海外大生体験談

どう対策した? 自分らしさを伝える「アプリケーション(願書)」③

毎月「海外進学・留学ラボ協力隊」が書き下ろし原稿で、動画で入試や大学生活についてレポートをお届け。9月のテーマは自分の強み・個性を表現するための「アプリケーション(入学願書)」の書き方についてです。

入学試験で合否が決まる日本の大学受験とは異なり、海外の大学への進学にはTOEFLやSATのテスト結果に加え、「願書」「エッセイ」「高校の成績」「推薦状」などを提出し多角的に審査をされます。どれも思いつきですぐに準備ができるものではなく提出までのスケジュールを考えつつ入念な準備が必要となりますが、いったいどのようなスケジュールで準備を進めていくのが良いのか気になりますよね。

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今回のテーマも海外に進学した先輩たちにどのように願書に必要な情報を集め準備をし、提出する書類やエッセイの内容を工夫してきたのかをお話しいただきます。3回目は、奨学金を利用してアメリカのノックス大学に進学したE.F.先輩に語っていただきます。

 

 

怒涛のエッセイ同時並行に「一体何を書けば…」と呆然。
自分の経験は自分だけのもの。自信をもとう!」と気づいて乗り切れました

 

 

E.F.先輩
アメリカ ノックス大学 (Knox College)

 

 

志望校のアプリケーション、どうだった?

 

共通願書以外に「なぜその大学を志望するのか?」を問われるエッセイを提出。
本気で入学したいのかを評価されます!

 

私はアメリカの大学を複数受験しましたが、現在通っているノックス大学 (Knox College)も、それ以外の大学も共通願書となっているコモンアプリケーション(Common Application /Common App)の出願は必須でした。さらにそれぞれの大学独自のエッセイを提出したのですが、そのエッセイは、”Why ___ College? 型”のエッセイで、「なぜその大学・学校なのか?」をテーマに志望動機を問われる内容でした。大学側からすると熱意とモチベーションを持った学生を求めているので、エッセイでどれだけ本気で入学したいのかを確認するのだと思います。

他に提出したのは、TOEFLやSATの結果はもちろん、学校によっては奨学金取得のためのエッセイを別途提出したところもありました。


願書提出までのスケジュールは?

 

エッセイを本格的に書き始めたのは高校3年生の夏!
12月までにCommon App、奨学金向け、大学ごとの3種類のエッセイを書き続けました

 

本格的に願書提出に向けて準備を進めたのは高校3年生の夏以降でした。
8月頃から次のような準備を毎月進めていきました。

【8月】
Common Appのエッセイについてブレインストーミングをし、テーマについてアイデアやどのような内容を書くべきかを深く考え始めました。その他、進学を支援してくれる奨学金制度を得るため「グルー・バンクロフト基金」のエッセイを書きました。

【9月】
Common Appのエッセイを8月中に考えた内容を元に何本か本番として書き始めました。

【10月】
Common Appのエッセイを書き始めたものの“何を書いたらいいのか…?!” と分からなくなり、この頃はかなり迷走期でした…、そして、この時が一番大変でした。そして、大学別のエッセイにも着手。Common Appのエッセイを書いた数か月の経験から、先に軸をしっかり決めてから書くことにしました!その他、「JASSO(日本学生支援機構)の奨学金」エッセイも同時に書いて準備を進めました。

【11月】
Common Appがなんとか形になってきたのはこの頃です。10月の1か月に及ぶ迷走、何度にもおよぶ考え直しに書き直しを経て、ようやく提出に向けた完成形が見えてきました。また、大学別のエッセイも10月中に骨子をまとめていたので受験校を調べながら大学ごとに合わせた内容に仕上げていきました。同時に進めていた「JASSO奨学金」のエッセイは11月で完成!

【12月】
夏から取り組んだCommon Appがやっと完成!!大学別のエッセイも最終仕上げを行い完成させました!

このように取り組んだエッセイを月ごとに書いてみると、短期間でしかも同時に何本ものエッセイを書かないといけないことが分かると思います。5か月にも渡って願書提出に向けてエッセイをひたすら真剣に取り組んでいきました。


提出までのスケジュール、改善ポイントは?

 

どのエッセイにも共通する質問は多い!
先に“軸を決めて応用すれば良い“と分かりました

 

今振り返ると提出するエッセイの量がとても多いので、「奨学金用のエッセイ」と「大学受験に必要なエッセイ」をもう少し時間と内容のバランスを考えながら進めればよかったな…と思います。

ただ、内容についてはどちらにも共通して聞かれることも多くあります!例えば、「なぜ海外の大学を受験したいのか?」「どうしてこの学校に進学したいのか?」などの質問です。なので、共通するものは先に自分の中で考え、書きたいことの軸が定まっていると、それを様々な場面で使うことができたな…と感じています。


完成までに苦労したことって?

 

エッセイに“何を書いたらいいのか全く分からない!”と迷いました
でも、それは“自分が伝えたいことを書こうとしていなかった!”と気づきました

 

Common Appのエッセイにとても苦労しました。そもそも「何を書いたらいいのかわからない…」、「大学が公開している合格者のエッセイを読んでもどう参考にすればいいのかわからない…」と分からないことだらけでした。エッセイを添削してくださっていた先生に言われた一言、一言に対しても「私は全然書けていないんだ…、どうしよう…」とネガティブな捉え方をしていました。

この全ての原因は私が「正解」のエッセイを求めていたという考え方にあると思っています。Common Appのエッセイに「正解」はなくて、いかに「自分の魅せたい部分を文章で伝えることができるのか」を求めるべきだったと気がつきました。この考えにシフトするのに時間を要してしまったのですが、最終的にはその時に出せる最大限の自分を表現できたと思っています!


どこに自分の「ウリ」をつくった?

 

強みが無いように思っても、自信を持てる部分は自分にしか分からない!
それを見つけてアピールポイントとして表現しました

 

自分にはあまり「これ!」といって秀でた強みがなかったな…と今振り返りながらも感じています。自分が自信を持てる部分をもっとエッセイで表現することができていれば良かったのかもしれないなと思います。私は学校の成績が良かったことや校内の活動は活発に行っていたので、比較的そこに重きを置いてアピールしました。びっくりするような強みでは無くても自分のことは自分しか分からないし、自分が経験したことも自分にしか分らないので、「自信を持ってアピールをすべきだ!」とエッセイを通して私も気づくことができました。


~先輩の「自分らしさを伝える願書」アドバイス~

“英語だから“、“願書だから“と身構えないこと! 自分のことを伝えようと書いているうちにエッセイのスキルも自然に上達していきます

 

願書やエッセイを書くのに「英語だから…」と身構える必要はないです! 日本語も英語も書いた分、推敲した分、どんどんうまくなると思います。

私はアプリケーションを通して書くエッセイで初めて英語で600words以上の文章を書く経験をしました。 最初は「英語で600wordsも書けるのかな…」と不安でしたが、でも、最終的には書き切ることができました!

英語での表現の能力はもちろん高くありませんでしたが、たくさんのエッセイを書いて、書いて…書き直して、書き直して…を繰り返す中で確実に始めた頃より英語の文章力がついていきました。このアプリケーションがエッセイを書く初めての経験だとしても、大丈夫です!たくさん書いて、アドバイスをもらって、何より自分が納得できるものを書き上げることが大切だと思います。


※この記事でご紹介している内容は2020年9月15日現在の情報に基づいています。

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