先輩に聞く! アメリカの大学進学のために高校時代に「やってよかった」こと ~ワシントン大学 Ryoya Y.先輩~
英語学習、課外活動、大学選び、エッセイ… 海外大学の受験対策は、やるべきことが多く「今何を始めればいいの?」と戸惑うことも。今回お話をうかがったワシントン大学のRyoya Y.先輩も、高2の夏には英語のスコアメイクに苦戦し、課外活動も深めている途中でした。時には停滞感のあった状況をどのように打破し、見事合格へつなげていったのか。「もっと早く始めればよかった」と感じたことも含め、高2から出願までの歩みを中心に振り返っていただきました。
※ここでご紹介している内容は個人の体験です。実際に準備する際は、必ず最新の情報をご確認ください。
英語も課外活動も「早く動くが勝ち」! 独学に固執せず、専門的な教材や支援に頼るのも上手に進めるコツ。
今回の「ラボ協力隊」

Ryoya Y.先輩
アメリカ ワシントン大学 1年生(2026年9月より)、情報学専攻。中3から海外進学に興味を覚え、心理学・情報学等の分野への関心を深める中、海外大学で学ぶ価値を感じて本格的に志す。アメリカ・カナダの大学を受験し、複数の名門大学に合格。
Q. 海外大学への進学を考え始めた時期・きっかけは?
ありきたりでない進路への興味が出発点。学び深められる環境、規模の大きさが魅力!
海外進学は中学3年生の頃から考え始めました。正直に言うと、当時は「国内大学に進学することはつまらない」と感じたのがきっかけでした。「皆と同じ道に進んでもしょうがない」という思いが強く、当初は海外大学そのものに魅力を感じていたというよりも、国内大学への進学に疑問を持った、というのが出発点です。
その後、様々な海外大学を調べていくうちに、自分が学びたいことを存分に学べる世界の「中心」のような環境は、日本ではなく海外にあるのではないか、と考えるようになりました。
当時うっすらと「心理学」「情報学」「起業」といった分野に興味を持っていましたが、それらを調べる中で、海外の方が研究や起業の規模が圧倒的に大きいと感じたのです。
また、正規留学生として、長期間同じ大学に所属することで得られる現地の学生や教授との信頼関係、そして自分が学びたい“Informatics(情報学)”という分野の4年間のカリキュラムを踏まえると、海外大学への進学という選択が自分に最も合っていると判断しました。
Q.【外部英語検定試験】利用した試験は? 対策はいつ・何から始めた?
独学で始めたTOEFL®対策。高2から方法を変え、勉強時間を確保して停滞打破!
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高2の夏の時点で、英語力としてはTOEFL®78点、英検は準1級を取得していました。英語4技能の中で特にどれが苦手ということはなく、まだ全体的に英語力が足りていないと感じる状態でした。
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外部英語検定試験を受け始めた時期・目標スコア
・TOEFL®:高1年生頃から/目標100点(トップ大学を目指す際の一つの目安とされるライン)
・Duolingo English Test(DET):高3の9月頃から/目標130点(TOEFL®100点相当とされており、多くのトップ大学で必須とされるスコア)
・SAT®:高3の6月頃から/目標1500点TOEFL®は、海外大学を意識して最初に選んだ試験で継続的に受験。高3の9月頃に、ほとんどの大学で採用されていることを知ったDuolingo English Test (DET)も並行して受けました。SAT®は米国大学出願に必要な試験として、高3の6月から対策を始めました。
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TOEFL®対策
高1から対策し始めましたが、当初は独学で進めており、高2の3月頃まで80点前後のスコアで全く伸びずに停滞していました。このままではまずいと感じ、学校の先生のアドバイスや自分で調べた情報をもとに、独学をやめてTOEFL®専門のオンライン学習サービスを使った対策に切り替えました。
そして、1日2時間を必ず確保して学習を進めた結果、そこから急激にスコアが伸びました。4技能のうち、私はリーディング・リスニングなど、日本人が得意なインプット中心の対策に力を入れると点数が伸びやすい傾向がありました。
結果として、TOEFL®は高3の6月にリスニング満点、9月にリーディング・リスニングともに27点。トップ大学が求める100点には届きませんでしたが、合計99点に到達しました。
- Duolingo English Test (DET)対策
一方、DETは最初125点からスタートし、最終的に目標の130点を達成。TOEFL®で培った英語力があったからこそ、DETでも高得点が取れたと感じています。
- SAT®対策
Route HのSAT®対策講座を利用しました。高3の8月時点で、数学がほぼ満点だった一方、英語は600点前後から始まり苦労しましたが、対策を重ねて670点まで伸ばし、合計1460点に。
TOEFL®同様、教材や勉強法の選び方が本当に大事で、その調整が停滞を乗り越えるきっかけになったと思います。ただ、目標だった1500点以上には届かず、もっと早くから準備すべきだったという反省は残りました。
Q.【課外活動】高校時代に取り組んだ活動は?
ネット検索、知人への聞き取りを経て、高1の夏から幅広い課外活動をスタート!
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課外活動の重要性を何となく認識し始めたのは、海外大学を志し始めた中学3年生の頃でした。しかし、その重要性を本当の意味で実感したのは、高校1年生の夏です。多くの人がそうであるように、私も最初は何から始めればよいのか全く分からずにいました。
高1の夏、部活動での実績(テニス部で中高ともに主将を務めた経験)以外に語れるものが何もないことに気づき、危機感を覚えて情報収集を始めました。インターネットで調べて、海外大学進学を目指す知人数名にも話を聞き、そこから幅広い課外活動をスタートさせました。
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Ryoya Y.先輩の課外活動歴
- ● 高1:
-テニス部の活動(週4回程度)
-マイナビキャリア甲子園(初めての大きな実績となったビジネスアイデアコンテストで、2,736チーム中12チームに選出)
-各種ボランティア参加(植物祭ボランティアなど)
-中学テニス部コーチ
-文化祭バンドリーダー
- ● 高2:
-テニス部の活動(夏より主将を務め、団体では東京都ベスト32を達成)
-文化祭クラス企画責任者(校内No.1企画を受賞。トロッコ、得点集計システムを自作したシューティングアトラクションで約700名を動員)
-中学テニス部コーチ(高1より継続)
-オンライン書道教室戦略アドバイザー(主にAIを活用したリサーチと戦略立案を担当)
-文化祭バンドリーダー(2年連続)
-クラス議長
- ● 高3:
-テニス部の活動(夏まで主将を務めた)
-動画生成AIコンテスト入賞(AIや情報学に興味を持ち始めてから初めての成果)
-クラス議長
- ● 高1:
Q.【課外活動】特に高2以降、力を入れていたものは?
責任ある役割を担い、より深い活動を意識。情報学への関心を具体化する挑戦も。
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高2の夏以降、特に力を入れたのはテニス部の活動と文化祭クラス企画責任者です。
部活以外に語れる実績がないという危機感から高1の夏に広げ始めた課外活動でしたが、その中でも責任ある役割(主将・企画責任者)を任される活動を高2で深めていった形です。テニス部では夏から主将を務め、団体で東京都ベスト32という結果を残しました。
文化祭では、自作アトラクションにより校内No.1企画を受賞。トロッコを制作したうえで得点集計システムを自作し、シューティングアトラクションとして約700名に楽しんでもらいました。この得点集計システムを自分で組んだ経験は、当時うっすら興味を持っていた情報学への関心を具体的な形にするきっかけにもなりました。
Q. 【課外活動・エッセイ】受賞歴や活動からの学びは、出願にどう活かした?
受賞歴に関する活動はエッセイで深堀り、書類全体で内容の重複を避ける工夫も。
コモンアップ(Common Application / Common App : 米国大学の共通願書システム)では、受賞歴を5件、課外活動を10件記入する必要があります。まず受賞歴には規模の大きいものから順に記載し、そこに収まりきらなかった活動を課外活動欄に回すという形で書き分けました。
ただ、課外活動欄は文字数に余裕がある一方、受賞歴の欄にはあまり多くを書けません。そこで、受賞歴に関連する活動の詳細はエッセイ側で掘り下げて書くようにし、出願書類全体で内容が重複しすぎないよう工夫しました。
実際、長い時間をかけて取り組んだ活動(キャリア甲子園、文化祭クラスの企画責任者など)は苦労や葛藤も多かったため、エッセイではより深みのある、説得力のある内容にできたと感じています。
UC系列で唯一合格したカリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)の出願では、課外活動を20件記入する必要があったため、自分では些細だと思っていた活動まで丁寧に掘り起こし、枠を埋めていきました。
Q. 【エッセイ】書き上げる上で工夫したことは?
エッセイのテーマと志望分野のカリキュラムが合致した、説得力の高い1本に!
エッセイでは、小中学生の頃にネット依存気味だった経験と、そこでの葛藤をストーリーとして選びました。「心理と情報を結びつけて考える」というテーマが、志望していた情報学のカリキュラムの内容と合致しており、入試審査官にもしっかり評価してもらえたと感じています。
エッセイの作成自体は7月から10月にかけての4〜5ヵ月間にわたり、納得がいくまで15回ほど、徹底的に推敲を重ねました。
Q. 【大学リスト】志望校はいつ・どう選んだ? 特に重視した基準は?
学びたい分野・立地・奨学金を考慮してリストアップ。少し絞ってもよかったかも?
高3の5月頃から志望校リストづくりを本格的に開始しました。最初は15校ほどを候補にしていましたが、最終的には20校ほど出願しました。準備の開始が遅く、合格するか不安だったこともあり、リベラルアーツ・私立・州立と幅広く受けすぎてしまったように思います。
今振り返ると、合格可能性に応じてDream・Target・Safetyを5校ずつ、計15校程度に絞って戦略的に出願するのがベストだったと感じています。
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・Dream:Ivy League、および同程度のレベルで、志望順位は高いけど、合格できるか可能性は低い大学
・Target:自分のスコアや課外活動を考慮した上で、合格できる可能性は十分にある大学
・Safety:合格できる可能性が高く、いわば滑り止めのような大学
出願や進学先の絞り込みの基準は、主に以下の3つでした。
1つ目は、学びたい分野です。純粋なコンピュータサイエンスのようにAIやアルゴリズムを突き詰めるよりも、心理学や社会と情報を結びつけて学びたいと考えていました。志望大学群の中でもワシントン大学の“Informatics”のカリキュラムや募集要項は、この点で一番合っていると感じました。
2つ目は立地とキャリアで、アメリカでのインターンシップ・就職・起業を視野に入れていたため、西海岸・シアトルの都市部という立地は大きなメリットでした。
3つ目は、奨学金です。学費が高額なため全額支給の奨学金にも応募しましたが、最終的にはJASSO(日本学生支援機構)の給付型奨学金を獲得しました。
ベネッセのRoute Hでは、少人数個別のカウンセリングで「ここはDream校と言っているが、実際はそこまで合格可能性が低いわけではない」といった、客観的な視点からアドバイスを多くいただけたのが非常に役立ったと感じています。
結果的に、出願した約20校のうち約4割から合格をいただき、その合格校の中から実際に現地を訪れて雰囲気を確かめたうえで、最終的な進学先をワシントン大学に決めました。
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University of Washingtonに見学に行った時の写真です。
これから何度も授業を受けることになる建物で撮りました。とても楽しみです!
Q. 振り返ってみて「もっとこうすればよかった!」と思うことは?
思った以上に時間がかかった英語のスコアメイク。もっと早く仕上げたかった!
高3の9月以降は、複数校のエッセイ作成が重なって怒涛の忙しさとなりました。並行していた英語のスコアメイク(TOEFL®・DET・SAT®)が想定以上にかかって12月までずれ込んだため、結果的に出願完了までずっと英語対策とエッセイの両方に追われ続けていました。
振り返ると、英語のスコアメイクをもっと早い段階で終わらせておくべきだったというのが一番の反省点です。
Q. 海外進学を志す皆さんへ、ぜひアドバイスを!
早め早めの取り組み、切り替えが◎。準備に余裕を持てれば、戦略性もアップ!
確実に言えるのは「早く始めるほど有利」だということです。私自身、高1の夏に危機感を覚え、そこから大半の課外活動をスタートさせました。できれば中学生のうちから、もし今すでに高校生であれば今すぐにでも取り掛かることをおすすめします。
また、やりたいことが早くから決まっている人は一つの分野を「深く」、私のように高2の終わりまで定まらない人は「広く」活動しておくのがよいと思います。広く動いておけば、高校のうちに興味の方向性が定まることもありますし、大学に入ってから様々な分野に手を出して探っていくこともできます。
英語学習に関しては、TOEFL®で高2の3月まで伸び悩んだ経験から言えるのは、独学に固執せず、試験に特化した教材や講座に早めに切り替えることの大切さです。SAT®と同様、英語のスコアメイクは想定よりずっと時間がかかるので、できるだけ早く着手し、出願直前に慌てないようにしてほしいです。
志望校選びやエッセイ準備についても同じです。高3の5月から動き出した自分の経験から言うと、もっと早く始めていれば、幅広く受けすぎることもなく、戦略的にDream・Target・Safetyのバランスを取った出願ができたと思います。
まずは自分の目指す方向性や現在地を理解したうえで、早めに、そして焦らず動き出すことが何より大切だと思います。
いかがでしたか?
Ryoya Y.先輩が自身の体験をもとに教えてくれたのは、「早く始めること」だけでなく、現在地を確認し、必要に応じて方法を切り替えることの大切さ。英語のスコアメイクは早めに始め、課外活動は自分の興味を手がかりに、深くまたは広く続ける。大学選びやエッセイも、出願直前に重ならないように少しずつ前倒しで。焦ってすべてを決める必要はありません。「今始めておきたい準備」を一つ書き出し、まずはスタートしてみましょう。
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