海外大生体験談

留学生の私だから語れる コロナ後の変化①  コロナ禍で海外大の学び方はどう変わった?【授業・テストの実際】

1回目の今回は、まずはどのようにコロナ渦で大学環境が変わっていったのかについてです。先輩たちは急に変わった変化をどのように受け止めたのでしょうか。また、今まで大学に通い受けていた授業やテストの実施はどのように変わり、対応をしているのかを先輩5人に聞いていきます。

 
 

 

  

1週目:①コロナ禍で海外大の学びはどう変わった?【授業・テストの実際】  ◀︎ 今ココ!

2週目:② 海外大休校中うまくいっていること・いかないことは? 【学びや生活・友人とのつながり】

3週目:③ コロナ後の授業・学生生活はどうなる?【大学のサポートや見通し】

4週目:④コロナ禍だからこそ感じる、海外に「行って」学ぶことの価値って?【いま留学を考えている人へのアドバイス】

 

 

今月の「ラボ協力隊」


 

 

Yotaro S.先輩

アメリカ マサチューセッツ工科大学(MIT)卒業。   
現在 ジョンズホプキンス大学 (Johns Hopkins University) 博士課程。

高校生から興味があった生物学を最先端の環境で研究をするため海外進学。

 


 

M.T. 先輩

 

アメリカ ジョージア工科大学(Georgia Institute of Technology)1年生。

希望するスタイルの建築設計を学べるアメリカに進学し、現在建築学部を専攻。

 


 

 E.F. 先輩

 

アメリカ ノックス大学(Knox College)2年生。

勉強内容、生活環境から自分がより成長したいと思ったのが、海外留学のきっかけ。

 


 

H.O.先輩

 

アメリカ カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA) 3年生。

中学生からの憧れであった海外進学を叶えるためアメリカで学ぶことを決意。

 


 

Megu K.先輩

 

アメリカ ニューヨーク大学(New York University) 3年生。

得意だった英語を生かし、リベラルアーツ教育を通して自分のやりたいことを探索するため海外進学を選択。

 


 

 

 

 

Q. 休校が決まった当時、どのような状況でしたか?

Yotaro S.先輩

マサチューセッツ工科大学(MIT)が閉まるだろうという噂は生徒の間で広まっていました。 お隣のハーバード大学(Harvard University)がキャンパスを占める決断をしていたからです。 Harvardの決断の数日後、授業を終えて寮に帰ってくるとラウンジに友人たちが集まっており、 MITが閉まるということを知りました。

その後メールで詳細を確認したところ、“すべての対面授業は数日後で終わり、生徒も一週間以内に キャンパスを出なくてはならない!“という旨のものでした。ただ、文面には自宅への帰還が困難な生徒は 特例でキャンパスに残れるとなっていたので、インターナショナル生である自分はキャンパスに残れるだ ろう…とタカをくくっていたのですが、3日後には残留のペティション(申請)が却下され、さらにその夜、 深夜12時には帰宅を早め二日後にはキャンパスを出るようにというアラート(MIT Alert)が生徒全員に届き ました。この際、生徒の間では、ボストンの空港がもうすぐ閉まるのではないかという噂が広まりだし、帰国の決心 をしました。

 

 

M.T. 先輩 

春休み入る前日に「休み明けから休校になる」と大学から伝えられました。その頃はジョージア州で感染者が数人出たくらいの時でした。“ジョージア工科大学は休校にならないだろう”と言われていたので、いきなりでした。

大学から休校のメールが送信されてきたのがちょうど建築の授業を受けているときだったので、教授たちと生徒でミーティングがあり、今後の授業の形式を話し合いました。建築の授業はプロジェクトがメインですが、オンラインフォーマットでどのように授業を進めていくかを教授たちもよく把握していない状態だったので、後日春休み期間中に授業の進め方を決めるということでその日は解散しました。

そして、春休みに入った途端、“最初の1週間のうちに退寮するように!”と、いきなり大学から言われたので寮に戻って慌てて荷物をまとめたのを覚えています。自国に帰るかアパートを借りるか迷っている留学生が多かったです。私は、建築の授業のためにアトランタに残りました。建築の授業はあまりフレキシブルでなかったので、時差関係なくミーティングがあったり、大学の機材を使うためにキャンパスに行かなければならなかったりと大変でした。(Architectureの建物には建築学部生のみアクセスがありキャンパスに入館が可能でした。)

 

 

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大学の休校を知ったのは、ファイナル(学期末の試験)の勉強をしている日でした。来学期の授業の半分は自宅でのオンライン授業になることがメールで知らされました。学長からのメールを読むや否や、皆は勉強をやめて友人達と“来学期どうするのか…”について話し始めていました。

留学生たち(International Students)は国ごとに集まって会議をしていました。国に帰るのか、キャンパスに特例で残るのか、春休みの予定はどうするのか、来学期の後半もオンライン授業になるのかならないのか…話しあったところで全く結論が出ず、ただただ混乱の中で勉強するどころではなかったのを覚えています。

私は「これでもしかしたらまたすぐ日本に帰れるのかもしれない!」とかなりポジティブに捉えていました。日本の桜を見られないことに対してとても残念に思っていたので、「オンラインで授業を受けながら日本での生活ができるって最高かも!」と、当初は能天気に考えていました。

 

 

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私は大学の図書館で期末の勉強していた時に大学からメールが来て、冬学期(1月〜3月の学期)の期末はオンラインになるということを知りました。もうその学期が終わる1週間前まで来ていたので、友達と「さすがに今学期はもうオンライン授業になることはないでしょ!」と話していたので、私も周りの友達も突然の変更に驚いていました。

そのため期末試験は、クラスによってはキャンセルになったり、受けても受けなくても良いオプショナルというものになったり様々でした。その後は、次々に留学生は自国に、アメリカ人の友達は実家に帰ってしまったので、直接ちゃんとお別れを言えずにその学期が終わってしまったことを残念に感じました。

 

 

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私が通うニューヨーク大学は、同じニューヨーク州や東海岸の大学より一足遅れを取ってコロナ対策の決断が発表されました。同じ州のコロンビア大学は春休みの前に授業のオンライン化が決まり、ほとんどの学生が実家に帰らされていた一方、ニューヨーク大学は春休み中にオンライン化の発表がされ、春休みの3日後までに退寮を命じられたり、大学の施設が徐々に使えなくなったり…でした。予測はある程度していたのですが、大学は混乱の嵐でした。

私は大学の寮に住んでおらず、春休みもニューヨークのアパートで静かに過ごしていたので、大学側の決断に翻弄されることはあまりありませんでしたが、ニューヨーク州自体がロックダウンに近しいものになり、街全体がパニック状態だったので、四月の後半ごろに日本へ帰国することを決めました。

 

 

 

 

Q. 現在、授業やテストはどのように実施されていますか?

Yotaro S.先輩

オンラインの授業は、授業時間等は変わらず全てZoomに移行されました。レクチャー中心の授業はZoomの授業の録画が後日見られるようになることで時差対策をしていました。また、グループワークが必要な授業に関してはグループワークの時間のタイムスロットを増やすことで、時間帯が同じ生徒同士で共同作業ができるようになりました。

試験の多くはMITxというマサチューセッツ工科大学(MIT)のオンライン授業用のプラットフォームを用いていました。ログインしてから一定時間だけ解答が行えるというもので、試験日の24時間の間いつでもログインできるため、時差のある生徒も自分の起きている時間帯に受験が可能でした。他にも、試験をグループプロジェクトに変更し、3日間でクラスメイトと協力して難しめの問題を解くという形式もありました。

 

 

M.T. 先輩 

先学期は全てオンライン授業でした。BlueJeans や Webexを使ってオンラインミーティング形式で授業が行われました。時差のある帰国した留学生のために授業は全てレコーディングされていて、いつでも見られるようになっていました。テストはある決められた時間帯にオンラインで受ける形で、Open books/notes (教科書・授業ノートのみテスト中に見てもよいこと)でした。ノートや教科書を見ても良い代わりに暗記問題が少なく、応用問題が多かったです。

建築のプロジェクトを行うスタジオの授業は、ソフトウェアを作って図面を描いたり、レンダリング作成などをメインとして、実物モデルは作らなくてよい方針に変わりました。スタジオの授業は一日に4時間ほどあり、一人の教授につき10人の生徒がついて行います。プロジェクトのプレゼン発表は、事前にスライドと音声が入っている動画を取ってアップロードする形式でした(ネットの環境でプレゼンが止まらないようにするためです)。

 

 

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授業は全てオンライン、ZoomもしくはGoogle Classroomを活用しながらでした。リアルタイムで受講する授業と、授業を録画したものを後から見ても良い授業の二つに分かれていました。Moodleという課題提出をするプラットフォームがあり、それを通じて課題提出をし、授業で使用する資料やリーディングが共有されていました。

1授業につき1週間に2、3個のライティング、もしくは単元ごとの確認の問題を解くといった課題をしていました。テストは全てオンラインで、4日間の中ならいつ受けても大丈夫。ただし、開始した瞬間からタイマーが起動するという仕組みでした。

 

 

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授業やテストの形式は教授によって様々ですが、基本的に授業はZoomを通して行われます。宿題やテストは、UCLA専用のオンラインのクラスサイト「CCLE」というものを使用して提出をしています。CCLEはコロナの影響でリモート授業になる前から使用されていました。そのため、以前から宿題の提出先、授業のリーディング教材、その他クラス関係の資料などはこのCCLE上にクラスごとに掲載されています。リモート授業なってからは、そこに録画されたzoomの授業やテスト課題も掲載されるようになりました。クラスにもよりますが、私が受講したクラスのテストはCCLEに課題が表示され、24時間以内に提出するというものになっていました。そのため、パソコン、Wi-Fi、マイク付きのイヤホンは必須です。

 

 

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コロナ中に私は4つ授業を取っていたのですが、一つが中国語の授業、二つが少人数制のディスカッション授業、最後の一つが大規模なレクチャーの授業でした。

中国語の授業は毎日出席してしゃべる練習をしないといけなかったので、時差がありながらも頑張って取り組んでいました。

少人数制のディスカッション授業に関しては、時差の関係で朝の3時から6時の間に授業があったので、授業で発言できない分、授業外に教授と直接Zoom上で会話をしたり、追加の課題に取り組んだりするむことによって成績がつけられました。

レクチャーの授業は元々教授が一方的に40~50人の学生に向けて教えるスタイルの授業だったので、録画された授業を見て、中間と期末に向けて独学で勉強していました。

どの授業も異例の措置であり、教授も手探り状態だったので、普段難しいとされている授業でも一人一人の学生の学習環境を考慮しながら成績がつけられました。

 

 

 

 

いかがでしたか? 


休校の知らせを受けて対応した先輩たちの経験談から、は突然休校やであり、帰国の判断も急に迫られて大変だったことが伝わってきましたね。また、大学側の授業・テストは休校しても学びが止まらないよう、帰国した学生向けに時差が考慮されていたり、講義、ディスカッションなどそれぞれ授業の形式を工夫したりなどの措置がとられていることが分かりますことが分かりました。オンラインの最新技術などを利用して「学びを止めない」というスタンスで試行錯誤が続けられていることは、緊急帰国中の留学生にとっても、安心感につながっているようです。

次回は、新しいスタイルでの勉強、生活をした先輩たちが意外とうまくいっているなと思ったことと、その逆は?についてを率直に語ってもらいますはどんな心境に至ったのかを語っていただきます。

※この記事でご紹介している内容は2020年11月3日現在の情報に基づいています。

 

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