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IELTSとTOEFL®テストの違い


IELTSもTOEFL®テストも、海外留学を目指す場合に利用される英語の能力テスト。どちらもハイスコアを獲得すれば海外大学への進学にとても有利になりますが、2つのテストには様々な違いがあります。ここではそれぞれのテストのスコアが使える国や試験の特徴、違いなどについてご紹介します。
*日本国内で受けられるTOEFL®テストは2015年現在、個人受験用のTOEFL iBT®テストと団体受験用TOEFL ITP®テストがあります。本稿での「TOEFL®テスト」とは、個人受験用のTOEFL iBT®テストを指します。

IELTSとTOEFLテストの違い

IELTSとTOEFL®テストのスコアは使える国が若干違う
アメリカの大学に留学する際は特に注意が必要

IELTSとTOEFL®テストは両方とも、英語能力を証明するためのテストとして国際的に広く認められています。どちらも世界百数十か国で実施され、多くの教育機関で採用されています。
が、国によって状況に少し違いがあるので注意しておきましょう。
TOEFL®テストはアメリカ・カナダ・イギリス・オーストラリア・EUなど、留学先の筆頭に挙げられる主要な国々の大学へアプライする際のスコアテストとして認められています。なお、イギリスでは大学へアプライするためのスコアとしてTOEFL®テストを認めている大学は多いですが、留学ビザ申請においては、TOEFL®テストスコアを使用することが原則できなくなっているため、注意が必要です。
一方、IELTSはカナダ・イギリス・オーストラリア・ニュージーランド・アイルランドなどではほとんどの高等教育機関で認められていますが、アメリカでは一部の大学で認定されない場合があります。 ただ最近では浸透してきており、IELTSスコアを入学基準として認める教育機関は、アイビー・リーグを構成する8大学を含めて3,000以上にのぼっています(2015年現在)。
*アイビー・リーグ(The Ivy League)とは、アメリカを代表する名門大学のハーバード大学(Harvard University)、イェール大学(Yale University)、プリンストン大学(Princeton University)、ペンシルベニア大学(The University of Pennsylvania)、ダートマス大学(Dartmouth College)、ブラウン大学(Brown University)、コーネル大学(Cornell University)、コロンビア大学(Columbia University)8校の総称です。

IELTSとTOEFL®テストの特徴比較

同じ「英語能力の判定テスト」ではありますが、IELTSとTOEFL®テストではテストの形式や内容もかなり異なります。どちらを受験するか考える際には、知っておきたいところです。
まずは試験時間。IELTSの所要時間は全部で約2時間45分です。それに対しTOEFL®テストは約4時間~4時間30分とかなりの長時間になります。また、IELTSは基本的に筆記式のペーパーテストですが、TOEFL®テストは1人1台のコンピュータを使用して画面上で回答していくインターネットテストであることが大きな特徴です。
次に肝心のテスト内容。両方とも4つのセクション(リーディング[Reading]、リスニング[Listening]、スピーキング[Speaking]、ライティング[Writing])から成り立ち、英語の4技能が総合的に測られます。しかし各セクションの内容は大きく異なり、それぞれのテストに特徴があります。セクションごとに簡単に比較しながら見ていきましょう。

リーディング[Reading]

TOEFL®テストのリーディングは1パッセージ約600〜700語なのに対し、IELTSのリーディングは1パッセージが約900語となっています。IELTSの方が長文を読まなければいけないため、速読力と読解スキルが求められると言われています。なお、IELTSは3パッセージと問題数が決まっていますが、TOEFL®テストは3~5パッセージで、テストを受けるまでわかりません。

リスニング[Listening]

まず大きく違うのが、IELTSはイギリス英語を中心とした様々な国のアクセントが用いられ、TOEFL®テストはアメリカ英語が用いられているということでしょう。アメリカ英語の発音やアクセントに慣れていると、イギリス英語は聞き取りづらい部分もあります。
TOEFL®テストのリスニングは、個別にヘッドセットで会話や講義などの長い英文を聞いた後に、その内容についての問いに答える形式。回答は選択式です。
一方、IELTSは英文の放送を聞きながら図や文章の一部分を単語などで穴埋めするような形式が多く出題されます。問題が流れる前に次の設問を確認する時間、問題の合間に解答を確認する時間、また解答を書き込む時間が設けられているのも、大きな特徴と言えるでしょう。

スピーキング[Speaking]

最も大きな違いは、TOEFL®テストのスピーキングがコンピュータに向かって話し、それを録音する形式なのに対し、IELTSは面接官との1対1のインタビュー形式であることです。
TOEFL®テストはコンピュータに向かう独特の雰囲気の中で短い時間に自分の意見をまとめ、決められた秒数を守って英語でしゃべらなければいけないので、かなりの慣れが必要になります。また、TOEFL®テストの方にだけIntegrated Task(複合問題)があることも大きな特徴と言えます。この問題は、リーディングやリスニングをしたうえで、その内容に関してスピーキングで解答をする形式です。話す力だけでなく、読解力やリスニング能力などのスキルが総合的に問われるので、非常に難易度が高い問題と言われています。
IELTSは相手が人であるため、相槌を打ってくれたり、質問を聞き逃したら聞き返すことも可能です。

ライティング[Writing]

IELTSもTOEFL®テストも問題数は2問。IELTSは筆記式、TOEFL®テストはタイピングによって解答を入力する形式です。 両方とも2つのトピックについて書くことになりますが、それぞれに特徴的な問題があります。
IELTSは、図やグラフ、チャートといったものを客観的に説明するレポートを書く問題が出題されます。話し言葉や通常のレターを書くときには使用しないような、独特の表現を覚えておく必要があります。
一方、TOEFL®テストは、複数の作業を組み合わせて解答するIntegrated Task(複合問題)が特徴的です。単純に自分の考えをまとめて書けばよいわけではなく、文章を読み、その内容に関連したレクチャーを聞き、内容を整理して文章にまとめるという総合的な能力が試される問題です。実際の留学生活での学習(教科書を読み、授業を聞き、レポートを書く)とほぼ同じ作業が必要とされ、スピーキングセクションと同様に非常に難易度が高いと言われています。

希望する留学先、行きたい大学によって使えるスコアは異なる
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IELTSとTOEFL®テスト、2つのテストの大まかな違いがおわかりいただけたでしょうか?
両方とも世界的にメジャーであり、海外大学への進学を目指す場合に必要となる英語力を証明するテストですが、どちらのテストを受験しても良いかというと、そういうわけではありません。留学したい国、入学したい学校によって、IELTSまたはTOEFL®テストのどちらかしかスコアが認められない場合もあります。
まずは自分が海外で学びたいことをしっかり考え、留学先を具体的に検討しましょう。いくつか候補の学校が決まったら、入学基準を調べ、必要な英語のスコアを確認することが大切です。 希望する留学先でIELTS、TOEFL®テストのどちらも認められる場合は、2つのテストの特徴を比較して自分に向いている方を選んでも良いでしょう。IELTS、TOEFL®テストのどちらを選ぶにせよ、なるべく早くから対策を始めるのが留学成功への一番の近道です。

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※この記事でご紹介している内容は2015年9月14日現在の情報に基づいています。

※この記事は、旧GLCウェブサイトの「グローバル海外進学コラム」2015年9月14日に掲載されたものです。

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