海外大に提出する「推薦状」とはどんなもの?
海外大学への出願の際に、ほぼ必ずと言っていいほど必要となる書類の1つが「推薦状」です。海外大に興味を持って出願要件などを調べてみた方は、「推薦状2通」などと書かれているのを目にして困惑したことがあるかもしれません。日本の場合、「推薦状」というと学校での学業成績やスポーツなどで優れた実績を残した一握りの人にしか発行してもらえない特別なもの、というイメージがありますが、実は海外大の場合、少々意味合いが異なります。
では、海外大の出願時に必要な「推薦状」とはどんなものなのでしょうか?いざ出願、という段階で戸惑わないように、海外大受験に必要な推薦状について内容や作成方法をご紹介します。
出願書類の「推薦状」とは?
海外大の入試で重要視されている理由
日本からの留学先として人気のある欧米・オーストラリアなどの海外大学の多くが、出願要件として「推薦状(Recommendation Letter)」の提出を求めています。必要な通数は大学・学部等によって異なりますが、1~2通であることが多いようです。もちろん英語で書かれた推薦状が必要になります。
海外大における「推薦状」とは、基本的に出身校の先生に書いてもらう手紙で、合否を審査する際に評価の対象となります。出願者(あなた)がどのような人物なのか、人柄や性格、意欲はもちろん、どのような知識やスキルを持っているかなども含めて、客観的に評価した文章が記されていなければなりません。
海外大の入試では学業成績はもちろん重要ですが、それだけでなくユニークな感性や際立った才能、また校風に合う人間性などが重視される傾向があります。推薦状は、出願者の人格を知るための貴重な資料として、学力だけでは甲乙つけがたい複数の出願者を比較する際の材料となります。大学の入学担当官は、この推薦状やエッセイなどを通じて学校の成績(GPA)やテストのスコアなどの数字だけではわかりにくい出願者の性格や人柄などの全体像を把握します。
海外大受験 「推薦状」提出までのプロセス
①入学要件をオンラインで確認し、必要な通数や書いてもらう人などのガイドラインをチェック
②依頼する人(先生)を決めて、相談する
日本の高校を卒業して海外大に進学する場合は、基本的には高校の先生に書いてもらうことになります。大学側の出願要件で、推薦状を書く先生についての指定がある場合(教科の指定など)は、それに従いましょう。
③執筆者(先生)が十分に時間をとれるように、なるべく早めに依頼する
秋入学を目指す通常のスケジュールの出願であれば、できれば高3の初夏までには依頼しましょう。依頼するときは、執筆してくださる先生への情報提供(推薦状の形式や締切り、志望大についてや、その大学で何を学びたいかなど)をしっかり行いましょう。またその際、英語で書いてもらえるかどうかも、忘れずに確認してください。
④執筆者(先生)が日本語で書く場合は、英語の先生などに翻訳をお願いできるか確認する
英語が堪能でない先生の場合、日本語でしか書けないと言われることもあります。その場合は、英語科の先生や知人で英語が得意な人に翻訳をお願いできるか、早めに確認しましょう。もし周囲にお願いできる人がいない場合は、有料にはなりますが、翻訳会社などに頼む方法もあります。
⑤(翻訳された状態の)推薦状完成
⑥他の書類とあわせて出願
推薦状のフォーマットが指定されていない場合、形式は一般的な英文のレターであればOKです。大学側から指定がある場合は、注意深く規定に従ってください。規定に合わない形式で提出すると、受け付けてもらえないことがあります。
<推薦状の基本的な構成>
推薦状は できればA4・1 ページにおさまる長さで、4~6段落で構成します。
◆冒頭(本文に入る前に記載する項目)
- ・日付、進学先の学校名、担当者名
- ・推薦者の所属や被推薦者との関係(+被推薦者の一般的な印象、知り合った時期など)
◆本文
- ・出願者について(性格、人柄、人間性)
- ・成績や態度
- ・推薦する理由
◆結び
- ・被推薦者がいかに推薦に値する人物なのかを再定義し、文章を締めくくる
- ・推薦者の署名(名前・所属(連絡先)・サイン)
学校の先生に「推薦状」を依頼する際のコツ
海外大に出願するには、ほぼ必ず必要となる推薦状。高校生であれば、通常は自分が通学する高校の先生にお願いすることになりますが、海外大進学する生徒があまりいない高校では、先生も慣れていないことがあります。先生に過度な負担をかけないよう、依頼の仕方には注意しましょう。
(1)依頼する相手は、自分のことをよく知っている人にする
推薦状は、自分の人格についてよく理解していて、海外大への進学を応援してくれている人に書いてもらうべきです。高校卒業後に海外大に進学する場合、必要な推薦状が1通なら、高3の担任に頼むのが一般的。日頃から、先生との信頼関係を築くための努力をしておくことも重要です。2通以上必要なら、部活動の顧問の先生や得意教科の先生など、自分と関係の深い先生の中から選ぶと良いでしょう。
(2)内容はより具体的に、その人にしか書けないエピソードを必ず入れてもらう
推薦状の複数提出が要件とされている場合、それはつまり、大学側が出願者の多様な面を知りたいということを意味しています。推薦状の内容が同じにならないように、異なる立場の先生に依頼するのがポイント。人柄・学業・課外活動への取り組み姿勢など、異なる側面から書いてもらえるようにしましょう。いくらお世話になっているからといっても、得意教科の先生から2通、などは避けたほうが賢明です。
(3)依頼する相手になるべく多くの情報を提供し、負担をかけないようにする
推薦状の執筆を引き受けていただいた先生には、必要な情報をしっかりお伝えしましょう。推薦状の形式はもちろん、出願の締切りや提出方法などは必ず最初に伝えること。さらに、志望大がどんな大学か、海外では何を学び、将来はどんな道を目指しているのか、なども簡単にまとめてお渡しして、目線を合わせておきたいところです。出願の際に提出する予定のアプリケーションエッセイがある程度書きあがっていたら、その内容を共有するのもよいでしょう。
(4)時間に余裕を持ってお願いする
推薦状を依頼された先生としても、生徒の将来を左右する大切な書類なので、執筆には時間がかかります。英語があまり得意でない先生であれば、正しい英語に翻訳する時間も必要です。納得のいく推薦状を書いてもらうためにも、十分な時間を確保できるよう早めに依頼することが大切です。
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※この記事でご紹介している内容は2022年8月5日現在の情報に基づいています。