海外大生体験談

どう対策した?自分らしさを伝える「アプリケーション(願書)」④

毎月「海外進学・留学ラボ協力隊」が書き下ろし原稿で、動画で入試や大学生活についてレポートをお届け。9月のテーマは自分の強み・個性を表現するための「アプリケーション(入学願書)」の書き方についてです。

アプリケーションの中で合否を決める重要な書類ともいわれるエッセイ。自分にしか書けない経験や考え方、価値観を伝えて、大学に自分のことを知ってもらえるきわめて大切な提出物です。「自分にしかない経験を表現したい!」と考えても、“どんな表現をしたら自分のユニークさが伝わるのか”や“自分にしか書けない内容は何なのか”など題材や書き方を迷うのではないでしょうか。

こちらもチェック!

 


そこで今回も海外に進学した先輩たちにどのように願書の準備を進めて、エッセイの内容をどう工夫したのかをお話しいただきます。4回目は、アメリカのコミュニティカレッジに進学後、カリフォルニア大学に編入をしたH.O.先輩に語っていただきます。

 

 

すべては「将来ヘルスケア・公衆衛生系の仕事がしたい」という夢のために!エッセイの表現や課外活動をワンテーマで一貫させました

 

 

H.O.先輩
アメリカ カリフォルニア大学 (University of California)

 

 

志望校のアプリケーション、どうだった?

 

コミュニティカレッジではコモンアプリケーションと志望動機のエッセイが必須!
UC編入時には大学独自のエッセイも提出

 

私の場合は、最終的に行きたかったカリフォルニア大学(UC)には編入学の受験をしました。 なので、高校を卒業して最初の海外進学に向けては、カリフォルニア州のコミュニティカレッジのカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)とカリフォルニア大学バークレー校(UC Berkeley)が第一志望でした。

その他、カリフォルニア大学デービス校(UC Davis), カリフォルニア大学アーバイン校(UC Irvine), カリフォルニア大学サンディエゴ校(UC San Diego), カリフォルニア大学サンタバーバラ校(UC Santa Barbra)を受けました。

上記の大学には、全て共通願書となっているコモンアプリケーションを提出。エッセイはコモンアプリケーションの中で指定されていた志望動機について書く内容があったのでそれぞれの学校に対して書きました。編入の際のUCへの出願では、UC独自のエッセイと成績証明書が主な出願書類となっていました。


願書提出までのスケジュールは?

 

完成に時間がかかるエッセイは成績キープとともに1年前から自己分析スタート。
高3後半で本格的に取り組みました

 

出願では成績はもちろん、エッセイで“自分がいかにユニークな存在であるか”や、“自分の夢に向かってどんな行動をしてきたのか”を簡潔に明確に書くことが重要になります。なので、エッセイにはとてもとても時間をかけて丁寧に準備を進めました。

まずは出願をする1年前あたりから、志望大学がどのような生徒を求めているのかなどの情報集め、またその生徒像は自分に合っているかどうかなどを考えて最終的に出願する大学を絞りました。それに加え、自分のキャリアの方向を考えて“何を専攻にしたいのか”、“そのためにどんな経験、知識をどこでどのように得たいのか”などを、自己分析をしながら考えて組み立てていきました。

そして、出願締め切りは12月末だったのですが半年くらい前(高校3年生の夏)からその自己分析を基にエッセイに書く内容などを考え始め、3ヶ月くらい前(高校3年生の秋)から本格的にエッセイを書き始めました。

書いたエッセイは様々な方に読んでもらい、様々な角度からもらった意見やフィードバックを参考にして書き直しを繰り返しました。そのようにする事で、誰が読んでも内容が明確なエッセイに仕上げることができました。


提出までのスケジュール、改善ポイントは?

 

後悔なし !早めに自己分析と活動を始め、提出前はエッセイに集中するのがオススメ

改善ポイントは特に思いつきませんが、上記に何度も書いたように、エッセイは出願提出書類の中で特に重要な部分です。なので、とても注意を払いスケジュールを組み立て、事前に調べておくべきことと準備すべきことを固め、自己分析から将来を見据えることを1年前からしっかりとやってきたことが良かったと思います。

どんなに準備期間をとっていても時間は差し迫ってくると足りなくなります。自己分析とともに、将来の理想の自分につながるような活動をあらかじめしておき、提出前は早めにエッセイを書いて何度も見直してもらえるくらいの期間を持っておくのがオススメです!


完成までに苦労したことって?

 

「将来何がしたいのか」が言葉にならない!自己分析でキャリアを考えぬきました

 

少し苦労したなと思う点は2つありました。まず1つめは「将来の夢を具体的にしていくための自己分析」です。

自己分析を難しく感じる理由は、主に2種類あると思います。
①「自分の興味分野はいくつかあるけれど、それを使って将来何をしたいかがわからない」、
②「自分が将来なりたい夢は持っているけれど、上手く説明ができない」。

私の場合は前者で、社会の不平等な面やヘルスケアの分野に興味があるので社会学を勉強したかったのですが、 将来何をしたいかはっきりわからないという状態でした。 そのため、社会学を学んだ後に「具体的にどのような事をして行きたいのか」、「どんなキャリアがあるのか」を言語化するのに少し時間がかかりました。

自分の将来の夢をより明確にするために、ボランティア、授業、インターンなどを通して どんなことが自分の興味と実際にフィットするのかを経験をしてみたり、または、教授やキャリアカウンセラーなどとの会話を通して自分に合うキャリアを探ったりしました。

もし、後者の理由で自己分析を難しく感じていたとしたら、最初のステップとして「なぜそのキャリアに進みたいのか」「そのキャリアで達成したいことは何か」「その将来の夢は具体的にどう自分の強みや過去の経験に関連しているか」などの質問を基に分析し始めると良いと思います!

そして、2つめの点は「エッセイの書き方」です。 深い自己分析をした目的は、限られた単語数の中で詳しく、そして簡潔に自分のことについて説明することで、何千万もの願書の中からでも引き立つようなエッセイを書けるようにするためでした。

進める上で説明の仕方や文章の書き方を深掘りしていくと、「どこの部分をエッセイに含むのか、省くのか…」の 見極めが難しくなりました。そこで、様々な人に読んでもらいフィードバックをもらっては書き直して…という作業を繰り返しました。

しかし、Aさんから貰ったフィードバックを基に書き直し、Bさんにも見せるとその書き足した箇所は省いても良いのでないか…という意見を頂くこともあり、混乱した時もありました。そのような時は、「自分の中でどこを一番に伝えたいか」を考え直したり、「より少ない文字数で同じことを表現できないか」を考えたりして満足いくエッセイを書きあげることができました。

なので、自己分析にしっかりと時間をかけるだけでなく、エッセイの書き直しにも時間をかける事を忘れないように調整をしていく必要があります。


どこに自分の「ウリ」をつくった?

 

ヘルスケアに興味を持ったきっかけ、活動してきた経験を将来の希望までつなげられたことがキーポイント

 

私は高校の時、体調不良を起こしたことをきっかけに、ヘルスケア・公衆衛生系のキャリアに興味を持ちました。最初は、その体調不良のせいで勉強についていけなくなってしまった自分を責めていたのですが、後から逆に自分にしかない経験を活かして「将来はヘルスケア関係で情報やサポートの提供、ヘルスケアを充実させることをしたい!」と、漠然と考え始めました。

興味を持ち始めてからは、そのフィールド関連のアルバイトやインターンをして経験と知識を入れました。アプリケーションではその点を活かして、「自分がどう逆境を乗り越えたのか」、「その経験がどう今の学問の興味や自分のなりたい将来像に繋がっているのか」、「その経験を活かして今の時点までどう行動してきたのか」などをエッセイに書きました。

このように過去の経験を強みに変えて今のキャリア像を持っているという一貫した内容をエッセイに書くことが、キーポイントだったと思います。


エッセイに書いたヘルスケアに関する情報提供の活動の様子
ヘルス関連の情報を現地の高校生や大学生に提供することをやっていました。
この写真は、大学近くの高校でストレスについてプレゼンテーションをした時のものです。
とても気に入っている活動なので、編入後の今でもインターンとして似たような活動をUCLAでも行なっています!


~先輩の「自分らしさを伝える願書」アドバイス~

“良い賞”よりももっと大事なのは、自分にしかできない経験をもとに 日々どう行動をしたか、将来にどうつなげたいかを書くこと!

 

アプリケーションでは、“いかに自分を他の人から差別化できるか”、また“自分がいかにその志望大学にあった人物か”を書くことが重要だと思います。そのため、どんな“良い賞やタイトルをコンクールでもらったか”が大事なのではなく、“自分の夢を叶えるため、または逆境を乗り越えるためにどのようにして努力をしてきたのか”を書けるように日々行動していくことが大切です。

もちろん、良い賞やスコアなどはその努力を表す一つの指標、ツールになりますが、必ず必要なものではありません。コンクールで良い賞をもらうことがゴールなのではなく、その賞やコンクールが自分の将来のキャリアのゴールを達成するために“どう自分に影響したのか”、そもそも“なぜそのコンクールに出るという行動を取ったのか”、“どのような努力してきたのか”、などを明確にすることがアプリケーションでは重要なポイントです。

なので、自分にしか書けない経験や体験から“自分の興味や得意をいかに極められてきたのか”、その経験や学びを“自分の将来にどうつなげたいか”を書けるようにしておくことが書き方のコツです!



※この記事でご紹介している内容は2020年9月22日現在の情報に基づいています。

LINE UP

海外、国内を問わず、グローバルな進路を実現する
学習プログラムをご用意しています