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グローバルに活躍したいなら知っておきたい「国際資格」11選〜会計編


世界で活躍したい方に、ぜひ視野に入れておいてほしい「国際資格」の取得。海外でも通用する国際的な資格は、将来、自分の能力を客観的に証明できる武器として大きなアピールになります。今回は、本連載企画の「会計」編。会計士や税理士としてグローバルに活躍したい人が知っておくべき国際資格をご紹介します。

グローバルに活躍できる「国際資格」11選_会計編

世界で通用する!「会計」に関する国際資格3選

世界で通用する会計系の国際資格を3つピックアップ。グローバル化する国際社会のビジネスにおいて、会計の知識は非常に重視されてきています。

1. 米国公認会計士(CPA)

米国公認会計士(CPA;Certified Public Accountant)は、アメリカの各州で認定される会計士の国家資格です。通常、日本の会計士はCPAと言いますが、日本の公認会計士と区別するために「USCPA」と呼ばれることもあります。企業において経理・財務・税務・監査といった仕事を担当するためのプロフェッショナル資格です。近年は、ビジネスの国際化によりアメリカやヨーロッパを中心に世界規模で会計基準の統合化が進み、※「国際財務報告基準(IFRS)」というグローバル・スタンダードを採用する企業が増加しています。この基準に沿った米国公認会計士の資格は、国際的に通用する会計ルールに精通した人材として英語圏で高く評価されています。
CPAの資格は、筆記試験に合格すると共に、実務経験を積むことで資格取得できます。筆記試験の内容は全米統一ですが、州によって受験資格(学歴要件)が大きく異なるのがポイントです。多くの州では、4年制大学の学位と会計学やビジネスに関する科目の一定数以上の単位取得が必要ですが、短大卒や大学在学中に受験できる州もあります。そして試験合格後、実務経験を積むことで資格取得となります。必要な実務経験やその要件は、州によって異なります。
試験はコンピューターを使った英文の筆記試験のみで、以下の4科目から出題されます。科目合格制で、それぞれ75%以上が合格の目安といわれています。「米国公認会計士」は世界のビジネスシーンで最も認知されている会計士資格のため、監査・税務業務にとどまらない多種多様なフィールドでの活躍が期待できます。海外進出や合併、再編など大きな変化が多い外資系企業で活躍したいなら、ぜひ取得しておきたい資格です。

試験内容

  • ・FAR(財務会計:Financial Accounting & Reporting)
  • ・BEC(企業経営環境と経営理念:Business Environment & Concepts)
  • ・REG(諸法規:Regulation)
  • ・AUD(監査および緒手続き:Auditing & Attestation)

※国際財務報告基準(IFRS)とは IFRS(International Financial Reporting Standards)の略で、国際財務報告基準のことです。EUでの導入が義務化されたのは2005年以来、世界中で導入が進んでおり、現在100以上の国や地域が、自国の会計基準またはそれに準ずる基準として採用しています。

2. 米国税理士(EA)

EAは、Enrolled Agentの略。アメリカ政府(内国歳入庁:IRS)が認可する税理士の国家資格です。アメリカでの税務の申告代理業務が主な仕事となります。米国税理士の試験には学歴や国籍などの受験資格が設けられていないため、18歳以上であれば誰でも受験できます。試験はコンピューターを使った英語での四択式で、以下の3科目(各科目100問)から構成されています。
満点は130ポイントで、それぞれ合格ラインは105ポイント以上。3科目とも比較的に合格率は高めと言われています。3つの試験に合格すれば実務経験なしでも資格登録できますが、1年に24時間の継続研修が義務づけられています。
米国税理士の資格を取得すると、アメリカで税務業務を行えるのはもちろんのこと、米国系企業の経理・税務部門で会計業務を行う際にも有利になります。また、日本企業の海外進出や、米国企業の日本進出に伴う二国間の税務業務において活躍することが可能です。英語力と税務知識を兼ね備えた人材としてアピールできるので、今後も日米間の企業や税務コンサルティング業務など、需要が増加していくでしょう。

試験内容

  • Part 1:Individuals(連邦個人所得税法および連邦贈与税法・相続税法)
  • Part 2:Businesses(事業関連の連邦税法)
  • Part 3:Representation, Practices and Procedures(税務代理業務および諸手続き)

3. BATIC(国際会計検定)

BATIC(Bookkeeping and Accounting Test for International Communication)は、日本の東京商工会議所が認定する公的資格です。英文簿記の知識や国際会計に関する能力を測定する検定です。英語による基本的な会計取引(英文簿記)の「Subject1」と、国際会計理論の「Subject2」の2科目で構成され、世界のビジネスシーンに不可欠な英語力と国際会計スキルを同時に測る試験になっています。受験資格に制限はないので、学歴・年齢・性別・国籍問わず誰でも受験可能です。
BATIC試験は2科目ともマークシート方式による選択問題および記述問題で、すべて英語で出題されます。試験結果は合否ではなく1000点満点のスコア制で、受験者全員に点数の認定が行われ、スコアに応じて4段階の称号が付与されます。
BATICは2015年度からSubject2(国際会計理論)の出題が国際財務報告基準(IFRS)に全面移行しています。そのため、日本国内と国際的に通用する会計基準の両方に精通し、その違いを理解して決算報告書などを海外でも理解されるようにリキャスティング(組み替え)できるスキルを証明する検定試験になりました。会計・財務職でキャリアを積んでから、外資系企業への転職を考える際などには、武器になる資格でしょう。

試験内容

  • Subject 1(英文簿記):400点
  • Subject 2(国際会計理論):600点

グローバルに活躍したいなら、まずは海外留学という道も

外資系企業だけでなく、日本企業でも国際財務報告基準(IFRS)を導入する会社が増えており、国際的な会計資格はますます評価が高まっています。世界を舞台に活躍したいなら、世界で評価される資格へのチャレンジもぜひ検討してみましょう。特に米国税理士(EA)や国際会計検定(BATIC)は大学在学中に受験してみるのもよいと思います。
ただし、どの資格も出題はすべて英語。試験に合格するためには当然のことながら高い英語力が必要です。さらに資格取得後に働く際も、英語を使った国際コミュニケーション能力は必須です。そこで選択肢の1つとしてぜひ視野に入れてほしいのが海外留学。海外大学で過ごす時間は、英語力を身につけるだけでなく、大きな自信となるでしょう。まずは海外留学を目指してみてはいかがですか?

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※この記事でご紹介している内容は2016年9月30日現在の情報に基づいています。

※この記事は、旧GLCウェブサイトの「グローバル海外進学コラム」2016年9月30日に掲載されたものです。

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