海外大生体験談

海外の志望大に合格!自分の個性ややりたいことが存分に伝わるエッセイ完成までの道 ブラウン大学Y.M.先輩

海外大を目指す多くの中高生を悩ませる「英語エッセイ」について、米国トップ大学の合格を勝ち取った先輩の体験談をお届けするシリーズ。今回は「自己分析とエッセイ執筆は最も苦労した」と明言するY.M.先輩が、実際に辿ってきたプロセス、その中でつかみ取ってきたコツをシェアしてくれました。

 

自己分析を深めて執筆スタート。自分がOKを出せるまで徹底的にブラッシュアップ!

今回の「ラボ協力隊」


Y.M.先輩

アメリカ・ブラウン大学 2年生(2023年9月〜)健康・人間生物学専攻(Health and Human Biology)。文理を超えて幅広く、様々な背景を持つ学生や教授と学びたかったことから米国大進学を決意。

 


 

Q. どんなテーマ・形式のエッセイが、何校ぶん必要だった?

 

早期単願のため出願先は1校のみ。共通願書用も含めて4本提出しました!

 

● エッセイを提出した学校数:1校
● 書いたエッセイ:4本
内訳:コモンアプリケーションエッセイ 1本、大学の独自エッセイ3本

早期単願(Early Decision=合格の場合、必ずその大学に入学することを約束したうえで通常よりも早期に出願・審査がなされるシステム)で出したため、実際はブラウン大学一校のみに提出しましたが、元々は出願先として23校ほどを予定していました。

 

そのため、実際に提出したのは、コモンアプリケーション(Common Application=アメリカの各大学の出願において共通願書として使用できるオンラインシステム)エッセイ と3つのサプリメンタルエッセイ(Supplemental Essay=大学から独自に課されるエッセイ)です。

 

サプリメンタルエッセイは、ブラウン大学独特のオープンカリキュラム※をどのように活用するかというエッセイ(いわゆる“Why Brown?”のような、その大学で自身が学ぶべき必然性などを述べるもの)と、自分と意見が合わない人と会話したときの経験・対応方法・学んだことを書くエッセイ、自分に喜びをもたらすものについて書くエッセイがありました。

 

※オープンカリキュラム(Open Curriculum)とは、卒業のための必須授業をほとんど設けず、学生自身が「自分の教育の建築家」として、様々な学部の授業を自由に選択することができるカリキュラムのこと。

 

 

Q. エッセイの準備と、書き上げるまでのスケジュールは?

 

「自分とは誰か」に向き合う過程。じっくりと自己理解を深めてから執筆へ。

 

志望大決定 高校2年の1月頃
自己分析・情報リサーチなど 高校3年の5月頃〜8,9月頃
エッセイを書き始めた コモンアプリケーションエッセイは高校3年の8月末頃、
サプリメンタルエッセイは9月中旬頃
仕上げ 早期単願のためのエッセイは高校3年10月頃、
他大学分は12月頃(提出せず)
提出! 高校3年11月

 

エッセイに必要な自己分析

海外大受験の中で、自己分析・エッセイ執筆で最も苦労しました。「自分とは誰か?」という答えのない問いに向き合わないといけなかったからです。

 

私は、「自己分析ノート」を作っていました。使っていて気分の上がる、無地のノートを1冊用意し、日々感じること・気づきなどを書き込めるようにし、自己分析のプロセスをすべて記録に残します。ノートに自己分析の過程を書くことで、自分の気持ちの言語化ができたり、客観的に自分を見つめることができたり、あとで見返して成長が見られたりとメリットがたくさんあります。

 

そして、書き上げたものを読み返しているうちに、思考のパターンや共通点が見えてきて、「自分ってこういう価値観を大切にしている人なんだ!」という発見に至ります。

 

自己分析ノートを作る時に、私が決めたルールは以下の4つです。

    • ・いつも持ち歩き、考えたことを書き込めるようにすること
    • ・自分以外誰にも見せず、自分に正直になること
    • ・「なぜ?」と自分に問い続けること
    • ・言葉に詰まったら、絵で表現をすること

 

これらのルールをもとに、以下のような自己分析をしていきます。

 

①人生年表作成

ノート見開き1ページに長い横線を書き、生まれてから今までの人生で印象に残っていることを書き出します。例えば、小学校の運動会の短距離走で1位を取ったことや高校のスピーチ大会で優勝したという成功体験でもいいですし、母といちご狩りに行ったことや友人とかき氷を食べに行ったことなど楽しかったエピソードでもよいです。思いつくだけ書いてみます。

 

その後、「なぜ」その記憶が残っているのかを横に書いていきます。例えば、1位が取れて嬉しかったから、大会に向けて努力したから、楽しかったから、などです。その後、さらに「なぜ」を問いて深掘りします。なぜあんなに努力をしたのか、なぜ楽しかったのか。このように、幾度も「なぜ」を繰り返し、答えを書き込みます。

 

この作業のゴールはなく、思考の過程が大事なので、全て記録に残しておきます。何度も「なぜ」を繰り返し、もう書くことがなくなると作業を終了します。

 

この人生年表は、現在の自分の人格形成に最も影響を与えたエピソードがたくさん詰まっていて、さらになぜ大切だったのかという深掘りまでしてある状態なので、エッセイのトピックを決める時に大いに役立ちました。

 

②テーマ別マインドマップ作り

趣味、好きな教科、憧れの人、将来の夢などのテーマを決めてマインドマップを作ります。まず、ページの真ん中に具体的な趣味やあこがれの人の名前を書き、そのトピックを丸で囲います。例えば、私の場合は「フランス語」や「手芸」などを書きました。

 

その後、また自問自答の作業に入ります。なぜそれが好きなのか、いつから好きなのかなどを問いて、その答えを周りに書いてまるで囲い、線で真ん中のトピックと線でつなぎます。ノートのページがいっぱいになるまでどんどん思考を丸と線で繋げていきましょう。

 

この作業をいくつかのテーマで行うことによって共通点が次第に見えてきて、自分の情熱を探ることができたり、そこから派生する自分の価値観・性格がわかってきたりしました。

 

自己分析のために書いたマインドマップ

ノートいっぱいに書いたマインドマップ。特に大事な発見などは色ペンで囲っていました。

 

③家族や友人にインタビュー

自己分析は自分との会話ばかりで時には疲れてしまいます。そんなとき、私は自分のことをよく知っている家族や友人にインタビューをして助けてもらっていました。周りの人に、「私ってどんな人?」「どう性格が“私らしさ”を作っていると思う?」「それが表れていた具体的な例は?」などを聞き回り、ノートに記録します。

 

この作業によって、私自身が考える「自分」と他人が考える「自分」の共通点がわかると同時に、自分では思ってもいなかった他人から見る「自分の姿」も見えてきたり、今まで自分にとっては当たり前だと思っていたことが実はユニークな価値観・性格であったことがわかったりしました。

 

自分とは誰なのか、ということを考える上で家族や友人の意見は大いに役立ちとてもありがたかったです。

 

このノートに加えて自己分析に役立ったのは、日記です。私は小さい頃から日記を書いていたので、その時の心情などをじっくり読み返して、成長した出来事を探りました。

 

自己分析が一通りできて、自分を自分らしくする一番の性格ユニークな経験をよりよく理解できた後は、それをエッセイに落とし込む作業に入ります。

 

大学のカラーに合わせたエッセイにするための、情報集め

ブラウン大学のオープンカリキュラムをどう利用するかというエッセイは、大学のホームページ授業検索サイトを利用して、ともかく詳しく「ブラウンならでは」の情報を集めました。例えば、興味ある授業名や教授名だけでなく、参加したいクラブなども具体的に書きました。

 

その他2つのエッセイは、大学に合わせるというよりかは自分らしさを大切にするようにしたので、情報収集よりも自己分析に時間をかけました。

 

書き直しプロセス

30回以上は書き直したと思います。エッセイを書くときのポイントは最初から完璧を求めず、とりあえず書いてみて、書き直すことでより良いものに仕上げていくことです。

 

私は英語でエッセイを書くという経験をほとんどしたことがありませんでした。いざ始めようと思ってもなかなか難しかったですが、エッセイを書く時にパソコン上の白紙を眺めるほどつらいことはないので、きれいな言葉遣いや表現を気にせずに書きたい内容をとりあえず書いてみることを心がけていました。

 

例えば、15分タイマーをかけて、この時間は手を止めずに書き続けるというルールで強制的に書くこともしていました。内容を書けたところで、読み直して、順番を変えたり、表現を変えたりしました。

 

 

Q. 複数の大学のエッセイを同時に書き上げるための「コツ」とは?

 

大学によってテーマが重複することも。一覧化・色分けして効率よく!

 

最終的に出願したのはブラウン大学のみでしたが、23校ほど出願予定があったため準備だけは進めていました。その際、各大学のエッセイトピックをエクセルにまとめ、テーマ別に色分けすることが役立ちました。

 

どの大学にどんなテーマのエッセイが必要なのか、どの大学のテーマが被っているかなどを把握してから、使い回しができそうなトピックを書くことができました。

 

 

Q. 未知のエッセイにドキドキしている中・高生に、ぜひアドバイスを!

 

とにかく書き始める。そして、納得いくまでとことん書き直すのが大切!

 

まずは、とりあえず書いてみるという精神を大事にすることです。エッセイに全く自信のなかった私でも、書き始めると、書きたいことがはっきりしてきて、たくさんの表現を試して自分の気持ちに合ったものを見つける作業もとても楽しくなりました。

 

そして、他人のエッセイに惑わされないことです。私は、エッセイを書く際、ネットに載っている過去の人のエッセイを何本も読んで参考にしようとしていました。しかし、その内容は課外活動の成功体験から日々の散歩を書いたもの、さらには詩やレシピを書いたものなど、本当に様々なもので、読みすぎると自分は何を書きたいのかがわからなくなってしまいそうでした。

 

もちろん、書き始める際に何種類かのエッセイを読むことも参考にはなりますが、他の人が合格したエッセイを自分が書いても合格するとは限りません。最終的には自分ならではのエッセイを書くことが大切なので、他人に惑わされず自分に自信を持つことが大切だと感じました。

 

さらに、自分の納得のいくところまでとことん書き直すことも大切です。私はEarly Decisionの2週間ほど前に書き上げたエッセイを英語の先生に提出し、「とても良いエッセイじゃん!」とOKをいただいていました。しかし、自分で読み返すとなぜか違和感があり、しっくり来ませんでした。

 

英語の先生にどうしたらより良くなるかを相談したところ、「私はこのままでもとっても良いと思う」と言われてしまい、違和感の原因がわかりませんでした。そこで、もう一度一行一行読み返し、その時の気持ちをしっかり表現できているか、とじっくり振り返り、同じ内容でも表現を変えて書き直しました。一行を書き直すのに2時間かけたりもしました。

 

あれこれ考えて一行一行大切に書いたことで、描写が鮮明になり、自分の気持ちを深く反映させた文章に変わりました。もう一度英語の先生に見せたところ、「気持ちの表現が強烈になり、悲しみも成長も読んでいて強く伝わってきて感動したわ!」と驚かれ、自分で読み直しても、「これでよし!」と納得できるものに仕上がりました。

 

エッセイは正解がなく、自分では合格するかしないかはわかりません。大切なことは、「このエッセイを受け入れてくれたところが、私に本当に合った大学なんだ」と思えるくらい、自分が納得のいくエッセイを書き続けることです。一言一言、大切にして書き上げてほしいです。

 

いかがでしたか? 

自己分析・エッセイ執筆を通して、Y.M.先輩が「自分は誰か」という答えの無い問いにとことん向き合った過程が詳しくうかがえました。「なぜ」を繰り返し、深掘りして自分なりの答えを表現するのは大学の学びでも求められること。海外大受験のエッセイは、自分という最も身近な題材で予行演習する大切な機会ともいえそうです。

 

【海外の志望大に合格!自分の個性ややりたいことが存分に伝わるエッセイ完成までの道:シリーズ記事をチェック!】

Vol.1 ニューヨーク大学 Mei T.先輩
Vol.2 ブラウン大学 Y.M.先輩(この記事)

Vol.3 バックネル大学 Yuki Y.先輩

Vol.4 ウェルズリーカレッジ Michiru I.先輩

 

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※この記事でご紹介している内容は2023年8月29日現在の情報に基づいています。
 

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