海外大生体験談

海外大に入学して驚いたこと!-勉強編②専門科目、授業について-


世界で活躍中のGLC卒業生「海外進学・留学ラボ協力隊」が書き下ろし原稿、動画で入試や大学生活についてレポートします。5・6月の2か月連続でお届けするテーマは「海外大に入学して驚いたこと」。 今回は、専門科目、授業について語っていただきます。

海外大学での授業内容は授業の進め方や形式について驚いたことがあったり、個性的な先生がいたり、専攻によっても興味深い特徴などがたくさんあるはず。そこで、進学した国や大学、専攻が異なる先輩たちに登場していただき、実際に感じた“驚き”を様々な切り口でご紹介いただきます。 紹介をしてくれる先輩たちは、今回もアメリカからYuka.T先輩(Middlebury大学)とKaito. N先輩(Havarford大学)、オーストラリアのY.H先輩(Western Sydney大学)、オランダからMia.T先輩(Leiden大学)の4名です。

 

Yuka.T先輩

アメリカ ミドルベリー大学(Middlebury College)

 

 

言語学が、じつは「理系」でもあったことにビックリ!

自分の専門である脳科学専攻内での授業に絞って考えると、一番好きだった授業は“Phonetics and Phonology”(音韻・音声学)です。この授業は脳科学の選択科目でもあり、言語学副専攻の選択科目でもあるのですが、これに出会って、これを一生学びたいと思ってしまうくらい没頭しました(笑)。まず驚いたのは、「言語学の授業」といえば一見お固く感じそうですが、先生のトークが死ぬほど面白かったことです!こんなに笑い声が絶えない授業は他になく、毎回の授業を、お笑いの舞台に行くような感覚で出席していました。
そして何より「音韻・音声言語学者は何をするのか?」が、社会的には全く知られておらず、「なんか、言語の違いとか歴史とか学ぶんでしょ?」といった感覚の人が多いです。私も実際、大学に入るまではその一人でした。そういう分野もありますが、実は、実験からデータを集め、統計を使って論文を書くことも多いんです。言語学はいわば「理系」科目でもあるんだ!ということがわかりました。実際、この授業のファイナルプロジェクトは、全く知らない言語の音声ファイルを、言語学者が使うPraatという音声波形分析のソフトを使って音素を分析します。そしてその「未知の言語」に使われている母音の周波数に基づいたマップ作製や、使用される子音をまとめる資料作りをしました。ただただ知識を入れるのではなく、その科目の専門家は何をしているのか?というのが実体験を通して知ることができるのが本当にアメリカの授業での良いところです。



音韻音声学のファイナルプロジェクトに奮闘中
友達が淹れてくれたジャスミン茶を片手に2人で奮闘中。
ひたすら与えられた未知の言語(のちにフィンランド語だとわかったんですが)の音声ファイルを死ぬほど繰り返し聞いたので、呪文みたいに唱えられるようになりました。その意味は今でも知りません。



Kaito. N先輩

アメリカ ハバフォード大学(Haverford College)

 

 

“数学”のクラスなのに、教授は授業をしない!?

ある数学のクラスでは、教授が授業をあまりしません。 毎週、あらかじめ授業内容について事前にリサーチした一人か二人がプレゼンテーションをすることで授業が進んでいきます。教授は、授業内容について補足をしたり、事前に学生の質問に答えたりすることが中心です。自分で考えることができる分、自分の興味に合わせて授業を変えることもでき、個人的に気に入っている授業です。

プレゼン形式の授業の良い点は、学生それぞれに自分がより興味を持っている数学の分野やトピックに結びつけつつプレゼンを進めていけること。自分では注目していなかった他のトピックとの結びつきなどを学ぶことができ刺激を受けられます。例えば、僕はコンピューターサイエンスとのダブルメジャーであることを生かし、コンピューターサイエンスにトピックを結びつけつつ授業を進めますが、他の人は確率論など、他の数学の分野に結びつけつつ授業をすすめるので、多角的な観点からトピックを学べます。


数学の授業のディスカッション後の黒板


 

Y.H先輩

オーストラリア ウェスタンシドニー大学(Western Sydney University)

 

 

日本では実践がむずかしい「多民族国家ならでは」のフィールドワーク!

私が以前とっていた授業で、People, Place and Social Difference という人々や地域ごとの格差をマッピングして”どういう共通点や傾向があるのか”というのを学習する授業がありました。その中で実際にシドニーのある地域の変遷に触れて、実際にみんなでField Tripでその地を訪れました。その時の議題は、多民族国家と呼ばれるオーストラリア、その中でも多様な移民を受け入れて独自の文化を作り上げた町の特徴をあげていくというものでした。

例えば、看板に複数の言語で説明が書いてあったり、その国の行事がオマージュされて開催されていたり、英語が第二言語という人がたくさん居住しているため、教会などに英語を教えるコミュニティがあったり、複数の宗教の建物が混在していたり。文字情報だけでなく、実際に行って、見てくることで「本当に多民族国家なんだ!」「人種のるつぼだからこそこんな街のつくられ方をしているんだ!」いう新鮮な驚きを感じます。そして、それらの特徴をとらえて写真とともにレポートとしてまとめて提出しました。オーストラリアならではのフィールドワークを通して、留学しているからこその貴重な実体験ができた課題でした。

 

 

Mia.T先輩

オランダ ライデン大学(Leiden university)

 

 

10か国もの学生が集まる多国籍な環境。国ごとの違いを授業に生かせる!

私の大学はちょっと特殊なリベラルアーツコースです。自分が受けたい授業を選択できるのは他とは変わりませんが、その選択できる授業のほとんどが何かしらの国際問題に触れています。例えば経済の授業を取っても「なぜ経済格差問題は無くならないのか。」について深く学びます。私のコースが上手くできているなぁと思ったのは、20人程度の小規模クラスなのにも関わらず、約10カ国の国籍が集まること!そのため、わざわざリサーチしなくても、様々な国の事例や、視点を比べることができます。このように、大学の授業と生徒の特徴を合わせることによって、より充実した授業や学びにできるシステムや環境が気に入っています。

興味深かったのは、各国の医療制度、保健制度について授業中に話した時のことです。日本は国民の負担が3割ですが、フランスやドイツ・イギリスなどでは全額国の負担であったり、アメリカであれば医療保険は任意の加入であったりと違いがあります。国籍が異なる学生が集まっていることで制度の違いをリアルな話とともに違いや健康の捉え方の違いを知ることができました。

※この記事でご紹介している内容は2020年5月12日現在の情報に基づいています。

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