海外大学進学情報

日本人留学生が卒業後、海外で就職するには? -オーストラリア、ニュージーランド編-

海外大で学びたいと思っていらっしゃる皆さんの中には、卒業後はそのまま現地で就職したい、という夢をお持ちの方も少なからずいるのでは?そんな方に向けて、海外大卒業後に、海外で就職するためにはどんな方法があるのか、地域ごとの情報をシリーズでお届けしています。シリーズ2回目は「オーストラリア/ニュージーランド編」をお届けします!
もちろん、将来のことはまだ漠然としか考えていない、という方も、海外大に進学した「その先」も少しだけイメージしてみてはいかがでしょうか。

日本人留学生が海外で就職するには?_オーストラリア、ニュージーランド編

<オーストラリア>

企業の採用は経験重視
インターンシップなどで仕事経験を積むことが重要

オーストラリアでは、日本のように企業が新卒を一括採用するといったような仕組みはありません。基本的には、それぞれの企業でポジションが空いた場合に、人員補充としての即戦力の採用が多くなっています。そのため、対象となる職種の専門的な知識やスキルを大学で身につけているのはもちろんのこと、業務の経験が非常に重視されます。
大学の学部を卒業して就職を目指す場合は、アルバイトやインターンシップなどによって実際の現場で経験を積んでいることが大切になってきます。

オーストラリアでは、留学生の学生ビザ(3ヶ月以上の就学を目的としたビザ)で働くことが認められています。基本的に学期中は2週間で40時間(*1)、学校が認めている休暇期間(ホリデー)は時間無制限で働くことができます。雇用の期間に関する制限はないので、同一雇用主の元で長期間の就労も可能です。

オーストラリアでは、在学中の長期のインターンシップでも給料が出るケースもあります。また、大学によってはキャリアオフィスなどが専攻分野に関連したインターンシップを紹介してくれることもあります。

*1)2022年1月から2023年6月30日まで、学生ビザ保持者の労働時間制限が一時的に緩和されています。この期間は、職種に関係なく制限時間なしに就労することが可能となっています。

大学卒業後に「卒業生ビザ」の取得が可能
フルタイムでの就労もできる

オーストラリアの大学または大学院を卒業すると、オーストラリア国内で就労できる卒業生ビザ(Temporary Graduate Visa)が取得できます。これは通常、2年間以上のコースを修了した学生が、一定期間、オーストラリアに自由に滞在・就労できるというビザになります。

卒業生ビザにはタイプが2種類あり、ビザを取得する為の必要条件や滞在可能期間が異なります。

◆Post-Study Work Stream

専攻分野は関係なく、Bachelor(学士)以上の学位が取得可能なコースを修了していることが条件のビザです。

  • <滞在可能期間>
  • 修了したプログラムにより卒業生のビザの期間が異なります。
  • ○Bachelor Degree(学士号):2年間
  • ○Masters Degree(Couresework)(修士号):2年間
  • ○Masters Degree(Research)(修士号:研究):3年間
  • ○Doctor Degree (博士号):4年間
  • <英語要件>
  • ○IELTS平均6.0以上(各セクション5.0以上) など
  • ※その他、決められた条件を満たすことが必要となります。

※2019年11月より、指定地域(基本的にシドニー、メルボルン、ブリスベン以外)にある大学・大学院を卒業した場合、36ヶ月の卒業生ビザ取得が可能となっています。

◆Graduate Work Stream

MLTSSLと呼ばれる職業リストに記載されている職種に関連する2年以上のコースを修了している場合に申請できるビザ。18ヵ月の滞在期間が認められます。

  • <英語要件>
  • ○IELTS平均6.0以上(各セクション5.0以上) など
  • ※その他、決められた条件を満たすことが必要となります。

卒業生ビザを利用して企業でインターンシップを行い、キャリアを積み上げていくのも就職を成功させる1つの方法です。

オーストラリアでの就職活動は、インターネットのサイトや情報誌、友人・知人の紹介などで情報を得て、自分で応募します。Resume(履歴書)やカバーレターと呼ばれる自己PRなどを記した文書、ポートフォリオなどの提出を求められることが多いようです。書類審査を通過すると面接が行われます。いずれも業務に直結する経験が重視されます。

<ニュージーランド>

企業の採用はとにかく経験重視
新卒の場合、インターンシップなどへの参加を

ニュージーランドの企業は即戦力採用が一般的です。就職の際は何よりも「スキル」や「経験」が重視されます。新卒で就職したい場合は、インターンシップに参加するのが有効です。ニュージーランドでは、インターンシップは大学や専門学校の学科の単位の1つとして数週間〜数ケ月に渡って現地企業で就業体験をするのが通常。ほとんどは無給ですが、企業によっては成果報酬などの有給の場合もあります。アルバイトレベルの短いインターンシップであっても職歴として見てもらうことができることがあるので、就職を希望する起業があれば、インターンシップを受け入れてもらえるように依頼してみるとよいでしょう。

※ニュージーランドで3ケ月以上就学する場合の学生ビザを所持し、フルタイムの学生の場合、条件を満たせば週に20時間まで就労が可能です。(休暇中はフルタイムでの勤務が可能)

条件を満たすと大学卒業後にオープンワークビザを取得可能

ニュージーランドには、国内の大学を卒業した留学生が、卒業後に求職活動をするために滞在できるPost-study work visaという特別なワークビザがあります。大学で学んだ内容に応じて、最長で3年間ニュージーランドに滞在し、働くことが可能です。

Post-study work visaには下記の2種類があります。

Post-study work visaの種類

◆open

専門学校や大学の規定以上のコースを卒業すると申請が可能になるビザ。オープンワークビザとも呼ばれます。雇用主からの「ジョブオファー」なしに取得でき、ニュージーランド国内のどこの会社でも働くことが可能です。学位のレベルと就学期間に応じて、1年から3年の滞在が認められます。たとえば、30週以上就学して学士号を取得した場合は、3年間のビザが発給されます。

  • <申請の主な条件>
  • ・Study to Work qualification requirementsを満たすニュージーランドのコースを卒業
  • ・学生ビザの期限が切れる日から3ヶ月以内(博士号コースの学生は6ヶ月以内)に申請
  • ・申請時点で、1年間の滞在費としてNZ$4,200以上を所持していることを証明(口座残高)

◆employer assisted

専門学校や大学の規定以上のコースを卒業し、なおかつ雇用主からの「ジョブオファー」があって、さらにその職種が学校で学んだコースと関係性がある場合に申請できるビザ。2年間、または3年間の滞在が認められます。

多くの留学生はPost-study work visa(open)を取得して、期間内にニュージーランドで仕事を探して一定期間就労した後に、正式なワークビザへの移行、もしくは永住権の取得をしているようです。

就職活動は、インターネットの求人サイトや人材紹介サービス、友人・知人の紹介などで情報を得て、自ら企業に応募書類を送付します。専攻が専門的な分野の場合、学校の先生からの推薦というケースもあります。企業にはCV(curriculum vitae)と呼ばれるスキルなどを記入した履歴書、自己PRを記したカバーレター、資格の証明書などを送付し、興味を持ってもらえると面接に進みます。求人がされていない企業でも直接アプローチしてみることはできますし、実際に広く行われていますが、ニュージランドでは紹介や推薦などがあった方が採用に繋がりやすいと言われています。

なお、ニュージーランドには不足している職種のリスト(skill shortage list)があります。スキル不足とされている職種に関連する内容を専攻したり、資格を取得すると、就職のチャンスが増えるとされています。下記の「Skill shortage list checker」ページで、職種リストを見ることができます。

【参考ページ】Skill shortage list checker|Immigration New Zealand


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※この記事でご紹介している内容は2022年10月7日現在の情報に基づいています。

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