海外大学進学情報

アメリカの大学入試制度について知っておきたい!10のQ&A

海外大学の入試制度は、日本の大学のものとはかなり異なります。進路の選択肢の1つとして海外大も検討していく場合には、まず初めに、海外大受験にはどんな対策が必要かを知ることが不可欠です。そのための第一歩はやはり、入試制度をしっかり知ることから。今回はアメリカの大学入試制度について、留学を目指す皆さんの頭に浮かびがちな疑問をピックアップし、最も一般的な 10 の質問と答えをご紹介します。

アメリカの大学入試制度について知っておきたい!10のQ&A

Q1.アメリカの大学への出願時期は?

アメリカの大学への出願方式には、大きく分けて以下の3種類があります。それぞれ出願の条件や、願書受付締切りが異なります。

<出願の形式>

  • ◆Early Decision
  • ◆Early Action
  • ◆Regular Decision

Early Decisionは、入学を許可された場合、必ず入学しなければならないという条件付きの出願方式。通常は11月上旬に締切り日があります。一部の学校では、Early Decision IIとして2回目の締め切りが1月に設定されていることがあります。

Early Actionも早期に出願できるタイプの方式ですが、合格しても拘束力はありません。11 月~12 月に締切りが設定される傾向があります。

Regular Decisionは通常の出願方式で、特定の大学では早ければ11月30日が期限ですが、通常は1月1日です。

3つの出願方式は、すべての大学で採用されているわけではないので、志望校が決まったらそれぞれの大学で出願可能な方式をチェックしましょう。

Q2.出願準備はいつから始めるのがベスト?

高校3年生の7月~8月ごろには大学への出願手続きに取り組み始めるとよいと言われています。Common Applicationを含むほとんどのカレッジアプリ(願書)は8月1日以降に公開され、8 月初旬にから出願受付を開始しますますが、Common App (およびほとんどのカレッジ固有のアプリ) の質問は毎年ほぼ変わりません。エッセイなどはあらかじめ内容を考え、推敲を重ねておくとスムーズに出願できます。
推薦状や成績証明書など、必要な書類を集めるのに時間がかかることもあります。大学選びのためのキャンパス訪問や、SAT®の受験、課外活動などは高2のうちから準備に取り掛かっておいたほうがいいこともあります。出願の工程が多いので、やることリストを作って計画的に進めていくとよいでしょう。

Q3.いくつの大学に出願できますか?

Early Decisionは1校にしか出願できませんが、Early ActionとRegular Decisionは複数の大学に出願可能です。第一志望が決まっているなら、まずはEarly Decisionで出願するとよいでしょう。そこで合格しなかった場合、高校の成績(GPA)やSATのスコアなどからチャレンジ校3校、実力相応校2校、安全校1校というように少なくとも6校程度には出願を検討するとよいと言われています。自分が入学してもいいと思う大学をしっかり選んで出願しましょう。

Q4.アプリケーションにはいくつかの種類があるけど、それぞれ何が違うの?

アメリカの大学への出願は、アプリケーションフォーム(Application Form)というオンラインシステムを使うのが一般的です。複数の大学に共通して使える出願システムとして、下記のようなものが代表的です。1つのアプリケーションに必要な情報を1度記入するだけで、複数の大学に出願可能です。

◆Common Application(コモン・アプリケーション)
最も多くの大学で採用されている共通出願システムで、アメリカ国外を含む900 以上の大学が導入。

◆Coalition Application(コアリション・アプリケーション)
150 以上の学校で導入。2016年から提供が始まった比較的新しいアプリケーションで、主要な総合大学やリベラルアーツ・カレッジなどが加盟。

◆Common Black College Application
60 以上の歴史的黒人大学(HBCU:Historically Black College & University)で導入。

◆Universal College Application
18の大学で導入。エッセイや推薦状が不要なアドミッションにも対応しているため、より自由度の高い出願システムを求める大学を中心に採用されている。

また、特定の地域、学校群を対象としたアプリケーションを採用する大学や、大学独自のアプリケーションを設定していることもあります。場合によっては、追加書類が必要なことも。大学によって受け入れているアプリケーションが違うため、出願準備の前によく確認しましょう。

Q5.アプリケーション提出から合格までの期間は?合格したら何をすればいいの?

Early Decision で11月までに出願した場合、多くは12月までに合否結果が出ます。Early Decision IIで1月までに出願した場合は、2月に合否が判明します。いずれも入学が許可されたら、必ず入学手続きをする必要があります。Early actionで出願した場合も同様に、出願から1か月程度で合否が決定します。

Regular decisionで1月1日までに出願した場合は、3月下旬から4月上旬に入学許可の通知が届くのが一般的です。ただし、ローリング・アドミッションという方式を採用している学校では、願書を受け取るとすぐに審査し、出願順かつ継続的に入学者を決定します。この方式の学校では、一般的に出願の締め切りはなく、新入生の予定人数枠がすべて埋まるまで入学願書の受付を続けます。

Q6.大学は出願書類をどのようなプロセスで審査するの?

審査のプロセスは大学によって異なります。2人以上の入学審査官がすべての出願書類を読む大学もあれば、出願の事前審査を行う大学もあります。事前審査では、高校の成績やテストスコアでほぼ機械的に振り分けられ、基準以下の場合は次の審査に進むことはできません。 入学審査では、どの学生を受け入れるかを決定する際に、エッセイ、高校で学んだこと、成績、推薦状、課外活動の実績など、多くの要素が総合的に検討されます。大学の求める学生像に合うかどうか、が最も重視されると言われています。

Q.7エッセイって何を書くの?どれぐらい重要?

出願書類の1要素として、ほとんどの大学で少なくとも1つのエッセイ(もしくはパーソナル・ステイトメント)を提出するように求められます。共通アプリケーションの必須のメインエッセイだけでよい学校もありますが、一部の教育機関では補足のエッセイまたは追加情報の提出が要求される場合もありますので、各学校の要件をしっかり確認してください。

通常、エッセイには数百語程度の字数制限があります。(例:Common Applicationのメインエッセイは650語程度)共通アプリケーションのエッセイであれば、どのシステムを選択してもほとんどの場合、複数のエッセイ・プロンプト(エッセイのテーマ設定)から選択できます。アプリケーションエッセイのプロンプトは幅広く、自由に記述できることが多いです。大学の入学審査官は、エッセイを各学生が特定の状況や経験からどのように変化、学習、または成長したかを知るための貴重な情報ととらえており、合否を左右することもある重要な要素と言われています。自分自身をいちばん反映できるトピックを選択したうえで、自分の学問的関心や課外活動で身につけてきたことなどの情報をしっかり伝えることが大切です。

Q8.高校の成績やSAT®、TOEFL®テストなどのテストの点数はどれぐらい重要?

特別な学部やプログラム(建築、美術、演劇、声楽、器楽演奏など) を除き、高校でのカリキュラム(学んだ科目)と成績は審査の重要な基準となります。
SAT®、ACTなどの標準テストのスコアは、非常に倍率の高い難関大学では重視される可能性が高いですが、そのような大学ではエッセイも重要となりますので、それだけで合否が決まることはほぼありません。また、最近では標準テストのスコアの提出が任意(テストオプショナル)、またはテストスコアを受け取らない(テストブラインド)方針の大学も増えています。こうした大学では、テストスコアより他の要素(高校の成績、エッセイ、推薦状、課外活動の実績など)が重視されます。

Q9.推薦状ってなに?誰に何を書いてもらうの?

アメリカの大学では、出願時の書類の1つとして2~3通の推薦状の提出を求められることがよくあります。大学のWebサイトには、通常、推薦状の正確な要件が記載されていますので、最初にしっかり確認しましょう。
基本的に、推薦状を書いてもらう人は自分で探す必要があります。教師からの推薦状であれば、自分と最も良い関係にある先生にアプローチするべきです。自分のことをよく知っていて、学力だけでなく個人的な資質や実績についてもコメントしてもらえることが理想です。推薦状を依頼する場合は少なくとも出願の2か月前、可能なら高2の終わりぐらいに頼んでおくと、しっかり時間をかけて書いてもらえるはずです。

Q10.出願書類の作成で気を付けるべきことは?

アプリケーションで指示された書き方に従わなかったり、記入漏れがあったり、必要な資料などを添付し忘れたりしないように気を付けましょう。大学の入学審査官は些細なミスをすべてチェックしたりはしませんが、とくにエッセイなどでは英文のエラー(タイプミス、スペルミス、文法の間違い)が否定的にとらえられることがあるので、最小限に抑えるように努めるべきです。重大な誤りや脱落がある場合は、出願した大学の入学事務局(アドミッションオフィス)に連絡する必要があります。


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※この記事でご紹介している内容は2023年2月10日現在の情報に基づいています。

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