海外大生体験談

行った人だからわかる!留学のメリット・デメリット③ 海外進学ならではのデメリット。克服するには?

シリーズも今回で最終回。海外にいたらメリット同様にデメリットといえるような苦労や気を付けることなどがたくさんあります。いったいどのようなことが起こりうるのか先輩たちにお聞きしました。また、先輩たちには、前回語っていただいた海外でのマインドでそのデメリットの状況をどのように克服してきたのでしょうか。今回も赤裸々に語っていただきます。

 

 

 

今回の「ラボ協力隊」


 

Michiru I. 先輩

 

Route H、お茶の水ゼミナール 海外大併願コース卒業生。現在、アメリカ ウェルズリー大学(Wellesley College)1年生。興味のあった国際関係学や比較政治学が発達していることを知り、アメリカへ留学を決意。

 

Lilia T. 先輩

 

アメリカ カリフォルニア州立大学(California State University)4年生。 将来やりたい職業を叶えるにはアメリカの大学で学ぶのが一番良いと考えて海外進学を選択。 現在の専攻は、テレビ・映像メディア研究(Television, Film, and Media Studies)。

 

 

Yuki H.先輩

ベネッセGLC(グローバルラーニングセンター)卒業生。アメリカインディアナ州のデポー大学3年生。歴史、経済学専攻。アメリカ合衆国そのものに興味があり、米国進学を決意。

 


 

 

Q. まずは海外での学びについて。苦労の連続だったようですが、どのようにして乗り越えましたか?

Michiru I. 先輩

 

”できない自分”に気づいてドギマギ。でも、高校までと同じ予習・復習が解決してくれました!

 

海外大学あるあるではありますが、日本の授業形態と異なり、ディスカッションベースの授業が多いので、

まず最初に発言が求められている授業で戸惑っている自分を目の当たりにします。

 

宿題のリーディングアサイメントの内容は理解しているのにディスカッションになかなか踏み込めない、

ディスカッションが進んでいくうちに論点を見失ってしまって、自分の言いたいことをもう一度考え直さないといけない…という場面の連続。言語力だけでなく問題考察力の高さが求められます。

 

高校時代から模擬国連(学生が各国の大使になりきり、実際の国連の会議を模擬する活動)や英語でのディベートをやってた経験から自信がそれなりにあったので、論点修正を上手くできなかったり言えなかったりしたことが余計にショックでした…笑。

 

特に3、4年生も一緒に受けている授業だとより自分の実力や勢いの足りなさ、不甲斐なさを実感します。

でも、誰しもが経験することなので、深く落ち込む必要はないです。

 

私は、その代わり、次の授業で前回よりももう一回多い発言、さらに内容の詰まった発言をするために、

指定されたリーディング内容の読み方を変えたり、同じ授業を受けている子と事前に予習したり、復習したり様々なアプローチを試みました。

 

また教授と一対一で相談や質問ができるオフィスアワーを毎週予約して、確認できるところは全て確認しました。

とにかく自信を上げるために毎日取り組んでいたら、徐々に形になって成果が現れるようになりました!分野や目的を定めてコツコツやりさえすれば、どんな小さなことでも無駄になる努力なんてありません

 

Lilia T. 先輩

 

最初は課題の量に気持ちが追い込まれます。時間のやりくりのスタイルが分かれば大丈夫!

 

勉強が大変!と感じたのは、一つ一つのクラスに対して出る課題の量…それはとてもとても多いです。留学生として1学期12に単位以上を取らないといけないのですが、私の場合、単位取得のためのクラス数で言うと4~5クラスを受講していました。1週間の4~5クラス全部で課題が毎週大量に出るので、授業以外は課題の取り組みに必死。初めの頃は慣れない英語での長文エッセイになかなか時間がかかって苦戦したり、美術館に行きレポート・エッセイを書く課題もあったのでそこに行く時間を確保することを考えなければいけませんでした。

 

また、プレゼンテーションの課題が出ることが多く、トピックについて調査する時間、パワーポイントを作る時間、プレゼンを練習する時間…それぞれをきちんと確保しなければいけなく、一学期に複数のプレゼンテーションがあることもあるので、タイムマネジメントすることが大切だと痛感しました。

 

全体の流れを書き出して、いつまでに何を終わらせなければならないかを事前に決めて取り組みます。やらなくてはいけないことが自分の頭で整理して順に取り組めるようになったら時間の使い方もうまくなりました

ずっと根詰めてやっていると気持ちが疲れてしまうので、たまに気分転換も兼ねて、カフェに行き友達と一緒に勉強もしていました。

 

Yuki H.先輩

 

言語も気持ちも追いつかず呆然の毎日。マインドを切り替えたら全て順調に回りだしました!

 

リーディングの課題が間に合わない…

授業中怖くて手をあげられない…

ディベートで勝てない…

スーパーのレジですら緊張する…

 

私は大学生最初の1年間はこのような苦しい経験を毎日していました。せっかく授業で発言するために課題を読み切っても、自信もなく緊張もしてしまい、決心がついた頃には授業は次のトピックに移ってしまっていることの連続で、授業が終わる度に後悔していました。

 

また、自分の英語のアクセントが気になってしまい、英語を話すのが少し億劫になってしまうしこともありました。所属していたディべートクラブでは、約1年半もの間、全敗していました。

 

これを克服できたのは、ある時から考え方を変えたからです。ました。1日でできたことではありませんでしたが、このマインドチェンジが立ち止まっていた自分がいっきに動き出したんです。

 

「自分はどうやっても日本で生まれ育った日本人で、アメリカ英語のアクセントで話すことはそもそも難しいし、

求められていない。アクセントがあるからと言って、自分はバカなわけじゃない。というかむしろ、アメリカ人に有利な英語で話している。あえて不利な環境で挑戦する自分を認識して、そういう環境で勝つからこそ、もっと格好いいんじゃないか。」

 

こう思えるようになってからは、「大学のみんなも俺の第一言語が英語じゃないことなんてわかっているんだから、何か変なこと言っても大丈夫でしょう!」と開き直りました。すると、ものすごくリラックスして、英語を話せるようになりました。

 

それからの英語の上達スピードは、それまでとは比べものにならないほど早かったと思います。

大学の友達にも「え、その単語どういう意味?」や「そんなイディオム聞いたことないなあ。」と迷惑がられない程度に質問をするようになりました。以前はよくやっていた、相手が何を言っているのかわからないけれど、とりあえず笑って流す…ということをやめることができました。

 

分からないことを素直に聞きまくっても「そんなこともわからないの?じゃあ、友達やめよう。」という人はまずいませんし、いたとしたらそういう人とは無理に友達にならなくても良い!と思うので、自信のない人でもリラックスして英語を話せるようになってほしいです!

 

 

Q. 留学で「デメリット」としてあげられがちな、「高いコスト」。先輩たちはどのように工夫をしていましたか?

 

Michiru I. 先輩

 

日常生活のお金の管理と買い方が肝!賢くお金を使うことも自立のひとつです。

 

私は幸い奨学金をもらって海外進学をしているので経済的にとても助かっていますが、それでも日常生活においてかかるお金は結構高いな…と痛感します。例えば、物価の高いWhole Foods(日本にもある高級スーパーにある日用雑貨兼食品に似たものを置いているお店です)などでパンや洗顔類など必需品6点買っただけで50ドル!もかかってしまいます。

 

なので、Amazonや近くのCVS(コンビニ)を駆使して、「高くても質の良いもの VS 安くて構わないもの」などを常に分けてお金の管理していくのがおすすめです。

 

また1人でのUberの利用に抵抗がある場合は(私は治安の面からも特に抵抗があります…笑)、大学内の生徒ドライバーに声をかけると、安全でかつ安く移動費を抑えることができます。是非大学のリソースも有効活用してみてください!

 

大学生になると学費や生活費など自分で金銭面においても責任を持つ様になり最初は戸惑いますが、

慣れてくると自立してきたなと実感することも多いので経験するに越したことはないと思います!

 

 

Lilia T. 先輩

 

 

物価が高くて住むのも一苦労。高い家賃や移動費は、シェアが基本です。

 

住んでいたカリフォルニアは一般的にも生活費が高いことで知られていると思います。私が住んだエリアも物価が高く、その中でも特に家賃が高かったです。

 

治安も良くて学校に近い…というような物件を探そうとすると、どうしても値段が高くなることが多かったです。

また、カリフォルニアは車社会と言われるほど車がないと移動が大変です。バスは安いですが、遠回りをすることが多いので時間がかかりますし、夜などは公共交通機関での移動が不安に感じることも。

UberやLyft(Uberと同じようなライドシェアサービス。アメリカでは主流になっています。)を利用することもありましたが、移動時間は少なく済むものの料金が高いです。

 

なので、部屋探しの時は、ルームシェアやハウスシェア前提で住むところを探していました。

移動は、公共交通機関の代わりにUberやLyftを使う時は友達に声をかけて複数人と乗って割り勘をすることで少しでも安く済むように心がけていました。

 

 

Yuki H.先輩

 

大切なお金が逃げないようにストレス発散で買い物をしない!自然や動物と触れ合うことで発散しています。

 

全体的に物やサービスの価格は高いです。そして、チップを渡さなければならないことを考えると、日本で暮らしているよりも出費が高くなってしまいます。また、留学中も1年に1回から2回ほど日本に帰省したいとと考えると、最低でも10〜20万円の飛行機代がかかります。

 

なので、日々のストレスを買い物で発散しないようにしています…笑!もともとお金をあまり使うことが好きではないのですが、疲れている時には、”向こう見ずな買い物をしがちなのは人間の性”ではないでしょうか…!

そう肝に銘じて持っているものをしっかり大切に使うようにしています。私の場合は犬が大好きなので、犬と触れ合えることでストレスを発散。犬と会える機会がないか規模の大きい公園で探して歩いたりしています!外でのスポーツなども良いかもしれないですね。そして、これもアメリカならではかもしれませんが、大学の寮で衣類が盗まれてしまわないようにも気をつけています。

 

 

 

Q. 他にも先輩が体験したデメリット(苦労せざるをえないことや残念なことなど)はあります?

 

Lilia T. 先輩

 

 

治安が良いところを選んでもそこは海外!気を付けるに越したことはありません。

 

私が住んでいた、カリフォルニアで住んでいた地域は平和でゆったりした雰囲気だったのですが、危ない地域もあります。例えば家賃が高く比較的裕福な人が住んでいる地域だとその分ホームレスの方も多いです。全てのホームレスの方が危ないわけではないのですが中には危害を加えてくる人もいます。ロサンゼルスには、人気の観光地のすぐ近くに犯罪の多い危険な地域があるので、そういうとこには絶対に行かないようにしないといけません。

 

コミカレ時代にロサンゼルスに旅行に行った時は、友達と歩いていた時に知らない人に人種差別的な言葉を怒鳴られたこともあります。危ない地域を歩いていたわけでもなかったので、たまたま変な人に会ってしまったという感じでした。幸運なことに何も物理的な危害はなかったのですが、治安の悪くないところを歩いていても怖い目に会うことはあります。

 

気を付けるには、まずは自分の住むところや周辺について事前にネットで調べ、治安の良さを調べます。悪いとされているエリアには絶対に近寄ったり入らないようにします。またバスや歩きで出かける時は事前に目的地までのルートを調べ、治安の悪い地域を通ったり近寄ったりしないことを確認して向かいます。夜や一人の時は絶対に公共交通機関を避け、車やUberなどを使うことが大切です。

気を抜いてはいけませんが、このように気を付けていれば十分に暮らすことが可能です。

 

 

Yuki H.先輩

 

日本とは全く違う政治カルチャーに困惑。国で起きていることの下調べが大事です。

 

日本では「自由の国」として知られるアメリカですが、特に政治的意味のリベラルが影響力を増している大学のキャンパスでは、「とりあえず言わないほうが安全なこと」があります。

 

分かりやすいように例をあげると、「社会主義って良いよね。」や「自民党大好き!」のような発言は、日本ではなかなか聞きませんよね。このように本当はそう思っていても、アメリカの国ならではで言わないほうが良い場合があります。

 

ポリティカル・コレクトネス(PC:社会の特定の言葉や所作に不快感や不利益を与えないように意図された言語や態度など)という言葉がアメリカで広まっているように、日常生活の中でも政治的な要素が日々増してきているように思います。そして、その暗黙のルールを破る(軽々しく政治に関して発言しない方がよいとされるようなシーンで発言してしまう)と、悪い意味で大学全体に名前が知れ渡ったり、友達が減るということが起きたりします。日本にはあまり広まっていない考え方なので、ピンと来ないかもしれませんが、それほど政治に敏感なほど身近であると感じます。

 

言わないようにしていても意見や考えを聞かれることもあり、慣れるまで「自分はこう思うんだけど、これ言ってもいいのかな?」という状況が訪れると思います。そういう時どうすればいいのか?と戸惑ってしまいますよね。

 

「何も言わないことは、認めてる・応援しているのと同じ。」という考えも広まっているところがあるので、

アメリカの歴史を様々な視点から勉強してから発言することが大事だと思います。私は、例えば「共和党を応援する」、「民主党を応援する」と決めてしまう前に、今アメリカでよく議論されている話題は何かを調べて、双方の見解に触れるということをしました。

 

銃規制、資本主義、人工妊娠中絶、歴史認識、人種、ジェンダーなどのトピックは、日本の国に住んで暮らしていると気づかないような観点や、あまり知る機会のない内容ですが、アメリカという国の現状を理解する上では大切なことだと思っています。海外に住む上で、その国の理解をする姿勢を持って暮らすことは、当たり前の作法だと体感しています。

 

 

いかがでしたか? 

海外進学には異なる学びのスタイルに慣れる必要性や、生活面での行動に気をつけるべきことなどがあることが先輩たちの具体的な体験からよく分かりましたね。デメリットだけに注目をすると少し怖気づいてしまいそうですが、先輩たちは自らの工夫や順応の仕方で冷静に乗り越えていたことがとても参考になりました。また、その経験をすることで自立を感じたり、スキルアップをしたりなどデメリットをメリット変えていく力が先輩たちには培われていたことも印象的でした。

※この記事でご紹介している内容は2021年5月25日現在の情報に基づいています。

 

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