れ、教授や仲間と直接触れ合える環境に身を置くことは何物にも代えがたい経験になります。異文化を肌で感じたい、海外生活を体験したい、という場合はもちろん渡航して海外大学に進学するのが一番でしょう。ただ、費用や手続き等、海外留学の前に立ちはだかる様々な壁や、厳しい現実があることも事実です。

しかし、だからといってあきらめるのは早すぎます!学びたい分野や内容がはっきりしていて、学位を取得することを目的とする場合、現代ではオンラインコースという方法を積極的に考えてみてもよいのではないでしょうか。学びたいことを、世界トップクラスの水準で、比較的安価に学べる可能性などを考えてみても、大学のオンラインコースが新しい学びのスタイルとして、日本でも高等教育の進路の選択肢の1つに加わることが一般的になる未来は、近いかもしれません。

※この記事でご紹介している内容は2020年2月21日現在の情報に基づいています。

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