海外大学進学情報

世界大学ランキング(THE)23年版発表!日本の大学の位置付けは?

2022年10月12日、イギリスの高等教育専門誌「Times Higher Education(THE:タイムズ・ハイヤー・エデュケーション)」は、毎年恒例となっている「THE世界大学ランキング」の2023年版を発表しました。19回目となる今回のランキングについて、日本の大学のランクイン状況や動向をお伝えします。

はたして、世界の高等教育における日本の大学の位置づけは?「世界レベル」の中での日本の大学の評価や、その傾向を知ったうえで、あらためて「国内か、国外か」という進路の検討をしてみるのも良いのではないでしょうか?

世界大学ランキング(THE)23年版発表

「THE世界大学ランキング2023」にランクインした日本の大学(800位まで)

「THE世界大学ランキング」は、「教育」「研究」「被引用論文」「国際性」「産業界からの収入」の5分野・13指標で各大学のスコアを算出し、世界各国の大学をランク付けしています。ここでは、2023年版の全体スコアのランキングの中で、800位までにランクインした日本の大学を一覧でご紹介します。

2023年

順位

2022年

順位

順位の変動 大学名 設置区分 総合スコア 日本版ランキング2022の順位

39

=35

東京大学

国立

75.9

2

68

61

京都大学

国立

68.0

5

201-250

201-250

東北大学

国立

51.2-54.3

1

251-300

301-350

大阪大学

国立

48.9-51.1

=3

301-350

351-400

名古屋大学

国立

47.0-48.7

8

301-350

東京工業大学

国立

=3

501-600

501-600

北海道大学

国立

39.3-42.0

6

九州大学

国立

7

東京医科歯科大学

国立

15

筑波大学

国立

9

601-800

601-800

関西医科大学

私立

34.0-39.2

151-200

401-500

産業医科大学

私立

121-130

横浜市立大学

公立

34

※ 順位の数字に「=」がついている場合:同順位の大学あり
※ 順位の変動が「=」の場合:前回順位から変動なし

2023年版ランキングの概況(世界)

今回、ランキング対象になったのは104の国・地域の1,799校で、前年から137校増えて過去最多。これまでで最大、かつ最も多様な大学ランキングとなりました。

トップは7年連続でオックスフォード大学。2位はハーバード大学(前年と同じ)、3位は同率でケンブリッジ大学(前年5位タイ)とスタンフォード大学(前年4位)がランクされました。5位はマサチューセッツ大学(前年5位)で、前年2位タイだったカリフォルニア工科大学は6位となりました。
トップ10では、前年10位のシカゴ大学と入れ替わって、前年13位のインペリアル・カレッジ・ロンドンがランクイン。上位10校の顔触れは、アメリカ7校、イギリス3校となっています。

上位20位までを見ると、アメリカが最も多く14校。続いてイギリスが4校、中国が2校、スイス、カナダ、シンガポールがそれぞれ1校ずつとなります。アジアからは前年16位タイで並んでいた中国の清華大学(16位)と北京大学(17位)がいずれも20位以内をキープしたのに加え、前年21位だったシンガポール国立大学が2ランクアップして19位と、トップ20の仲間入りを果たしています。

100位までを見ても、中国から7校、香港から5校、韓国からはソウル大学(56位)など3校、シンガポール2校など、ここ数年のアジア躍進の流れは継続傾向。対して、100位以内のアメリカの大学は34校と世界で最も多いものの、2018年の43校をピークに減少傾向にあります。ランクイン総数や上位ランクイン数など、様々な面でポジションが下降気味であることがうかがえます。

2023年版 日本の大学の動向

今回、日本からランクインしたのは117校(前年118校)。国・地域別ではトップのアメリカ(177校・前年183校)に次いで、2位となっています。3位は103校がランクインしたイギリス(前年101校)でした。

日本のトップは東京大学。過去最高位だった前年から4ランク下がって39位でした。2番手は京都大学、7ランク下がり68位となりました。続く3番手は、201-250位の東北大学(前年と同じ)。そのあとは、それぞれ前年から1バンドのランクアップとなった251-300位の大阪大学 (前年301-350位) 、301-350位の名古屋大学 (前年351-400位)が続いています。

日本の上位10位までを国立大が占めた中で、私立大のトップは601-800位の関西医科大学(前年と同じ)と産業医科大学(前年401-500位)でした。
公立大では、601-800位の横浜市立大学(前年401-500位)がトップ。801-1000位の会津大学が続いています。大阪市立大学と大阪府立大学(いずれも前年1201+)の統合によってできた大阪公立大学は、初参加で1201-1500位でした。

THEは「日本の大学のランクイン校数はアメリカに次いで多く、日本の教育が真の多様性を備えた総合的で強力なセクターであることを示している。トップ100 への2校のランクイン、大阪大学と名古屋大学のトップ 500内での着実な順位上昇など、日本は世界ランキングにおいて全体的に強い地位を維持している」とコメントしています。

ただ、今回のランキングで800位以内に入った日本の大学は13校。前回の18校から5校減少となりました。全体的に順位を上げる大学が少なく、順位とスコアが詳しく公表される200位までに入った大学は、2016年以降は2校に留まっています。ランクイン総数はアメリカに次いで多いものの、上位への食い込みがまだまだ弱いのが日本の特徴。トップ大学の層をいかに厚くしていけるかが、今後の課題と言えそうです。

「指標項目」ごとのスコアに注目してみよう

「THE世界大学ランキング」のWEBサイトでは、Overall(総合)のランキングだけでなく、各ランクイン大学の指標分野ごとのスコアも見ることができます。

【参考ページ】World University Rankings 2023

「Teaching(教育)」「International outlook(国際性)」「Industry income(産業界からの収入)」「Research(研究)」「Citations(被引用論文)」の5分野について、それぞれの分野のスコアが高い順に大学を並べて見ることも可能。過去のデータを知りたい場合は、2011年まで遡って見ることもできるので、ランキングの変動や特定の大学のスコアの変遷なども簡単に調べることができます。

複数の大学の指標分野ごとのスコアを見比べたり、全体順位と分野ごとのランキングを比較してみたりすると、それぞれの大学の強みや特徴などがつかめるでしょう。たとえば、今回601-800位に入った関西医科大学、産業医科大学、横浜市立大学は「被引用論文」分野のスコアが高いのが特徴で、有力な論文を発表した研究者がいることがうかがえます。また、今回801-1000位と1バンドのランクダウンとなった会津大学は「国際性」のスコアが日本の中では飛びぬけて高いこともわかります。

世界の大学、日本の大学のランクイン状況や順位変動だけでなく、ぜひ指標分野ごとのスコアにも注目して「THE世界大学ランキング」を見ていきましょう。世界の中で日本の大学がどのような位置付けなのかがチェックできるはずです。国内大学か海外の大学か、進路を決めかねている方は、このようなデータや視点も参考にして大学選びをしてみることをおすすめします。


ベネッセの海外進学プログラムなら、
自信を持って進める自分だけの進路ルートや、奨学金を「狙える」ところまでを
徹底的にサポートできます。

いっしょに海外大で学ぶという夢をかなえてみませんか?

お問い合わせはこちら

※この記事でご紹介している内容は2022年11月4日現在の情報に基づいています。

LINE UP

海外、国内を問わず、グローバルな進路を実現する
学習プログラムをご用意しています