イギリス・オーストラリア+ニュージーランドの大学入学を橋渡しする「ファウンデーション(大学準備コース )」「IYO」の最新情報
日本からの留学先として人気があるイギリスやオーストラリア、ニュージーランド。ただし、これらの国の大学には、日本の高校卒業資格だけでは基本的に出願できません。そこで日本人留学生と大学をつないでくれるのが「ファウンデーション(大学準備コース)」や「IYO(インターナショナル・イヤー・ワン)」です。
今回はイギリス・オーストラリア+ニュージーランドの「ファウンデーション」「IYO」について、各国の仕組みや違い、選び方などをわかりやすくご紹介します。

ファウンデーション/IYOとは何か
イギリスやオーストラリア・ニュージーランドの大学の学部課程は通常、3年制。基本的に、日本の大学の一般教養課程に似た「大学で学ぶための基礎的なスキルなどを学ぶカリキュラム」を修了した学生だけが入学資格を持っており、入学後すぐに専門的な科目の履修が始まります。日本とは教育制度が異なるため、日本の高校卒業資格ではこれらの国の大学の入学資格を満たさないケースがほとんどです。
そこで、日本のような制度の異なる国からの留学生の大学進学を可能にするための“橋渡し”の役目を担っているのが、ファウンデーションやIYOです。日本の高校卒業資格を現地の大学進学要件に変換する役割を持つ教育機関で、おおよそ1年間の学習で英語力・学習スキル・基礎的な専門知識を補うことが可能です。いずれも日本の大学でいう「一般教養」の課程の内容とはかなり異なり、海外大の授業対応力や、将来の専攻分野に関連する内容を早期から学べるところが特徴です。
ファウンデーション
大学の学部課程への入学に向けて、英語力や学習スキルの面でさらなる準備が必要な留学生のための1年間の準備コースです。大学の専門的な授業レベルについていくための英語力、アカデミックスキル、専攻分野の基礎知識などを身につけることを目的として開講されています。
IYO
International Year Oneの略。大学1 年次の課程に相当する1年間のプログラムで、基礎科目を履修することでアカデミック英語や学習スキルを身につけます。修了すると大学の学士課程の2年次に進むことができます。一般的に、ファウンデーションより難易度が高く設定されています。
※IB(国際バカロレア)やAP(Advanced Placement)、または優秀な高校成績やSATスコアを保持しているなど定められた入学要件を満たしていれば、直接出願が可能とされる場合もあります。
英語圏3カ国(UK・AUS・NZ)の共通点・相違点
イギリス、オーストラリア、ニュージーランドの3か国は、いずれも大学の学部課程が3年制で、基本的に学部や専攻を選んで入学し、1年次から専門的な授業がはじまります。入試の合否は書類審査のみでの判断となります。
3か国の教育制度の骨格は非常に似ていますが、ファンデーションやIYOについては少し異なる部分があります。
イギリスの場合、ファウンデーションやIYOは大学に設置されていることが多く、進学したい大学に直接申請するのが一般的です。(一部のトップ大学では、こうした準備コースが設置されていないこともあります)
オーストラリアやニュージーランドの場合、大学に設置されているもののほかにも、複数の大学と提携してファウンデーションなどを提供している認定教育機関が数多くあります。カリキュラム受講後に進学先の大学を選べる仕組みになっていることも多く、柔軟性に富んだ制度が用意されています。(ただし、大学によって入学条件が異なるため注意が必要)
ファウンデーションの提供形態
大きくは以下の2つに分かれます。
① 大学直結型(併設型)
大学が自ら運営している、もしくはキャンパス内で提供されているファウンデーション。授業やサポートは大学の施設を使用して行われ、学部生とほぼ同じ環境で学ぶことができます。成績などの要件を満たせば、その大学の学部に進学することができます。
② 提携教育機関型(複数の大学と提携する民間・公的機関型)
大学とは別の教育機関が運営するファウンデーションで、特定の大学と提携してプログラムを提供しています。公的機関によって運営されているものと民間企業が提供しているものがあります。成績次第で、複数の提携大学から進学先を選べるシステムをとっているところもあります。
目的別・タイプ別 選び方ガイド
■ 行きたい大学が決まっている人(大学環境も体験したい人)
>>大学直結型がおすすめ
- ●大学の施設・設備が使え、学部生と同じ授業・サポートを受けられることも
- ●高い進学保証率:成績や出席要件を満たせば、その大学の希望学部に進学可能(条件付きオファーと呼ばれます)
なにより、進学先がほぼ確定しているという安心感があるため、落ち着いて学ぶことができるでしょう。
■ 進学先を広く持っておきたい人
>>提携教育機関型(民間・公的)がおすすめ
- ●複数の提携大学に条件付きで進学可能
- ●柔軟な学習形態が可能なことも
提携教育機関型の場合、留学生向けのサポートが手厚く、英語学習や生活指導も充実していることが多いようです。学びながら複数の選択肢から進学先を決定できることもあり、まだ志望校を迷っている人向きと言えるでしょう。
■ できるだけ早く卒業したい人
>>IYOがおすすめ
- ●ファウンデーション+学部1年次に相当するプログラムを1年で修了
- ●大学は2年次からスタートできるので最短3年で卒業可能
ファウンデーションを経て学部に入学する場合は、卒業まで通常4年かかりますが、IYOだと3年で大学卒業・学士号取得ができるので、時間も費用も節約することが可能と言えるでしょう。ただし、IYOはかなり高めの英語力や学力が求められます。
■ 日本でスタートしたい人
>>日本国内に拠点あり or オンライン型のファウンデーション・IYOがおすすめ
- ●日本語サポートがあることも
- ●高校生活と並行して準備できる柔軟な設計もあり
渡航前に慣れた環境で学べるため、英語や・学習スタイルの準備がしやすいでしょう。また、コストも抑えられるのは大きなメリットです。ただし、提携大学が限定的であったり進学の条件が厳しいなどのケースもあるため、事前によく確認しましょう。
日本の高校から直接、大学に出願できない場合も、英語圏では多様な進学ルートが整っており、様々な選択肢の中から自分に合ったものを選んでいくことができます。
次回は日本から受講できるオンライン型ファウンデーションのメリットをご紹介します。
【参考記事】:海外大の「ファウンデーションコース」の入学要件は?
ベネッセのオンライン大学準備コースは
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※この記事でご紹介している内容は2025年6月16日現在の情報に基づいています。
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