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カナダ留学について知っておいたほうがいい10のこと

「withコロナ」の生活様式が浸透しつつある世界では、再びグローバルな人の動きも活発になってきています。海外留学を本格的に考え始める人も増えてきています。そんな方たちに向けて、海外進学・留学ラボでは海外の進路を検討する場合に基本となる「国選び」に役立つ情報を、シリーズでお届けしています。

海外留学した自分をイメージできるよう、留学先として人気のある国ごとに、バラエティに富んだ10の「知っておくべきこと」をピックアップ!学びの制度や学生生活の特徴をはじめ、文化や風土なども加味したお国柄を知れば、ワクワクしてくるはずです。3回目はカナダを取り上げます!

【参考記事】
・高い教育水準と多様性が魅力!カナダ留学10のメリット
・カナダ留学に必要な渡航準備は?①-入試対策スケジュール編-
・カナダ留学に必要な渡航準備は?②-渡航のマスト手続き編-

カナダ留学について知っておいたほうがいい10のこと

1. 多文化でリベラル、個人を尊重するライフスタイル

移民の国として有名なカナダは、世界中から多くの人種・民族を受け入れてきた歴史を持ち、異なる文化に非常に寛容、かつリベラルな国としても知られています。国家の政策として、人種・性別・文化・宗教・セクシュアリティを問わず、すべての人の権利と平等が保護されています。

そうした特徴はカナダの国民性にも表れており、大らかでフレンドリーな人が多く、お互いを尊重する考え方が根付いているため、それほど自己主張が強くない傾向があるとも言われています。他の市民の自由や権利に影響を与えない限り、異なる価値観や習慣を持つ人々もすんなり受け入れてくれることが多いようです。マイノリティーにも優しい社会で、いわゆるヘイトクライムも少ないと言われ、留学生にとっても非常に暮らしやすい国と言えるでしょう。

実際、カナダの学生人口の約 5 分の 1 は、世界の様々な地域からの留学生です。多くの大学には、世界の様々な地域やいろいろなグループの団体・クラブなどが複数あるため、キャンパスライフにも馴染みやすいかもしれません。

2. ほとんどが公立大学で、教育の質は国によって管理されている

カナダ国内におよそ100校ある4年制大学のほとんどは公立(州立)大学です。カナダの教育は各州・準州の管轄で、それぞれの州政府(教育省)によって教育の質を保証する制度があるため、州立大学は政府によって運営されています。教育制度やカリキュラム等は厳密に精査され、しっかりと管理されています。このシステムにより、カナダの大学の教育水準は均一に保たれており、大学間の格差がほとんどないので、どの大学を選んでも質の高い教育を受けることができます。

全体的に学内の設備も整っており、高いレベルの教育環境を誇っています。規模の大きな研究大学も多く、多様な分野を学ぶことができます。 イギリスの高等教育専門誌「Times Higher Education」による「世界大学ランキング<2023年版>」では、TOP200にトロント大学(University of Toronto/18位)、ブリティッシュコロンビア大学(University of British Columbia/40位)、マギル大学(McGill University/46位)、マックマスター大学( McMaster University/85位)など7校がランクイン。カナダの高等教育は世界でも高く評価されています。

3. アメリカやイギリスに比べると、留学費用がお手頃

カナダの大学の平均授業料は、同じ英語圏の人気留学先であるアメリカ、イギリス、オーストラリアなどと比べると安価であるとされています。州立大学の場合、州ごとに金額が異なりますし、学部によっても金額差は大きいのですが、カナダの多くの学部の授業料は年間12,000~18,000ドル程度と言われています。もちろん各国の大学も、公立・私立や学部ごとに費用に大きな違いがあるため一概には言えませんが、アメリカの州立大学を例に取った場合、州外出身者の平均授業料が25,000ドル程度とされていることを考えると比較的カナダはリーズナブルであるといえるのではないでしょうか。

住居費や生活費は、住んでいる場所や条件によって変わってきますが、こちらも他の英語圏の国と比べると割安ではあるため、総合的な留学費用も安く抑えることができます。より費用を節約したいのであれば、人気の大都市圏を避け、郊外や地方などの物価が安めの地域を選ぶと良いでしょう。

4. 英語とフランス語、2つの公用語がある

カナダは、英語とフランス語の2つの言語を公用語としているバイリンガルの国でもあります。カナダの国民のうち英語のみを話せる人の割合は約68%、フランス語のみを話せる人は約12%(その他の言語のみを話すのは1.9%)、英語とフランス語を両方話せる人は国民の約18%となっています。(*1)現在ではカナダの大部分で主に英語が話されていますが、カナダの東海岸にはフランス語を話す人がたくさん住んでいるため、ケベック州やニューブランズウィック州などではフランス語が公用語として認められています。

これらの州では、英語・フランス語両方の学習コースが提供されている語学学校や大学の付属コースも多数あります。フランス語を公用語としている州に留学した場合は、英語だけでなくフランス語も同時に学べるチャンスがあるといえるでしょう。

*1) カナダ統計局(Statistics Canada):「2016年国勢調査」より

5. はっきりとした四季がある。冬の寒さは覚悟が必要!

領土の一部が北極圏に位置するカナダですが、実は日本のように四季があります。快適な気温の春を過ぎると、6月ぐらいからは気温が上がり夏は30~35度になることも。しかし、10月ぐらいからは厳しい冬が到来します。冬は太平洋沿岸の南部の地域を除くと、カナダ全域で雪が降ります。地域によって多少の違いはあるものの、平均気温が-5~-10度と非常に冷え込むので、寒さに弱い人は注意が必要。留学時は、冬の対策をしっかり考えておくことをおすすめします。渡航時に防寒着を持って行かない場合は、大雪が降る前に防寒用のコートや靴、手袋などを現地で購入しておきましょう。

なお、カナダの気象情報は、カナダ環境省の公式サイトや、Webサイト「The Weather Network」などで調べることができます。渡航前に、自分が住む都市の気候をしっかりチェックしておいてください。

6. 学生割引を賢く使い倒すべし

カナダでの学生生活を快適に、かつリーズナブルに送るために、絶対に見逃してはならないのが「学生割引」。様々なところで学生割引の恩恵が受けられるので、カナダに到着したらすぐに大学で手続きをして学生証を取得しましょう。
学生証(ID) があれば、実質的にすべての学生割引を利用することができます。レストラン、交通機関、美術館、ギャラリーなどでは、年間を通して大幅な割引が受けられます。

また、大学独自の割引プログラムが用意されていることも。各種のショップやレストラン、文化的施設(映画館、植物園、美術館、博物館など)など、大学のある街のいたるところで様々なサービスが提供されていたりします。ぜひ自分の大学の学生支援センターなどで確認してみてください。

7. 大学の学費に健康保険プランが含まれているかチェック

カナダには、永住者と市民が利用できる公的な健康保険制度があります。この制度は州ごとに異なり、留学生が対象となるかどうかも州によって変わってきます。加入できる州でも数か月間の待機機関が設定されていることがあり、渡航後すぐには保険が利用できないことも。

カナダで健康保険に加入していないと、医療費が非常に高額になる可能性がありますが、多くの大学では授業料パッケージの一部として健康保険プランが提供されています。自分が通う大学が提供している保険の種類や内容をしっかりチェックし、何がカバーされているかをあらかじめ確認しておくことが大切です。

大学によっては、個人で健康保険に加入する必要があります。場合によっては、大学のものより適切な健康保険プランに個人で加入した方が良いケースも(ただし、大学の健康保険の標準パッケージに加入しなくてよいかどうかは要確認)。わからないことがあれば、大学の学生支援センターなどに相談してみましょう。

8. 便利でお得な公共交通機関を使いこなせばどこにでも行ける

カナダのほとんどの都市では公共交通機関が非常に発達しているため、車がなくてもそれほど困ることがありません。街の中の移動は基本的にバスが中心であることが多いですが、バンクーバーやトロント、ケベックなどの大都市では、地下鉄や新交通システムが整備されています。乗車券、もしくはほとんどが現金でも乗ることができますが、便利な電子カードもあります。頻繁に利用する場合は、月間パスを購入するとお得です。もちろん交通機関でも、様々な学生割引があるので要チェックです。

また、一部の大学では授業料と一緒に一定料金を支払うことで利用できる、交通サービスを提供しています。自分が通う大学周辺の交通機関をよく調べて、最も便利でお得な移動手段を早めに見つけ、最大限に活用して生活を充実させましょう!

9. 在学中に仕事の経験を積めるco-op (共同教育) プログラム

カナダでは学生ビザ(Study permit:6ヶ月以上留学するための就学許可証)を所持している場合、学期中は週に20時間まで、長期休暇中はフルタイムで就労することが可能。つまり、大学で学びながらアルバイトをすることができるのですが、それ以外にも仕事の経験を積める機会が用意されています。カナダの教育は実践的な学びを重視しているため、「CO-OP(コープ:共同教育)」と呼ばれるカナダ独特のプログラムが、多くの大学やカレッジ、専門学校等で提供されているのです。

このCO-OPプログラムとは、いわば有給インターンシップ付きのプログラム。学校での専門的な学習と、職場での実践的な就労経験がバランスよくセットになっており、専門分野の知識を習得した後に興味のある職場で働いてお金をもらい、単位も取得できるという、ありがたい制度です。基本的に、最大で学校での就学期間と同じ期間だけ、学校で学んだ知識を活かせる職場で、有給で仕事をすることができます。

CO-OPプログラムは学校のコースの一環として扱われるため、CO-OPによる就労は、通常の学生ビザ(Study permit)での就労可能時間とは別でカウントされます。CO-OPプログラムで働ける期間は各州で異なりますが、州によってはCO-OP期間中にフルタイムで働くことも可能です。

※ブリティッシュコロンビア州のように、CO-OPプログラムの追加就労期間はプログラム全体の50%までと定められていることもあります。

10. 卒業後に就職しやすく、永住権も取得しやすい環境

カナダでは、自国の労働市場における人材不足を補うため、諸外国からの移民(永住者)を積極的に受け入れています。カナダ政府は2021年から2023年にかけて、毎年40万人以上の新規永住者を受け入れることを公式に発表しており、実際に2021年は過去最高の40万5330人の新しい永住者が誕生し、2022年は前年をさらに上回るペースで受け入れ数が推移しています。

このように、もともと他国に比べるとスムーズに永住権(移民権)取得ができるケースが多いカナダですので、留学生に対しても就職への門戸が広く開かれています。
カナダ政府認定の大学などの教育機関(DLI)で8か月以上学ぶと、誰でもPost Graduation Work Permit (PGWP)と呼ばれる就労許可証を申請することが可能。PGWPを取得すると、大学卒業後にカナダに一時的に居住し、仕事をする資格が得られます。PGWPの有効期間は修了した学習プログラムの受講期間によって異なり、2年以上のプログラムを修了した場合は最大3年間有効となります。

永住権にはいくつかのカテゴリーがありますが、最も一般的なCanadian Experience Class (カナディアン・エクスペリエンス・クラス:CEC)と呼ばれる移民プログラムの場合、申請の条件はカナダで過去3年以内に1年以上、NOCレベルB以上の職種(専門性のある仕事)でフルタイム(週30時間以上)働いた経験があること。PWGP期間中に働いた経験もカナダでの職歴として認められるので、永住権申請の条件を満たすことができるのです!

実際に永住権を取得するには、年齢や学歴なども審査の対象となりますが、カナダの大学の卒業資格と専門性のある職歴が1年あれば、永住権取得には大幅に有利になります。


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※この記事でご紹介している内容は2022年11月11日現在の情報に基づいています。

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