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オーストラリア留学について知っておいたほうがいい10のこと

世界では「withコロナ」の生活様式が浸透しつつあり、再びグローバルな人の動きも活発になってきている現在。海外留学を本格的に考え始める人も増えてきています。そんな方たちに向けて、海外進学・留学ラボでは海外の進路を検討する場合に基本となる「国選び」に役立つ情報を、シリーズでお届けしています。

留学先として人気のある国ごとにピックアップした、バラエティに富んだ10の「知っておくべきこと」から、海外留学した自分をイメージしてみましょう。学びの制度や学生生活の特徴をはじめ、文化や風土なども加味したお国柄を知れば、ワクワクしてくるはず。4回目はオーストラリアです!

【参考記事】
留学生への手厚さが魅力!オーストラリア留学10のメリット
留学先の国選び 国&街のここに“キュン”ときました!② ~オーストラリア・メルボルン~

オーストラリア留学について知っておいたほうがいい10のこと

1. 広大な国土、多様でユニークな自然環境は大きな魅力

日本から飛行機で南に8-10時間ほど。オーストラリアは世界で最も小さな大陸であると同時に、世界で6番目に大きい陸地部分を持つ大きな島国です。広大な国土には、500以上の国立公園、野生動物の自然保護区とアボリジニの保護区を含む多様な2700以上の保護地域が点在。カンガルーやコアラといった特有の生物もたくさん。巨大な一枚岩として世界的に有名なウルル(エアーズロック)や、世界中のダイバーの憧れと言われるグレートバリアリーフなど、海から陸地まで数多くの世界遺産もあります。美しい海、生い茂る緑、珍しい野生生物たちなど、日本とは異なるスケールの雄大な大自然を身近に感じながら暮らすことができます。

サーフィンやダイビングなどのウォーター・スポーツをはじめ、サファリツアーなど豊かでダイナミックな自然を生かした多様なアクティビティも充実。学業以外の活動を通して、多くの人々と交流できる点もオーストラリアの魅力と言えるでしょう。

2. 南半球にあるため、日本とは真逆の気候

オーストラリアは南半球に位置しているため、季節が日本とちょうど反対。目安としては、9-11月が春、12月-2月が夏、3-5月が秋、6-8月が冬となります。渡航の際は、あらかじめ季節を考慮して衣服や持ち物を選びましょう。

また、日本の約22倍という広大な国土を持つため、地域によって気候風土が全く異なることに注意。オーストラリアは大きく5つの気候区分(熱帯雨林気候・熱帯性気候・亜熱帯性気候・砂漠性気候・温帯性気候)に分かれています。全体的に温暖な気候ではあるものの、雨季があったり、1年中乾燥していたり、冬は雪が降ったりと、それぞれかなり特徴があります。あらかじめ、自分が住む都市・地域の気候は調べておくことをおすすめします。 なお、どの地域でも年間を通して日差しや紫外線が強いため、日焼け止めクリームなどを持って行くとよいでしょう。

3. 多様な人種・民族が共存する多文化主義国家、留学生の保護制度もあり

オーストラリアは、歴史的に多くの移民を受け入れてきた多民族・多文化国家。古くから留学生の受け入れにも積極的で、コロナ禍前の留学生受入れ数はアメリカ、イギリスに続き世界で3番目でした(*1)。新型コロナウイルス対策のために2020年3月に国境が閉鎖され、留学生の受け入れもストップしましたが、現在では国境も開放され、再び多くの留学生が入国しています。様々な背景を持つ人々が暮らし、多様な文化が混ざりあった社会のため、国民はフレンドリーで、留学生もあたたかく迎える雰囲気があると言われています。

国としての留学生に対するサポートも手厚く、オーストラリアには世界でも珍しい留学生の受け入れと保護を保証する国家法が制定されています。留学生の権利と質の高い教育を保証するESOS法では、何らかの事情で就学予定のコースが開講されなかったり、継続が不可能になった場合は、授業料の返金保証や、他の学校への転校させることが義務として定められています。留学生を受け入れる教育機関に対し、連邦政府への登録を義務付けているCRICOS制度もあります。

*1)出典:UNESCO Institute for statistics

4. 奨学金などをうまく活用すれば、留学費用は抑えられる

オーストラリア国内には43の大学があり、うち39校が国公立大学です。授業料は、教室内で学ぶことが基本の学部の場合、年間20,000~30,000豪ドル程度。実験などが必要となる学部では最大で45,000豪ドル程度となります。平均的な生活費は年間で約20,000豪ドルと言われていますが、ライフスタイルや都市によって大きく異なります。シドニーやメルボルンといった大都市は世界的に見ても物価は高めなので、住居費を含めた生活費の総額は他の都市より相当高額になるので注意しましょう。

授業料と生活費で仮に年間50,000豪ドルとすると、日本円で約475万円。アメリカやイギリスに比べるとリーズナブルであるとはいえ、それでもかなり多額の留学費用が必要になるのは間違いありません。TAFEと呼ばれる州立の職業訓練専門学校を経由して大学に編入するなど、ルートによっては費用を抑えることができるので、自分に合うルートを探してみてもいいでしょう。また、留学生へのサポートが手厚いオーストラリアでは、留学生向けの「国際奨学金」も充実しています。政府資金による奨学金のほか、大学独自の奨学金も豊富ですので、しっかり調べて上手に活用してみてください。

【参考ページ】Destination Australia|Australian Government Department of Education, Skills and Employment

5. アルバイトをするなら、タックスファイルナンバーの取得が必須

オーストラリアのSubclass 500と呼ばれる学生ビザでは、学期中は2週間に40時間(*2)までの就労が認められています。また、休暇中は労働時間に制限がありません。大学で学びながらアルバイトをして、留学費用の一部を賄うことも可能です。

学生ビザでアルバイトをするために、まず必要になるのがタックスファイルナンバー(納税番号:TFN)。これはオーストラリアの納税を管理するための番号で、TFNがないと給料の計算・受け取りができません。留学生のアルバイトであっても雇用主への届け出は義務付けられています。オーストラリア税務局(ATO)のWebサイトからオンラインで申請ができますが、オーストラリア国外からの申請は不可。アルバイトを希望している場合は、学生ビザを保有した状態でオーストラリアに入国した後、早めに申請しましょう。

なお、ビザの就業条件は予告なく頻繁に変更があるため、オーストラリア内務省のWebサイトで常に最新の情報をチェックするようにしてください。

*2)オーストラリアでは現在、労働力不足に対処するため、学生ビザの労働時間制限が一時的に緩和されています。2023年6月30日までは学生ビザ保有者は無制限で就労することが可能です。

【参考ページ】Tax file number|Australian Taxation Office

【参考ページ】Check visa details and conditions|Department of Home Affairs|Australian Government

6. すべての留学生は留学生健康保険 (OSHC) に加入することが義務

オーストラリアでは、学生ビザで入国するすべての留学生に対し、留学生健康保険(OSHC:Overseas Student Health Cover)に加入することが義務付けられています(学生ビザの申請時のアプリケーションに、加入している健康保険会社名・保険証券番号などを記入する必要があり、OSHCに加入していないとビザの申請自体ができない)。
オーストラリアにはメディケア(Medicare)という医療費がカバーされる制度が整備されていますが、留学生には適用されません。そのため、オーストラリア滞在中の病気や怪我などの際に適切な医療を少ない負担で受けられるように、留学生は学生ビザの期間全体をカバーするように加入する必要があるのです。

OSHCはオーストラリア政府に認定された保険会社6社のみが提供しています。基本的な補償内容はすべて同じですが、歯科治療や眼科治療等の追加プランなどの各種サービスが異なる場合があります。

通常、OSHCはオーストラリアで入学予定の学校を通じて申し込みます。入学申込み時に、同時に申し込み手続きをするのが一般的ですが、中には学生自身で保険会社にOSHCの手続きをするよう求める学校もあります。

7. 成績の基準は%表示だが、評価の方法は欧米とは異なる

オーストラリアの大学では、成績評価にパーセンテージを使用します。ただし、授与される成績の記号はアメリカやヨーロッパのものとは異なります。

以下が、オーストラリアの大学での成績のつけ方の例です。
※成績評価方法は大学によって異なりますが、基本的には50%未満の成績だとFail(不合格)となり、単位を取得することができません。

<成績のつけ方(例)>

  • High Distinction(HD)―83%以上のスコアを獲得した学生に授与される。A+またはfirst-class degreeに相当する
  • ●Distinction(D)―73%から82.99%のスコアを獲得すると授与される。Aまたはupper-class 2ndに相当する
  • Credit(C)―63%から72.99%で、Bまたはlower-class 2ndに相当する
  • Pass(P)―50%から62.99%のスコアで、Cまたはthird-class certificationに相当する
  • Fail(F)―学生のスコアが50%より低いと、学位が取得できない

8. 独特なスラングがたくさんある

オージーイングリッシュと呼ばれるオーストラリアの英語は、イギリス流の英語がベース。文法や文字のスペルなどはイギリスとほぼ同様(一部、独特のスペルあり)ですが、発音はイギリス英語にオーストラリア独特の表現が数多く加わっています。「rを発音しないことがある」「aをアイと発音することがある」「短縮形が多い」などの特徴があり、アメリカやイギリスの英語に比べると少々なまっているように聞こえると言われています。オーストラリア独特のフレーズやスラングも。国内の地域によっても、方言のような特有の表現もあります。

日本で学んできた英語と異なる発音、異なるイントネーションの英語を理解するのは、多少の時間がかかるかもしれませんが、地元の人々とも積極的にコミュニケーションをとり、徐々に慣れていきましょう。他民族・多文化のオーストラリアの人々は、様々な訛りのある英語には慣れっこなので、あまり上手に英語が話せなくても寛容な態度で接してくれることが多いです。

9. 食料自給率はなんと200%超え!

オーストラリアの食料自給率はカロリーベースで230%超。わずか38%ほどの日本からすると、驚くべき数値です。
国内で流通している野菜、果物、乳製品、肉などのほとんどは、国内の農家で生産されたもの。オーストラリアはカフェ文化が有名で、各都市に多くのカフェがありますが、それぞれ地元の農家の食材を使った独自のフードを提供するカフェシーンが展開されています。また、多国籍な文化を持つ国のため、大都市には多様なレストランが集まっており、世界中のほとんどの国の料理が提供されていると言われるほどです。

※「令和元年度 食料自給率・食料自給力指標について」(令和2年8月 農林水産省)より

10. 慢性的な水不足に悩まされているため、水は貴重

オーストラリアは海に囲まれ、マリンスポーツも盛んですが、大陸の中央部はほぼ砂漠地帯。国土の約40%を砂漠が占めていることからもうかがえるように、全体的に日照時間が長く、降水量が少なめ。実は慢性的に深刻な水不足に悩む国の1つなのです。そのため、国全体に「水を大切にする」という意識が徹底されています。夏には庭の水撒きや洗車が禁止される、などということもめずらしくありません。シャワーは1人4~5分が目安とも言われています。

当然、水道代やミネラルウォーターなども高めなので使いすぎるとコストがかかるということもありますが、なによりオーストラリアでは「節水」は常識であるということを忘れないようにしましょう。学生寮やシェアハウス、ホームステイなど他の人と共同生活をする際はとくに、自分だけ水を使いすぎないようにすることは、大切なマナーです。


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※この記事でご紹介している内容は2022年11月18日現在の情報に基づいています。

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