海外大学進学情報

留学前の1年半でやるべきことをイメトレしておこう

新型コロナウイルスの全世界的な流行がいつ終息するのか、いまだ不透明な状況が続く現在。他国からの入国制限や検疫の強化等の対策を続ける国も多く、海外留学を予定・検討していた方は、不安な状態におかれているのではないでしょうか。ただ、政治・経済の分野だけでなく、教育においても新型コロナウイルスとうまく付き合いながら徐々に平常化に向けて進んでいる国もありますので、現時点で海外留学をあきらめる必要もないと言えるでしょう。
今できることは、事態を注視しつつ、アフターコロナに迅速に動けるように、しっかりと準備しておくこと。今回は、海外留学までの流れやステップをあらためてご紹介します。知っているようで知らない意外と大事なことや、注意ポイントを確認しておきましょう。

留学前の1年半でやるべきことをイメトレ

留学までの大まかな流れ・ステップ

日本の大学受験と違って、9月入学が主流の海外大学に進学する場合は「出願→合格」から、実際の入学までの期間がかなり長くなります。とはいえ、のんびりしていると、それぞれの期限に間に合わなくなるなどという致命的なミスをしてしまうことも。留学までのステップには、想像しているよりもずっと時間がかかることも少なくありません。大事な点を見落とさないように、チェックポイントをしっかり確認しつつ、計画的に動いていくことが大切です。

※あくまで一般的な目安であるため、このとおり進めなくても問題はありません。

<留学スタートの約1年半~1年前>

●情報収集/留学計画

まずは自分の留学の動機や目的、将来のキャリア目標などについてしっかりと考えましょう。そのうえで自分に合った留学プラン(留学先の国や期間など)を検討するため、国別・地域別のメリット・デメリットや特徴など(留学に関する費用を含む)、とにかく多くの情報を集めることが大切です。インターネットや各国のガイドブックなどを活用するほか、留学説明会や留学セミナー・フェアなどのイベントなどに参加するのもよいでしょう。

●大学の絞り込み

自分がやりたいこと・学びたいことから大学・学部の選択条件を挙げ、それをもとに大学を絞り込んでいきます。地域特性などがある分野については、留学先の国もある程度決まってくることがあります。各大学の公式サイトで最新情報を入手し、じっくり検討しましょう。志望する専攻分野によって入学条件が異なることもあります。奨学金や経済援助制度などもしっかりチェック。わからないことがあれば、公開されている問い合わせ窓口にメール等で質問すると回答がもらえます。

●保護者への相談・話し合い

国・大学によって違いはありますが、海外留学にはやはりそれなりの費用がかかります。保護者の方の支援がないと、実現するのは難しいものがあります。
海外大学に進学して何をしたいのか、留学資金はどうするのか(奨学金を取得できるか)、治安面は大丈夫かなど、集めた情報をもとにして、早い時期に保護者の方と細部まで話し合いましょう。保護者の方に納得してもらうには、まずは自分の「留学したい」という意思をはっきりさせること、自分でしっかりと調べて多くの情報から判断したこと、を示すことが大切です。不安なこと、わからないことがあれば、保護者と一緒に留学の説明会やイベントに行くなどして、知識を深めていくのも良いでしょう。

●英語テストのスコア対策

海外大学に留学する際に、ほぼ必ず求められる英語テストのスコア。国・地域によって若干異なりますが、TOEFL®テストかIELTSであればおおむね受け入れられます。どちらのテストも独特の形式で、慣れていないとなかなかスコアが伸びない傾向があります。出願までになるべくハイスコアが獲得できるよう、早めに対策を始めましょう。アメリカの大学の場合、SAT®またはACTという標準学力テストのスコアが必要になる場合もあるので、アメリカ留学を視野に入れている人はSAT®/ACT対策も考えておく必要があります。

●学校の成績を維持/課外活動に注力

海外の大学の入学審査では、英語力だけでなく、高校での成績が非常に重要になります。高校の成績は、出願者の学力や学習への取り組み方を評価できる最も有効な資料と言えるからです。日本の高校に通っている学生の場合、高校3年間の成績が評価されます。3年間を通じて全科目でなるべく良い成績をキープできるのが一番ですが、3年の間に次第に成績が伸びていることも好印象を与えます。
また、海外大学の出願書類には必ずと言っていいほど、課外活動の実績を記入する欄があります。課外活動が評価される割合は大学によって異なりますが、とくにアメリカのトップレベルの大学や名門大学では、合否判定において重視される傾向があります。課外活動の対象範囲は、クラブ活動、生徒会、ボランティア、地域での活動、アート/演劇活動、アルバイト、趣味など多岐にわたります。興味のある活動にはとにかく積極的に取り組みましょう。ただ、活動の数や量だけでなく、大切なのは「質」。入学審査官の目にとまるような、質の高い活動を目指しましょう。
いずれも、一朝一夕にはどうにもならない分野です。留学を考えるなら、なるべく早いうちから取り組んでおきたいものです。

<留学スタートの約1年前〜>

●通っている学校に留学の意思を伝える

海外大学への出願の際は、高校の成績証明書や、高校の先生からの推薦状が必要になることが多いです。基本的に提出文書は英文で作成するよう指定されているため、高校の先生方にも協力していただく必要があります。締切り直前に伝えて先生方を困らせることは避けたいもの。逆に、早めにお願いしておけば、推薦状などの合否に関わる大切な書類を丁寧に作成してもらえる可能性があります。海外留学に挑戦する意思が固まった時点で、通っている学校にはしっかり伝えておきましょう。

●出願のための必要書類を揃える

志望大学を数校に絞り込み、それぞれの出願締切り日をチェック。願書提出の締切りは大学ごとに異なり、上位大学・人気大学ほど出願の締切が早い傾向があるので注意が必要です。
提出方法(すべてオンラインで良いのか、郵送するものがあるのかなど)をしっかり確認したら、締切りに間に合うよう、各大学に指定された出願書類を準備していきます。基本的に海外大学の合否は書類審査によって決定(※)され、日本のような一斉入学試験はありません。提出書類は丁寧に、自分の能力や資質等を十分にアピールできるよう、最大限に心を配って作成する必要があります。

<主な出願書類>
願書、エッセイ(志望動機書)、健康診断書、成績証明書、推薦状、財産能力証明書 など

※面接(インタビュー)がある場合は、面接対策も必要です。志望大学で英語による面接が予定されているときは、学校の英語の先生などに協力いただけるよう、お願いしてみるのもよいでしょう。

●エッセイの推敲・仕上げ

海外大学の出願書類の1つとして、特徴的なのが英文の「エッセイ」です。たとえばアメリカであれば、多くの大学でアプリケーション(願書)として「Common Application(Common App)」というオンラインシステム(共通願書)が採用されていますが、このアプリケーション内で大学ごとに自由にテーマを設定できる「Common App essay」(複数のテーマから1つを選んで作成:約650語)が課されています。それ以外に、各大学が独自のテーマを設定する「Suppliment essay」が課される場合もあります。エッセイの出題に、各大学の特色が出るといっても過言ではありません。

エッセイは大学に自分のことを知ってもらうと同時に、入学したいという熱意を伝える大切な自己アピール文。私立大学ではとくに、合否を左右するほど重要な要素と言われています。高校の成績や各種テストのスコアだけでは表せない、「人間性」の部分をアピールする手段になりますので、個人的な経験や価値観、意欲、目標など自分のユニークな部分を、どれだけ言葉にして伝えられるかがポイントになります。
まずは自分という人間をしっかりと自己分析/他己分析することに時間を費やしましょう。そのうえで、テーマについての考えや意見をまとめ、自分をアピールできるエピソードを選び、英語で文章に落とし込んでいきます。さらに、いったん書き上げたものを先生や友人など第三者に見てもらい、より自分を表現できるよう、何度も推敲してブラッシュアップしていく作業は必須。自分自身を表現し尽くせたと感じる内容・展開を固めた後、最終的に英語のスペリングやタイプミス、文法の誤りがないか、明確かつ簡潔にまとめられたかなどについて再度確認を。満足いくエッセイ完成までに数か月かかることもありますので、早めに取りかかりましょう。

●必要なテスト(TOEFL®テストやSAT®など)を受験

出願の際にスコアが必要とされる英語テストや、学力テストなどを受験します。志望大学によって、指定されているテストや基準スコアをきちんと確認して、必要なテストを受験しましょう。こうしたテストは基本的に複数回の受験が可能で、その中で最も高いスコアを提出することができます。制限回数以内であれば、満足いくスコアがとれるまで何度チャレンジしてもよいですが、テストスコアは大学選択の目安にもなるため、早めにある程度のスコアは確保したいところです。
各テストのスケジュールは基本的に半年~1年先ぐらいまで公開されていますが、申込み開始後すぐに会場が満席となることもあるので要注意。加えて、スコアはテスト実施機関に依頼して、直接、大学に送ってもらうことが多いのですが、スコアが発送されるまでにある程度の時間がかかります。出願締切りに間に合うタイミングで、希望する回数の受験ができるよう、スケジュールをきちんとたてて臨むことが大切です。

<留学スタートの約7~6か月前>

●出願書類の提出

各大学の募集要項に則り、必要書類を提出して出願します。出願書類・方法は、大学により異なりますので、必ず各大学の指示をよく確認してください。それぞれの書類に不備がないか十分に確認したうえで、直前で慌てなくて済むように、できれば余裕を持って提出しましょう。テスト機関などから書類を大学に直送してもらう場合も、確実に届くよう早めに依頼する必要があります。基本的に提出する書類は原本となりますので、必ずコピーを取って保管し、提出した日付を控えておくようにしましょう。
大学の奨学金や経済援助制度を申し込む場合は、同時に指定された書類を提出することがほとんどなので、必要な人は忘れずに。

※早期出願と通常出願の2通りのスケジュールが用意されている場合があるので、締切り日を間違えないように注意が必要です。

<留学スタートの約6~5か月前>

●合否の判明/入学の手続き

書類提出後、おおむね2-3か月後に出願者に結果が通知されます。出願者が多い場合や、出願時期が遅かった場合は、通知までの時間が長くなることもあります。2-3か月経過しても出願した大学から合否の通知がなければ、審査の進行状況について問い合わせてみてもよいでしょう。
2校以上から入学が許可された場合は、入学する大学を決めて、それぞれの大学に入学/辞退の連絡をします。入学する大学には、指示された通りに授業料などの支払いをし、入学の手続きを行います。

<留学スタートの約3ヶ月前~>

●滞在先を決める(寮orホームステイなど)

入学許可の通知を受け取ったら、留学中の滞在先を確保しましょう。出願時に住居の手配を申し込んでいる場合などは、滞在先についての案内が同封されていることもあります。学生寮が用意されている学校だと寮の案内書が送られてくるので、部屋の備品などをチェックして留学準備の参考にするとよいでしょう。
寮のほかに、大学のある環境にもよりますが、ホームステイする、自分でアパートを借りる、など様々な選択肢があります。大学の寮の競争率が高い場合は空き部屋が埋まってしまったり、ホームステイの手配に数週間かかることもありますので、できるだけ早く手配を済ませたいところです。
寮に申し込んだ場合は予約確認書が送られてくるので、内容やチェックイン日などをきちんと確認しておきましょう。

●パスポート申請

海外に渡航する際に身分証明書としてなくてはならないパスポート。未取得の場合は、早めにパスポートの申請をしましょう。パスポート申請は、原則として自分が住民登録している都道府県の旅券課に出向いて行います(一定の条件を満たしていれば実住所の都道府県でも申請可)。申請から受け取りまで2週間程度はかかりますので、ギリギリにならないように注意しましょう。
すでにパスポートを持っている場合も、有効期限に注意。日本のパスポートには有効期限が5年と10年の2種類が用意されていますが、0歳から20歳未満の未成年者は5年のパスポートしか取得できません。手元にあるパスポートの有効期限が留学予定期間内に切れてしまう場合は、あらかじめ必ずパスポートの更新をしておきましょう(*)。

*通常、パスポートの更新は残存有効期限が1年未満となってからしかできませんが、留学などで長期滞在を予定している場合は、1年以上の猶予があっても更新が可能です。

●ビザ申請(必要な国のみ)

留学先の国の制度によっては、ビザが必要となる場合があります。ビザの種類や、発給にかかる日数は国によって様々ですが、申請するためには基本的に、入学予定の学校から送られてきた入学許可証とパスポートが必要となることがほとんどです。
申請条件や料金などが急に変更されることもありますので、申請前に必ず各国大使館のホームページで最新情報を確認しましょう。年末年始や夏休みなどの前にはビザ発給窓口がかなり混み合うことがあるため、入学許可証が届いたら早めに申請するとよいでしょう。

●航空チケット手配

滞在先の寮やアパートなどの契約がいつから始まるかにもよりますが、できれば授業が開始される1週間前までには現地に到着できるようなスケジュールで、航空チケットを手配しましょう。大学によっては学期が始まる前にオリエンテーションなどが設定されていることもあるので、注意が必要です。
出発の時期が夏期や年末年始など海外旅行のピークシーズンと重なる場合は、航空運賃が上がるだけでなく、飛行機の席が確保できない可能性もあるので、出発日が決まったら早めに航空チケットはおさえておきたいところです。

●予防接種

国によっては、入学に際して特定の疾病に対する免疫があることを証明する必要があります。入学予定の大学に確認し、予防接種証明などが必要であればかかりつけ医や保健所等に相談して手配しましょう。もし予防接種を受けていない場合は、渡航前に必ず済ませてください。

<留学スタートの約1ヶ月半前~>

●クレジットカードの準備/外貨の準備

海外ではクレジットカードが1枚あると、非常に便利です。とくにアメリカやイギリス、カナダなどでは多くの店舗でクレジットカードの支払いができ、多額の現金を持ち歩かなくて済むというメリットが。現地で旅行する際には、ホテルなどで一種の身分証明書としての役割を果たしてくれることもあります。できれば、海外で確実に通用する国際的なクレジットカードを用意しておきましょう。学生の場合、保護者の方の家族会員カードという方法もあります。申し込んでからカード発行まで1か月程度かかるので、早めに手配しましょう。
また、留学先の通貨の現金も、当座使う程度は日本で用意して持っていくと便利。到着時の空港から滞在先までの交通費や、食事代ぐらいは確実に現金で持っていると安心です。外貨を取り扱っている銀行などであれば、ほとんどの通貨が即日で両替可能です。
なお、保護者の方とは、海外への送金方法を確認しておきましょう。

●海外旅行保険の加入

海外旅行の保険に加入しておくと、留学先での病気やケガはもちろん、盗難やトラブルにまきこまれて賠償請求をされた時なども、補償してもらえることがあります。保険会社によっては日本語の話せるスタッフが病院の紹介や手配をしてくれるサービスなどがあることも。日本とは制度が違う海外での医療費は高額になることが多いため、なるべく広い範囲をカバーしてくれる海外保険に加入しておくと安心でしょう。留学生用の特約などがある場合は、内容によっては検討してみてもよいかもしれません。
海外で病院にかかるリスクをなるべく減らすため、渡航前に自主的に健康診断を受けたり、虫歯の治療をしておいたりすることもおすすめです。

●持っていく日用品を揃える

飛行機に搭乗する際、航空会社によって若干の違いはあるものの、預けられる荷物には重量制限があります。重量が超過した場合は、追加で料金が発生するので要注意。長期の滞在とはいえ、「あったほうがいいだろう」というレベルのものまで荷物に詰め込んでいると、思わぬ量になってしまいがちです。海外留学に持っていくものは、できるだけ少なく・軽くすることを心がけ、日本で準備が必要なものと現地で調達できるものをしっかり見極めて準備しましょう。 日用品の中でも、留学先の現地で手に入れることが難しいもの、常用しているこだわりのあるもの、日本で買うより割高になるものなどは確実に用意するようにします。
たとえば、勉強で必ず使う筆記用具などの文具は使い慣れた日本のものを持って行ったほうが無難。日本語の辞書などは現地ではなかなか見つからないので持参しましょう。また、レポートの作成などに使うノートパソコンも持っていくと便利です。
衣類は、季節に合わせて現地で調達できるので、当面着るものだけあれば十分ですが、下着は日本のものをある程度持って行ったほうが良いかもしれません。ほかにも、常備薬やメガネ・コンタクトレンズなども忘れずに。

※この記事でご紹介している内容は2020年9月25日現在の情報に基づいています。

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