海外大生体験談

なにに、どれぐらいかかる?留学前・後のお金のハナシ ~奨学金の対策・プロセス~

膨大な費用がかかる海外進学・留学を、一気に現実化してくれるのが「奨学金」。でも、学業や課外活動など突出した成果を持つごく少ない人だけが受給できるもの、と考える人も多いのでは?実際に先輩たちが受けている奨学金のタイプや応募プロセスとともに、奨学金を得られた今だからわかるコツについて教えてもらいました。

 

留学の実現を大きく前進させる奨学金。どんなタイプのものを、どう申請した?応募のコツは?

 

今回の「ラボ協力隊」


Yuki Y. 先輩

アメリカ バックネル大学 2年生、コンピュータサイエンス専攻。学ぶ学問を確定せずに進学できる点、ダブルメジャーや専攻の変更など柔軟にできる点を魅力に感じ、米国リベラルアーツ大学を選択した。

 

Miyu M. 先輩

カナダ ブリティッシュコロンビア大学1年生、土地・食料システム学部。高1のオーストラリア留学をきっかけに海外大進学を意識。学びたい分野の授業内容、教授の厚さなどが進学先の決め手に。

 

Emika F. 先輩

アメリカ ノックス大学 4年生、教育学専攻、写真・中国語副専攻。より成長したいと思い、勉強内容・生活環境から海外大進学を決意。様々な分野を横断して学べることに魅力を感じ、リベラルアーツ大学を選択。

 

Emika K. 先輩

オーストラリア メルボルン大学 1年生、建築専攻。豊かな自然と建築の文化があることが留学国の決め手になった。オンラインでのファウンデーションを経て渡航し、本科へ進学。

 


 

 奨学金の対策とプロセス

Q: 海外進学で得た奨学金のタイプと応募プロセスは?今だからわかる応募のコツはある?

 

Yuki Y. 先輩

取得した奨学金:

【海外の大学が支給するタイプ】

【国(日本)や自治体に申請するタイプ】

 

大学の奨学金は合否の影響を考慮して戦略的な応募が必要。準備はなるべく早めに!

 

私は進学先の大学から学費の半分を奨学金として、残りの半分を日本学生支援機構(JASSO)から給付型奨学金をもらっています。

 

海外の大学が支給するタイプ

アメリカの私立大学は、書類応募時点で学費援助(Financial Aid)を検討しているかのチェックボックスがあるので、その項目にチェックして必要な所得状況等の書類を提出しました。

 

ここで一つ注意しなければならないのが、学費援助を必要とすると合格率が下がる点です。そのため、可能であれば国や自治体からの援助が取得できるかを検討して戦略的にアプライする必要があります。

 

私の場合、学費援助と同時に奨学金(Scholarship)の申請もしました。奨学金の場合は大学側が進んで学生に支援するという経緯もあるため、合否に影響はありません。私の大学では、奨学金申請は別の願書を提出する必要があったのでそのエッセイも書きました。結果として大学からは支給額の8割を奨学金として、2割を学費援助として取得することができました。

 

【国(日本)や自治体に申請するタイプ】

JASSOの海外留学支援制度では、年間250万円の授業料と月額5万9,000円〜11万8,000円の奨学金が国費によってサポートされます。採用人数は年間45名程度で、応募書類や面接等のプロセスを経て採用が決まります。

 

募集要項公開が9月末で出願締切は11月なのですが、準備に時間がかかるので学校の期末試験やSATの対策、コモンアプリケーション(Common Application=アメリカの各大学の出願において共通願書として使用できるオンラインシステム)の執筆と並行で、7月末から書類の準備を始めました。

 

応募書類では大学に進学する目的や将来のビジョン、日本への貢献の計画などもれなく聞かれるので、先輩や高校の先生と相談を重ねて書き直しをして完成させました。一次書類審査の通過後は二次の面接に向けて、JASSOを取得した先輩に頼んで面接練習を繰り返しました。

 

 

受験生の時間は有限。自分に合った戦い方を立てて計画的に進めるのがカギ!

 

前述した通り、大学からの学費援助の申請は合格率に影響するため、戦略的に提出する必要があります。私の場合、大学からの奨学金と国費による奨学金を併用する選択をしましたが、限られた時間より自分に合った戦い方を見つける必要があります。

 

多くの海外大学進学関係者は、奨学金を提供する国内の財団にはできる限り出願するべきというアドバイスをします。しかし、私の場合は財団から奨学金を取得できる自信がなかったので、JASSOと大学からの援助にリソースを割くという決断をしました。これはあまりおすすめできる戦略ではありませんが、自分に合った戦略を計画的に遂行することがカギとなります。

 

 

Miyu M. 先輩

取得した奨学金:

【海外の大学が支給するタイプ】

【国(日本)や自治体に申請するタイプ】

 

応募書類は細かな書式あり。エッセイ・面接では具体性を意識しました!

 

私は大学からの奨学金と、日本学生支援機構(JASSO)から返済不要の奨学金をいただいています。

 

海外の大学が支給するタイプ

私の大学は、学校へ出願すると自動的に奨学金の審査も行われるという制度であったため、奨学金のみに必要な書類はありませんでした。1月下旬ごろに出願をし2月末に入学許可、4月の頭に奨学金のオファーをいただきました。合格通知が早かったこと、加えて奨学金のオファーももらえたことから、大学の校風求められている人材に私が近いのだろうと考えることができ、入学を決定する大きな要因となりました。

 

【国(日本)や自治体に申請するタイプ】

私が受給しているのはJASSO(日本学生支援機構)学部学位取得型(返済不要)の奨学金です。書類審査オンライン面接の二段階の審査があり3月の上旬に受給者が選出されます。

 

書類審査では;

          • 第8希望までの大学の学位名、期間、語学要件など(公式ホームページからの根拠画像付き)、その大学の志望理由をまとめた大学情報書類
          • 留学を志す理由、留学計画、卒業後の進路計画(日英両方)、日本社会の貢献についてのエッセイ、自己PR書
          • その他、成績証明書、卒業見込み書、語学証明書など
  • などの書類を提出します。
  •  

書類のフォーマット、書くべき内容などが事細かに決められているため、大学情報をまとめるだけでもとても時間がかかったのを覚えています。エッセイでは、私が大学で学ぶこと、将来進むキャリアがどのように日本国民の役に立てるか、自分がどのような点において奨学金受給者に値するのか、そして具体性に重きを置いて書き進めました。

 

書き上げたエッセイは、ベネッセGLC(Global Leaerning Center)の海外大出願対策の担当者の方、そして母親にアドバイスをもらい、第三者の観点を取り入れて内容を深めていきました。

 

面接では、まずは自分が出願書類に書いたことをしっかりと頭に入れました。また、書類に入れなかったが、自分の人格形成・学問を志すきっかけになったエピソードをスムーズに話せるように、一度文章化し、面接官の人に説明しているとイメージして一人で架空面接を行い対策しました。

 

 

募集要項の公表前から準備し始めるのがおすすめ!大学の志望順は慎重に記入を。

 

JASSOの奨学金は、締め切りが高校の中間考査期間と被っており、とても大変だったことを覚えています。エッセイを書く手が止まってしまったとしても、大学情報や根拠資料を集めることはできるので、こつこつと事前に準備することが大切です。フォーマットも前年度と大きく変わることは稀だと思うので、要項がまだ発表されていなかったとしても情報収集、エッセイの構想に取り掛かりましょう!

 

また、JASSOの学部学位取得型では、希望順も大切です。私が受けた2022年度は、希望大学8大学中上位4大学に受からなかった場合は、たとえ奨学金に一度合格したとしても再審査として、書類を全て提出し直さなければなりませんでした。4大学全部をドリーム校(合格確率が極めて低い大学)で埋めるのではなく、1校は合格も見込める大学を入れることをお勧めします。

 

そして、エッセイの内容を洗練するためには、第三者に読んでもらうことが一番だと思います。自分の人生を知らない人が読んでも、文意が通っており、質問に沿った文章であることが重要です。

 

また、面接当日は、笑顔で生き生きと話すことを心掛けました。答え方に困った質問もいくつかあったのですが、“正解”を考えるのではなく、自分に正直に回答しました。面接後は自分の力を出し切ったと思えたので、後悔なく出願プロセスを終えることができました。

 

 

Emika F. 先輩

取得した奨学金:

【国(日本)や自治体に申請するタイプ】

海外の大学が支給するタイプ

 

海外大進学の絶対条件だった奨学金。でも準備が多く、途中諦めかけたことも。

 

私は日本学生支援機構(JASSO)からの給付型奨学金と大学からの奨学金を受給しています。

 

【国(日本)や自治体に申請するタイプ】

JASSOの奨学金応募で大事だと思うのは、とにかく出願を諦めずにエッセイを書き切ること。JASSOは他の財団などに比べて準備する書類(中には学校の先生に事前に依頼しなければ得られない書類などもあります)が多いので、途中で私も諦めかけたのですが、とにかく提出することが大切だったと感じています。

 

一次審査を通ると、二次審査として面接を受けます。面接では自分がエッセイに書いたことにどんな角度から質問が来ても答えられるような準備をして行きました。また、どうして海外の大学に進学したいのかを自分の言葉で伝えられるようにしました。

 

海外の大学が支給するタイプ

1本多めにエッセイを提出することと、テストスコア学校の成績を総合して奨学金の金額が決まるというシステムでした。そこまで量のあるエッセイではなかったため、JASSOと比べるとシンプルだったように思います。

 

 

受験期はアップダウンがあるもの。それでも諦めずに書類を書き上げて応募を!

 

とにかく諦めないことかなと思います。私はJASSOの締め切り時期は「何をしてもだめだ、無理だ」と感じていてJASSOを提出するのも諦めかけていたのですが、ほとんど意地だけで書類を書き上げた記憶があります。

 

結果的にこの奨学金があったからアメリカの大学進学を実現することができたので、あの時諦めなくて本当に良かったなと思っています。

 

 

Emika K. 先輩

取得した奨学金:

海外の大学が支給するタイプ

 

好成績キープで大学の奨学金を確保。財団への申請は米国大同様にエッセイが肝心!

 

もともと奨学金を得られないと海外進学はできないと考えており、柳井財団の奨学金に応募・合格したものの、結果的には年収制限のため取得には至りませんでした。ファウンデーションコースを終えて、本科に進学後は大学からの奨学金をいただいています。

 

海外の大学が支給するタイプ

大学からの奨学金は、ファウンデーションコースでの成績に応じて支給されるものでした。そのため、良い成績(90パーセントくらい)をキープすれば問題なく取得できます。

 

【財団に申請するタイプ】

取得しなかったものの合格した柳井財団の奨学金については、選考の流れなどが参考になればと思うので簡単に書いておきます。

 

私は大学出願前に選考を受ける予約型の奨学金に合格をいただきました。一次審査の内容は米国大学とだいたい同じ感じで、スコア、課外活動歴、大学で学びたいことについてなどのエッセイを提出しました。二次審査のオンライン面接ではエッセイの内容に関連した質問を主に受けました。

 

 

エッセイや面接練習は自分を見つめ直す機会。時間をかけて深く掘り下げよう!

 

柳井財団に提出したエッセイは、とにかく時間をかけて推敲しました。自分が本当に何をしたいのか、ノートにたくさんブレインストームして、マインドマップを書いてから文章に起こしてみるというような作業を繰り返しました。エッセイを書き終わった頃には、A4サイズのノート1冊が柳井財団奨学金用のノートになっていました。

 

また、何度もベネッセGLC(Global Leaerning Center)海外進学パックで担当していただいたカウンセラーさんに読んでもらいました。面接の準備もカウンセラーさんにアドバイスをもらい、何回も練習をさせていただきました。

 

エッセイを書くのも面接の練習をするのも、自分がやりたいことの真ん中には何があるのか見つめ直すとてもいい機会になります。特にエッセイを書く段階では時間に追われずに、できるところまで深く掘り下げて自分を分析するのが一番のコツだと思います。

 

いかがでしたか? 

多くの先輩が大学からの奨学金や国内の財団・機構からの給付型奨学金を得て、海外進学を実現していました。奨学金の申請は大学の出願準備や勉強と並行するだけでなく、必要書類・エッセイ・面接など準備も膨大なもの。悔いのない応募ができるよう、早め早めの準備を心がけたいですね。

 

【なにに、どれぐらいかかる?留学前・後のお金のハナシ:シリーズ記事をチェック!】

Vol.1 おうちの人とどう話した?

Vol.2 奨学金の対策・プロセス (この記事)

Vol.3 事前に知っておきたいこと

Vol.4 行ってみてわかったこと

 

【\NEW!/海外進学・留学ラボの記事が、さらに検索しやすくなりました!】

→Topページ海外進学・留学について知りたいキーワードを入力・検索できます

LINE公式アカウント  LINE公式アカウントはじめました!
無料の海外進学イベント情報
や、最新の留学記事の更新を逃さず受け取れます!
→海外進学・留学ラボのLINEアカウントを友だち登録する

※この記事でご紹介している内容は2023年2月14日現在の情報に基づいています。
 

ベネッセでは、グローバルな進路を実現する多様な学習プログラムをご用意しています。丁寧な個別カウンセリングをもとに、あなたの希望に合わせた、「あなただけの海外留学・進学」をプロの知識と経験でしっかりサポートします。

ベネッセの海外進学プログラムでは
「海外進学にチャレンジしたい」
中高生のためのイベントを随時開催中!
自分らしい進路実現に向けてぜひお気軽にご参加ください。

詳しくはこちら

 

 

 

 

LINE UP

海外、国内を問わず、グローバルな進路を実現する
学習プログラムをご用意しています