【’24/5/更新】日本では2023〜SAT®がデジタル化!受験のしかたをおさらい
アメリカの大学進学のための標準テストとして、もっともよく知られているSAT®。2020年に世界を襲ったコロナ禍をきっかけに、大学出願時にSAT®等のテストスコアの提出が不要とする大学が増加し、現在でも多くの大学でSAT®は必須ではなくなっています。とはいえ、コロナ終息とともにSAT®の提出を復活させた大学や、テストオプショナルとしてSAT®提出は任意としている大学などもあり、結果としてほとんどの大学で今でもSAT®スコアは受け入れられています。アメリカの大学を目指すならSAT®はまだまだ重要な要素。2023年からテストがデジタル化されたSAT®について、改めて知っておきましょう。

SAT®はデジタル化でどう変化した? ~出題傾向と形式~
SAT®(エス・エー・ティー)は、アメリカの非営利法人「College Board®」が主催する、アメリカの大学進学希望者を対象とした標準テスト(Standardized Test)です。アメリカ以外のテストセンターでは2023年3月から、アメリカ国内では2024年の春からデジタルテストに完全移行されています。
デジタルSAT®は会場受験型で、自宅受験はできません。テストは「Bluebook」と呼ばれるデジタルアプリを通じて実施されます。受験生は自分のノートパソコン・タブレット、学校から支給されたデバイス、または会場から貸し出される機器を用いてテストを受けます。
◆旧SAT®とデジタルSAT®で変更されたテスト内容
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 旧SAT  | 
 デジタルSAT  | 
|---|---|---|
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 試験時間  | 
 3時間15分  | 
 2時間14分  | 
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 問題数  | 
 154問  | 
 98問  | 
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 セクション数  | 
 3 (Reading, Writing and Language, Math)  | 
 2 (Writing and Language, Math)  | 
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 Reading and Writingセクション  | 
 100分  | 
 64分  | 
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 Mathセクション  | 
 80分 (2つのうち2つのモジュールでグラフ電卓を使用可)  | 
 70分 (すべてのモジュールでグラフ電卓を使用可)  | 
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 スコアレポートの返却までの時間  | 
 約5週間  | 
 数日間  | 
◆出題方法の変更
・旧SAT®では長文を読んで複数の設問に答える形式でしたが、デジタルSAT®では全体的に文章は短く、質問はより簡潔になっています。
<「適応型(アダプティブ)テスト」について>
デジタルSAT®では「適応型(アダプティブ)テスト」と呼ばれる新システムが導入されています。 適応型テストとは、受験者の解答に応じて、後続の試験問題の難易度がモジュール単位で変更されていくシステムです。各セクションの第1モジュールの成績に基づき、第2モジュールの問題が簡単になったり難しくなったりします。つまり、デジタルSAT®では受験者の成績によってテストの難易度が調整されるため、各個人でテスト問題が少しずつ違ってくるということになります。
デジタルSAT® 申込みから当日までの流れ
①My SATというCollege Board® Accountを作成する
下記のページで、「Create Account」から必要事項を入力し、個人のアカウントを作成します。
【参考ページ】:Sign In – My SAT | College Board®
②受験申し込み
受験の申し込みはWebで行います。下記のページで日程を確認し、テストセンターを選んで申し込みます。画面に従って必要な手続きを行い、受験料を支払うと、席が確保されます。
【参考ページ】:SAT Dates and Deadlines|College Board®
※1年ほど先の日程まで申込みができますが、テストセンターによっては席がすぐに埋まってしまうこともあるので注意しましょう。
※College Board®からデバイスを借りる必要がある場合は、少なくともテスト日の30日前までに必要な申請をする必要があります。
③Bluebookアプリのインストール
試験当日に使うデジタルデバイスにCollege Board®の公式試験プラットフォームであるBluebookをダウンロードし、インストールしておきましょう。Bluebookがなければ、デジタルSAT®を受験することはできません。
④SAT®のAdmission Ticketのセットアップ(必ず前日までに!)
同じく、当日使う予定のデバイスにSAT® Admission Ticketのセットアップをします。セットアップは、インストールしたBluebookから行います。Bluebookをインストールしただけでは受験できないので、必ず前日までにAdmission Ticketの取得まで終わらせておきましょう。
- 1) BluebookからCollege BoardのIDとパスワードでログイン
 - 2)登録済みのデジタルSAT®の情報より「Start Exam Setup」ボタンをクリック
 - 3)個人情報などを画面に従って確認
 - 4)セットアップが完了すると、QRコード付きのSAT® Admission Ticketが表示される
 
⑤Admission Ticketをプリント、メールに送信、または携帯で写真を撮る
Admission Ticketが取得できたら、その画面を印刷またはメールアドレスに送信するなどして試験当日まできちんと保存しておきましょう。当日は、忘れずに試験会場に持参してください。念のため携帯電話で写真を撮っておくと安心です。
⑥デジタルSAT®の練習テスト(オプション)
Bluebook アプリをダウンロードすると、4 つの模擬試験が利用可能になりますので、ぜひ取り組んでみましょう。本番のSAT®と同じ形式で作られているので、「適応型(アダプティブ)テスト」に慣れることができます。
⑦テスト当日
公式サイトでは、試験会場は7:45に開場、8:00に受付締め切りとなり、8:15-8:45の間にテスト開始となっています。遅れないように余裕を持って会場に向かいましょう。
<持ち物>
- ・Bluebook がインストールされたデバイス(WiFi接続可能なもの)
 - ・Admission Ticket(プリント、メール、または携帯の写真)
 - ・写真付きの身分証明のID(高校の学生証も可)
 - ・使用可能な電卓
 - ・ペンや鉛筆、消しゴム(メモ書きに使用するもの。メモ用紙は当日現地で配布される)
 - ・デバイス用のバッテリーまたは電源コード
 
【参考ページ】:What to Expect on Test Day|CollegeBoard
ついにSAT®はオールデジタルとなり、ペーパーテストに手書きするという作業はなくなりました(メモは可)。様々なテストや検定などでもこの流れは続いていくと予想されます。中高生の皆さんはすでにデジタルデバイスを用いた授業やテストにある程度慣れており、とくに違和感を持たずに取り組める世代ですので、受験しやすくなっていくのではないでしょうか。興味があればぜひチャレンジしてみてください。
※この記事でご紹介している内容は2024年5月27日現在の情報に基づいています。

