海外大学進学情報

アメリカ・イギリス・日本でこんなに違う「エッセイ」の世界

高校3年生にとって、エッセイ(自己PRや志望理由書など)に取り掛かり始める季節がやってきました。「エッセイ」と一言で言っても、アメリカ・イギリス・日本ではその役割も、書くべき内容も、評価される軸も大きく異なります。これからエッセイ対策をスタートする人に向け、3か国それぞれのエッセイの特徴を比較しながら、何を意識して書き始めればいいのかを整理します。

 

そもそもエッセイって? 国ごとに役割が違う

海外大学・国内グローバル系大学の出願では、成績や試験スコアだけでなく、「あなたはどんな人か」「なぜこの大学・この分野で学びたいのか」を文章で伝える書類が求められます。これがいわゆる「エッセイ」と呼ばれるもので、国や大学によって呼び名も役割も異なります。

  • アメリカでは、おもに共通システムのCommon App Personal Statement(コモンアプリ・パーソナルステートメント)を中心に、各大学が独自に求めるSupplemental Essays(補足エッセイ)を組み合わせて出願します。
  • イギリスでは、おもに共通システムのUCAS(ユーキャス)という共通出願システムを通じて、Personal Statement(パーソナルステートメント)を1セット提出します。志望する5校すべてに同じものが届きます。
  • 日本の総合型選抜では、志望理由書、自己推薦書、自己活動歴、小論文など、大学が求める複数の書類を組み合わせて提出するのが一般的です。

国ごとに呼び名が違うだけでなく、文字数の上限、書くべきテーマ、評価される軸まで、それぞれに固有のルールがあります。まずは全体像を比較してみましょう。

3か国のエッセイ比較

※2026年5月時点の公開情報をもとに整理しています。

項目 アメリカ イギリス 日本(国内グローバル系)
呼び名 Personal Statement(パーソナルステートメント)/Supplemental Essays(補足エッセイ) Personal Statement(パーソナルステートメント) 志望理由書/自己推薦書/自由記述/自己活動歴/小論文 など
提出形式 Common Appで作成し、出願時に提出。各大学の補足エッセイも同時に提出。
※Common Appでは最大20校まで出願可能。Personal Statementは複数の大学に同じ内容が送れる
UCASで作成し、出願時に提出。最大5校に同じ内容が送れる 大学指定の様式に記入し、出願時に提出(一部は試験当日に記述する形式も)
分量 Personal Statementは250〜650ワード。Supplementalは大学により100〜650ワード程度 合計4,000文字(スペース含む)。「3つの設問」に最低350文字ずつ 大学により異なる。志望理由書500〜2,000字、小論文1,500字、英語Essay 500ワードなどさまざま
テーマの自由度 7つの設問から1つを選択。「あなたの背景・成長・葛藤・気づき」を中心に自由に書ける 2025年度出願から3問構成。書く内容が明確
①志望分野
②これまでの学習・資格
③授業外での準備や経験
大学・学部・学科ごとに設問や課題が指定される。自由度は低めだが個別性が高い
評価で重視されること 個人の価値観やバックグラウンド、経験から得た気づき 志望分野への学術的興味と準備 志望動機、活動の蓄積、入学後の学びへの具体性
提出時期の目安 10〜11月(Early出願)
11〜1月(Regular Decision)
10月(オックスフォード・ケンブリッジ・医学系)
1月(その他多くの大学)
9〜11月(多くの大学)

 

近年の傾向

◆アメリカのエッセイは、あなた自身の物語が問われる

アメリカの出願では、多くの大学が「Common App(コモンアプリ)」という共通出願プラットフォームを利用しています。ここで提出するのが、Personal Statementと呼ばれるエッセイです。

<Common App Personal Statement(エッセイ)の基本>

250ワード以上、650ワード以下という分量で、7つの設問から1つを選んで書きます。2026-27年度の出願サイクルでも、設問は前年と変わらず継続されています。

設問の代表例としては、「あなたの背景・アイデンティティ・興味・才能の中で、これがなければ自分の出願は不完全だと感じるものを語ってください」「困難や挫折を経験したときのことを振り返ってください」「自分自身や他者についての新たな理解につながった成長の経験を書いてください」などがあります。

<Supplemental Essays(補足エッセイ)の基本>

Common App Personal Statementは志望大学すべてに同じ内容が送られますが、各大学はこれに加えて独自の「補足エッセイ(Supplemental Essays)」を求めるのが一般的です。

代表的なテーマは、「なぜこの大学を選んだのか(Why Us)」「なぜこの専攻なのか(Why This Major)」「コミュニティへの貢献」「知的好奇心の対象」など。短いものは100〜250ワード程度、長いものは500ワードを超えるものもあり、大学によっては5本前後の補足エッセイが求められます。たとえばアメリカのスタンフォード大学では、複数の短い設問に加え、3つのテーマについて短いエッセイを書くことが求められます。

<アメリカで重視されるのは「自分の経験ストーリー」>

アメリカのエッセイで最も重視されるのは、書き手自身の声で書かれているか、内省の深さがあるか、という点です。「何が起きたか」よりも「その出来事が自分にどんな変化をもたらしたか」が問われます。

実績や受賞歴は活動リスト欄でも示せますが、エッセイで真に評価されるのは、ささいな日常の出来事や個人的な葛藤の中から書き手の人間性が立ち上がってくることだとされています。アメリカ大学進学を考えるなら、自分のこれまでを振り返り、心が動いた瞬間や考えが変わった経験を丁寧に掘り起こす作業から始めてみましょう。

【参考】 Common App公式:2026-27エッセイプロンプト発表ページ

◆イギリスのエッセイ:志望分野への学術的本気度が問われる

イギリスの大学出願は、UCAS(Universities and Colleges Admissions Service)という共通システムを通じて行います。1度の出願で最大5校まで志望でき、Personal Statementは1セットだけ作成すれば、5校すべてに同じものが送られる仕組みです。

<2025年度出願から、出願書類の形式が変更>

UCASのPersonal Statementは長らく自由形式の長文でしたが、2025年度出願から、3つの設問に答える形式へ変更されました。

UCAS Personal Statementの3つの設問(2025年度出願/2026年入学以降)

1.Why do you want to study this course or subject?
(なぜこの分野を学びたいのか)

2.How have your qualifications and studies helped you to prepare for this course or subject?
(これまでの学習や資格が、どのようにこの分野の準備につながっているか)

3.What else have you done to prepare outside of formal education, and why are these experiences useful?
(学校教育以外で、この分野のためにどんな準備をしてきたか/その経験がどう役立つか)

3つの設問あわせて合計4,000文字(スペースを含む)以内で、各項目にバランスよく書くことが推奨されます。

<イギリスで重視されるのは「学術的な深さ」>

アメリカが「人物像」を見るのに対して、イギリスのPersonal Statementは「志望分野への学術的な関心と準備」を見るのが大きな特徴です。学校のカリキュラム以外で読んだ本、参加した講演、自分で取り組んだ研究、関連分野の経験、いわゆる「supercurricular(スーパーカリキュラ)」と呼ばれる、学校の授業範囲を越えて志望分野への関心を深める学術的な活動が重視されます。

クラブ活動やボランティアなども、単なる活動実績としてではなく、志望分野とどうつながり、どんな問いや関心を深めるきっかけになったかを示せる場合に、説得力のある材料になります。たとえば医学を志望するなら、病院でのボランティアを通じて何を観察し、どんな問いを持ったかを、自分の言葉で書く必要があります。

なお、UCASではPersonal Statementの類似性を確認する仕組みがあり、約30%以上の類似が検出された場合はUCASによる確認を経て、志望大学・カレッジに通知される可能性があります。自分自身の経験や考えを、自分の言葉で伝えることが大切です。

※日本の高校卒業資格だけでは、イギリスの大学の学士課程に直接入学できないケースが多く、A-LevelやIBなどの国際的な資格、またはファウンデーションコースなどを経由するルートが検討されます。必要な条件は大学・コースによって異なるため、志望校の公式情報を必ず確認しましょう。

【参考】 UCAS公式:Personal Statement(2026年入学以降)の書き方

◆日本の総合型選抜:志望理由・活動の蓄積・当日記述力の総合戦

日本の総合型選抜では、大学が求める複数の書類を組み合わせて提出するのが一般的です。書類の種類も分量も大学ごとに大きく異なるため、出願年度の募集要項が公開されたタイミングで確認することが大切になります。

また、以下の点に特徴があります。

  • 志望理由の論理性:「なぜこの大学・この学部・この学科か」を具体的なカリキュラムや教員研究と結びつけて説明することが重要視される傾向があります。
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  • 活動の深掘り:探究や課外活動などの実績を並べるだけでなく、その中で何を考え、それが志望分野とどう結びつくかまで語れることが評価につながります。
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  • 当日記述力:早稲田SILS、上智FLA、AIUのように、当日に記述試験や英語Essay Writing、英語小論文を課す大学・学部もあります。ICUのように、出願時に小論文等の書類を提出し、書類通過後に面接が課される形式もあります。

国内グローバル系大学・学部の代表例から、エッセイ・書類の特徴を見ていきましょう。

慶應義塾大学SFC(総合政策学部・環境情報学部)

AO入試では、志望理由・入学後の学習計画・自己アピールを文章で2,000字以内、さらにA4サイズ2枚以内の「自由記述」で表現します。これに加えて、活動報告や任意提出資料などもあり、文章・資料・表現形式を組み合わせて自分を伝える複合的な出願書類になっています。

自由記述は、図やレイアウトを含めて自分の関心や活動を表現する場として活用できます。「何を学びたいか」を具体的なテーマレベルまで落とし込み、それに紐づく自分の活動と将来像を多面的に示すことが鍵です。

【参考】 慶應大学 SFC(総合政策学部・環境情報学部)AO入試

早稲田大学 国際教養学部(SILS)

2026年度入試(2026年4月入学)から、4月入学・国内選考の選考方法が変わりました。これまで出願書類として事前提出していた志望理由に関するエッセイが廃止され、早稲田キャンパスでの筆記試験当日に、日本語による30分の記述試験として課されるようになっています。

Critical Writing(120分・英語)と同日実施で、当日提示される主題と自分の体験・経験を関連付けて、国際教養学部を志望する理由を論理的に記述します。これにより、事前に用意した文章を丸暗記する方法は通用しなくなりました。

【参考】 早稲田SILS 国際教養学部入試情報

国際基督教大学(ICU) 教養学部

総合型選抜(英語外部試験利用/理数探究利用/IBDP利用の3方式)では、志望理由を記述する入学願書、学校内外における自己活動歴と自己分析、提示されたトピックを選択して執筆する1,500字の小論文など、合計約3,500字の書類を出願時に提出します。

小論文では時事問題や芸術作品、自分が取り組んだ探究学習などからテーマを1つ選び、タイトルをつけたうえで自分の見解と具体例を含めて書きます。書類審査を通過した受験者には、面接が課されます。方式によっては、研究内容などに関するプレゼンテーションが求められる場合もあります。

【参考】 国際基督教大学(ICU)総合型選抜

上智大学 国際教養学部(FLA)

国際教養学部を目指す場合、国内生向けの「推薦入学試験(公募制)」や、「国際教養学部入学試験」など、出願資格や選考方法の異なるルートがあります。

「推薦入学試験(公募制)」は、自己推薦書をA4サイズ1枚以内(英語1,000字程度)で提出し、当日は60分間の英語によるEssay Writing(English Aptitude Test)と英語面接を受けます。

「国際教養学部入学試験」は、出願時に500ワードの英文エッセイを提出し、SATやIB、TOEFL/IELTSのスコアと併せて審査されます。

【参考】 上智大学 推薦入学試験(公募制)
【参考】 上智大学 国際教養学部(FLA)入学試験

国際教養大学(AIU)

総合選抜型入試Ⅰでは、自己アピール書(志望理由書)の提出に加え、秋田県のキャンパスで英語小論文試験と日本語・英語の面接が課されます。書類で「これまでの取り組み」を示し、当日の英語小論文で「自分の意見を英語で表現する力」を示すという、書類と試験のバランス型の選抜です。

【参考】 国際教養大学(AIU)総合選抜型入試Ⅰ

3か国に共通する「いま準備しておくといいこと」

ここまで見てきたように、アメリカ・イギリス・日本のエッセイは、評価される軸も書き方も大きく異なります。ただし、これからエッセイ対策に取り掛かる人にとって、共通して大切にしたいことがいくつかあります。

1.自分の経験を棚卸しする

どの国・地域のエッセイでも、これまで自分が何を経験し、何を考え、何に心を動かされてきたかが土台になります。授業、部活動、課外活動、家族や友人とのエピソード、本や映画から受けた影響まで、思い出せるだけ書き出してみましょう。素材が豊富であるほど、エッセイの説得力は増します。

2.志望分野・志望校への解像度を上げる

特にイギリスと日本のエッセイでは、「なぜこの分野か」「なぜこの大学か」が問われます。志望分野の本を読む、関連する講演を聞く、大学の公式サイトで授業内容や教員研究を調べるなど、解像度を上げる作業が説得力につながります。

3.自分の言葉で書く

テンプレートや誰かの真似ではなく、自分の言葉で書くことが3か国・地域いずれでも重要です。UCASは類似性検知システムを導入していますし、上智大学FLAのように生成AI利用を明確に禁じる大学もあります。読み手は何百通もの文章を読むので、自分の体験から立ち上がる文章かどうかは伝わります。

4.出願時期から逆算して、第三者フィードバックを取り入れる

出願締切の1〜2か月前には、先生や進路カウンセラー、信頼できる第三者に読んでもらえる状態を目指し、複数回書き直すプロセスを大切にしましょう。アメリカやイギリスのエッセイでは、ドラフトを5回・10回と書き直すことも珍しくありません。

<まとめ> エッセイは「自分を知る作業」から始まる

アメリカでは「あなたは何者か」、イギリスでは「なぜこの分野か」、日本では「なぜこの大学・学部か」と、問いの中心はそれぞれ異なります。それでも共通しているのは、自分がこれまで何を考え、何に取り組んできたかが土台になるという点です。

だからこそエッセイ対策は、書く前の「自分を知る作業」からスタートします。志望国・志望校がまだ絞り込めていない段階でも、自分の経験を整理し、なぜ自分はそこに惹かれているのかを言葉にしていくこと自体が、最良の準備になります。

エッセイに向き合う時間は、進学の先で何を学び、どんな人になっていきたいかを考える時間でもあります。手を動かしながら、自分自身との対話を重ねていきましょう。

※この記事でご紹介している内容は2026年5月時点の公開情報に基づいています。出願要件・選考方法は変更される可能性がありますので、実際に準備する際は必ず各大学・各団体の公式サイトで最新情報をご確認ください。

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