海外大学進学情報

「英語で」学ぶ国際・グローバル系大学の2024年度入試制度③ 立命館アジア太平洋大学(APU)

来春からの自分の進路を本格的に考えていく時期。英語力を磨きたい、世界で活躍するために必要な分野をしっかり学びたい…そんな思いを抱いているのならば、海外留学だけでなく、国内のグローバル系大学も十分に選択肢の1つとなりえます。
近年、日本では大学教育改革を背景に、次々とグローバルな人材育成を目指す国際系の学部が新設され、志願者数も増加傾向にあります。国際系、グローバル系の大学・学部は、欧米の大学に近い国際的な環境や「英語で」学ぶ授業、リベラルアーツ教育の実践、留学制度の必修化など、大学によってそれぞれの個性を強く打ち出しているのが特徴です。

国内・海外問わずグローバル視点での大学選びの一助としていただくため、「英語で学べる」ことに実績・定評がある大学・学部の最新入試情報をシリーズでお届けしています。2023年(2024年度入試)の第3弾は、立命館アジア太平洋大学(APU)を取り上げます。

【参考ページ】立命館アジア太平洋大学

「英語で」学べる学部2022年度最新情報4_立命館アジア太平洋大学(APU)

(1) どんな学びができる?

APUとはどんな大学?

立命館アジア太平洋大学(APU)は、「自由・平和・ヒューマニティ」「国際相互理解」「アジア太平洋の未来創造」を基本理念として、2000年に大分県・別府市で設立された私立大学です。異なる文化と価値観の違いを認めて理解し合い、自由で平和な世界を築く「世界市民」を育成することを目的として、世界的にもユニークな多文化・多言語環境のマルチカルチュラルキャンパスを築いていることが大きな特徴です。開学以来、世界166ヵ国・地域(2023年5月1日時点)から国際学生(*1)を受け入れており、学生たちは国や文化、宗教、政治、価値観等の違いを乗り越えて共に暮らし、 世界が直面する複雑な課題の解決を目指して学んでいます。

2023年4月、日本で唯一とされるサステイナビリティ学と観光学が学べる新学部「サステイナビリティ観光学部」を開設。「アジア太平洋学部(APS)」「国際経営学部(APM)」とあわせて3学部の展開となっています。

また、APUでは2030年に目指す将来像を示すものとして、「APU2030ビジョン」を策定しています。APU2030ビジョン実現のため、2021年度から2030年度の10年間にわたり取り組む中長期計画が「チャレンジ・デザイン」で、3つの重点目標(多文化共生キャンパス、グローバル・ラーニング、地域連携)、6つのアクションプランを掲げ取り組んでいます。

*1) APUでは、日本国籍を保有していない学生、在留資格が「留学」である学生のことを「国際学生」といいます。

APUの主な特色(概要)

◇多文化共生キャンパス(マルチカルチュラルキャンパス)

APUでは、全学生に占める海外からの留学生(国際学生)の割合が約50%。キャンパス内の学生の約2人に1人が世界106ヵ国・地域(2023年5月1日時点)から約2,800人の国際学生が集い、教員も約2人に1人が外国籍です。約2,800人の国際学生とともに、24時間365日、常に世界を感じながら学べる環境の中で、民族・宗教・文化などの違いを受け入れ、乗り越え、協働し、より豊かな世界を創造するために必要な力を身につけていきます。

◇日英二言語教育

APUキャンパスの公用語は、日本語と英語。学部の講義の約9割が日本語と英語の二言語で開講され、日本の大学でありながら世界の学生がともに学ぶことが可能となっています。
英語で専門分野を学ぶために必要な英語力をすべての学生が身につけるため、徹底した言語教育プログラム、豊富な留学プログラムを展開。すべての言語科目は言語教育センター(CLE)が担当し、日常生活から専門分野の学びまで、様々な状況でのコミュニケーションに必要な言語運用力、他者との効果的な協働に必要な異文化間能力、そして自律学習能力を有する学習者を育成することを目指しています。

なお、英語・日本語だけでなく、アジア太平洋地域で使われている言語のうち6言語を入門レベルから中上級レベルまで学習でき、実践的な言語運用能力を身につけられるのもAPUの特徴です。

◇1回生は必ず受ける多文化協働ワークショップ(MCW)

学部に関係なく、学生は全員、初年次に「多文化協働ワークショップ」を受講します。APUで学習を進めていくために必要な基礎的な知識や手法を、講義およびワークショップを通じて身につけていく1回生演習科目として開講されており、①講義 約30分+②グループワーク 約60分で、講義で得た多文化協働の知識を、小クラスでの実践を通じて習得していく構成です。多国籍が混じり合う少人数グループで、半年間かけて共に課題に取り組むなかで、APUでの学生生活に必要な言語力、異文化理解力、コミュニケーション力を獲得していきます。

◇豊富な留学制度

APUではキャンパス内の多文化・多言語環境での学修を通して培われる経験にだけでなく、世界を舞台にした学びと実践の機会として多様な「Off-campus Study Programs」が提供されています。Off-campus Study Programでは学内での様々な学修に留まらず、「異文化間コミュニケーション」「言語修得」「専門分野学修」「キャリア観の形成」というキーワードを軸にプログラムを展開。APUには77カ国・地域486の協定校がありますが、うち182の大学・研究機関と交換留学プログラムが実施。それ以外にも、世界を舞台にした様々なプログラムが用意されているため、目的・エリア・期間を問わず世界で学ぶことが可能です。

◇多文化環境の学びが24時間続く国際学生寮「APハウス」

キャンパス内には、世界各国・地域から集まった学生約1,300人が共同生活を行う国際学生寮APハウスを併設。APUに入学する国際学生は、日本の生活習慣やルールを 学ぶため、入学1年目を学生寮で過ごすことになっており、国際学生と国内学生の比率は7:3。日常生活を通じて、世界の文化やお互いの言語の学びが24時間続く貴重な場となっています。
APハウスには学生の成長を支援するために教職員を配置しているほか、レジデント・アシスタント(RA)と呼ばれる学生が居住しており、寮生の生活サポートや交流促進の役割を担っています。

(2) 2024年度の入試情報

2024年度入試制度の特徴・内容

<入学基準言語について>

APU入学希望者は、入学試験への出願時に入学基準言語として「日本語基準」か「英語基準」のいずれかを選択する必要があります。

●日本語基準

日本国内の高校を卒業した学生の大多数は、日本語基準で受験し、入学しています。卒業をするためには英語で行われる教養科目もしくは専門教育科目を20単位以上修得する必要があります。

●英語基準

出願書類の記入から面接など全ての入試選考を英語で実施し、入学当初から英語で行われる教養科目や専門教育科目を履修します。(中学・高校に相当する過程において英語で教育を受け、英語での方が授業が履修しやすい学生が該当)

※必須言語科目は「日本語」ですが、日本語基準学生のような卒業要件はありません。

<入試の種類>

自らの「得意」を活かせるよう、多様な入試方式が用意されています。全ての入試方式においてインターネット出願が導入されています。
※各入試方式の詳細については、入学試験要項で必ず確認してください。

国内学生向けには、下記のような入試方式があります。

■4月入学■

◇総合型選抜 (日本語基準/英語基準)

入試方式 入試の趣旨 選考方法
総合評価方式・探究型
~ロジカル・フラワー・チャート型~
自分なりの「問い」を立て、自分なりの「方法」で、自分なりの「答え(最適解)」を見つける力(探究型の資質や能力)を評価する

■第1次選考
・出願書類による審査
・筆記試験/オンライン【試験時間120分】

■第2次(最終)選考
・個人面接/オンライン(20~30分)
(口頭試問を含む)

総合評価方式・論述型 志望学部への関心や入学後の学修等への意欲、自らの思考や意見を表現する力を問う選考を通じて、入学後の成長の可能性を総合的に評価する

■第1次選考
・出願書類による審査
・筆記試験/オンライン
(小論文)
【試験時間90分、記述量1,200字】

■第2次(最終)選考
・個人面接/オンライン
(20~30分)

活動アピール方式 中学卒業後から出願時までに修得した英語能力や海外留学等の国際経験をはじめ、学業、文化、芸術、スポーツ、ボランティアなど、さまざまな分野での活動実績・成果と、入学後の活動意欲や学修意欲を評価する

■第1次選考
・出願書類による審査
※英語基準で出願する場合は、「志望理由書」と「エッセイ」は英語で作成

■第2次(最終)選考
・個人面接/オンライン
(約20分)
※英語基準で出願する場合、面接は英語で実施

◇帰国生徒(海外就学経験者)選抜(日本語基準/英語基準)

入試方式 入試の趣旨 選考方法
帰国生徒(海外就学経験者)選抜 海外での学修・生活経験や、その後の日本での学修活動などを総合的に評価する

■第1次選考
・出願書類による審査
※英語基準で出願する場合は、「志望理由書」と「エッセイ」は英語で作成

■第2次(最終)選考
・個人面接/オンライン(約20分)
※英語基準で出願する場合、面接は英語で実施

国際バカロレア(IB)選抜 International Baccalaureate(IB)のディプロマの取得(または取得見込)者を対象とし、ディプロマ取得に至る学びを評価する

■第1次選考
・出願書類による審査
※英語基準で出願する場合は、「志望理由書」と「エッセイ」は英語で作成

■第2次(最終)選考
・個人面接/オンライン(約20分)
※英語基準で出願する場合、面接は英語で実施

◇一般選抜 (日本語基準)

入試方式 入試の概要
前期方式[スタンダード3教科型] 3教科の合計点で合否判定を行う方式。試験日が異なれば複数回の受験も可能。試験日・学部を問わず、出題形式・問題傾向は同じ
後期方式 2月実施の入試結果を確認した後でも出願できる英・国2教科で実施する方式。1回の受験で複数学部の併願が可能
英語重視方式 英語・国語・選択科目の3教科を受験し、「英語の得点」+「国語または選択科目の高得点」の2教科で判定

◆英語重視方式における英語学部検定試験のスコア活用◆

英語重視方式で、英語外部資格試験の得点を活用することができるようになりました。英語外部資格試験の得点は、次の通り英語の得点に換算し、独自試験の点数といずれか高得点を採用し、合否判定に用いられます。

    •  

      150

      135

      120

      105

      TOEFL iBT®

      83

      72

      50

      42

      TOEIC®(L&R/S&W)

      1700

      1560

      1285

      1150

      IELTS(Academic Module)

      6.0

      5.5

      4.5

      4.0

      実用英語技能検定

      2450

      2304

      2142

      1980

      TEAP

      342

      309

      267

      225

      TEAP CBT

      698

      600

      508

      420

      GTEC

      1280

      1190

      1080

      960

      ケンブリッジ英検

      170

      160

      150

      140

      PTE Academic

      45

      40

      38

※英語外部資格試験のスコア等は、証明書に記載された受験日が、2021年10月1日以降のものを有効とする

 

※TOEFL iBT® Test は、TOEFL iBT® Home Editionも対象とする。Test Data Scores に加え、MyBest™ Scores での出願も可能

※TOEIC®(L&R/S&W)については、TOEIC® S&Wのスコアを2.5倍にして合算したスコアを示す

※実用英語技能検定は、英検CBT、英検S-CBT、英検S-Interviewも含む。また、受験の合否によらず、英検CSE2.0スコアに基づき換算する

※GTECは、オフィシャルスコアに限る

※ケンブリッジ英検はリンガスキルも含む

※一般選抜【英語特例】が対象となる方式

入試方式 入試の概要
大学入学共通テスト併用方式 「英語と国語(現代文)の本学独自試験に、大学入学共通テストの高得点を加えた合計点」で判定。大学入学共通テスト後に出願できるため高得点科目が活かせる
・7科目型
・5科目型
・3教科型
の3種類がある
大学入学共通テスト方式 大学入学共通テストの得点のみで合否を判定するため、高得点の教科・科目が活かせる方式(選択科目は高得点科目を自動的に採用)
大学入学共通テスト+面接方式 大学入学共通テストの得点(300点)と面接の得点(100点)により、基礎的な学力に加えて志望学部への興味・関心や入学後の学修意欲等を総合的に評価する方式
※大学入学共通テストの得点率が60%(合計得点180点)以上であることが合格の必要条件となる
大学入学共通テスト方式(後期型) 大学入学共通テストの得点のみで合否判定する方式。高得点の教科・科目が活かせる(選択科目は高得点科目を自動的に採用)
・5科目型
・4科目型
・3教科型
の3種類がある

◆【英語特例措置】とは◆

英語外部資格試験スコア等保持者への「外国語」の特例措置です。TOEFL®Test、TOEIC® TEST等のスコアが基準以上であれば大学入学共通テストの「外国語」を満点とされます。
下記①~⑥の入試方式で受験する者のうち、指定された英語外部資格試験において下記の基準以上のスコア・等級を持つ場合、それらを証明する書類(コピー)を出願時に提出することで大学入学共通テスト「外国語」の得点が満点と換算され、合否判定に用いられます。

<対象の入試方式>
①共通テスト方式 7科目型
②共通テスト方式 5科目型
③共通テスト方式 3教科型
④共通テスト併用方式
⑤共通テスト + 面接方式
⑥共通テスト方式 後期型 4科目型・5科目型・3教科型

TOEFL iBT® 72
TOEIC®(L&R/S&W) 1560
IELTS(Academic Module) 5.5
実用英語技能検定 2304
TEAP 309
TEAP CBT 600
GTEC 1190
ケンブリッジ英検 160
PTE Academic 48
    •  
    • ※英語外部試験のスコア等は、証明書に記載された受験日が、2021年10月1日以降のものが有効
    •  
    • ※TOEFL iBT® Test は、TOEFL iBT® Home Editionも対象。Test Data Scores に加え、MyBest™ Scores での出願も可能

※TOEIC®(L&R/S&W)については、TOEIC® S&Wのスコアを2.5倍にして合算したスコアを示す

※実用英語技能検定は、英検CBT、英検S-CBT、英検S-Interviewも含みます。また、受験の合否によらず、英検CSE2.0スコアに基づき換算する

※GTECは、オフィシャルスコアに限る

※ケンブリッジ英検はリンガスキルも含む

 

*詳細については、必ず最新の入学試験要項で確認してください。

■9月入学■

◇秋期入試 (日本語基準/英語基準)

入試方式 入試の趣旨 選考方法
秋期・総合評価方式・論述型 志望学部への関心や入学後の学修等への意欲、自らの思考や意見を表現する力を問う選考を通じて、入学後の成長の可能性を総合的に評価する

■第1次選考
・出願書類による審査
・筆記試験/オンライン
(小論文)
【試験時間90分、記述量1,200字】

■第2次(最終)選考
・個人面接/オンライン
(20~30分)

秋期・活動アピール方式 中学卒業後から出願時までに修得した英語能力や海外留学等の国際経験をはじめ、学業、文化、芸術、スポーツ、ボランティアなど、さまざまな分野での活動実績・成果と、入学後の活動意欲や学修意欲を評価する

■第1次選考
・出願書類による審査
※英語基準で出願する場合は、「志望理由書」と「エッセイ」は英語で作成

■第2次(最終)選考
・個人面接/オンライン
(約20分)
※英語基準で出願する場合、面接は英語で実施

秋期・帰国生徒(海外就学経験者)選抜 海外での学修・生活経験や、その後の日本での学修活動などを総合的に評価する

■第1次選考
・出願書類による審査
※英語基準で出願する場合は、「志望理由書」と「エッセイ」は英語で作成

■第2次(最終)選考
・個人面接/オンライン(約20分)
※英語基準で出願する場合、面接は英語で実施

秋期・国際バカロレア(IB)選抜 International Baccalaureate(IB)のディプロマの取得(または取得見込)者を対象とし、ディプロマ取得に至る学びを評価する

■第1次選考
・出願書類による審査
※英語基準で出願する場合は、「志望理由書」と「エッセイ」は英語で作成

■第2次(最終)選考
・個人面接/オンライン(約20分)
※英語基準で出願する場合、面接は英語で実施

※その他に「編入学・転入学(日本語基準/英語基準)」「学校推薦型選抜(日本語基準/英語基準)」があります。


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※この記事でご紹介している内容は2023年9月20日現在の情報に基づいています。

※内容には変更等の可能性もありますので、必ず大学発表の「入学者選抜要項」「学生募集要項」等をホームページなどで確認してください。

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