海外大学進学情報

海外大受験時のアプリケーションに必要!2022コロナ禍の課外活動は何をする?

海外大学に出願するための書類には、アメリカの「コモンアプリケーション(共通願書)」をはじめとして、ほぼ必ずといっていいほど「課外活動」を記入する欄があります。課外活動が評価される割合は大学によって異なりますが、とくにアメリカのトップレベルの大学や名門大学では、課外活動や受賞歴、エッセイなどの要素が合否判定において重要な役割を占める傾向があると言われています。最近では国内大入試でも総合型選抜などの方式を中心に、課外活動の実績が徐々に重視されつつあります。


そんな「課外活動」としてアピールできるのは、学校内での組織や部での活動だけではありません。各種の大会や交流活動等も対象となるため、コロナ禍前は会場に集まって開催されるイベントなどが盛んに行われていました。コロナの感染拡大により2020年からはイベント等の中止や変更が相次ぎましたが、状況が改善するにつれて今年度は再開された大会・イベントもたくさんあります。

今回は、現在の各種活動やイベント等の最新状況をチェック! 「コロナ禍においてどのように活動し、実績を作っていけばいいのか」をぜひ考えてみてください。

海外大受験のアプリケーションに必要!コロナ禍の課外活動は?

◆課外活動の主なタイプ別 2022年度の状況◆

海外大学に出願する際の共通願書(コモンアプリケーション)などによく書かれる課外活動の代表的なタイプごとに、2022年度の状況や活動形態などをまとめました。

①自分の高校内、または個人で応募でできる課外活動

感染対策をしながらも、ほぼコロナ禍前の活動状況に戻りつつある
感染状況に応じて活動内容は柔軟に対応!

課外活動の中で「自分の高校内で活動しているもの」または「個人で応募できるコンテストなど」に関しては、その地域の感染状況にもよりますが、十分な感染対策を行ったうえでコロナ禍前とほぼ変わらずに実施されていることが多くなっています。ただし、活動の内容や感染状況によってオンラインでの実施に切り替えるなど、臨機応変な対応が取られています。コンテスト・コンクール・発表会などは、オンラインでの提出や配信などの仕組みがおおむね整備されたため、実施形態は状況に応じて判断されるようになっています。

タイプ/共通願書の英語表記

活動の内容例

2022年度の状況(予定)

高校の組織活動(部活動は除く)/School Spirit

生徒会、委員会、クラスでの活動など。


※校内の運動部やクラブでの活動は、下記のAthleticsに含む。

感染対策をしたうえで継続的に実施


※感染状況によっては、一部、オンラインでの実施となる場合あり

運動部:準レギュラー・レギュラー/Athletics: JV/Varsity


運動クラブ/Athletics: Club

運動部や運動クラブでの活動。


※Varsityはレギュラー、JV(Junior Varsity)は準レギュラーの意。

感染対策をして活動実施


※感染状況により、一部地域では部活動が中止される期間あり

※大会は感染対策をして実施

外国語/Foreign Language

校内でのESS活動、外国語学習歴など。

感染対策をして継続的に実施

ジャーナリズム、出版/Journalism, Publication

出版物等の記事作成、寄稿など。

WEB提出などで継続的に実施


※ただし、取材活動はオンラインで実施するなど、感染状況に応じて制限される場合あり

音楽:楽器(演奏)/Music: Instrumental

 

音楽:歌/Music: Vocal

楽器の習い事、演奏歴、合唱歴など。

感染対策をして継続的に実施


※感染状況によっては、集団での練習、発表会、コンクール等は中止やオンライン実施、録音審査等になる場合あり

美術/Art

美術に関する活動全般。校内イベントのパンフレット制作(デザイン等)なども可。

感染対策をして継続的に実施


※校内イベントは中止または規模縮小して実施などの可能性あり

その他のクラブ、活動/Other Club, Activity

上記のどの分類にもあてはめにくいものはここに記入する。

感染対策をして継続的に実施

②「場」「直接交流」で行われていたアカデミックな大会やイベントによる課外活動

実地での開催も次第に再開!
感染状況によってはオンライン実施への切り替えも

課外活動として、学問レベルを競うアカデミックな大会やコンテストへの出場歴、学術的なキャンプやプログラムへの参加、サマースクールや海外交流イベントなどの経験も書くことができます。
各大会、イベント等の主催者によって詳細な対応は異なりますが、実地での開催が再開されるものも徐々に増えてきました。実地とオンラインを組み合わせて実施される場合もあります。主な大会等の2022年度の予定は以下の通りです。

タイプ/共通願書の英語表記

活動例

2022年度の状況(予定)

アカデミック / Academic

 

▶︎学問レベルを競うアカデミックな大会等への出場歴(サマースクールやキャンプ等への参加も含む)

 

※大会での入賞歴は「Honors」の欄に書くのが一般的。

国際数学オリンピック(IMO)

IMO2022は2022年7月6日~16日にノルウェー・オスロで開催予定


*日本代表選手候補を選抜する第32回日本数学オリンピック(JMO)は2022年1月~2月に実施済み(予選のみオンライン)



※2021年ロシア(サンクトペテルブルグ)大会【IMO2021】はリモート形式で開催

国際物理オリンピック(IPhO)

2022年は7月に予定されていたベラルーシ大会は中止が決定。代わりに、スイスとリトアニアを中心とした代替大会が準備されており、7月にオンライン形式で開催される予定


*日本代表選手は2021年の第17回全国物理コンテスト 物理チャレンジ2021の参加者の中から選抜済み



※2021年リトアニア大会【IPhO2021】はオンライン形式で実施

国際化学オリンピック(IChO)

IChO2022は2022年7月8日~18日に中国(天津)で開催予定(試験はリモート形式の予定)


*日本代表は化学グランプリ2021の参加者の中から選抜済み


※2021年日本・大阪大会【IChO2021】はリモート形式で実施

国際生物学オリンピック(IBO)

IBO2022は2022年7月10日~18日までアルメニア・エレバンで開催予定


*日本代表選考を兼ねた日本生物学オリンピック 2021は2021年7月~9月に実施済み



※2021年のポルトガル(リスボン)大会【IBO2021】は中止。代替イベントとしてIBO Challenge Ⅱを7月にオンライン開催

国際地学オリンピック(IESO)

IESO2022は2022年8月25日~31日までイタリア・アオスタでオンライン開催の予定


*日本代表選抜を兼ねた第14回日本地学オリンピックは2021年12月~2022年3月に実施済み


※2021年は8月にIESO2021・オンライン大会として実施

国際地理オリンピック(iGeo)

IGEO22は2022年7月12日~18日までフランス・パリでオンライン開催の予定


*日本代表選考を兼ねた第16回科学地理オリンピック日本選手権は2021年12月~2022年3月に実施済み


※2021年は8月にトルコ(イスタンブール)大会【IGEO21】をオンラインで実施

国際情報オリンピック(IOI)

IOI2022は2022年8月7日~14日までインドネシアで開催予定


*日本代表選手は第 21 回日本情報オリンピック(JOI 2021/2022)の参加者の中から選抜済み


※2021年は6月にシンガポールでオンラインコンテストとして開催

国際哲学オリンピック(IPO)

IPO2022は2022年5月26日~29日までポルトガル・リスボンで開催予定


*日本代表の出場者は2021日本倫理哲学グランプリの入賞者の中から2022国際哲学オリンピック選考会を経て決定済み


※2021年は5月にスロベニア大会【eIPO 2021】をオンラインで開催

高校模擬国連国際大会(Global Classrooms International high School Model United Nations)

毎年5月に国際大会を開催(通常時はニューヨークで実施)


※2021年の国際大会はオンラインで実施


*日本代表団は「全日本高校模擬国連大会」で選出。2022年度は11月12日~13日に開催。本選への出場者はオンライン形式の予選会で選定。

(国際大会への代表団の派遣可否は感染状況により判断)

科学、数学/Science, Math


▶︎科学や数学系のキャンプやプログラムへの参加、大学等での実験、研究、活動体験、海外での論文発表など

グローバルサイエンスキャンパス〔Global Science campus:GSC〕

2022年度は、以下の実施機関で講座が開かれる予定


●宇都宮大学:「君が未来を切り拓く!~宇大の科学人材育成プログラム~」


●千葉大学:「Society 5.0を創出する未来リーディング人財養成 〜科学技術の高度な基礎⼒とSociety 5.0において世界を作り上げる能⼒を併せ持った課題解決型科学技術人財の養成〜」


●東京大学:「イノベーションを創出するグローバル科学技術人材の育成プログラム」


●金沢大学:「人類の未来をつくる独創的研究者の育成」


●名古屋大学:「名大 MIRAI GSC:未来の博士人材育成プログラム」


●神戸大学:「“越える”力を育む国際的科学技術人材育成プログラム」


●広島大学:「持続可能な発展を導く科学技術人材育成コンソーシアムGSC広島 ~世界を舞台とした教育プログラムと地域の産学官連携による人材育成~」

アジアサイエンスキャンプ〔Asia Science Camp〕

2022年は7月24日~7月30日に韓国・テジョン市で開催


*実地とオンライン会議プラットホーム(Youtube、Zoom等)を組み合わせた方式による開催が検討されており、日本ではオンライン会議プラットホームを利用して国内からASC2022に参加する予定


※2021年は中止

海外交流/Foreign Exchange

海外交流イベントへの参加、運営など。

海外との交流を行うイベント等は、ほぼオンラインで実施

ディベート、スピーチ/Debate, Speech

ディベート大会、スピーチ・コンテストへの参加など。


※Academicの模擬国連はこちらに記載しても可。

会場またはオンラインで開催

コミュニティ活動(ボランティア)/Community Service(Volunteer)

各種ボランティア活動(NPO等でのボランティアも可)。


※将来の職業に関連するボランティア活動はCareer Orientedの項に記載するほうがよい。

感染対策をしながら活動実施


※状況に応じてオンラインでの活動もあり

キャリア志向/Career Oriented

 

▶︎インターンの経験、NPO等での活動歴など

キャリア甲子園

2022年度大会の実施要項は未公表


※2021年度は6月1日に大会テーマ(「Re:Creation」)が公開され、7月~3月にかけて開催。準決勝・決勝大会はオンラインで実施


新型コロナウイルスの感染状況は一時期よりも落ち着き、コロナ禍による世界中の混乱も少しずつ収まりつつあります。ワクチンの普及などもあって、行動制限が徐々に緩和されている国も。各国の教育現場も、コロナ以前の姿を取り戻し始めています。

もちろん、まだまだ感染対策により活動に制限が設けられ、すべてが以前と同じようにはいかない場面も少なくはないのが現実ですが、様々な活動・イベント等ではオンラインによる実施の仕組みがかなり整備されたため、状況に応じて臨機応変な対応がとられるようになっています。

大会やイベント等がオンラインでの開催となっていても、願書でアピールできるような実績にならないのではないかと心配する必要はありません。通常の活動ができない状況はすでに海外大学側も十分に承知しているため、出願書類の内容を「柔軟に」読む姿勢をとっています。派手な活動でなくても大丈夫ですし、オンラインでの活動もしっかりと評価されます。オンラインという手段が確立されたことで、地元にいながら世界規模の大会にアクセスできる機会が増えたわけですから、むしろチャンスととらえましょう。

願書の「課外活動」で最も見られているのは、学生が何に時間を費やし、どのような努力をしてきたかということ。華々しい成績ではなくても、長期間にわたってじっくり取り組んでいる活動が高評価を受けるとも言われています。身の回りの活動を地道に続け、そこからどんな成長をし、何を得たかを伝えることが、海外大合格への近道です。
まずはしっかり最新情報を収集して今できることを確認し、興味があることには積極的に取り組んでいきましょう。


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※この記事でご紹介している内容は2022年5月13日現在の情報に基づいています。

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