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将来への可能性が広がる!国内・国外大の併願受験5つのメリット


いまだ世界中で続く新型コロナウイルス感染拡大の影響で、今後、日本を含めた世界各国の大学入試がどうなっていくかは不透明な状況にあります。昨日までの「絶対」が意味を持たなくなりつつあるこんな時期だからこそ、自分の未来を決める進路には多様な選択肢を持っておくことをおすすめします。「絶対に留学したい」「どうしてもこの大学に行きたい」と受験校を絞るのも決して間違いではありません。ただ、国内大、海外大の両方を含めた併願受験という対策はリスクヘッジになるのはもちろん、それだけでなく自らの将来を見据えた視野を広げることにもつながり、最終的にベストな選択を導き出せる可能性を高める方法でもあるのです。今回は、併願受験のメリットと対策を具体的にご紹介します。

国内・国外大の併願受験5つのメリット

国内大・海外大の併願受験 5つのメリット

日本国内の大学と海外の大学を併願する、というと非常にハードルが高く感じてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、受験の対策やスケジュールの面からも決して無理なことではありません。国内の大学、海外の大学の両方を視野に入れて受験準備をすることのメリットは大きく5つ。将来の選択肢を広げるヒントになるはずです。

メリット1

選択肢の幅が「世界に」広がるため、落ちたらどうしようという不安が少なくなり、受験に集中できる

受験で最も大切なのは、ただ大学に合格する、ということではなく、「行きたい大学に合格する」ということ。いろいろ調べ、じっくり検討したうえで、学びたい分野を絞り、「ここで学びたい!」と思った大学に合格するのが最高の結果です。ただ、その第一志望が自分の今の実力よりかなり上のレベルであれば、不合格になる可能性ももちろんあります。だからといって、やる前からあきらめて入れそうな大学を探す、とやり方では受験終了後に悔いが残りがち。そんなとき海外大を併願校に含めれば、大学の選択肢は一気に増えます。自分が本当に学びたいことにチャレンジするために、国内外で併願するという方法は非常に有効だと言えるでしょう。

また海外大を第一志望で考える場合、日本の大学とは違って学力試験だけでなく、エッセイや願書などで総合的に合否が確定するため、模試の成績などで合格の可能性をはかるなどということが一概にはできず、不安にかられることもよくあります。 そんなときは海外大だけに絞らず、大学が入試で受験生に求める学力や実績、人間性などに自分の実力を照らして、Dream校(挑戦校)、Target校(実力校)、Safety校(滑り止め校)といったように国内大を含めレベル別に複数の大学・学部を選択して受験することで、最終的にチャンスが増え、不安をある程度和らげることができます。落ち着いて受験準備に集中できれば、第一志望合格への道も拓けてくるはずです。 もちろん、併願の大前提としてあるのは、複数の大学に合格することがゴールではないということ。Dream校(挑戦校)、Target校(実力校)、Safety校(滑り止め校)のいずれも、本当に入学してもよいと思える大学を併願校として選ぶことが非常に大切です。国内・海外にとらわれず、自分のやりたいことが実現できそうな大学を併願校としてしっかり選んでおけば、納得のいく受験になるでしょう。

メリット2

英語力が大きなアドバンテージとして使え、他の教科にも時間を割ける

海外大に出願する場合、外国からの留学生に対してほぼ必ず提出が課せられるのが「語学力を証明する書類」。その大学で支障なく学べるだけの語学力があることを証明するため、英語圏であればTOEFL®テストやIELTSなど英語を母語としない学生の英語力を判定するテストのスコアが必要となるのです。大学のレベルが上がるほど、高い英語力が求められる傾向にあります。 加えて、アメリカの大学の場合はSAT®のスコアが求められる場合も。SAT®は大学進学に適した学力を測る全国共通試験で、読解・数学・論述からなるテストと各科目別テストの2部構成、すべて英語での出題・回答となっています。 海外大合格の1つ目のカギは、やはりTOEFL®テストなどの英語テストやSAT®で高得点をとることであり、そのためにも英語力が大きなポイントです。海外大受験を考えるときにまず取り組まなければいけないのは、英語対策ということになります。

TOEFL®テスト、SAT®は受験回数が複数回あるので、計画的に学習を進め、着実に得点アップを目指していくのが対策の王道となりますが、それは海外大受験だけでなく、同時に日本の大学受験の準備にもしっかり役立ちます。たとえばアメリカの名門校の場合、TOEFL®テストの要求スコアは100以上。海外大学を視野に入れ、TOEFL®テストなどの英語テストで高いスコアが取れる英語学習をしていれば、日本の難関大学に合格できる英語力は十分に身につくと言えるでしょう。わざわざ国内大受験のために英語の勉強に時間をかける必要はなくなり、その他の教科の対策に時間を充てることができます。

メリット3

海外大入試と日本の総合型選抜(旧AO入試)に親和性があり、対策が国内外両方に使える

従来の国内入試では、ほとんどが教科の学力による選抜。それに比べて海外大の入試は「学力+人間力」の総合判定であるところが大きな特色です。期日や受験場所が決められた一斉学力試験を受ける、という日本のような形式ではなく、国や大学によって異なる点はあるにせよ、基本的に合否判定は出願書類による審査となります。前項で挙げた英語力・テストスコアに加え、出願時に提出する様々な書類を通して、高校での成績や課外活動などへの取り組み、何らかの特技や実績などから、自らの個性あふれる人間性をアピールできる人が有利となります。

実はこの海外大の入学審査の方法と非常に近いのが、現在、日本でも増加している総合型選抜(旧AO入試)。総合型選抜は、学力だけでは測れない多様な資質を持った人材を幅広く求めることを主な目的として、私立大・国立大を問わず広く実施されている入試方式です。大学ごとに独自の選抜方法を取っていますが、学力試験が課されないケースが多く、書類審査・面接・小論文などで受験生の能力や適性、入学後の学習への意欲などを判定して選考されるのが一般的となっています。また出願の際にTOEFLなどのスコア提出が必要であったり、高校での様々な活動歴やエッセイで評価されたりすることも多々あります。海外大の入試に向けて英語力に磨きをかけると同時に、自己分析を繰り返し、自分のアピールポイントを考え抜いて出願書類を完成させる、という作業を行っていれば、それをそのまま国内大の総合型選抜に生かしていくことが可能なため、非常に有利と言えるでしょう。 国内のグローバル系大学・学部の多くは総合型選抜を取り入れているため、自分が学びたいことが実現できる併願校も考えやすいという点もメリット。今後、国内の大学入試改革が進めば、さらに多くの大学・学部に総合型選抜が広がっていく可能性は大いにあるため、選択肢が広がっていくことも期待できます。

※国内大学の総合型選抜では併願が認められていないこともあるため、必ず各大学・学部の公式ホームページ等で最新の募集要項を確認してください。

メリット4

スケジュール面で、受験時期がずれているため、併願しやすい

日本の大学と海外大学で異なっているのは、出願・受験システムだけではありません。日本の教育システムでは4月入学がベースであるのに対し、海外の多くの国では9月入学が主流のため、受験に関する進行スケジュールもかなり異なります。国内の難関大と海外大は受験準備のピークがずれているため、併願は入試スケジュール的にも十分に可能です。

たとえばアメリカの大学の場合、入試のスケジュールは日本の一般入試より総じて早く動き出します。早期出願だと10月~11月に出願が締め切られ、12月中旬ごろには合否が判明。通常出願でも、12月~1月上旬には出願が締め切られ、3月下旬~4月上旬には結果がわかります。海外大の入試は書類審査のため、出願書類を提出するまでが受験本番。つまりアメリカの大学であれば、日本の大学の一般入試が本格的に始まる前の、1月上旬には受験が終了しているということになります。高3の冬までに海外大への出願書類を準備できれば、その後は大学入学共通テストや個別試験への対策など、日本の大学受験に集中することができるのです。海外大を併願しても、思ったほどスケジュールが重ならないということがおわかりいただけるでしょう。もちろん、海外大に提出する書類の準備・対策にはかなりの時間がかかるため、早いうちからきちんと海外・国内のスケジュールを整理し、計画的に進めていくことが重要になります。

メリット5

進路ルートや学びの選択肢が広く、志望大をぎりぎりまで迷える

海外の多くの国では様々な状況の学生を受け入れるために柔軟な教育制度が提供されており、学び方や進学の方法も多様です。日本ではあまりない多彩な学問分野が揃っていたり、実践的な学びができる学校があったり、豊富な学びの選択肢が用意されています。自分が学びたいことや、将来の就きたい職業などの希望に合った、本当に行きたいと思える大学、自分にとって有益な大学は日本を含めた世界中にあります。国内、海外と場所を限定して大学選びをする必要はまったくないので、まずは自分が何をやりたいのかをとことん考えてみましょう。国内大と海外大の併願を視野に入れて進路を検討する、という意識さえ持っていれば、たとえ最終的にどちらかの専願に落ち着いたとしても、納得度の高い進路選択ができるはずです。

また併願の場合、海外大と国内大の入試スケジュールの違いから、早期出願の海外大の結果を見てから国内大の出願を見直せたり、国内大の受験結果がわかってから、通常出願の海外大の合否とあわせて最終的な進路を決定することができたりなどのメリットも見逃せません。受験前は合格できるかどうかの不安や焦りなどから、大学・学部の難易度ばかりを気にして大学選びをしてしまいがちですが、複数の併願校の合否が判明してからであれば冷静に進学先を決められるでしょう。

先輩の海外大併願対策は?

ネイティブの先生と相談を重ね、時間をかけて出願書類を完成

Yuki.Y先輩
アメリカ・バックネル大学(Bucknell University)
国内併願校:早稲田大学国際教養学部

受験内容が海外大学と似ていて併願がしやすかったため、アメリカの大学とともに早稲田大学国際教養学部にも出願しました。海外進学のために英語スコア(IELTS)はすでに持っていたので、やることは主にApplication Formと志望理由書の作成だけ。Application Formの受賞歴と課外活動を記入する欄はびっしりと埋め、志望理由書には自分が将来達成したいこと、またそのためになぜ早稲田大学でなければならないのか、などを形式的に記入しました。どちらの書類も学校のネイティブの先生と相談を重ね、じっくり時間をかけて完成させました。

期限を明確にしたスケジュール管理で海外・国内の併願を両立

Yuki.H先輩
アメリカ・ブラウン大学(Brown University)
国内併願校:慶應大学法学部、早稲田大学国際教養学部 など

日本の大学では、慶應大学法学部、早稲田大学国際教養学部に合格しました。海外大の受験と両立するのはとても難しかったです。とくに7月から9月は本当に大変でしたが、きちんとスケジュール管理をし、「いつまでに何をする」というのを明確にすることで乗り切ることができました。勝因は、先生に志望理由書や面接対策を丁寧にしてもらったことだと思います。アプリケーションの課外活動などについての記入は、日本とアメリカでは言語が違うだけなので、それほど大変ではなかったです。

メリハリのある綿密なスケジュールでAO入試合格

Michiru.I先輩
アメリカ・ウェルズリー大学(Wellesley College)
国内併願校:慶應大学法学部政治学科

高3の早い段階で、出願時期が1月半ばの女子大学を受験する予定を立てたので、日本の大学はAO入試で受けようと思っていました。夏はSAT準備や海外大学のエッセイを書くことで非常に忙しかったですが、慶應大学法学部政治学科のFIT入試のA・B方式を受験し、両方で合格することができました。
夏休みに入る前からAO入試の書類を学校の先生に添削して頂いたり、AO入試の2次試験対策の間は海外大学の準備は行わない代わりに1週間で終わらせたりするなど、メリハリをつけた綿密なスケジュールで動けたことが良かったと思います。

Kaito N.先輩
アメリカ・Haverford大学

※ 動画は音声をオンにしてご視聴ください(約6分)。

 

【動画内メッセージの日本語訳】

僕は、「日本とアメリカの両方の大学に通う」というとても恵まれた経験をすることができました。もちろん、(日米併願というのは)大変な道筋でしたが、(その道筋を追う機会があったというのは)とても幸運なことだったし、結果的に両方の大学を比べることができたので、とても良い経験となりましたし、アメリカの大学を選んだことに未練が全くなくなりました。もし日米併願を選択できる境遇にいるならば、そうしてほしいし、頑張って欲しいと思います!

 

 

海外大併願を検討する一番のポイントは、「自分が学びたいこと」を軸において考え続けることです。海外で学ぶか国内で学ぶか、が重要なのではなく、「その大学で何を学べるか」が重要なのです。

「学びたいこと」が学べるのであれば、海外でも、国内でも進学先としてOK。そんな考え方を持っておけると、現状のようなコロナ禍にあっても柔軟に進路を考えていけるのではないでしょうか。

※この記事でご紹介している内容は2020年7月17日現在の情報に基づいています。

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