海外大生体験談

Forbes誌『30 UNDER 30 JAPAN』に選出!GLC卒業生の酒井 功雄さん特別インタビュー

先日、News & Topicsでもご紹介しました通り、

GLC卒業生で、アメリカのリベラルアーツ大学 Earlham Collegeに通う環境活動家、

酒井 功雄さんがForbes誌「日本発『世界を変える30歳未満』30人」の2021年度版に選出されました。

 

 

この賞は・・・

1:30歳未満の日本人、もしくは日本を拠点に活動している人物

2:現在、グローバルな舞台で活躍している/今後、グローバルに活躍することが期待されている

3:業界の常識を覆す挑戦をしている

という審査基準で選出される世界的なアワードの日本版です。

同じ年の受賞者には、野球選手の大谷 翔平さんや、競泳選手で金メダリストの大橋 悠依さんなどが名を連ねています。

 

酒井さんは、グレタ・トゥーンベリさんに賛同する運動の日本版「Fridays For Future Tokyo」の設立に携わり、

先日のCOP26にも視察されるなど、さまざまな環境活動を推進しています。

 

今回、そんな酒井さんにインタビューをお願いし、ご自身の海外大進学の体験談、

Earlham Collegeでの学びと環境活動との関係性など、詳しく教えていただきました。

グローバルな進路選択を目指すみなさんへのメッセージも頂戴しています!

 

Q:Fridays For Future Japanの設立に関わり、オーガナイザーとして尽力される以外にも、さまざまな活動を経験され、精力的に行われています。きっかけは高校生の時のアメリカ留学とのことですが、詳しく教えてください。

 

高校2年生の時にアメリカ・ミシガン州の高校に1年間留学しました。現地で偶然受講した、大学レベルの環境科学(AP Environmental Science)の授業を受講した際に、気候変動について学ぶチャンスを得ました。その時に日本で毎年発生している台風は、天災ではなくもはや私たちの排出するCO2によって深刻化する人災だと気づき衝撃を受けました。そのほかにも気候変動の連鎖的な影響が止まらなくなってしまう臨界点があると学び、本当に自分の未来が不安になったことを覚えています。

 

Q:高校留学では“挫折”も経験されたとのことですが、どういうことだったのでしょうか?

 

友達を作ることにとても苦労しました。95%の生徒が白人というような学校で、何を話したら良いかわからない、話したくてもつまらない人間だと思われるのが怖いから話せない、というような悩みを抱えていました。結局、最終的には友達が出来たものの、1年間自分は孤独だという思いが強く、文化的に異なる環境で思い通りに周囲と打ち解けられない自分自身にとても落胆したことを覚えています。しかし日本に帰国してから参加したサマースクールで、留学の良さは「孤独」だ、という言葉を聞きました。母語が通じない環境で自分自身ととことん向き合うことができることは、日本ではなかなか経験できない。自分が経験した孤独は失敗ではなく、成功だったと価値観を転換することができました。

大学に進学した今でも、自分自身と向き合う時間をとても大事にしています。

 

高校留学時、ホストファザー・ホストブラザー達と

 

Q:高校卒業後の進路として海外大を目指そうと思ったきっかけはどんなことでしたか?

 

環境危機について詳しく掘り下げて学びたいと思っていた高3当時の自分は、科学的なアプローチだけでは十分な理解が得られないとだんだん気づき始めていました。環境科学だけでなく、現在の環境危機が引き起こされた文化的な要因や人々がそれにどう対応しているのか、といったことを学びたいと考えていた時に、リベラルアーツカレッジで、分野横断的に少人数で学べる環境があると知り、ここだ!と思ったことがきっかけです。また大量の課題が出ることも聞き、4年間勉強に集中できる環境に惹かれたことも大きかったと思っています。

 

Q:アメリカへの進学、Earlham Collegeを選んだ理由を教えてください。

 

Earlham Collegeを選んだ理由としては、教授の存在と奨学金でした。Earlham Collegeには環境サステナビリティ専攻があり、気候変動や環境危機について理系だけでなく、文化や社会課題の観点から環境との関係性を考える環境人文学を専門にした教授がいたことが自分の興味にあっていると感じました。そして自分は母子家庭で確実に奨学金をいただかないと留学できない経済状況だったこともあり、グルーバンクロフト基金の推薦枠をいただいたことも決断を後押ししました。
 
Q:Earlham Collegeでは、主にどんなことを学んでいらっしゃいますか?
 

Earlham Collegeでは「平和学」という学問を専攻する予定で、環境危機を引き起こした歴史や文化的な原因を掘り下げて解決するための糸口を探っています。特に気候変動の原因として植民地主義によって人々や自然が搾取され、非西洋的な文化や自然観が抹消されたことがあると学び、実際に現在の社会システムをどうDecolonize(脱植民地化)できるかをラテンアメリカや世界各地の先住民族の取り組みを参考に学んでいます。そうした取り組みを踏まえて、環境危機を止めるために必要なエコロジーは何なのかを模索しています。

 

Earlham Collegeでのハウスメイト達と

 

Q:大学進学前から国際環境NGO350org.の活動に参加するなど、積極的に行動されていましたが、海外大学での学びは、並行して広げていかれている活動にも影響を与えていますか?それはどんな影響でしょうか?

 

大学での学びは自分の気候変動運動でのアクションを確実に支え、より効果的な主張をしたり情勢を理解したりするためにとても役立っています。例えば1年の春学期に”Imagining Climate Change(気候変動をどう想像するか)”というテーマの、気候変動コミュニケーションの授業を受講した際に、人々は科学的なデータよりも価値観や文化的な背景にあったメッセージではないと説得できないと学びました。ちょうどその時期にFridays For Futureの仲間が、国会の環境委員会で答弁する際のスピーチライティングに関わったのですが、授業で学んだことを活かして、日本の文化や社会状況にあった事例やメッセージを工夫し、インパクトのあるスピーチを作ることに貢献できたことはとても大きかったと思っています。

 

Q:これを読んでいる中高生にメッセージをお願いします。

 

自分自身、高校3年生の時には自信も専門知識も全くありませんでした。気候変動というテーマに強く関心がありましたが、果たしてそれを自分が将来ずっとやりたいかということも分かっていませんでした。しかし分からないながらでも、環境NGOにボランティア登録して参加したり、問題について詳しい人に連絡し話を聞いたりする中で、自分自身の興味や理解の幅が大きく広がりました。その中でもより面白そうで、よりチャレンジングな選択肢を選んできたことで、その都度成長するために必死に学び、自分が本当に大事にしたいテーマを見つけました。その時その時、自分が気になる事、チャンレンジしたい事に精一杯取り組む事が、自分を予想もしなかったような方向へと運んでくれたと感じています。「これは面白い!これが好きだ!」と感じる自分自身の感覚を大切に守ってあげてほしいと思います。

 

Q:現在、クラウドファンディングを展開されていらっしゃいます。最後にそのことについて教えてください。

 

現在、気候変動対策が手遅れになってしまうまでのタイムリミットをカウントダウンするClimate Clock(気候時計)を日本に設置するためにクラウドファンディングを行なっています!グラスゴーやニューヨークなど世界各地に設置されている時計を日本ではまず渋谷に設置したいと考えています。

 

今、日本では日常生活を送る中で気候変動について物理的に街中で気づく事ができる仕組みがほぼ存在していません。町中にこの気候変動対策の緊急性を伝える時計を設置することによって、人々が気候変動について身近に気づくきっかけを作り、さらにアクションへ繋げるプラットフォームを作りたいと考えています。今までよりももっと親しみやすく発信し、全ての人が気候変動へのアクションが当たり前に出来るような社会を実現する事が目的です。ぜひご参加いただけると嬉しいです!

 

クラウドファンディング「気候変動アクションを当たり前に!渋谷に気候時計を置きたい!」の記事はこちら

https://readyfor.jp/projects/Climate-Clock-Shibuya

 

 

 

いかがでしたか? 

海外大での学びと並行して、様々な環境活動で活躍されている酒井さんが、高校時代に強く感じた課題意識を大切に、自分の進む道を切り拓いてきたことがうかがえましたね。海外への進学はもちろんゴールではなく、進学した先で、さらに学びの方向性、活動の幅を広げていけるのだということを教えていただきました。酒井さんの今後の活躍にも注目です!

※この記事でご紹介している内容は2021年12月30日現在の情報に基づいています。
 

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