外部英語検定試験(TOEFL®など)のSpeakingとWriting、どうやって伸ばした? ~シカゴ大学 Y.M.先輩~
英語圏の大学に出願するには、TOEFL®やIELTS™など外部英語試験のスコアが欠かせません。中でも、多くの受験生が苦手意識を持つのがSpeakingとWriting。限られた準備期間の中で、どう克服して目標スコアにつなげていけばよいのでしょうか。今回は、シカゴ大学に進学したY.M.先輩に、特に役立った学習方法や、忙しい学校生活と試験対策を両立するための工夫・コツなどを詳しく伺いました。
※ここでご紹介している内容は個人の体験です。実際に準備する際は、必ず最新の情報をご確認ください。
解答の「型」を身につけて何度も練習。自分の解答や音声を毎回振り返りブラッシュアップ!
今回の「ラボ協力隊」
Y.M.先輩
アメリカ シカゴ大学 2年生、公共政策専攻。
国際河川の水紛争に関心を持ち、公共政策が専攻として存在し大学院もあることなどから志望大学を選定。UWC(United World College)で学んだ経験を通して、多様性に富んだ環境に身を置きたいとも考えていた。
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【Y.M.先輩が受けた外部英語試験】
TOEFL®:高2の12月、高3の6月
SAT®:高2の12月、高2の3月
Q.【Speaking】今だから言える「おすすめ対策」は?
過去問の活用がカギ!毎回録音して振り返り、発音や言い回しの改善に注力。
TOEFL®のSpeakingセクションは、比較的その出題傾向が明確(*1)であるため、過去問を繰り返し解くことで、類似の問題にうまく対応できるようにしました。多くの問題をただひたすらこなすのではなく、特定の問題に焦点を絞って集中的に練習を行いました。
練習する際には、自分の声を録音し、発音や言い回しを改善することに注力しました。最初は自分の声を聞くことが恥ずかしく、言いたいことがうまく言えずに何度も録音をやり直すこともありましたが、その過程で少しずつ発音や言い回しが改善され、表現が豊かになったと思います。
最も効果的だったのは、毎回少しずつ異なる表現を試すことです。同じ意見を表現するにしても、単調な言葉の使い方を避け、さまざまな語彙やフレーズを取り入れることで、表現力が広がりました。
過去問に絞って重点的に練習し、録音した音声を使って改善を重ねたことが、Speakingのスキル向上に非常に効果的だったと感じています。
また、私はベネッセ Route G<当時はGlobal Learning Center (*2)>のTOEFL®対策講座を受講したのですが、その授業を通じて、問題に取り組む際の心理的な抵抗感が大幅に減りました。特に、当初過去問に対して感じていた「どこから手を付けてよいか分からない」という不安が和らぎ、落ち着いて問題に向き合えるようになりました。
そして、講座で教えていただいた構成の型や解答のテンプレートは、実際の試験で回答を組み立てる助けになりました。これはSpeakingに限らず、Writingにおいても同様に役立ったと感じています。
(*1) 必ず最新の出題形式にて詳細をご確認ください。(2026年1月21日よりTOEFL iBT®アップデート版が導入されます)
(*2) Global Learning Center:現在のRoute Gの前身
Q.【Writing】今だから言える「おすすめ対策」は?
「型」を身につけて書く内容に集中。意識的に多く書く練習を重ねてスキルアップ!
TOEFL®のWritingセクションには、IntegratedとIndependentの2つの形式があります。Integratedでは読解文と講義の内容を要約し、Independentでは、与えられたテーマについて意見を述べて、その根拠を示す必要があります。
私は、それぞれのエッセイに対応したテンプレートを覚え、実際の試験で使えるようにしていました。特にIndependentでは、最初の数行を型通りに書くことで、内容に集中しやすくなり、スムーズに書き始めることができました。
大学ではテンプレート的なエッセイ構成が推奨されないことが多いですが、TOEFL®では構成が明確で論理が一貫していることが求められていると思います。
練習の際は、とにかく文字数を多く書くことを意識しました。文字数が多いことが加点に直接つながるわけではありませんが、具体例や理由を丁寧に掘り下げることで、自然と文章の質と量が向上し、それがスコアに反映されたと感じています。
練習時は、Independent writingは500語前後、Integrated writingは350語程度を書くようにしていました。また、1st draft、2nd draftと複数回書き直す中で、Grammarlyなどの文法チェックツールを活用し、よくある文法ミスを確認しました。特に冠詞や前置詞の使い方は、日本語話者にとって難しい部分ですが、ツールを使って繰り返し確認することで、少しずつ自然な英語に近づけようと心がけていました。
さらに、エッセイに使える同義語を覚えておくと便利で、語彙の幅を広げるために「TOEFLライティング対策 英語表現力アップの4つのコツと表現集」を活用しました。例えば、“harmful”ではなく“detrimental”など、よりアカデミックな印象を与える単語を積極的に使うように意識しました。
Q. SpeakingとWritingで一番苦戦したことは? どう克服した?
焦りを感じたSpeaking。ゆっくり、はっきり話すことを強く意識し、より伝わりやすく。
TOEFL®のSpeakingには特に苦労しました。高2のときに初めて受験した際は、Speakingのスコアが他の3技能(Reading、Listening、Writing)に比べて低く、焦りを覚えました。その原因を振り返ってみると、内容が整理されないまま早口で話してしまっていたことに気づきました。
そこで、高3の6月に再び試験を受けるにあたっては、ゆっくり、はっきり話すことを強く意識して臨みました。その結果、Speakingのスコアが前回より4点も上がり、自分の伝えたい内容がより明確に伝わるようになったと実感しました。
英語力そのものだけでなく、話し方やペースといった伝え方の工夫が、スコアに大きく影響すると感じました。
Q. 忙しい高校生活で、Speaking・Writing対策をどう両立した?
通学時間を使って語彙力を強化。毎日コツコツ続けた「話す練習」も効果アリ!
隙間時間を活用するために、単語帳の「英検1級 でる順パス単」を通学中に読むようにしていました。特にTOEFL®のSpeakingやWritingでは語彙力が問われるため、高度な語彙を少しずつ覚えていくことがアウトプットの質を上げるのに役立ちました。
私は一度に多くの単語を覚えるのが得意なタイプではないので、頻度が低めの「出る度C」の単語には手をつけず、より頻度の高い「出る度A」と「出る度B」の単語に絞って繰り返し復習しました。
また、毎日英語を話す時間を少しでも作るようにしていました。独り言を言ったり、Speaking練習アプリを活用したりすることで、緊張せずに英語を話せるようになったと思います。
こういったTOEFL®のSpeaking・Writing練習は、直接的にSAT®のスコアに結びついたわけではありませんが、TOEFL®の学習を経て語彙など英語の基礎力をしっかり身につけたことで、その後のSAT®の学習や試験にもスムーズに取り組めたと感じています。
Q. 試験当日や直前に気をつけたこと・やっておいたほうがいいことは?
試験中は平静を保つ意識を。前日からいつも以上に英語に触れて英語モードをオン!
TOEFL®のSpeakingでは、試験中に焦らないことが何よりも重要だと感じました。特に音声確認のタイミングでは、他の受験者の声が聞こえるため緊張しますが、落ち着いて自分の声がしっかり録音されているかを確認することが大事だと思います。
また、試験の前日には意識的に英語に触れるようにしました。普段よりも多く英語に触れることで、当日に自然と英語モードに頭を切り替えることができました。
なお、私はTOEFL® Home Editionを高2で受験しましたが、後になって一部の大学ではこの形式のスコアを受け付けていないことがあると知り、事前に調べておくことの大切さを痛感しました。試験形式の違いや各大学の要件をしっかり確認しておくべきだったと反省しています。
Q. これからSpeaking・Writingを頑張る後輩へ、ぜひエールを!
続けることで少しずつ成長を実感できるはず。共に伸ばしていきましょう!
SpeakingとWritingは、苦手意識を持っている人が多い分野だと思います。私もその一人ですし、正直なところ今でも「やっぱり難しいな」と感じることがあります(笑)。
この2つは、一朝一夕で結果が出るものではないからこそ、続けていく中で少しずつ成長を実感できるようになると思います。そして、だからこそ、うまく話せた・書けたと思えたときの達成感はひときわ大きい気がします。私自身も、まだまだ伸ばしていきたいです!
いかがでしたか?
特にSpeakingに苦手意識があったというY.M.先輩。過去問に絞って対策することで出題傾向に慣れる、毎回録音して振り返り、より伝わりやすく改善するなど、コツコツと工夫を重ねたことが結果につながったようです。短期間で劇的に伸ばすのは難しいからこそ、まずは英語を書く・話すことに慣れるつもりで少しずつ取り組んでいきたいですね。
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