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アメリカの大学入試に必須の「エッセイ」とは?ー高校前半のうちに練習できる5ステップ

アメリカの大学の合否に大きな影響を及ぼす要素の1つとして挙げられることが多い「エッセイ」。しかしながら日本人にとっては「エッセイ」とは随筆のようなものというイメージが強く、入試の要件としてはなかなかピンとこない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回から3回シリーズで、日本の中高生の皆さんにもわかりやすく、アメリカの大学入試で重要なエッセイについて解説していきます。初回は、「入試用のエッセイとはどんなものか?」という概要とともに、実際に出願準備でエッセイに取り組み始める「前」の中学~高校の前半にどんな練習をしておけばよいか、おすすめの対策を5つご紹介します。

エッセイのために高校前半に練習できる5ステップ

アメリカの大学の合否に大きく影響するエッセイ

アメリカの大学入試には、日本のような一斉試験はありません。基本的には書類審査によって出願者をさまざまな観点から評価し、それぞれの大学の基準によって合否を決定しています。

アメリカの大学で合否判定に重視される要素(書類)は、主に次の5つとなります。

  • 1) 高校の成績
  • 2) 英文のエッセイ
  • 3) 推薦状
  • 4) 課外活動の実績
  • 5) 指定されたテストのスコア(SAT®、ACTなど)

大学によっては面接が必要となる場合もあります。
また、留学生は英語力を証明するテスト(TOEFLなど)のスコアが求められることもあります。

いずれにせよ、アメリカの大学では特定の1つの要素だけで合否を決めることはほとんどありません。上記の要素をすべて考慮し、総合的に合否を判断するのが一般的です。

ただその中でも、多くの大学で「エッセイ」が非常に重要視されています。私立大学ではとくにその傾向が強く、名門と言われるような有名私立大では出願書類のうちエッセイが最初に読まれるところもあり、合否を分ける決め手になるとも言われています。

提出されたエッセイで何を評価しているかはそれぞれの大学によって独自の基準がありますが、おおむね次のような3つのポイントがあるとされます。

  • ●この出願者はどのような人物か?
  • ●この人物は自分たちのキャンパスに価値ある貢献をするか?
  • ●この人物は文章を書く力を有しているか?

アメリカ入試用のエッセイは自己紹介や自己表現

アメリカの大学入試におけるエッセイとは、大学への入学希望者が志望動機や自らの人柄、考え方などをアピールする小論文(作文)のこと。大学側は、エッセイの内容を通して、学校の成績やテストスコアだけではわからない学生の個人的な経験や価値観、意欲、目標などから、人物や能力を多面的に知ろうとしています。そのためエッセイでは、自分がこれまでどんなことを考え、何を大切にし、どのように行動してきたかという具体的な事実を踏まえつつ、自分自身のユニークさや魅力をどれだけ言葉にしてアピールできるかが非常に大切になります。

アメリカの大学入試で必要とされるエッセイは、以下の2つに大別されます。

◆コモンアプリケーション・エッセイ(Common Application Essay):

オンラインの共通願書システムであるCommon Applicationを通して全員に共通で与えられるテーマ(トピック)に答える必須のエッセイ

◆サプリメンタル・エッセイ(Supplemental Essay):

Common Applicationを通して、各大学が独自に設定しているテーマ(トピック)に答える補助的なエッセイ

※マサチューセッツ工科大学(MIT)やカリフォルニア大学(UC)系列など、Common Applicationを採用していない大学は独自にエッセイを課しています。

<コモンアプリケーション・エッセイ>

複数のPromptと呼ばれる7つのテーマ(トピック)の中から1つを選んで、英単語650語以内で書くことが求められます。

▼2023-2024年度のテーマ(トピック)はこちら
【参考ページ】What are the 2023-24 Common App essay prompts?

コモンアプリケーション・エッセイの7つのテーマは非常に多様で、一見すると漠然とした問いばかりに感じられるかもしれませんが、基本的には「自分はどのような人間か?」を説明・表現するためのテーマ設定と言えます。
何かに挑戦した経験や、困難を乗り越えて達成したこと、人生の中で印象に残っている出来事など、自分が成長してきた過程で考え方や価値観に大きな影響を与えた事柄を示しつつ、そこから何を学び、どのような人間性を持つようになったのかという「自分らしさ」「個性」をきちん言語化して、筋道を立ててまとめることが必要になります。

<サプリメンタル・エッセイ>

Promptは大学ごとに異なります。分量も、150語程度で質問に答えていくタイプから、500語程度の長文を書くタイプなどさまざまです。奇抜なトピックを課している大学もあり、内容はバラエティに富んでいますが、基本的には各大学が学生に求める資質などがテーマに反映されていることが多いようです。設定されたPromptを良く読み、何を問われているのかをきちんと理解したうえで、聞かれていることに簡潔に答えていくことが大切になります。

中学から高校前半におすすめのエッセイ対策5つ

まだ「本番」まで時間がある中学〜高校前半の時期には、「エッセイの練習」という意識をあまり持たず、まずはエッセイに慣れ親しんでいくことが非常に重要です。

1)積極的に英語のさまざまなジャンルやスタイルの本を読む

英語のテキストをたくさん読むことによって、語彙力や英語的な表現力のUPが期待できます。できれば、ジャンルを絞らず、論理的な内容から軽めの小説まで、いろいろな本に触れてみましょう。英語で文章を書く際のリズムや展開が、自然と自分の中に染み込んでいきます。

2)自己表現や感想を書く練習をする

エッセイでは自分の経験や考えを、筋道立てて書くことが求められます。学校での学習でも、自らの意見を簡潔に、自分らしい表現で書くことを意識していきましょう。日記をつけることもおすすめです。日々の経験や感じたことを整理し、明確に表現する能力が磨かれ、エッセイ作成に役立ちます。

3)トップスクール合格者のエッセイを読んでみる

SNSや動画など、ネット上でアメリカのトップスクールに合格した先輩たちが、自分の書いたエッセイを公開していることがあります。見つけたら、ぜひ読んでみましょう。説得力のある文章の構成や、魅力的な表現などに触れることができ、良い刺激になるでしょう。

4)テーマを与えられた英文の練習をする

与えられたテーマに対して英語で答えることに慣れていくことが大切です。繰り返すことで、自分の観察力や論理的思考力を鍛え、意見をまとめる練習になります。
普段の学校の学習では、与えられたテーマに対して英語で長めの文章を書く機会があまり多くない方もいるかもしれません。そういう場合は、海外大の過去のエッセイテーマなどをホームページなどから探し、自分で取り組んでみるとよいでしょう。

5)自分以外の人に読んでもらい、フィードバックを受ける

自分では完璧に書いたつもりでも、他の人から見たら意味がわかりにくかったり、展開が強引だったりするものです。独りよがりな文章にならないよう、身近な人や英語の先生に書いたエッセイを読んでもらい、感想や意見をもらいましょう。率直なフィードバックを受けることで、自分のエッセイの改善ポイントが見つかるはずです。

アメリカの大学入試用のエッセイは、日本の随筆や報告書などとは異なる独自のルールやスタイルがあります。早いうちから日々の生活や学習の中で上記の5つの対策を実践することで、将来の海外大入試に備えることができるはず。少しずつでも積み重ねることで、大きなアドバンテージになります。自分の考えや経験を明確に表現し、魅力的なエッセイを書く力を身につけるために、できることから早めの準備を始めてみてはいかがでしょうか。

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※この記事でご紹介している内容は2024年6月11日現在の情報に基づいています。

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