卒業後の進路、どうやって考えた? ~就職・大学院へ進学~
海外大学への進学はゴールではなく通過点。将来の選択肢を広げ、最適なルートを選ぶためにも、進学した「その先」を考えておくことはとても大切です。そこで今回は、大学院進学や就職を果たした海外大の先輩たちにインタビュー。いつ、どんなタイミングで進路を考えたのか、そのプロセスを伺いました。
※ここでご紹介している内容は個人の体験です。実際に準備する際は、必ず最新の情報をご確認ください。
就職・転職を経て、知的好奇心に従い再び海外へ。就業経験で得た知見を大学院でも発揮!
今回の「ラボ協力隊」
Meg K.先輩
アメリカ ニューヨーク大学卒業(主専攻:メディア・文化・コミュニケーション、副専攻:心理学)。
リベラルアーツ教育を通して自分のやりたいことを探索するため海外進学を選択。大学卒業後はテック企業への就職・転職を経て、2023年9月から大学院進学(オランダ アムステルダム大学、メディア学リサーチマスター 修士2年)。
Q. 最初に大学卒業後の未来を意識したのは、いつ頃・どんなきっかけ?
先輩の体験談やドラマを元に、海外大と異国での生活を思い描き受験のモチベアップ!
私が海外大学の受験を意識し始めたのは高校1年の時ですが、同じタイミングで卒業後のことも考えていました。
日本の高校から海外大進学の道について調べ始めると、海外大学へ実際に進学をした先輩の体験談を読んだり聞いたりすることが自然と増えました。その時に多くの先輩方が口にした、「海外の大学に行くと現地で就職がしやすい、卒業後の選択肢が飛躍的に増える」という内容が、私の海外大進学への興味とワクワク感に直結しました。
当時、海外ドラマにハマっていた私は、「アグリー・ベティ」のようにニューヨークのど真ん中でかっこいいビジネスウーマンになれたら…「私はラブ・リーガル」の主人公のようにアメリカの法廷に立つような仕事が出来たら…「ママと恋に落ちるまで」、「フレンズ」や「マッドメン」等で映し出されているニューヨークでの生活が送れたら…と勝手に妄想を膨らませ、海外大進学へのモチベーションを上げていました。
この妄想が実現した、とは言い難いですが、実際にニューヨークの大学に進学をすることが出来たので、高校の時から大学生活やその後の生活のことを考えることは無駄なことではなかったのかなと、今振り返りながら思います。
Q. 海外大で学んだ先の進路は多種多様。情報の集め方・絞り方は?
ネットワークを駆使して、大変な面も知った上でやりたいと思える仕事か確認。
私はニューヨーク大学を卒業後に一度就職をしていますが、その就職活動における情報収集で重宝したことは自身のネットワークと人とのコミュニケーションです。
会社に勤めることってどういう意味?という根本的なところから想像がしづらかった私は、大学の先輩や海外大学のコミュニティーで知り合った様々な方の話を聞いたり、SNSでその方々の活躍を見たり、華やかな面だけでなく、仕事で大変なこと等を聞く中で、「こんな大変な仕事でもやりたいと思える仕事」探しを心がけるようにしました。
大学院進学に関しては、自身の周りにメディア学で大学院進学をした方があまりいなかったので、日本人向けのオンライン海外大学院進学コミュニティーに入ってみたり、実際に興味のある大学院の口コミサイトなどを閲覧したり、実際の授業や大学院生活が想像できるようになるまで情報収集をし続けました。
Q. 就職後に大学院へ。進路選びに迷いは無かった?どう決断した?
海外大のアドバンテージを活かして就職・転職。自分らしいキャリア構築を最優先。
この質問を答えるにあたり、一つ、海外での就職に関して個人的な経験を共有させてください。私はアメリカでの就職を目標に海外の大学に進学をしました。しかし、コロナ禍に卒業が重なってしまったこともあり、最終的に日本の外資系企業に就職をすることが決まりました。
海外での就職は、現地のジョブマーケット(雇用市場)が激戦であることに加え、就労ビザが必要な海外の学生には非常に不利な状況になります。もちろん、この状況下できちんと現地での就職を勝ち取る日本人学生はたくさんいますが、ある程度の覚悟が必要なのに加え、現地の政治状況等に左右をされるので、卒業するタイミングを見計らって現地での就職活動をしないといけません。
一方で、前述の通り私は日本の外資系企業に就職しましたが、一切後悔はしていません。海外の大学に進学したことが日本国内の一流企業での就職にとても有利なことを活かし、自身が興味のあったテック業界に就職することが出来ました。
さらに、新卒で入社した1社目を経験した後、私の一つの夢であったビデオストリーミングの仕事が学生中にインターンをした会社でポジションが空いたため、そこに転職をしました。しかし、やっぱりアカデミアの道にも興味がある!という願望が芽生えたので、その後海外の大学院進学を目指しました。
ビジネスコンサルティングやストリーミング業界のビジネスなど、私がやってみたいと思っていた業種に携わってみて、中長期的に同じような仕事がしたいと思えなかったことは大きな転換点でした。そして自分の知的好奇心が4年間の学部だけでは満たされていないことに気づき、修士に進むことで自分にアカデミアの道が合っているのかどうか確かめたいという想いが大学院進学の決意へとつながりました。
大学卒業後はとても「わがまま」とも言えるキャリアを送らせてもらっていますが、自身の願望や欲望に従い、自分らしいキャリアパスを選ぶことを最優先しています。
Q. 再び学術の世界へ。進学する国や大学院はどうやって選んだ?
取り組みたい分野の専門家がいることと、その研究の強さを基準に世界中から選択。
大学院の決め手は2つありました。自分がやりたい研究分野の専門家がいることと世界ランキングです。
学部時代もメディア学を勉強していたのですが、メディア学は大学によって研究の毛色が全く異なります。映画に特化した大学もあれば、哲学寄りのプログラムもあったりするので、自分がどんなプログラムで研究者としての基礎を築きたいのかという観点でまず大学院を検討しました。
次に、私はメディア学の中でも監視とプライバシーという比較的ニッチな分野に興味があったので、この研究が盛んに行われている大学に絞ることにしました。絞ると言っても世界にはたくさんの大学院があるので、メディア学の世界大学ランキングを参考に大学院探しを進めました。
ランキングだけを頼りにするのはあまり良くないと思いますが、私が参考にしていたランキングは研究の強さを指標にしていたランキングだったので、そういう意味ではある程度参考になったと思います。
左:Winter Research Schoolでの研究プロジェクト発表時の写真
右:Research Assistantとしてチューリッヒで共同開催をしたワークショップ時の写真(プラットフォームビジネスと労働者権利の研究に関わる研究者とともに)
Q. 大学院進学に向けてどう準備した?提出書類など準備についても知りたい!
リサーチマスターは志望理由書の提出もマスト。実際に通う先輩の添削を受けました。
オランダの大学院は1年で修士が取れるコースと2年のリサーチマスターコースがあります。
1年の修士プログラムはエッセイや面接などがなく、GPA(成績評価)と経歴書と過去に取った授業の一覧を提出するなど他国と比べ、出願プロセスは比較的簡単です。一方で、他国と大きく異なるのが、出願しているプログラムによってはその分野の知識がある程度備わっていることを証明しないといけないので、学部とは異なる専攻を選択するとなると、1年の修士の前に1年間のpre-Master (プレ・マスター)コースを通らないといけない可能性もあるので、注意が必要です。
私が出願し、現在通っている2年のリサーチマスターは志望理由書の提出が義務付けられていました。このエッセイを執筆するにあたり、上述したオンラインの海外大学院コミュニティーで実際にアムステルダム大学に通われた先輩がいたので、その方に添削をしていただく機会がありました。
Q. ちなみに、大学の同級生や友達の進路選択は?就業経験があるメリットは感じる?
多くの学生が就職の道へ。手に職をつけてから大学院進学を志す人も珍しくない。
私の大学はビジネススクールが強く、大きな都市の真ん中に位置していたので、多くの学生が就職活動をしていました。アメリカは日本と異なり、学部を卒業した数年後に大学院進学を志すことが多いので、まずは手に職をつけたいという学生が多かったです。
私は数年日本で働いた後、大学院進学をしたので、日本では変わった進路と思われるかもしれませんが、海外では逆にレールに乗った進路なのかもしれません。
私自身は今、大学院でメディア学を勉強しており、SNSプラットフォームやアルゴリズムなどを扱うことが多いのですが、実際にテック企業に就職経験がある人は少ないです。
そのため、私の経験やインサイトは授業内で良く重宝されますし、テック企業のプロダクトの研究をしている教授からプロジェクトに参加しないかと誘われることも多いので、自身の研究分野に近しい業界で就業経験があることは非常にメリットになっています。
Q. 大学卒業後を見据えて、中高生の今できることがあればアドバイスをお願いします!
自らチャンスを選び取って動けるように、目指す人物像など想像を膨らませておこう!
「一つの目標に向かって一生懸命頑張りなさい」と言われるかもしれませんが、目標は小さいものから大きなものまでたくさんあってもいいと思います。
大学進学を大きな目標と捉えるのは当たり前だと思うのですが、大学進学後はたくさんの機会や選択肢で溢れかえっています。ただ、大学に入ってからは、やらないといけないことを誰も教えてくれません。そこら中に転がっている機会を自分から拾い集め、自分のものにしていかないといけないのです。
今のうちにいつかはやってみたいこと、成し遂げてみたいこと、将来なってみたい人物像など想像を膨らませておくと、大学に入ってから誰よりも早く行動が取れると考えています!
左:授業風景。新しい学びと発見の連続です
右:代表を務めている学生団体が主催したイベントにてKeynote Speakerを紹介しているところです
いかがでしたか?
卒業・就職後にオランダの大学院へ進学したMeg K.先輩。海外大での経験や強みを活かし、時には厳しい状況にも柔軟に対応しながら、自分のありたい姿や知的好奇心に従ってオリジナルなキャリアを切り拓く姿は頼もしいですね。大学を卒業した先、どんな自分になっていたいかぜひイメージしてみてください。
【卒業後の進路、どうやって考えた?:シリーズ記事をチェック!】
[就職・大学院進学 編]アメリカ / ニューヨーク大学卒業 Meg K.先輩(この記事)
[就職 編]アメリカ / ワシントン大学卒業 Yuji F.先輩
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