海外大学進学情報

海外大研究シリーズ【アメリカ編②】過去60人以上のノーベル賞受賞者を輩出!「イェール大学」

世界をコロナ禍が席巻する中、海外の大学を直接訪問して、自分の目で見てくることがなかなか難しい状況が続いている昨今。この海外大学研究シリーズでは、海外大進学に興味がある方に向けて、世界の人気大学を中心に「そこが知りたい!」と思うポイントをまとめた情報をお届けしています。今回はアメリカ編の2回目、全米屈指の名門と言われる「イェール大学」を取り上げます。アメリカの社会や文化、政治に最も影響を及ぼすともいわれるイェール大学の魅力をご紹介します。

60人以上のノーベル賞受賞者を輩出!「イェール大学」

イェール大学(Yale University)の基本データ

設立年 1701年
(アメリカで3番目に古い高等教育機関)
所在地 コネチカット州ニューヘブン
学部数 Yale College(Undergraduate college)を含む14のスクールで構成
学生数 学部生:約6,000人
大学院生:約7,500人
大学ランキング(*1) THE:8位
QS:17位
主な分野別ランキング(*2) Law:5位
Business and economics:8位
life sciences:6位
psychology:7位
clinical and health:7位
授業料(*3)と財政援助 ●授業料(諸費用含む):57,700ドル
●ニーズベースの奨学金または助成金:平均60,970ドル(約64%が援助を受けている)
合格率 6.3%(2022年クラス)
留学生率 21%
合格基準の目安 合格者の平均SAT®スコア:1545(2022年クラス)
※直近1年間のイェール大学新入生のスコア範囲は
・SAT®(Evidence-Based Reading and Writing):720-770
・SAT®(Math): 740-790
・ACT Composite: 33-35
立地環境 メインキャンパスはボストンから南に2時間半、ニューヨークから北に1時間半の位置にある小規模な都市(人口約13万人)のダウンタウンエリアにある。ニューヨーク大都市圏の一部であり、「コネチカットの文化的首都」とも呼ばれている。多くのショップ、美術館、レストラン、ビーチ、歴史的名所が近くにある
著名な卒業生 ビル・クリントン氏、ジョージ・H・W・ブッシュ氏、ジョージ・W・ブッシュ氏、ジョディ・フォスター氏、高嶋ちさ子氏 など
※60人以上のノーベル賞受賞者、5人のアメリカ大統領を輩出
公式URL https://www.yale.edu/

*1 THE:Times Higher Educationが発表している「World University Rankings 2021」
  QS:Quacquarelli Symonds発表している「QS World University Rankings® 2021」
*2 Times Higher Education「World University Rankings 2021 by subject」より
*3 Tuition and Fees(授業料とその他諸費用)の2020-2021

イェール大学の特徴

校風

モットーは「Lux et Veritas」(ラテン語で「光と真実」)。保守的な傾向が強く、伝統を重んじる校風と言われていますが、近年は多様性に富んだ環境で、新しいアイデアを育む積極的で独立した思考が奨励されています。学部生が主導する組織活動も非常に活発です。

法科大学院(School of Law)は全米最難関の1つでもあり、歴代のアメリカ大統領など多くの政治家や、経済・文化を含めた各界で活躍する指導者、著名人を輩出していることから、アメリカの政治・経済・教育等の幅広い分野に多大な影響力を持つと言われています。

ハーバード大学とは、建学初期の頃からスポーツや他の分野で伝統的なライバル関係にあることで有名です。

どのような学生が求められているか

入学者の選考においては、「イェール大学のリソースを最大限に活用できる学生」「イェールコミュニティに最も大きく貢献できる学生」の2点が重視されます。イェール大学のリソースと、学生本人の才能の両方を最大限に引き出し、伸ばしていける人材が求められるのです。前提として高い学力が必要で、高校の成績証明書が最重要とされていますが、すべての書類から人間性なども加味して総合的に合否が判断されます。

人気のある専攻

2019年の卒業生に最も人気があった専攻TOP5は、以下の通りです。
●社会科学
●生物医科学
●歴史
●エンジニアリング
●数学と統計

授業の特徴

学部レベルの教育はイェール・カレッジ(Yale College)と呼ばれるリベラルアーツカレッジで行われており、80の専攻で2,000近くのコース(科目)が提供されています。学部生は、専攻を決定する前に、人文科学、芸術、科学、社会科学をカバーするリベラルアーツのカリキュラムで学びます。提供されているクラスの70%は生徒数20人未満の少人数制です。STEM専攻(※)の場合は2年生の終わり、他のすべての専攻の場合は3年生の初めまで専攻を決める必要がありません。
ほかに、革新的で非伝統的なコースを提供する寄宿制大学ゼミプログラムなどの特別プログラムもあります。

※STEMとは、科学(science)、技術(technology)、工学(engineering)、数学(mathematics)のこと

施設・設備の特徴

およそ370エーカーのキャンパスには、18世紀半ばにネオゴシック様式で建てられた、古典的な石造りの建築物が数多くあり、2011年にはTown&CountryMagazineによってアメリカで最も美しい大学のキャンパスに選ばれています。図書館や世界クラスの美術館、自然史博物館、劇場、エールキャバレー(学生が運営する劇場レストラン)などが点在しており、とくに1100万冊を超える蔵書数を誇る図書館は、大学としては世界第2位。また、キャンパス内には多くのパブリックアートがあります。

学生生活の特徴

全寮制の寄宿制大学制度(Residential college system)がとられており、すべての学部学生は在学中、14のカレッジ(Residential college)のいずれかに属します。ほとんどの新入生は寮に住み、全体では84%がキャンパス内に居住しています。各カレッジには食堂、図書館、ランドリールーム、フィットネスセンターなどの設備が完備。また、カレッジごとに教員・アドバイザーが配置されて共に生活を送っており、強いコミュニティが築かれています。また、キャンパスには現在380以上の学生グループがあり、新しいグループやプログラムが常に生まれています。

コロナ禍での授業

イェール・カレッジ(学部課程)の2021年春学期は、開始日を遅らせて調整。2月1日に授業が開始され、5月7日に指導終了の予定です。春休みはなくなり、学期中に5回の休息日が設けられます。秋学期と同様に、すべてのコースがリモートで利用可能となっています。


 

 

イェール大学で学ぶ先輩の声

多様性が重視され、誰もが受け入れられる校風

Yuki.H 先輩
Yale University 卒業

イェールはInclusiveで優しい人が多いなという印象。いろいろなバックグラウンドを持った多様性を重視しようという校風です。あまりcompetitiveではなく、過ごしやすい雰囲気なので、誰がいっても自分の居場所を見つけられる環境があると思います。 あと、校舎がすごくきれいですね。
システム的な特徴としては、レジデンシャルカレッジのスイート制度があります。大学1、2年生がほぼ全員必須で住んでいる寮の中に、1つの共有スペースと複数の1~2人部屋がセットになったスイートという単位があるんです。5~6人が1つのスイートでずっと一緒に生活するので必ず仲よくなれますし、ちょうどいい距離感の関係性が築けます。

イェール大学は入学者の選考でもダイバーシティを重視していて、特徴的な考えや見方を持っている人を受け入れている印象があります。高校生のうちから、他の人とは違う自分なりの考えを見つけてアピールできたらいいのかなと思います。


 

 

イェール大学は、アメリカ東部の伝統ある私立大学8校で構成され、超名門大学の代名詞ともなっている「アイビーリーグ」にも名を連ねており、まぎれもなく全米トップ大学の1校と言えます。入学するためには、学力をはじめとした非常に厳しい水準をクリアしなければなりませんが、高校で高い成績を維持しつつ、課外活動などにも積極的に参加するなどしっかり準備を続けていけば不可能ではありません。イェールでの学びは、古き良きアメリカの伝統と、革新的な最先端の学問に触れられる大きなチャンスです。

※この記事でご紹介している内容は2021年1月22日現在の情報に基づいています。

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