海外大生体験談

自分で見つけて、自分で選んだ!-自分らしい留学ルート ストーリー④-


毎月「海外進学・留学ラボ協力隊」が書き下ろし原稿で、動画で入試や大学生活についてレポートをお届け。8月のテーマは「自分で見つけて、自分で選んだ!自分らしい留学ルート ストーリー」です。

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進学したい大学を選ぶ時、入学後に“何を学んで、”どう専攻を絞っていくのか“、“どのように自分の気持ちが決まっていくの?”、”変更はできるの?” など、入学した後のことも考えて大学選びを行うはず。今回も、海外に進学した先輩たちがどのように自分なりの進学ルートをどのように決めてきたのかをヒントになるべくお話しいただきます。最後の4回目は、カナダに進学していたH.K先輩に、生物から数学に専攻を変えた経験や考え方などを踏まえて「自分らしい留学ルート」のストーリーを語っていただきました。

 

 

“生物学”を学びたいと思って入学したはずが、苦手だった“数学”を専攻することに!
転向の仕組みが豊富な環境で、ベストな選択ができました

 


H.K.先輩

カナダ トロント大学(University of Toronto)

 

 

海外進学へのきっかけは高校の修学旅行!

 

高校1年生の夏にオックスフォード大学への夏季短期留学をしたのが、海外留学をしたいと思った最初のきっかけです。海外進学を本格的に意識したのは、高校2年生の修学旅行でカナダに行ったとき。カナダの良さを肌で体験し刺激を受けたことで「カナダの大学に行きたい!」と思っていました。


トロント大学に決めたのは規模の大きさ!
入学した後の学びたい分野の変化もイメージして対応できる大学を選びました

 

まず進学先の国をどこにするかは、最初に「アメリカには興味がない!」と思ったのでそこは早くに選択肢として消えました。その後、私は高校卒業後直接大学に進学したいと思っていたので、バカロレアなど特殊な受験資格がない国を調べました。 そして高校卒業後、そのままカナダのトロント大学に進学しました。

進学先の決定に向けては、自分が大学で学びたいと思うことをある程度固めた後、
1)その分野で有名な先生が在籍している大学
2)その分野の研究が進んでいる大学
3)規模の大きい大学
4)研究が盛んな大学
5)奨学金がある大学
という順で自分の出す条件に合う大学を探していきました。

高校生の時にカナダへ行きたいと思ったことはもちろんですが、最終的にカナダに決め、トロント大学に決めた背景としては、やっぱり大学の規模が大きかったことが自分にとっては大事なポイントでした。

というのも、入学前から「生物学がやりたい!」と思っていたのですが「もし違うことをしたいと思ったらどうしよう…」と結構心配していました。なので、万が一、専攻を変えたいなった場合のことを想定して
・最高の教育が受けられる
・どの分野にも有名な先生がいる
・異なる専攻への選択肢が多い
・国からの補助の多い大規模な大学
のポイントをしっかりと調べてイメージしていきました。
そして、カナダにある国立で大規模な大学である程度知名度もあるトロント大学を選びました。

「大学ランキングを見て大学を選ぶのはかっこ悪い!」ということをたまに耳にしますが、私は結構効率が良い選び方だと思っています。特に”自分がまだ何をしたいのかわからない”、”どういう大学が自分に合ってるのかわからない”と思っている人にはおすすめです。

それはなぜかというと、大学ランキングで上位の大学には人気の理由があります。教育の質だったり、卒業生の功績だったり、周りの評判だったり。そもそもどうやって大学を選んだら良いのか分からないという人は、 大学ランキング上位の大学を1つずつ見ていって「こういう理由で人気なんだな…。あ、これがある大学、いいな!」と、自分がどういう大学を魅力的に感じるのか知るのも良いと思います。


入学して一週目のオリエンテーションでの写真
一番左の女の子は大学での一番の友人です。


苦手な数学に専攻を転向するなんて思ってもいませんでした!
転向を柔軟に対応できる環境で最善の選択ができたと感じています

 

トロント大学は総合大学なのですが、1,2年生の間は比較的いろんな分野の講義を好きにとることができるので私は1年生のとき化学、物理、数学、哲学、東アジア学などをとりました。

入学当初は、最終的に生物学を専攻するつもりでいたのですが、1年生の1学期に化学の中間テストで(ずっと勉強していたにも関わらず…!)22点をたたきだしてしまった!ので、潔く諦めました。化学に挫折した結果、生物学に魅力を感じなくなったので理科から数学に転向しました。

トロント大学は大学の転向仕組みもしっかりしていて非常に進路を変えやすかったです。専攻決めは大学2年、もしくは3年くらいにすればよかったので、大学1,2年生の間は”自分は何が好きなのか”、”何をもっと専門的に学びたいのか”、”何にときめくのか”を知ることができる充実した期間でした。その期間があったからこそ数学にたどり着くことができました。

実は、中高生の時に数学が一番苦手だった経験があり、転向するにあたって「数学を専攻しよう!」と 決心するには少し時間がかかりました。心を固めた最後の決め手は「数学なら1問解くのに6時間以上悩んでも苦にならなかった!」ことに気づいたことでした。

数学がずっと苦手だったからこそ一番勉強したし、一番先生に質問しに行ったし、一番悩んだ学問だったのですが、それでも、時間をかけ悩みに悩むことに「苦じゃない」と感じた経験が良かったのです。 数学が苦手だったことがここで活きた感じですね!今思えば最善の選択でした。

そして、2年生の専攻決めで数学を学ぶと決めてからは数学一本でした。正確には数学と統計学のダブルメジャー(二分野専攻)だったのですが、統計学があまり好きではないので気持ちは数学一本です…!毎日数学の講義で時間割を固め、数学漬けの日々を送りました。




一年生最初の期末勉強中の写真
いろんな分野の講義を好きにとって勉強をしていた頃が懐かしいです。


大学で培ってきたこと それは知識よりも大事な”頑張った”自信と”考える”というくせ

 

トロント大学で学び得たことを振り返ると、確実に”4年間で得た知識”ではなく、”4年間頑張ってこられた”という自信と”4年間でできた考え方のくせ”ですね。4年の間に頑張って覚えたものは日に日に忘れていっていることを実感していますが、何か問題にあたってそれを解決しようとするとき、その問題の分解の仕方や解決方向の組み方に数学をしていた頃の面影があってたまに嬉しくなります。私はもう就職をして社会人になったのですが、いつまでもこの考え方のくせを失わないように、たまに長時間悩むことを忘れないようにしています。


~先輩の「自分らしい進学ルート選び」アドバイス~

悩みぬいて決断したことは無駄にならない!自らの選択を最善にできるかは自分次第

 

何事も経験は宝です。無駄になることはありませんし、「苦労はお金を出してでもしろ」と言いますがまさにその通りだと思います。海外進学のことを考えると心配がつきないという人が多いかとは思いますが、それはきっと「海外進学だから」というだけではなく、「人生の大きな転換点だから」だと思います。なので、国内進学の大学を選ぶ時も心配は尽きないと思います。

肝心なのは「ちゃんと悩んで、悩んで、悩みぬいて自分で決断をすること」だと私は思います。悩みぬいて出した結論であれば後で「あの時あっちにしていれば…」とふと思っても、「あの時出した最善の選択肢だから」と思えます。そうしたら後は全力で自分の選んだ選択を最善のものにしましょう!


※この記事でご紹介している内容は2020年8月25日現在の情報に基づいています。

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