先輩教えて!なぜ海外大学?目指したきっかけStory ~Shun Y.先輩~
「国内か海外か」「文系か理系か」正解がない、進路の決め方。迷いながら選んでいく人がほとんどだと思いますが、今回お話をうかがったShun Y.先輩は、迷うことなく長年の夢だった海外進学を実現しました。とはいえ、周りに英語話者や海外に進学した人はおらず、スタート地点は文字通りゼロ。そこからどうやって英語力を伸ばし、出願に必要な課外活動や受賞歴を一つひとつ積み重ねていったのか。カナダの名門、トロント大学に進学するまでの歩みをお聞きしました。
※ここでご紹介している内容は個人の体験です。実際に準備する際は、必ず最新の情報をご確認ください。

海外大で学びたい。長年の憧れを胸に、英語力や課外活動、受賞歴をコツコツ積み上げ夢を実現!
今回の「ラボ協力隊」

Shun Y.先輩
カナダ トロント大学・アーツ&サイエンス学部 新3年生(2026年9月より)。統計学・公共政策学をダブル専攻し、哲学を副専攻。横浜市立高校の希望者を対象とした海外進学支援プログラム参加を経てベネッセGLC(現Route G)を受講、アメリカ・カナダ・日本の大学を受験した。
Q. 「海外大学を目指そう」と思い始めたタイミングと、そのきっかけは?
出発点は、ハーバード大生の体験談。大きな刺激を受け、海外進学を決意!
小学2年生の頃、新聞記事で外国の大学へ進学した方の話(ハーバードだったと記憶しています)を読み、私もそこに行きたいという憧れを漠然と抱くようになりました。その後、父がフェイスブックの広告で偶然見つけた、ハーバード大生が日本で行う講演会(どこかの留学エージェントが主催でした)に連れて行ってもらう機会がありました。
英語での質問が奨励される場で、周りは自分より年上の方ばかりが質問する中、小学2年生の私はちょこんと席に座って話を聞くことしかできませんでしたが、そこで大きな刺激を受けたのは間違いありません。ここで、将来は海外の大学に行こうと決意を固めました。
憧れが土台にあったのは確かですが、学部の段階から国境を越えたつながりを築くことには大きな意味があると思いました。また、そもそも「地球人であれ」と育てられてきた自分にとって(実際にはほぼ日本で過ごしていたのですが)、海外に行くことは、いわば地球を巡るという点で、ある意味必然でもありました。
Q. 周りはどんな環境? 海外進学への迷いや不安はなかった?
英語環境ゼロ、海外大を目指す人もレア。公的な支援プログラムが拠り所に。
- 英語や進路選択の環境
両親も親族も日本語しか話せず、公立の小学校に通っていた私。海外大学への道のりは、まさに英語環境ゼロからのスタートでした。
一応、英会話教室には通っていましたが、実践で通用するレベルでは身につかず、小学校卒業と同時に辞めています。中学では成績が伸び悩んだため、一般的な学習塾に通い、そこで他の人と同じように、少しずつ英語力を鍛えていきました。
また、高校は横浜市の公立高校だったため、周りに海外の大学を目指す人は少ない環境でした。そんな時に出会ったのが、Across The Ocean Program(ATOP)です。これは横浜市とベネッセが共催している、海外大学進学を支援するプログラムです。
ATOPに参加したことで、GLC(現Route G)やRoute Hのサービスにもつないでもらい、技術的な支援やアドバイスを受けられる環境に身を置きました(なお、金銭的な支援はありません)。
- 海外進学への迷いや不安
小学2年生の頃に決意して以来、迷ったことは本当に一度もありませんでした。意識していたのは、「いつ、どんな環境から影響を受けたいか」ということです。
海外の大学を目指すだけであれば、中学・高校の段階から留学したり、IB(国際バカロレア)が取れる学校やインターナショナルスクールに進んだりする道もあったはずです。
しかし、私はそれらを選びませんでした。エリートとして海外に行くのではなく、地に足のついた一人の日本の若者として海外に飛び込みたかったからです。「自分がどんな立場でそこにいるか」によって、「何が見えるか」は大きく変わってきます。
エリート教育を受けた人がエリート同士のコミュニティの中で見る景色と、今の自分が見ている景色はまったく違うはずです。前者の視点での話はすでに世の中にたくさんあるので、自分はそれとは違う視点を届けられる場所にいたいと思っています。
国内の大学も併願はしていましたが、本命はあくまで海外の大学でした。むしろ、併願先を用意していたからこそ、不安に振り回されることなく、海外進学の準備に全力を注ぐことができました。
Q. 最終的にトロント大学への進学を決めた理由は?
2年生での専攻選択、文理どちらも学び深められることが大きな魅力。
決め手として大きかったのは「2年生から専攻を選択できること」や「ダブルメジャーができること」。
私の通っていた高校は横浜サイエンスフロンティア高等学校という、理系に特化した高校(スーパーサイエンスハイスクールの重点枠に指定されています)でしたが、その一方で、社会と関わり、社会をみんなにとって、それこそ「地球のみんなにとって」より良い場所にしたいという思いもありました。
つまり、理系科目と文系科目を同時に学べる環境を求めており、それが叶うのは海外大学、主にアメリカとカナダの大学でした。現在は統計学(形式科学)と公共政策(社会科学)を二重専攻し、副専攻として哲学(人文学)を学んでいます。
ただ、やはり決め手はアイデンティティに関わる部分だと思います。「地球人」として生きたいと思っていた自分にとって、海外の大学に行くことは、自分の人生を生きるうえで欠かせない事柄でした。
私が生まれたときに、両親が「地球人として生きてほしい」と話し合ったというエピソードは、子どもの頃から繰り返し聞かされてきました。「国境を越えて活躍できる人になってほしい」ともよく言われていました。振り返ってみると、国境を越えて人の気持ちに寄り添う力も、そうした家庭の中で育まれていたように思います。
同時に、「希望を配る人」でありたいとも思っていました。これも、両親がいつも広い世界の話をして、希望を教えてくれたからかもしれません。
まず、今この場でできる希望の示し方として、「公立高校出身で、両親が英語を話せなくても、海外の大学に行くことができる」ということを世界に証明したかった、という気持ちもありました。

トロントの湖を撮っているところ。
いろいろな面はありますが、やはり「地球」なんだなと思いを馳せています。
Q. 海外大の受験に向けて、高校時代に「準備・積み上げ」したことは?
幅広い課外活動をしながら、受賞歴・英語力をギリギリまで積み上げた!
正直なところ、スケジュールとしては出遅れていました。ATOPに参加したのは高校1年生の終わりにさしかかった頃で、「TOEFL®は高3の夏までに仕上げる」という見通しを立てていたものの、かなりギリギリのスケジュールでした(ATOPで同じく海外大学を目指していた友人も同じような状況でしたが⋯ 笑)。
しかし、決して手を抜いていたわけではありません。課外活動と受賞歴を揃えながら、TOEFL®とSAT®の対策も進めていく必要があることは、当時から常識として知っていました。
- 課外活動
課外活動については、高校1年生の最初から熱心に取り組んでいました(もっとも、好きなことをしていただけという側面もあります)。生徒会では副事務局長、その後事務局長(いわゆる生徒会長にあたる役職です)を務め上げました。
また、高校で演劇部を立ち上げたいという声を偶然耳にし、中学時代に演劇部だった私もこれに参加しました。高1で演劇部を創部して副部長になり、高2で大会に出場しています。大会の脚本は私が執筆し、地区大会、市中央大会を最優秀賞で通過しました。
県大会では、プロの演劇関係者の審査員の方々から高い評価をいただき、部として県の「最優秀賞(次点)」を受賞。私自身も、県内で一名だけが選ばれる「創作脚本賞」を受賞しました。
さらに、入学直後には高校の新しい取り組みとして国際共同課題研究の募集があったため、友人と共に応募し、ベトナムの高校と連携しながら研究を進めました。高2では新しいメンバーを加えて継続し、この国際共同課題研究は、その後、高校の恒例プログラムとして定着することになりました。
- その他の受賞歴
受賞歴としては、高校入学後に哲学にハマったこともあり(もともと理論的なことが好きなタイプです)、日本倫理・哲学グランプリに出場しました。高3の12月にぎりぎり奨励賞を受賞し、出願書類(application)に記載しています。
もっとも、受賞歴に関しては順調だったわけではありません。課外活動はたくさんしていましたが、必ずしも賞につながるタイプのものばかりではなかったからです。高3で追い込まれたこともあり、さまざまな賞に片っ端から応募した結果、SNSの大喜利の賞を受賞するということもありました。
- 英語
英語については、通学時間中に英語版のWikipediaを読んでいました。哲学にハマっていたこともあり、関連する記事を読み漁ったことで、リーディング力はかなり伸びたと思います。スピーキングについては、日常のあらゆる動作を英語でぶつぶつと実況中継するようにしていました。
ある程度言葉に出せるようになると、耳で聞き取れるようにもなり、リスニング力も伸びていきました。ライティングは、授業でその教科を選択することで力をつけました。
Q. 実際に海外大学へ進学してみて感じるメリット・デメリットは?
“本気”に応えてくれる環境。一方、英語力や外国人として暮らすハードルも。
- 大学での学び
メリットは、本気で学習に打ち込めることです。厳しい環境に身を置くことで、自然と学習に向き合えるようになります。
私自身、トロントにいる間は朝2時に起床して夜8時に就寝し、6時間睡眠をとる生活をしていました。もともと夜型の人間でしたが、夜は考えごとをしてしまい集中できないため、この生活リズムに変えました。
- 英語力の壁
デメリットは、英語力の壁が常について回ることです。もちろん渡航前から勉強はしていましたが、到着してすぐは現地の会話スピードに圧倒されました。日常会話にはある程度慣れても、アカデミックで進行の速い議論には、今でも置いていかれることがあります。
中でも、最近受けた“Global Controversies”(グローバルな論争)という授業のグループディスカッションが印象に残っています。イデオロギーとアイデンティティの関係を学ぶ授業で、そのチュートリアル(少人数でディスカッションを行う授業)の中で、実際に世界で起きている直近の出来事を扱う場面がありました。
もちろん、そのニュース自体は知っていたのですが、海外のSNSなどでよく使われる独特の言い回しや口語表現に慣れておらず、特に聞き取るのが大変でした。英語は常に勉強し続けなければいけない、といつも感じています。
- 交流関係
友人は比較的すぐにできましたが、それでも言葉の壁の厚さは常に感じています。会話のテンポが自分と近い人と、特に仲良くなりやすい印象です。このテンポにもっと柔軟に対応できるようになりたいと思っています。
寮生活なのもあってか、強い孤独感というのも今のところありません。勉強が厳しいので、そのストレスはありますが⋯。
- 海外で暮らすこと
また、外国人として生きることの法的な不安定さも、想像していた以上のものでした。たとえばカナダの場合、国際学生には実質的に休学が認められておらず、study permit(就学許可)によって強い法的な制限がかけられています。
学費も国際学生は高めに設定されており、こうした不安定さは、自分自身の物事の見え方を更新してくれる一方で、実際の負担として重くのしかかってきます。
食事に関していうと、寮の食堂はビュッフェ形式ですが、普通においしく、種類も豊富で、いろいろな地域の料理が並びます。個人的にはラーメンがお気に入りです。
ちなみに、あるとき「カツ丼」を頼んだら、唐揚げ丼が出てきたことがありました(どうやら英語の“カツ(katsu)”は、揚げた肉料理全般を指す言葉として使われているようです)。
Q. 進路に迷っている中高生の皆さんへ、ぜひアドバイスを!
道は必ず開ける。だからこそ、自分が進みたい道をじっくり考えて。
信じて、着実に手を打っていけば、道は必ず開けます。そこは本当に心配しなくて大丈夫です。
ただし、開けた道の先がどうなっているかを、ある程度見通しておくことも大切です。
私自身は今の道を選んだことを悔いていませんが、それはたまたま自分に合っていたことと、いろいろな予想外の出来事にも、どこか楽しみながら向き合い乗り越えられたから、というだけのことでもあります。
だからこそ、どんな道へ進みたいのかをまずはじっくり考えること。それが一番大切だと思います。
いかがでしたか?
小学生の頃の憧れを胸に、周りに海外進学の前例が少ない環境からでも、着実に英語力や課外活動を積み上げていったShun Y.先輩。「迷わなかった」という言葉の裏には、決して平坦ではない準備期間があったことが伝わってきたのではないでしょうか。目標を早い段階で定め、そこから逆算してコツコツ動き続けることがカギとなる海外大学への進学。興味を持った方は、ぜひ今できることから一歩ずつ始めてみてくださいね。
出願戦略・準備をひとりでできるか不安な方へ
BenesseのRoute Hではあなたの夢の実現に向けて、海外大出願のサポートを行っています。高校3年生の出願戦略・スケジュール作成、英語エッセイの添削、奨学金に向けた日本語でのエッセイ添削や面接対策はもちろん、自己分析のサポートや課外活動の計画まで、進路の段階に応じて丁寧に支援。専門スタッフが、進路相談から合格までずっと伴走します。
※この記事でご紹介している内容は2026年7月31日現在の情報に基づいています。
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