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留学生が直面する3つの課題と克服する方法

コロナ禍であっても、海外大に魅力を感じる方が日本でも増加しつつあります。国内の大学とは違う学び方や、活気あふれるグローバルで多様なキャンパスに憧れ、海外大を進路の選択肢の1つとして考える土壌が、日本にも徐々に育まれつつあるのは間違いありません。
ただ、留学生活はキラキラした部分だけではなく、様々な困難や課題も待っていることもまた事実。コロナ禍特有の状況により、留学生が陥ってしまいがちなピンチもあります。今回は、日本人だけでなく世界中の留学生が共通して直面することが多い課題を3つご紹介します。

いずれ海外留学をしたい、と思っている方は、あらかじめ留学でぶち当たりそうな課題を認識し、克服するヒントを知り、どう対応するかをイメージしておくことをおすすめします。そうしておくことで、いざその困難に直面した時、前向きに乗り越えることができるのではないでしょうか。

留学生が直面する3つの課題と克服する方法

1.言葉の壁

多くの留学生にとって、いちばん悩まされるのはやはり「言葉」です。TOEFLでハイスコアを獲得できるようになり、英会話も磨いて、留学準備をしっかりしたと思っていても、いざ留学先での授業が始まると、内容が半分も理解できないというのは留学生にとってよくある話です。

専門用語など聞いたこともないような単語や表現が次々と出てくる教授の講義や、授業で行われるディスカッションでの学生同士の高速のやりとり。課題として大量に出されるエッセイやレポートをこなすため、膨大な英語資料を読んで簡潔に意見をまとめていくアカデミックライティングのスキル。英語が得意だと思っていた人でも、初めのうちはなかなか太刀打ちできないレベルで学習が展開していきます。しかもそれが、コロナ禍の影響によりオンラインで行われているとなると、ただ黙って聞いているしかない、などという状況に陥ります。

そもそも留学生は、現地の人々や学生たちの日常会話ですら、そのスピードに面食らうこともしばしば。参考書や単語集などにはなかなか出てこないスラングもたくさんあり、まったく会話についていけないと焦りを感じることもよくあるケースです。

<乗り越え方>

日常的な会話については、とにかくまず、恥ずかしがらずに現地の人と喋ってみることが一番。海外の多くの国では、コロナ禍といえどもすでにキャンパス生活は元通りに近くなっていることがほとんどです。よくわからなくても会話に参加し、周りの人が良く使っている表現の意味がわかったら、真似して使ってみるとよいでしょう。毎日少しずつでも、自分から積極的に英語を話していくことが何よりも大切です。

授業で直面する課題については、学校が提供しているサポート制度をうまく利用するとよいでしょう。多くの大学には、学生のアカデミックスキルをサポートするためにリーディング・ライティングセンターやラーニングセンターなどが設置されています。アカデミックアドバイザーが常駐しているケースもありますし、上級生が相談にのってくれるようなシステムを持っている学校もあります。場合によっては。留学生のためのサポートセンターを用意してくれていることも。コロナ禍でも、こうしたサービスはリモートで稼働し続けた大学が多くありました。使えるリソースは遠慮せずにしっかりと使いつつ、自分にあったやり方を試行錯誤しながら見つけていくうちに、自然と力がついていくはずです。

ポイントとしては、いずれの場合も「わからないことは、ハッキリと聞く」ということ。相談する時は「何に困っているか」「どんな助けが欲しいか」を、率直に伝えましょう。曖昧な表現をしてしまうと、相手も何をしていいかわかりません。可能であれば相手の目を見て、自分の意思を明確に伝えることを意識するとよいでしょう。

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2.カルチャーショック、ホームシック、孤独感

海外留学の多くは、日本から飛行機で何時間もかかる遠く離れた知らない土地で、一人で生活を始めることになります。食べ物、ライフスタイルや慣習、宗教、社会的環境、さらにはそれぞれの大学独自の文化など、それまでの日本での暮らしとは大きく異なることがほとんどです。人によって感じ方に違いはあるものの、大なり小なり、ある程度のカルチャーショックがあることは避けられません。それを楽しめる人ならよいのですが、ストレスに感じる人はつらい思いをすることもあるでしょう。

留学先のキャンパスや街に馴染めないうちは、少しの出来事でも疎外感を感じることもあります。周りのみんなは話しながら笑っているのに、その国の「お約束」がわからず自分だけ同じタイミングで笑えない、などという経験をする留学生もたくさんいます。会話が早すぎて聞き返すチャンスもなく、自分の英語が通じるかわからない不安から自分から話すこともできない。そうした状況に何度か遭遇すると、自分一人が置いて行かれたような気持ちになって、気分が落ち込んでいってしまうこともあります。

渡航してすぐは緊張感の中で生活していることもあって、あまり気にならない場合もありますが、数週間~数か月経ってから、学習面でのプレッシャーや文化の違い、疎外感などの心理的ストレスが重なり、強烈なホームシックに襲われることも少なくありません。

このように、そもそも留学生は新しい環境に適応するのに苦労することが多いのに加え、昨今はコロナ禍による新たな課題も。リモートによる授業やオンラインでの活動が増え、人と人との直接的な関わりが減ったことで、もともと知り合いがいない留学生にとっては友達や話し相手を作ることすら困難な状況に陥るケースもあり、メンタル面でのセルフケアの必要性が高まっていると指摘されています。

<乗り越え方>

まずは、カルチャーショックを受けたり、疎外感を感じたり、日本に帰りたいとホームシックになる自分を否定しないこと。まったく知らない場所で、思い通りにいかないことが多いのは当たり前だと思うぐらいで大丈夫です。どうしても前向きな気持ちになれないときには、無理に寂しい気持ちを抑えたり、意地を張って自分ひとりで頑張ろうとしないようにしましょう。

助けを求める知り合いが近くに誰もいないのであれば、ほとんどの大学に必ずあるメンタルヘルスサービスを活用してください。海外ではメンタルヘルスケアを受けるのは非常に一般的で、恥ずかしいことではありません。自分からサポートを求めることができるのも、海外で生きていくために必要な力です。

また、渡航後しばらくは日本にいる家族や友達とビデオ通話などで定期的に連絡を取ることをおすすめします。物理的な距離があるので、具体的なサポートはしてもらえなくても、日々の些細な出来事や、苦労していることなど、心境を素直に吐露するだけでも気持ちが軽くなり、精神的な安定に繋がることがあります。

友達作りで悩む人も大勢いますが、無理に現地の学生と友達になろうとせず、他国からの留学生同士でコミュニケーションをとってみてください。案外、留学生はみんな同じことで悩んでいるので、共感を得られやすく、意気投合することも。それぞれの経験を共有することで、お互いに解決策を見出せる可能性もあります。

もちろん、もっと積極的に克服していこうとする気力がわいてきたら、キャンパス内外のクラブやコミュニティなどに参加して、多くの人と交流していくと良いでしょう。留学生の団体などがある場合は、活動内容を見て、気に入ったら所属してみてもいいかもしれません。

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3.自由になるお金が少ない

日本だけでなく、世界中の多くの留学生が共通して直面する課題の1つが「留学資金のこと」。国や地域によって金額は異なりますが、授業料、部屋代、食費などを含めた留学費用は高額になりがちです。アメリカの私立大学などは、年々、授業料が高騰している傾向があります。

海外大には多様な奨学金や財政援助の制度が用意されており、多くの留学生が奨学金を獲得することで就学を目指します。日本国内にも海外に留学生を派遣するための奨学金制度が数多くありますが、留学費用の全額を賄える奨学金は狭き門で、奨学金だけでは学費以外の生活費まではカバーしきれないケースもあります。

学生寮で食事もついている場合はある程度安心ですが、アパートなどを借りて生活している場合、とくに物価が高い国や街だと生活費をやりくりするのはかなり大変。予期せぬ為替の変動の可能性もあり、留学を計画していた時点での見積りと実際にかかる費用が異なってくることも。生活費に窮して、アルバイトをしたいと思っても、アメリカなど学生ビザでは働けない国もあるので注意が必要です。

<乗り越え方>

最も確実なのは、事前に十分な金額の奨学金を探し、審査に合格することです。ただし、そうした奨学金は当然、競争率も高いので、獲得するのはかなりハードルが高いことも理解しておきましょう。それぞれの奨学金には高校時代の成績やエッセイなど選考基準が細かく決まっていますので、なるべく早い時期から何が必要かをよく調べ、入念に対策をすることが大切になります。

奨学金だけでは留学費用が十分に賄えない心配があり、保護者からの援助にも限りがある場合は、それを念頭において留学先を検討する必要があります。学費以外でいちばんお金がかかるのが住居費ですので、まずは安価で住み心地の良い学生寮が完備されていることを留学先選びの条件に加えるとよいでしょう。
また、留学生でもアルバイトが許可されている国や、生活費が安価だと言われる地域を選ぶやり方もあります。

ただ、そうした条件だけに縛られて、自分がやりたいこと・学びたいことができない大学を選んでは元も子もありませんので、そのあたりはバランスをよく考えて、どうしても譲れない部分をしっかり決めておきましょう。

もし、在学中に事情があって財政的に苦しくなってしまった場合は、大学側が特別なローンなど救済措置を用意してくれていることもあります。一人で悩まずに、キャンパスのカウンセラーに相談するなどして、臨機応変に解決方法を見つけていくとよいでしょう。

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一人で海外に行き、国籍も文化も言語も違う学生たちと一緒に学んだり生活したりするのは、楽しみなこともたくさんある反面、不安も多いのが当然。程度の差こそあれ、初めは誰もが様々な困難や試練に直面するものです。
でも、それこそが海外大で学ぶことの醍醐味の一つでもあります。困難や試練としっかりと向きあい、それらを乗り越えた先に、成長して、自信にあふれた自分が待っています。

海外留学に「課題」は付き物。むやみに怖がるのではなく、自分ならどう克服するかをイメージしながら、海外大が自分の進路として魅力的かどうかをぜひ考えていってください。

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※この記事でご紹介している内容は2022年4月15日現在の情報に基づいています。

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