アメリカ出願大学はどう決めた?Route H と一緒に考える「出願戦略」のつくり方 ~Yuzuka S.先輩~
アメリカの大学への出願では、「どの大学を、どの方式(Early / Regular)で出すか」という選択が、準備の進め方や合格の可能性を大きく左右します。とはいえ、出願形式によってどう志望校を振り分けるか、学校生活と出願準備をどう両立するかなど、戦略の立て方に悩む高校生が多いのも事実。今回は、数々の米国名門大学に合格したYuzuka S.先輩に、EarlyとRegularをどう組み合わせ、どんな考え方で出願戦略を形にしていったのかを伺いました。
※ここでご紹介している内容は個人の体験です。実際に準備する際は、必ず最新の情報をご確認ください。

立ち位置を見極め、「いつ・何で勝負するか」を決める。プロの視点を借りながら効率と完成度を高めた!
今回の「ラボ協力隊」

Yuzuka S.先輩
学びたい学問や、その探究しやすさなどの違いから海外大進学を志す。国内大学に加え、アメリカの南カリフォルニア大学、カリフォルニア大学サンディエゴ校などの総合大学、グリネル大学、ウェズリアン大学、ハバフォード大学などリベラルアーツカレッジを含む多数の名門海外大学に合格。
Q. 出願戦略を意識し始めたのはいつ?そのきっかけは?
先輩の体験談から戦略思考へ転換!見かけの合格率ではなく「今の自分」を基準に。
私が出願戦略をはっきり意識し始めたのは、高校2年生の終わり頃です。ちょうどアメリカ大学受験を終えた先輩がたから、具体的なアドバイスを聞けるようになった時期でした。
特に印象に残っているのが、「Earlyは合格率が高く見えるけれど、実際には、早い段階で成績・英語スコア・課外活動・エッセイが、かなり仕上がっている生徒が多く出願している」という話です。Early(※出願を早めに行い、合否も早く出る方式)だから受かりやすいのではなく、「Earlyに出せる状態まで準備が整っている生徒が多い」から合格率が高く見える。その考え方に、ハッとさせられました。
私は日本生まれ・日本育ちで、海外在住経験はありません。英語力やGPAの面では、帰国子女の多いインターナショナルコース(授業が英語で行われる)のクラスの中で、時間をかけて伸ばしていく必要がある立場でした。
だからこそ、「合格率の数字だけで判断するのではなく、今の自分の立ち位置や強み・弱みを踏まえて戦略を立てる必要がある」と強く感じるようになりました。
Q. 海外大学を目指すようになった経緯と、高校での学習環境は?
帰国子女が多数派の環境で、”追いかける側”としてスタートした高校生活。
私が海外大学を受験したいと思い始めたのは、中学3年生のときでした。その頃から英語を猛勉強し、高校からインターナショナルコースに進学しました。
ただ、そこではクラスメートの大半が帰国子女や英語ネイティブ。英語が堪能でない生徒は、私ともう一人いるかどうか、という環境でした。入学当初は、ショートホームルームで先生が話す英語すら十分に聞き取れず、すべて速いスピードの英語で進む授業についていくのに必死でした。
良い成績を取りたいと思っても、努力がすぐに結果に結びつかない時期が続き、焦りを感じることも多かったです。一方で、帰国子女のクラスメートたちはTOEFL®やSAT®などのスコアも高く、英語で行われる授業にも自然に対応し、成績も安定していました。
正直に言うと、英語スコアやGPAの面では、私はクラスの中で「時間をかけて伸ばしていく必要がある立場」だったと思います。このスタート地点の違いが、のちに出願戦略を考えるうえでの大きな前提になりました。
Q. 自分のバックグラウンドをどう出願戦略に反映した?
英語が堪能な同級生と同じ土俵で評価されるからこそ、伸ばすべき要素を見極めた。
アメリカ大学の出願では、世界中の受験生を一律に順位づけするのではなく、「どんな環境で、何をしてきたか」が重視されます。基本的には、同じ学校や似た背景を持つ生徒同士で比較されます。
私の場合、帰国子女の多いクラスの中で評価される立場にありました。その中で、「課外活動の質や、エッセイのユニークさでは勝負できる。一方で、そもそもそれらを読んでもらう“土俵”に立つためには、スコアや成績をまだ伸ばす必要がある」と自覚を持つようになりました(アメリカの大学では、多くの場合、まず成績やスコアを確認し、その後にエッセイを読み込むという順番で書類が評価されます)。
そこで立てたのが、次のような戦略です。
・英語スコアはRegular出願の締切(12〜1月)まで伸ばし続ける
・成績も最後の学期まで全力で取り、平均GPAを少しでも上げる(11月締切のEarlyで出願する場合、最終学期の成績が出る前のGPAを提出する形になってしまうから)
・スコアとGPAが整った状態で、エッセイに人一倍熱量をかけ、内容で差をつける
この戦略から、多くの大学をRegular Decision(12月〜1月に出願し、春に合否が出る方式)で出願する選択をしました。
その結果、高校の授業で直面していた言語の壁を乗り越え、英語で行われる難易度の高い科目(数学Ⅱ〜Ⅲ相当、哲学、演劇、国際政治など)にも最後まで粘り強く取り組み続けることができ、最終的には評定平均オール5のGPAを取得し、自信を持って出願に臨むことができました。最後まで自分を信じて走り切って良かったと思えています。
Q. EarlyとRegular、どう使い分けた?
Earlyは共通エッセイを完成させ、まず一つ、結果を出すことにフォーカス。
Earlyでは、Common Application(Common App:米国大学の共通願書システム)のPersonal Essay(多くの大学で共通して使えるメインのエッセイ)のみで出願できる大学を1校選びました。目的は、「共通エッセイを早めに完成させること」と、「自分の実力やマッチ度が高い大学で、まず一つ結果を出すこと」です。
この大学からは奨学金付きの合格をいただき、その後のRegular出願での奨学金交渉にも活用することができました。
周囲にはEarlyで複数校出願する友人もいて、焦りを感じる気持ちもありました。それでも、「自分に合ったペースで、ベストな状態を作ること」を常に大切にしていました。
今振り返ると、出願戦略を考えることは、EarlyかRegularかを選ぶ作業ではなく、「自分はいつ、何で勝負するのか」を言語化するプロセスだったと思います。
Q. 出願計画の全体像と、Route Hのサポートで役立った点は?
感覚的な出願から、筋の通った優先順位が見える戦略へ。
私はEarly出願後にRoute Hに入塾し、主にRegular Decision(RD)期の戦略を一緒に考えていきました。
当初の私の出願戦略は、「出せるだけ多くの大学に出願する」というものでした。インターネットなど私が得られる情報だけでは、どの大学が自分に合っているのか正確に判断しきれず、学びたい授業がある、校風が好き、といった理由が一つでもあれば、とりあえず出願してみようと考えていました。その中で合格をくださる大学が、自分に合った大学なのではないか、と思っていたからです。
しかしRoute Hでは、ネット上の情報だけでなく、在校生・卒塾生の実体験をもとに各大学の特徴を具体的に教えていただきました。その結果、「本当に行きたい大学」「優先度を下げてもよい大学」を整理し、出願校を絞ることができました。
その構成は、Dream(挑戦校)・Target(実力相応校)・Safety(比較的安全校)のバランスを意識しつつ、それぞれの中で「一番行きたい大学」を軸に配置していきました。Earlyや国内併願で結果を得ていたこともあり、RD では合格可能性だけでなく、「進学したいかどうか」「学びや雰囲気が自分に合うか」といった価値観をより重視できたと思います。
出願校を厳選したことで、エッセイにかけられる時間が増え、一校一校にしっかり向き合えたのは大きなメリットでした。また、設問が似ている大学同士を意識した「エッセイ設問ベースの戦略」も教えていただき、効率よく準備を進められました。
振り返ると、Route H と一緒に戦略を考えたことで、出願を感覚ではなく、構造として整理できました。出願校、エッセイ、締切、優先順位を一本の線で考えられたことが、RD 期を落ち着いて走り切れた理由の一つだと思います。
Q. エッセイ・英語試験・学校生活の同時進行⋯ どう乗り切った?
タスクの優先順位づけを重視。第三者からのフィードバックも推進力に!
スコアや成績を最後まで伸ばす方針だったため、出願準備はかなりの同時進行でした。課外活動は11月下旬まで続き、英語試験も12月まで挑戦。一方で、Personal Essayは11月初めに一度完成させ、その後に各大学のSupplemental Essayを書いていきました。
正直、かなりタイトなスケジュールで、体育会系の部活で培った体力と気合、そして「やり切るしかない」という覚悟で乗り切りました(笑)。ただ、「今週は何を一番進めるか」という大枠の優先順位だけは常に意識していました。
また、エッセイを書いたら次は課外活動、など複数のタスクを切り替えながら進めることで、気持ちを保っていました。その時々で、今少しでも前向きに取り組めるものを選ぶような「楽しむ力」で、長期戦を乗り切ったと思います。
Route Hに入塾してからは、先生が伴走してくださり、経験に基づいた客観的な視点でタスクの優先順位を一緒に整理してくれました。特にエッセイは「正解がない」からこそ悩み続けてしまいがちですが、第三者からのフィードバックをもらえることで、考えすぎて立ち止まる時間を大きく減らすことができたと感じています。
Q. 出願準備の中で、特に大変だったことは?どう乗り越えた?
限られた時間で「やるべきこと」を絞る。短期集中と専門的サポートが突破口。
出願準備の中で、大きな苦労は二つありました。一つ目はTOEFL®のスコア、もう一つはアメリカの大学特有のインタビュー(alumni interview)対策です。
まずTOEFL®についてです。高校2年生に入る直前に初めて受験した際のスコアは81点(120点満点)で、多くのアメリカ大学が求める基準(90〜100点以上)には届いていませんでした。加えて、二つの学生団体を創設・運営していたため、長時間の試験対策に充てられる余裕もありませんでした。
そこで夏休みに覚悟を決め、「試験直前の1週間で仕上げきる」という超短期集中型の対策を選びました。模試をセクション・設問単位に細かく分解し、短時間で解く→採点→ミス傾向の分析→別の問題で即修正、というサイクルを徹底。「量」ではなく「傾向把握と修正」に集中した結果、1週間で105点までスコアを伸ばし、出願校すべての基準を満たすことができました。
二つ目は、米国大学のインタビュー対策です。アメリカの大学では、対話を通して志願者について知るための面接が行われ、その評価が審査に反映される場合があります。私はこの文化に慣れておらず、雰囲気や質問の意図、どのような姿勢で臨むべきかが分からない状態でした。
そこでRoute Hの先生がたに、インタビューの目的やマインドセットを教えていただき、実際の本番を想定した練習を重ねました。その結果、当日は過度に作り込んだ回答ではなく、落ち着いて「ありのままの自分」を伝えることができたと感じています。
特にインタビューは直前に連絡が来ることも多く、準備期間が限られます。短期間でも本質的な準備を一緒にしてくださったRoute Hのサポートは、非常に心強いものでした。
すべてを完璧にこなそうとするのではなく、限られた時間の中で何に集中すべきかを見極め、その選択を周囲に支えてもらえたことが、最後まで走り切れた大きな理由だったと思います。
Q. 国内併願やEarlyの結果を受けて、その後の戦略はどう変わった?
合格と自信を手に、行きたい大学・挑戦校に絞り込んで完成度を高める戦略へ。
Regular出願(1月初旬)直前に、国内大学の第一志望校から合格をいただきました。進学したいと思える選択肢を確保できたことで、海外出願ではSafety校を外し、「本当に行きたい大学」「難しくても挑戦したい大学」に絞る戦略へ切り替えました。
また、Early校の一つから奨学金付き合格をいただいたことで、Personal Essayの方向性にも自信が持てました。大きな方向転換はせず、同じ軸を保ったままRegular出願校のSupplemental Essayの完成度を高めることに集中しました。
Earlyと国内併願の結果を冷静に受け止め、「どこに勝ち筋があるか」「どこに最も力を注ぐべきか」を再確認できたことが、RD期を前向きに戦い切る支えになったと思います。
Q. 出願を通して感じた大事なポイントは? 後輩へのアドバイスもぜひ!
自分なりの答えを持って、等身大の言葉で形にすることが大切。
アメリカの大学出願を振り返って、最も大事だったと感じるのは、出願期間中も「自分らしさが自然に表れる場所」から、離れすぎないことです。
エッセイや書類準備に集中するあまり、課外活動やコミュニティから完全に距離を置いてしまうと、思考が内向きになり、視野が狭くなってしまいました。そんなときでも、課外活動のミーティングだけは継続して参加したり、部活動の仲間と過ごしてリフレッシュしたり、趣味を楽しむ時間を意識的につくりました。
それによって「自分はどんな価値観で動き、どんなリーダーシップを発揮する人間なのか」を忘れずに実感し続けることができたと思います。その感覚があったからこそ、エッセイにも無理なく、自分の言葉を落とし込むことができました。
また、インターネット上には名門大学に合格したエッセイが数多くあります。不安が強かった時期の私は、そうしたエッセイの「型」を、知らず知らずのうちに追いすぎてしまっていました。しかし最終的には、自分自身と真剣に向き合い、時間をかけて考え抜いた等身大の言葉の方が、結果的に一番自分らしく、説得力のあるエッセイになったと感じています。
特に、日本で生まれ育ち、海外在住経験がなかった私は、常に「他者軸の正解」を探してしまうことに悩んでいました。でも、米国大学の出願を通して、「自分なりの答え」を持ち、それを言葉にすること自体が評価されるのだと実感しました。
これから出願に挑むかたには、準備に追われる中でも、自分が自然体でいられる場所や時間を、完全には手放さないでほしいと思います。その積み重ねが、エッセイや面接での言葉に深みを与え、最後まで自分自身を支えてくれるはずです。
いかがでしたか?
EarlyかRegularか、それぞれ何校出すか—— 目に見える選択肢に気を取られがちですが、本当に重要なのは「自分は今どこにいて、何を伸ばし、いつ勝負するのか」を言語化すること。Yuzuka S.先輩は、Route Hとともに出願全体を俯瞰し、迷いや焦りを整理しながら判断を積み重ねていくプロセスを踏むことで、スコアや成績、エッセイを最後まで伸ばし切り、自身の納得できる形で出願を走り抜くことができました。これから出願に向かう皆さんも、ぜひ自分自身の現在地と向き合いながら、オンリーワンの戦略を描いてみてください。
出願戦略・準備をひとりでできるか不安な方へ
BenesseのRoute Hではあなたの夢の実現に向けて、海外大出願のサポートを行っています。高校3年生の出願戦略・スケジュール作成、英語エッセイの添削、奨学金に向けた日本語でのエッセイ添削や面接対策はもちろん、自己分析のサポートや課外活動の計画まで、進路の段階に応じて丁寧に支援。専門スタッフが、進路相談から合格までずっと伴走します。
※この記事でご紹介している内容は2025年12月26日現在の情報に基づいています。
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