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【’22/4/1更新】コロナ禍の留学最新情報ー4月からの授業はどうなる?ー <世界・日本の留学概況編>

新型コロナに関する世界情勢は一進一退というところですが、留学をめぐる状況は改善傾向にあります。なかなか先が見通しにくいコロナ禍にあっても、海外留学を目指す高校生の皆さんの不安や心配事を少しでも減らせるよう、今回から2回にわたって現在の留学最新情報をお届けします。

まず1回目は、世界や日本の留学概況をお伝えします。

※新型コロナウイルスの感染状況により、各国の対応に関する情報は予告なく頻繁に更新されています。日本を含めた各国の対応については、必ずご自身でも政府機関等の公式発表で最新情報を確認してください。

【22/4/1更新】コロナ禍の留学最新情報-世界・日本の留学概況編-

世界の留学概況

2022年もすでに4月を迎え、新型コロナパンデミックのスタートから2年が経過しています。国によって差はあるもののワクチンの普及も徐々に進み、世界各国は自国の感染状況にあわせた入国制限や入国後の行動制限措置などが行われています。留学生に対する扱いもそれぞれで異なりますが、規定の対策を確実に行えば渡航(留学)が可能な国が増加しており、状況は明らかに改善に向かっています。

留学生を受け入れている国の多くでは、2021年秋学期から対面の授業が再開されている傾向があります。対面授業とオンライン授業を適宜組み合わせた「ハイブリッド方式」をとっている大学も多数あります。基本的にはワクチンの接種やPCR検査などでの陰性確認が義務化、または推奨されており、それをクリアした学生が対面の授業に参加できるという流れになっていることが多いようです。

入国が可能で、対面授業を再開した大学では、学生は基本的にキャンパスに戻ることが求められています。キャンパスでの各種の活動も徐々に再開されています。ただし、自国の状況などから渡航ができない留学生に対して、大学によっては配慮・施策(自国からのオンライン授業への参加で単位を認定するなど)が講じられている場合もあります。

とはいえ、いずれの国でも感染状況によって対応は流動的で、状況に応じて都度、対応を判断するとしていることがほとんどです。感染状況によっては対面の授業が再び規制されるなどの可能性も常に残されていますが、世界的に大学のキャンパスは徐々に平常時の状態を取り戻しつつあるのは間違いありません。
ただ、コロナ以前にそのまま戻るというより、「withコロナ」が実践される社会となりそうです。コロナによって大学のオンライン環境の整備がかなり進み、オンラインによる教育システムはもちろん、大学生活に欠かせないコミュニティづくりなどの活動についてもノウハウ等が蓄積されています。世界の高等教育界では、インターネットなどのツールを有効に活用した、有事に臨機応変に対応できる環境が整ってきていると言えるでしょう。

世界各国の留学生受け入れ状況

日本からの主要な留学先であるアメリカ・オーストラリア・カナダ・ニュージーランド・イギリス各国の【留学生受け入れ状況】(2022年4月1日現在)をまとめました。

※状況は常に流動的で、予告なしに入国制限が実施されることもあります。詳細な情報については、外務省や各国大使館など公的な機関が発表する最新情報を必ず確認してください。

国名 日本からの入国 出発前のPCR検査 入国後の行動制限 申請できるビザ
アメリカ
(原則として、ワクチン接種証明書の提示が必要)

(出発の1日前以内に受けたPCR検査の陰性証明書が必要)
なし(自己隔離不要)(*1) ●学生ビザ(F-1)
●ESTA(電子渡航認証) <3か月未満> ※入国時にワクチン接種を義務付け
オーストラリア
(原則として、ワクチン接種証明書の提示が必要)(*2)

(出発前の72時間以内に受けたPCR検査または24時間以内に受けた抗原検査の陰性証明書が必要)(*3)
多くの州で、到着後24時間以内にRAT検査もしくはPCR検査が必要→陰性が確認されるまで自己隔離が必要
※入国後のルールや規制(検査・各離等)は、州によって異なります。
●学生ビザ
●ワーキングホリデービザ
ETAS(電子渡航認証)
カナダ
(原則として、ワクチン接種証明書の提示が必須)
4/1よりワクチン接種者は不要
※ワクチン未接種者は必要(出発前72時間以内に受けたPCR検査、または出発の1日前に受けた抗体検査の陰性証明)
なし(自己隔離不要)
※ワクチン未接種(必要不可欠な目的で入国が許可)の場合は、14日間の隔離あり
※入国時にランダムでPCR検査を実施
●学生ビザ(Co-opビザ)
●ワーキングホリデービザ
●eTA(電子渡航認証) <観光等の短期>
※原則、ワクチン接種完了者に限り入国が許可
ニュージーランド ×
(原則として不可)(*4)
なし
(*5)
イギリス
(ワクチン接種の有無に関わらず、渡航制限はすべて解除) (*6)
不要 なし ●学生ビザ(Short-term study・Tier 4 (General) Student visa)
●Youth Mobility Scheme (YMS)ビザ ※旧ワーキングホリデービザ
  • *1)州により異なる場合があります。
  • *2)2021年12月15日以降、約1年9ヵ月ぶりにオーストラリアの国境が再開され、ワクチン接種を完了しているなどの条件を満たす日本国籍保持者の隔離なしの入国が再び許可されました。
  • *3)4月17日以降は不要になることが発表されています。
  • *4)ニュージーランドは2月27日以降、5段階に分けて国境再開に向かう計画が進行中。2022年3月14日以降、ワーキングホリデー制度を再開。4月12日以降、現在の入国条件を満たすテンポラリービザ保持者、セメスター2に向けた留学生5000人までの入国が可能となるる予定で、5月2日から査証免除対象国(日本を含む)の国籍を有する者は、観光ビザ(NZeTA)での渡航が可能(到着後の隔離なし)になることが発表されています。2022年10月ごろからはすべてのビザカテゴリー人の入国が許可される計画です。
  • *5)ニュージーランド国外の学生ビザを含むビザ申請受付停止期間は、2022年8月5日まで延長されることが発表されています。
  • *6)イングランド、スコットランドが対象。ウェールズ、北アイルランドに関しては、ガイドラインが異なる場合があります。

【参考ページ】新型コロナウイルスに係る日本からの渡航者・日本人に対する各国・地域の入国制限措置及び入国に際しての条件・行動制限措置|外務省 海外安全ホームページ

▼海外渡航用の新型コロナワクチン接種証明書の概要については下記のページをご参照ください。
【参考ページ】新型コロナウイルス感染症 予防接種証明書(接種証明書)について|厚生労働省

日本人留学生の傾向

2021年は国内外でのワクチン接種がある程度普及し、新型コロナウイルスの感染者数が大幅に減少する国もありました。当初、爆発的な感染拡大によって各国の大学キャンパスが閉鎖されるなどして、日本への一時帰国を余儀なくされた留学生も多くいましたが、状況は次第に改善。とくにヨーロッパ、北米などでは政府の方針により各種の制限が緩和され、それまでオンライン授業を提供してきた大学も2021年秋学期からキャンパスでの授業再開に踏み切るところが増えてきました。完全に対面授業のみ、というより、対面授業とオンライン授業を組み合わせて提供するハイブリッド型を選択している大学も少なくないのですが、多くの留学生は現地に渡航し、生活の基盤を整えながら対面・オンラインの授業を受けるのが主流となっています。仮に感染状況が再度悪化し、キャンパスの再閉鎖などの事態になったとしても、現地で生活を続け、キャンパス再開を待つスタイルが一般的になると予想されます。

日本でも感染者数が一時落ち着いたため、国内大学では留学生の派遣を再開する動きが見られました。ただ、新たな変異株の流行など感染状況の変動により、慎重に様子を見ながらの判断となっている大学も多いようです。

<日本からの出国・日本への帰国に関する情報(外務省 海外安全ホームページより)>

■日本からの出国:

日本の外務省は海外安全情報の「感染症危険情報」として、新型コロナウイルス等の危険度が高い感染症により渡航や滞在に特に注意が必要と考えられる国・地域について、危険レベルを発表しています。

現時点での主要な英語圏の留学先についての危険レベルは以下の通りです。(2022年3月29日現在)

◇アメリカ、カナダ、イギリスなど:「感染症危険情報レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」 ※欧米のほとんどの国が該当

◇オーストラリア、ニュージーランド:「感染症危険レベル2:不要不急の渡航は止めてください。」

▼最新情報は、下記のページでご確認ください。
【参考ページ】外務省海外安全ホームページ

■日本への帰国(水際措置対策):

日本に帰国・入国する全ての方を対象とする水際対策が行われています(2022年3月1日0時以降は、水際対策強化に係る新たな措置が発動しています)。

〇指定国・地域の滞在歴の有無、及び新型コロナウイルス感染症に対する有効なワクチン接種証明書の保持の有無に応じて、入国後の待機期間が決定される
〇自宅等待機が必要な場合、入国後の自宅等への移動に限り、公共交通機関の使用が可能となる

≪指定国からの帰国・入国≫

3回目のワクチン 入国後の流れ
接種済み 原則自宅待機7日間。ただし、3日目以降の自主検査で陰性であり、かつ結果を厚労省へ届け出れば、その後の隔離は不要
未接種 検疫所が定めた宿泊施設で3日間待機、宿泊施設での検査結果が陰性であれば、その後の隔離は不要

≪指定国以外からの帰国・入国≫

3回目のワクチン 入国後の流れ
接種済み 入国後の隔離は不要
未接種 原則、7日間の自宅待機が必要。ただし、3日目以降の自主検査で陰性であり、かつ結果を厚生労働省へ届け出れば、その後の隔離は不要

なお、入国に際し、国籍を問わず下記の対応が必要となります。

  • ・出国前72時間以内に受けた検査の結果の証明書」の提出
  • ・検疫所が確保する宿泊施設での待機・誓約書の提出
  • ・位置情報を提示するために必要なアプリ等を利用できるスマートフォンの所持
  • ・質問票の提出
  • ・ワクチン接種証明書(待機期間の緩和を希望する場合〔任意〕)

▼最新情報は、下記のページでご確認ください。
【参考ページ】水際対策に係る新たな措置について|厚生労働省

<日本人学生の海外留学に関する対応(文部科学省)>

日本人の海外留学についても、基本的にはレベル3「渡航は止めてください(渡航中止勧告)」の国・地域への留学は取りやめるとともに、レベル2「不要不急の渡航取りやめ」の国・地域についても留学の是非またはその延期をあらためて検討するように要請してきています。

※ただし、すでに「海外大学の学位取得を目指す留学」(2020年11月より)、2021年6月に「大学間交流協定等に基づく1年間(実際の派遣期間9か月以上)の留学」(2021年8月渡航分より)については、日本学生支援機構(JASSO)による奨学金の支援が再開されています。

加えて2022年2月7日、感染症の知見の蓄積に加え、新たな変異株の流行等で感染症の影響が長期化することが見込まれ、終息を待っていると一度も留学機会が得られないまま卒業する学生が多く生じる可能性があること等を踏まえ、「大学間交流等に基づく1年未満の海外留学プログラム」についても支援を再開することが発表されました。

学生の渡航にあたり、各教育機関は渡航先の感染状況や感染防止策、感染した場合の現地の医療体制の確認、帰国時の防疫措置の把握、帰国ルートの確保、保険加入の徹底等、学生や生徒の安全確保に万全を期すことなどが前提とされています。

【参考ページ】留学中・留学予定の日本人学生の皆さんへ(2022年2月7日更新)|文部科学省


新型コロナウイルスの感染状況により、ここ数年は海外留学を取り巻く情報が刻一刻と変化してきました。未知のウイルスへの研究やワクチンの普及も着実に進み、2022年を迎えた世界は少しずつ落ち着きを取り戻しています。多くの国で入国制限が徐々に緩和され、基本的にワクチンを完全に接種していれば、渡航が可能な留学先が増えてきました。

変異株の流行等によりいまだ流動的な面はあり、これまでと同じ留学スタイルを完全に取り戻すことはまだ難しいかもしれませんが、留学に関する環境は確実に改善傾向にあり、明るい光が見えてきています。コロナ禍だからといって、留学をあきらめるという時期はすでに終わりつつあると言ってよいでしょう。

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※この記事でご紹介している内容は2022年4月1日現在の情報に基づいています。

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