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オーストラリアのビザ申請方法が変更に!日本人留学生にどう影響する?

オーストラリア政府は、2024年3月23日以降の申請者を対象に、学生ビザおよび短期卒業生ビザの申請要件を一部変更しました。オーストラリアの移民戦略の一環として実施されたもので、申請要件や審査はより厳格な基準が適用されるようになっています。今回の変更の狙いを端的にいえば、「本気でオーストラリアで学びたいと思っているか」をチェックするためということになるでしょう。
オーストラリアは日本人に人気の留学先だけに、しっかりと変更点は抑えておきたいところです。この記事では、オーストラリアの学生ビザ申請要件の主な変更点を5つご紹介します。

オーストラリアのビザ申請方法が変更

① 申請時の提出必要書類「GTE」が「GS」に変更

それまでの学生ビザ申請で必要だった「Genuine Temporary Entrant (GTE)」に変わり、「Genuine Student (GS)」と呼ばれる新しい基準が適用されることになりました。新しく導入されたGSでは、申請フォームの質問内容が変更されており、より多くの情報が必要となっています。

<申請フォームに追加された質問の例>(それぞれ150ワード以内で回答)

  • ●家族や地域社会とのつながり、仕事、経済状況など詳細な情報
  • ●学校・コースを選んだ理由や、留学先にオーストラリアを選んだ理由
  • ●選択したコースが自分にどのような利益をもたらすか
  • ●選択したコースを終えた後にどうなりたいか?

※過去に学生ビザでオーストラリアに滞在していた場合や、オーストラリア国内で別のビザから変更する場合は、さらに質問が追加される

質問によっては、回答内容を証明するための書類の提出も求められます。
総じて、オーストラリアで学ぶことが主な目的であること、かつ、オーストラリアで本当に学生として学ぶ意思があることを客観的・総合的に判断されると考えればよいでしょう。


② 必要な英語力条件の変更

学生ビザ(Subclass 500)と卒業生ビザ(Subclass 485: Temporary Graduate Visa)の申請時に必要な英語力の基準が変更されました。

<学生ビザ(Subclass 500)に対する変更点>

語学学校を除く、大学やTAFEに入学する際の基準となる英語力が引き上げられました。

【最低英語力条件】

  • ●英語コース以外の教育機関に直接入学の場合:IELTSの全体スコア 5.5→6.0(または同等)へ引き上げ
  • ●標準のファウンデーションコース/大学へのパスウェイプログラム:IELTS 5.0相当→5.5(または同等)へ引き上げ
  • ●語学学校(ELICOS)などの英語コース:IELTS 4.5→5.0(または同等)へ引き上げ
  • (ELICOSのみ受講する場合は、変更なし)

<卒業生ビザ(Subclass 485)に対する変更点>

  • ●最低英語力要件:IELTSの全体スコア 6.0→6.5相当へ引き上げ(各セクションの最低スコアは5.5)
  • ●英語テスト有効期限:3年から1年に短縮(IELTS, TOEFL, PTE, OET, Cambridge英検など全て)
  • ※ほとんどの場合、入学時の英語力証明の結果が利用できなくなるため、卒業生ビザ申請の前に再度受験する必要があります。

③ 学生ビザの審査対象のルール化と発行数の制限

学生ビザの審査対象にルールが設けられました。学生ビザの発給数に上限は設けられていませんが、以下のような手段を用いて発給数をコントロールされます。

  • ●学生ビザ申請者の英語レベルの引き上げ
  • ●学生ビザの対象となるコースの削減(Bachelorコースに重点が置かれる)
  • ●コース開始後の変更の規制強化

④ 観光ビザから学生ビザへの変更申請時の規制強化

観光ビザ(Subclass600)が不正に利用されることを防ぐため、観光ビザのルールが厳格化されました。観光ビザ申請者には「8503-No further stay」という条件が増え、観光目的で入国した後に学生ビザに切り替えることは難しくなっています。留学生は、あらかじめ正しい手続きを経て、日本国内で学生ビザを申請する必要があります。


⑤ 教育機関に対する停止証明書の発行制度

ビザの目的に沿わない学生を受け入れている教育機関に対し、オーストラリア政府が一定期間、新しい留学生の受け入れを一時的に停止させる「停止証明書」を発行することができるようになりました。この制度はオーストラリア国内の教育の品質を保証することを目的としており、各教育機関の学生ビザの申請拒否数、ビザ条件違反、不法滞在などがすべて記録・管理されるようになっています。問題がある教育機関には、罰則として「停止証明」が発給され、6ヶ月間にわたって留学者の受け入れ停止が命じられます。質の低い教育を提供している学校は、今後淘汰されていくと考えられます。

今回の変更で申請要件や審査が厳格化したため、留学する学校やコース選びから始まり、留学して何を学びたいか・卒業後にどうしたいか、また必要な英語力をクリアするための英語テストの受験時期・回数など、長期的な目でこれまで以上に入念な留学計画をたてることが求められます。オーストラリアへの留学を視野に入れている方は、時間に十分な余裕を持って準備を進めていきましょう。


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※この記事でご紹介している内容は2024年6月4日現在の情報に基づいています。

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