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【保護者向け】お子さまの進路の選択肢が増やせる!国内・海外大併願が意外とやりやすい3つの理由

海外大を進路の1つとして考えてみたい、と思っても、「海外大だけに絞って不合格だったら困るし…」「国内にも魅力的な大学があるから迷う」というご家庭も多いのでは? また海外大進学を決めてしまうと、国内大との併願は難しいのではないか、と思う方もかなりいらっしゃるかもしれません。たしかに、「海外大入試」と聞くと、日本の大学入試とは全く違う準備が必要であるように感じてしまいますよね。

ところが、実際に国内大・海外大の併願を成功させている先輩からは、「併願は比較的やりやすい!」という声も多いのです。
一見対策が違いそうな海外/国内併願がなぜ可能と言えるのでしょうか?今回はその「3つの理由」を、入試のしくみごとご紹介していきます。

国内・海外大併願が意外とやりやすい3つの理由

 

併願しやすい!理由① 国内グローバル大で増加中の「総合型選抜」が利用しやすくなるから

「総合型選抜」が利用しやすくなる

学力だけで評価しない「総合型選抜」の注目度が高まっている

日本の大学入試が2021年度(2020年度の高校3年生対象)から大きく変わったのは、すでにご存知の方も多いかもしれません。大学入試センター試験が「大学入学共通テスト」になった、というトピックスが特に大きく取り上げられましたが、実はほかにも多くの変更が実施されています。その中の1つが、入試形式の変更。これまでの「一般入試」が「一般選抜」へ、「推薦入試」が「学校推薦型選抜」へ、「AO入試」が「総合型選抜」へと名称が変更されました。入試の実施内容(選抜方法)や選考で重視するポイントなども、実は細かく変化しています。

この中で注目したいのが、「総合型選抜」という入試方式。もともとAO入試と呼ばれていたこの入試、保護者の皆さんの中には一時期盛んに使われていた「一芸入試」というような言い方のほうがピンと来る方もいらっしゃるかもしれません。

「総合型選抜(旧AO入試)」とは、簡単にいうと、学力だけでなく受験者の個性や特技、入学への熱意なども審査して入学者を選抜する方法。基本的に、大学側が決めた「求める学生像」に合った人物を採用するための方式なので、選考期間が長く、選考方法もバラエティに富んでいるのが特徴。受験者の能力・適性や学習に対する意欲、学びへの目的意識などが時間をかけて総合的に評価されます。

「総合型選抜」はグローバル系で増加

海外大入試の仕組みに似た「総合型選抜」はグローバル系で増加

この「総合型選抜」、実は海外大の入試にとてもよく似た方式なのです。
海外大(とくに欧米)の入試は、ほぼすべての国で、原則として一斉に行う学力テストがありません。締切日までに指定された書類を提出することで出願が完了し、合否は主に書類審査で決まります。受験者から提出された様々な情報を丁寧に検討し、それぞれの大学が求める学生像や校風に合う学生を選びます。

総合型選抜と海外大入試、どちらも「個性」「人間力」を重視する、という点でよく似ているのがおわかりいただけるかと思います。

総合型選抜(旧AO入試)は、実質的に、これまでにもすでに多くの大学で実施されてきています。たとえば2019年度の入試では国立大学で70%超、私立大学だと84%の大学でAO入試が実施された実績が。中でもグローバル系の大学では、総合型選抜を導入している学校が多い傾向があります。大学全体ではなく、グローバル系・国際系と呼ばれる学部だけが総合型選抜を実施しているところもあります。

グローバル系・国際系の大学・学部は、近年、文系・理系の垣根を超えて幅広い知識やスキルを身につけられる「リベラルアーツ教育」への関心の高まりとともに、人気・注目度が急上昇しています。専門分野を英語「で」学べるプログラムや、追加費用なしで全員留学必須のカリキュラム、世界中から留学生が集まる国際的なキャンパスなど、まるで海外大さながらの経験ができる学校も。

日本にいながらにして、国際社会で活躍できるグローバル人材の育成を目指す「グローバル系」の大学・学部の多くが、海外大入試に近い形の総合型選抜(旧AO入試)を採用しているのは、当然と言えるかもしれません。

併願しやすい!理由② 海外大対策は、国内大対策が本格的になる高3前までに積み上げやすいから

海外大は「高1からの積み上げごと」評価されます

日本から海外大に出願する場合、必要な書類は主に下記のものになります。

1.TOEFL iBT®テストまたはIELTSのスコア
2.SAT®またはACTのスコア(アメリカの大学のみ)
3.高校の成績(3年間)
4.課外活動歴・受賞歴
5.エッセイ(英文)
6.推薦状(高校の先生より)

よくよく中身を見てみると、これらはほとんどが高校生活を通して定期的・長期的に積み上げていくものになります。誤解されがちですが、海外大の入試でいちばん重視されるのは「高校でどんなことを学び、何を経験してきたか」です。まずは高校での勉強や活動をしっかり頑張ることが、合格への最短ルートです。

1や2は英語で受検する学力テストと「外部英語検定試験」と呼ばれる英語力テストです。必要となるのは、言わずもがな、英語力。早いうちから、一朝一夕では身につかない英語の4技能【Reading(読む)・Writing(書く)・Listening(聞く)・Speaking(話す)】をバランスよく伸ばしていくことに力を注ぎ、実力が高まったタイミングで受検し、その点数を提出することになります。

そのとき培った「英語力」は大きな武器。TOEFL iBTテストで高得点が取れるのであれば、国内大の共通テストや二次試験の英語も怖いものではなくなります。また総合型選抜であれば、TOEFL iBTテストなどの英語検定試験のスコア提出が出願の要件となっている大学・学部も多く、かなり有利に働きます。
とくに英語は、これからのグローバル社会を生き抜くお子さまには必須となる力。仮に海外大を受験しないことになっても、身につけておいて絶対に損はありません!

3に関しては、高1からの成績がすべて評価の対象となります。日々の授業や定期テストにコツコツ取り組んでいれば有利になります。そして「学校の成績」を高いレベルでキープできているならば、高1からの範囲の学習がしっかり身についているということ。高3になってから焦って基礎からやり直し…などという状況にはならないはずです。

海外大でかなり重視される4の「課外活動」も、短期的なものより自分の興味・関心に沿って長期で取り組んでいる活動が評価される傾向があります。これに関しても、国内グローバル大の中には課外活動歴やエッセイの審査など、海外大と似たような選考を行うところもあります。

こうして考えていくと、高3になってから新たに準備にとりかからなければいけないのは、5と6のみ。そして海外大のエッセイや出願書類のために準備したことは、そのまま国内大の総合型選抜の出願書類に活かせる場合も多々あります。

<併願対策スケジュール例>

以上をふまえて、高1〜3の併願を見据えた対策の目安は次のようになります。

<高1でやるべきこと>
・学校の成績を上げる
・課外活動を積極的に行う
・英語力をUPさせる(TOEFL iBTなどの外部英語検定試験対策を行う)

<高2でやるべきこと>
・学校の成績を上げる
・課外活動を積極的に行う
・英語力をUPさせる(TOEFL iBT対策を行う+SATの対策を始める)

<高3でやるべきこと>

■1学期:
・引き続き学校の成績を上げる
・国内大の入試対策を行う
・エッセイの準備を始める
・SAT対策を行う&受検

■夏休み: 
・エッセイを書き、推敲を重ねる
・海外大の出願書類の準備をする
・SAT対策を行う&受検
・国内大の入試対策を集中的に!

■9月~10月:
・エッセイを仕上げる
・海外大の出願書類を仕上げる
・国内大の総合型選抜の出願書類を準備して出願(受験する場合)

■11月~12月:
・海外大の出願完了
・国内大の入試対策を行う
・総合型選抜の試験(面接など)、合格発表

■1月~2月:
・国内大の入試(一般選抜)に全力投球!

■3月:
・国内大・海外大の合否結果がすべて判明

このようなことから、海外大入試を視野にいれて早いうちから1~4の対策を着実に頑張ってきたお子さまであれば、そこでつけてきた実力は間違いなく国内大の入試でも生きることがわかります。

併願しやすい!理由③ 国内大と海外大入試の入試スケジュールがずれているから

もう1つ気になるのは、入試スケジュールの問題ではないでしょうか?入試が同じ時期にかぶっているのでは、お子さまへの負担が大きすぎますよね。海外大と国内大のおおまかな入試スケジュールを見ていきましょう。

国内大・海外大入試スケジュール

国内大・海外大入試スケジュールを比較してみましょう!

<国内大入試のスケジュール>

  総合型選抜 一般選抜
出願時期 ●国公立大:9月15日~10月
●私立大:9月15日~ ※11月以降に出願ができる大学もあり
●国公立大:1月中旬に大学入学共通テスト/1月下旬に2次出願/2月下旬~2次試験
●私立大:12月中旬から1月中旬に出願/1月下旬~2月中旬に試験
合格発表時期 ●国公立大:11~12月上旬
●私立大:10月~3月(随時)
●国公立大:3月上旬に前期の発表/3月下旬に後期の発表
●私立大:2月~(順次)

総合型選抜では、国公立大学の場合は出願が9月15日~10月、合格発表が11~12月上旬という入試日程が一般的です。私立大学の場合、9月15日以降に出願が始まるのは国公立と同じですが、11月以降も出願ができる日程が用意されている大学も多数あります。

一般選抜は、国公立大の場合、大学入学共通テストが1月中旬、1月下旬に2次の出願を行い、2月下旬から2次試験が始まります。私立大は12月中旬から1月中旬ぐらいに出願、1月下旬から2月中旬にかけて試験が行われ、順次、合格発表となります。

国内で国公立と私立の一般選抜を併願する際は、共通テストと国立2次試験の間に私立大を受験するのが一般的です。

<海外大の入試スケジュール>

  早期出願 通常出願
出願締め切り ●アメリカ:11月上旬~ ●アメリカ:1月上旬
●イギリス:一部の難関大学は10月15日/それ以外の大学は1月15日
合否発表 ●アメリカ:12月中~2月ごろ ●アメリカ:3月~4月上旬
●イギリス:一部の難関大学は12月中旬/それ以外の大学は3月末まで

アメリカの場合、早期出願と通常出願があります。早期出願は11月上旬に出願締め切り、早いところだと12月中に合否発表(〜2月ごろまで)が行われます。通常出願は、1月上旬に出願締め切り(難関大学だと1月1日が締め切り!)、3月~4月上旬までには合否通知が届きます。

イギリスの場合は、9月上旬から出願期間がスタート。一部の難関大学で10月15日が出願締め切り、12月中旬に合否が判明します。それ以外のほとんどの大学の出願は1月15日に締め切られ、3月末までには合格通知が届きます。

他の国でもおおむね同じようなスケジュールとなっています。つまり海外大の入試は、国や大学によって詳細は異なるものの、12月中(遅くとも1月上旬まで)をめどに必要な書類を揃えて出願すれば、あとは待つだけ。合否結果は3月末ぐらいには出揃うことになります。

海外大の出願が終われば、国内大の一般選抜だけに絞って対策するため、上手にスケジュールコントロールすれば、国内大入試対策にかける時間は、意外と確保できるというわけです。

まとめ

海外大で多様性のある最新の学びを体験してみたい!でも、グローバルな学びが可能になりつつある国内大の可能性も捨てたくない!そんな、一見わがままに見える願いも、併願という方法で叶えられます。

また、学力+人間力で勝負できる海外大入試への準備は、国内大の入試にしっかり繋がっています。もし途中で海外大に行かない選択をしても、そこまでの準備で得た英語力などは、まったく無駄になりません。お子さまが海外大への憧れを少しでもお持ちのようなら、英語の勉強や日々の授業・テストを頑張るなど、高1・2から少しずつできる国内・海外大併願対策をアドバイスしてあげてください!

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※この記事でご紹介している内容は2023年6月30日現在の情報に基づいています。

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